真剣で私に恋しなさい! ~果て無き夢を追いかけて~   作:ソモ産

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第六話 信念と本心

SIDE 拓巳

 

「さて!釣りするかな。」

 

そう言って俺、クリス、まゆっちの三人が並んで川に釣り糸を垂らす。

ようやく釣りを始めたところに、突然大きな気がぶつかり合うのを感じた。

 

「な、なんだ?今のは!?」

『おいおい、まゆっちにタク先輩。この気もしかして』

「はい、松風。おそらく一つはモモ先輩です。」

「んでもう一つは燕だな!おいおい、穏やかじゃねーな」

 

ったく、あいつら何してんだよ…。せっかくの旅行なんだから喧嘩なんかすんなよ。

あぁ、手間がかかるな!

俺が二人を止めるために立ち上がるとまゆっちも立ち上がる。

 

「私もお手伝いします。」

『いくら拓先輩だってさすがにあの二人同時は無理だぜ。ひとりはまゆっちに、任せな』

「助かる、まゆっち。正直、あの二人を同時に止めるのは大怪我覚悟じゃないと無理だったし」

「それなら自分も」

「いや、クリス。おまえは来るな。流石にレベルが違いすぎる。」

「しかし……」

 

クリスが悲しい顔をする。

ごめんな、クリス。正直お前を守りながらじゃ無理なんだ

その代わり、と言い俺はクリスに一つの頼み事をした。

 

「クリス、お前にはみんなを連れてきてほしいんだ。」

「みんなをか?分かった、任せろ」

「では拓先輩」

『行こうぜー、2人とも』

 

2人は気がぶつかった場所に向かい、クリスは他のファミリーを呼びに行った。

 

SIDE OUT

 

―――――――――――――――

 

一陣の風が吹く。それが合図となり、百代と燕がぶつかった。

 

「はぁ!!」

「ほいっと!!」

 

百代の渾身の拳に燕はそっと拳を合わせる。

そこを中心として風が吹き荒れ、二人は距離をとった。

 

「痛っー!(モモちゃん力強すぎ)」

「よそ見するな!!」

「なっ!」

 

燕が少し百代から注意をはずした瞬間に、

百代は距離をつめ、蹴りを繰り出す。

 

「あっぶな」

「まだまだ行くぞ!!」

「ちょっといい気になり過ぎだよっ!」

 

燕はそれをしっかりガードし、

百代が追撃をしようと振るった拳に合わせて、カウンターを見舞う。

 

「当たらないんだよっ!はぁー!」

「やぁー!」

 

百代は、カウンターを避ける。

そして最初のように、二人はまた拳をぶつける。

 

「燕、それで勝つつもりなのか?」

「あら、モモちゃんには言われたくないな。最初から全力で来てないし」

「ほう……、いいだろう。お望みどおり全力で叩き潰してやるよッ!!」

 

百代は、燕の挑発に受け

さらに気を高め燕に必殺の攻撃を放つ。

 

「川神流奥義・無双正拳突き!!」

「ッ!(やばッ、これは想像以上)」

「お前らいい加減にしろッ!」

 

百代の攻撃が燕に到達する直前、一つの影が間に割り込んだ。

 

―――――――――――――――

 

SIDE 拓巳

 

居やがった!あぁ!?、地形が変わってんじゃねぇか。ってモモ、奥義使おうとしてね?

 

「ちっ!まゆっち後から追いついて来いよ!」

「は、はいッ!」

 

さらに速度を上げ、モモと燕の間に割り込む。

このバカ共が!

 

「川神流奥義・無双正拳突き!!」

「ッ!」

「お前らいい加減にしろッ!」

 

モモの技を上方に受け流し、

モモのアゴ先、燕の鳩尾すれすれのところに拳を打ち込んだ。

お?まゆっち追いついた見たいだな。予想よりだいぶ速いな

間に入った俺を見て、モモは驚いた目で問いかけてきた。

 

「タク……お前、どうして…」

「どうしてじゃねーだろうが!お前らなにやってんだよ」

「別に……」

「別に、じゃないだろうが。せっかくの旅行なんだから殴り合いなんてすんなよ、な?」

 

諭すようにモモに語りかける。

そう言われて自分がしたことに気づいたのか、モモは申し訳なさそうな顔をして拳をおさめた。

 

「燕もわかったか?」

「うん……ごめんね、なんか空気悪くしちゃって」

 

燕も申し訳なさそうに頭を下げ、ここから離れていく。

はぁ、ったく二人とも落ち込むくらいなら殴り合いなんかすんなよな……

かっー、めんどくせーな!

