真剣で私に恋しなさい! ~果て無き夢を追いかけて~   作:ソモ産

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長らくお待たせしてすみません。
ソモ産です。

まぁいろいろ、あったりしまわけですけど
とりあえず本文どうぞ( ・∀・)つ


第八話 仲直り

SIDE 拓巳

 

現在の時刻午後5時

あいつらに相談した次の日、俺たちファミリーは翔一につれられて川神院に来た。

というか、帰ってきたんだが……

 

「おい、翔一……これはどういうことだ?」

「ん?拓先輩どうかしたのか?」

 

なぜだか俺はモモ、燕と向き合っている。

これが聞かずにいられるか?否、いられるわけなどない。

モモもそう思ったのか翔一に尋ねる。

 

「なぁ、キャップ。これはいったいどういうことだ?」

「先輩たちなんか昨日からギクシャクしてるだろ?」

「それは……まぁ」

「だから、勝負だ!お互いぶつかったほうがいいって」

 

なんでそんな結論になった!?

やっぱりお前に任せた俺が馬鹿だった……

しかし、二人はそうは思わなかったらしく

 

「確かにそれが一番かもな。私もグジグジしてるのは、性に合わん」

「私も良いと思うよん。タクといつまでもギクシャクしてるの嫌だし」

「さっすが、二人ともわかってるぜ!」

 

二人の言ってることはとっても嬉しいんだけどさ。

そう思ってくれてるなら今から話し合おうよ。俺、そのほうが良いと思うな……

少し離れた位置にいる大和たちも気の毒そうに俺の事を見ている。

きっと、京の奴が『しょーもない……』とか言ってるだろう

ってかお前ら見てないで助!!

 

「よし、そうと決まったらキャップ早く始めてくれ」

「おう!それじゃあ───」

「ちょっと待った!これで決着をつけるのはいいけど。キャップ、誰が審判するの?」

 

大和ーー!お前ってやつは、最高の弟だぜ!

確かにそう言う手があったか。

それにしてもさすが大和。

我らが軍師は違うな。

しかし、翔一はその希望を一瞬にして吹き飛ばした。

 

「へへ、そう言うと思ってちゃんと頼んであるぜ。お二人ともお願いしまーす」

「はーイ、今いくヨー」

 

る、ルー師範代!?なんで!どうして?

翔一の呼びかけに返事をしながら師範代が空から現れる。

た、確かに師範代なら、ってちょっと待て…

翔一は二人って言ってたよな…まさか!

 

「ふぉふぉ、儂らが審判を務めさせてもらうぞい」

「じ、ジジイ!」

 

どこからともなく、総代が現れる。

師範代が来た時点で予想はしてたけど足音すら分からないなんて…

しかし、なんで総代まで…

 

「そ、総代。何故こんな事に?」

「風間に頼まれてしもうての。まぁ、わしもこの方がいいと思うし」

「と言うわけだ。大和、これなら問題ないだろ?」

「あ、あぁ。(ごめん兄さん)」

 

忘れていた。翔一の行動力を…

大和も気にするな。お前は頑張