 

「ちょっとこっち来い、燕。」

「…なに、タク?」

「モモも来いって」

「なんだよ…」

 

二人を俺の近くに呼び寄せ、二人の頭に拳を落とす。

おー、いい音したな。って、まゆっちそんなひかないでお願いだから。

 

「いったーい、タク何すんのー」

「あいた。オイ、タク何すんだよー」

「うっさい、お仕置きだ。それより、さっきの原因はよくわからんが、はっきりさせたいか?」

「「ああ(うん)」」

「そういうことなら…」

「話は聞かせてもらったぜ、モモ先輩に松永先輩。そんなときは決闘だぜ!」

「「キャップ(翔一くん)!?」」

 

ナイスタイミングだ、翔一。さすが俺たちのリーダー。

それにクリスもいいタイミングだ、よく空気を読んだな!

俺はクリスに向かって親指を立て、笑顔を向ける。おお、いい笑顔だな。

 

「と、言うことだ。立会いは俺が川神院の名の下に公平にする。詳しい内容は、明日までに俺が翔一と話し合って決めるが、どうだ?」

「どうだ、ってそりゃもちろん―――」

「やるに決まってるだろうが!」

「おっしゃー、そうと決まったら。拓先輩、決闘の内容決めようぜー!」

 

まぁ、お前ら二人なら乗ってくると思ったよ。

ってか、翔一お前は何でそんなに乗り気なんだ?当事者じゃないお前が乗り気ってどう考えてもおかしいだろ。

ホント、面白いこと好きだよな翔一は。

 

「ったく、おう。それじゃ、決闘は明日ってことで」

「そんじゃ、モモ先輩、松永先輩楽しみにしててくれよー」

 

―――――――――――――――

 

「よーし!それじゃあ早速決闘の内容を決めたいと思う、みんな意見はないか?」

 

ファミリー男子の部屋のなかで、明日の決闘の競技の内容を話し合っていた。

翔一がみんなに尋ねる、すると岳人が手を上げ発言する。

 

「はいはーい。俺様は川神戦役を提案するぜ!!」

「川神戦役か」

「あ、それいいんじゃない?ね、大和」

「ああ、俺もいいと思う。でも競技はどうするんだ?」

「「「「うーん…」」」」

 

どんな方式かは決まったがまた新たな問題が出てきた。

みんなが頭をひねり考えを出そうとしていると、翔一がなんでもないように言い放った。

 

「いくつか適当に考えといて、当日にくじで引けばいいんじゃね?」

「「「「それだ!!」」」」

 

みんなが、声をそろえて翔一の案に賛成する。

そうと決まったら、さっそく…

 

「なら、俺らで1人4つぐらい競技を考えて箱に入れるようにしようぜ、そうすればある程度ばらけるだろ」

「だな。でも、拓兄それだと被る可能性が出てくるぞ?」

「それは、入れる前にみんなで確認すればいいじゃない?それでいこうよ」

「うし、じゃあみんなでそれぞれ協議を考えようぜ」

 

方針が決定して、みんな思い思い競技を紙に書き込んでいく。

最終的に決闘の方法が決まったのはその日の夜遅くだった。

やれやれ、よくわからんが明日で全部丸く収まると良いな

 

―――――――――――――――

 

「よーし、それじゃ二人とも決闘の内容を発表するぜ!拓先輩」

「おう、決闘の内容は縮小版川神戦役だ!」

 

決闘当日、昨日と同じ河原に集合し決戦について説明をしている。

まず、川神戦役とはどんなものなのか?また今回この競技をなぜ選んだか?等々。 

ある程度説明が終わったところで燕が手を挙げた。

 

「ん、なんだ燕?」

「えっと、川神戦役がなんなのかは分かったよ。でも競技はどうなってるのかな?もう決まってるの?」

「よく聞いてくれた。それについてはモロから説明する。モロ!」

「うん、今回競技は一回ごとにくじを引いて決めていくよ。くじの中身は昨日僕たちで考えたんだ。」

「ということだ。追加で言うなら今回は通常五回先取で勝ちの所を、三回先取に変更しているぞ」

 

燕の質問に対して、今回俺たちが気合いを入れた部分を力を込めて説明する。

って、ファミリー女性陣そんな残念そうな目で見るな。

 

「しょーもない……」

「京、言ってやるな。こんなでも拓先輩たちは精一杯考えたんだ。」

 

おぉう、クリスの言葉が胸に突き刺さる…

そして、クリスのどうだ、フォローしたぞ!って視線。

純粋すぎるが故にさら胸を抉ってくる…

 

「さ、さてこれ以上拓兄の心を折らないためにも始めるぞ。さ、姉さん、燕先輩位置について」

「あぁ」「分かったよ~ん」

「それじゃ、さっそくはじめの競技を決めるよ。最初はどっちが引くの?」

「じゃ、私が引くね」

 

あぁ……うるせい、やい。

どうせ、誰にでも思いつく事ですよー。

何か始まってるけど、俺には関係ないしー。

 

「えっと、最初競技は……射的対決だね、それじゃ、拓兄説明お願い。…拓兄?」

「どうせ…どうせ…」

「あぁ…ワン子頼む。拓兄を連れ戻してくれ」

「了解!そいやー」

「がはっ!ここは……ん?射的の説明?任せろ」

 

俺はいったい何をしていたんだ?

少し記憶がないんだが、まぁいいか、それじゃ、第一戦行ってみようか!

 

―――――――――――――――

 

さてさて、互いに二勝ずつで競技は最終戦。

燕がくじを引き、それを大和に渡す。

最後の競技は何かなーっと

 

「最後の勝負はこれだ!って、おい!これ誰が書いた?」

「どれだ?」

 

大和の後ろから覗き込み、紙に書かれている文字を読む。

なになに…っておい!!

 

「誰だよ、『格闘勝負』なんて書いたのは!」

「あぁ、それ俺!だってせっかくなのにこれないと盛り上がらないだろ?」

 

翔一、言わんとすることは分かるけど、それじゃ本末転倒だろうが……

ん、いや待てよ。逆に考えろ、ルールがあるならむしろこの方がハッキリするんじゃね?

うーん……よし!

 

「最終戦の競技が決まったぞ!最終戦は『格闘勝負』をする」

「おお!格闘勝負か」「ふふ、やっぱり最後はこれじゃないとね」

「ちょっと、拓兄!?」

 

まぁ、大和心配するなって。

ここから先が重要なんだよ、しっかり聞いてろよー

 

「んじゃ、ルール説明するぞー。制限時間は二分、んで武器の使用は無しだ。」

「ふんふん、なるほどなるほど」

「ただし、特別ルール追加な。この紙を背中に貼る、んでそれをとったほうが勝ちな。時間切れの場合は俺が判断するから」

「ほーう、なかなか面白そうじゃないか」

「ただしモモ、お前星殺し、星砕き、かわかみ波は禁止な」

 

何そんな納得いかない顔してんだよ。ったりめーだろ、んもんバランスブレーカもいいところだ。

ましてや正式な仕合じゃないんだから当然だっつーの。

 

「以上!何か質問あるか?ただしモモは認めん」

「ぶーぶー」

「ないみたいだな。よーし準備しろー。二人とも競技開始は、五分後な」

 

モモはしぶしぶ、燕はハキハキと準備運動を始める。

さて、こっちも準備はじめないとな。時間は腕時計で良いとして、背中につける紙はとってこないと。

あと俺自身も準備しないと、こいつらの勝負は集中しないと見逃しちまうからな。

はは、なんだかんだ言って、俺も楽しみにしてんじゃん。

 

―――――――――――――――

 

うーし、こっちの準備は終わったし二人も準備終わったみたいだし。

さてそれじゃあ始めるかな

 

「おーい、もう始めるから二人とも位置についてくれ」

「ああ!」「うん!」

 

二人とも気合入ってるな。

こっちまでテンションあがってくるぜ、あぁ俺も戦いたい。

とりあえず今は、立会いに集中するか

 

「さて、始める前にルールの確認な。制限時間は二分、武器使用は不可、勝利条件は背中の紙を取ること、時間切れの場合は俺が判断する。いいな?」

「良いから早く始めろ!」「おっけーだよん」

「うし、それじゃあ……始めッ!!」

 

俺の合図と共に二人がぶつかり合う。

すげぇな二人ともさすがだ、相手の死角に回り込もうと動いてるのにすぐにそれを予期して入らせない。

はは、これは真剣に見てないとわかんなくなっちまうな。

 

「さすがだな!燕」

「へへ、モモちゃんこそ!」

「お姉様と燕先輩すごく楽しそう。」

「うん、モモ先輩のあんな顔久しぶりに見たかも……」

 

ワン子と京が言ってたけどホントに楽しそうだな。

俺も混ざりたいぜ~。おっと、モモが動くかな?

 

「いくぞ!燕」

「ッ!」

 

モモが一歩踏み込み燕に肉薄し、拳と蹴りのフェイントを入れて背中に回り込む。

お!これで決まりかな?ってそんなわけないか、燕少し笑ってるし。

まさか、わざと後ろに回り込ませたのか?恐いなーおい

 

「残念、モモちゃんそれは読めてたよ」

「なっ!?」

 

あのタイミングでかわすか。

モモの手が燕の紙に触れる前に一歩前進し、一瞬モモの体が止まる。

その隙を見逃さずに燕が蹴りを放ち、モモの体勢を崩し後ろに回り込む。

ホントにスゲーな、二人とも。もう終わりか?んなわけないか、モモもしっかりと紙をカバーしてる。

 

「クリスさん!お二人ともとてもすごいですね!互いに一歩も譲らないです」

「あ、ああ、それにしてもまゆっちはみえるのか?自分はもうほとんど見えないんだが」

 

へぇ、昨日も思ったけどまゆっちかなり強いな。

二人の動き見えてるのか、ぜひまゆっちとも戦ってみたいなぁ。

っと、そろそろ時間かな?あと、三十秒くらい

今のところはモモが若干優勢ってところか。

 

「なぁ、燕。そろそろ決着つけないか」

「だね、時間的に次で最後だろうし。勝負決めに行くよ!」

「来い!燕」

「はぁー!」

 

二人がほぼ同時に、突っ込み、交差する。

勝負は一瞬だった。そして二人の手には相手の紙が

 

「ど、どっちが勝ったの?」

「わからん。まゆっちわかるか?」

「は、はい。で、でもこんなことって……」

「どうだっんだ?まゆっち!」

 

はは、まさかこんな結果になるとは…

だから勝負はやめられないだよな、こういう面白いことがあるからさ。

さて、結果発表するかな。あの二人は薄々、気づいてると思うけどな

 

「はい!みんな静まれ!まゆっちが困ってるじゃないか。それにそれは俺の仕事だから」

「拓先輩、そう言うのいいから。」

「京お前は冷たいな。分かったよ、んじゃ、勝敗を言うぞ。今回の勝負し勝者は…」

「「「「「「ゴクリ」」」」」」

「いない、引き分けだ」

「ひ、引き分け?」

 

ホントにありえんよな、大和。

でも、嘘かと思うけどホントなんだよ。

同時に紙をとるなんて誰が予測できようか

 

「というわけなんだが二人とも……」

「あはは、まさか同時に取るとは」

「ま、仕方ないだろ。私たちは異論ないぞ、お前の判断」

「それじゃ、延長戦するの?拓兄」

 

そうなんだよな、さてどうするか。

始まりの理由を考えるとはっきりさせた方がいいだろうし。

うーん、悩ましい……

 

「そうだな、お前ら二人はどうしたい?」

「いいんじゃないか?これで終わりで。な、燕?」

「え?あ、そうだね、私もこれで終わりで言いと思うよ」

「ん?そうか。ま、いいや。なら今回の川神戦役、互いに二勝一分けで引き分けだ!」

 

俺が、勝負の終了を宣言するとみんなが二人の周りに集まっていった。

しかし、決着はつけなくていいっていうとは思わなかったな。

ま、今あんな戦いしたのに普通の競技で決着つけたくないって気持ちはわからなくもないけどさ。

それにしても、そもそもの原因ってなんだったんだろ?聞いてみるかな

俺は二人に近づき、声をかける。

 

「なぁ、そういえばそもそもの原因ってなんだったんだ?」

「え?えっと―――」

「お前は知らなくて良いんだ!!だから聞くな!」ゲシッ

 

質問したらモモに軽く蹴られた。

いってーな、言いたくないなら良いけど別に蹴ることないだろうが!!

こうして燕たち新メンバーを加えた風間ファミリーの旅行二日目が終わった。

 

SIDE OUT

 

―――――――――――――――

 

決闘が終わり、その日の夜。

女湯の露天風呂にて百代と燕が二人で入っていた。

 

「いやー、今日は楽しかったねー。モモちゃん」

「だな。今度は正式に仕合をしたいぞ。」

「ふふ、そのうちね。でもさ、モモちゃん決着つけなくてよかったの?」

 

燕は、最後の格闘勝負が引き分けに終わってから疑問に思っていたことをぶつけた。

百代は、一瞬呆けた顔をし、その後顔を赤くして答えた。

 

「い、いやそのな。正直なんであそこまで怒ってたのかわからないんだ。なんか燕がタクの所に行くって聞いたらカーッと来たというか…」

「えっと、つまりモモちゃんはその場の勢いで怒ってたの?」

「そ、そうだと思う」

「ふ~ん、じゃあ私がタクと恋人になってもいいよね?」

 

その一言を聞いて百代は慌てて立ち上がる。

そして、必死な顔をして燕に詰め寄った。

 

「それはだめだ!許さないぞ燕!」

「はは♪♪モモちゃんは可愛いな~」

 

そう言って百代に抱きつく燕。

きゃっきゃっ、と楽しそうな声を風呂場に響かせながら、旅行二日目の夜が更けていく。




ちょっと遅くなりましたが、第六話です。ソモ産です
いやー前話辺りからぜんぜん面白くなくなってきましたねww

自分なりに頑張ってるんですが、如何せんうまくいかない
特に、戦闘パートと日常パートがって全部ですねww

ま、そんなわけで何か要望とかこうしたほうが良くなるよってあればぜひ感想に書いてください。
ではまた次回
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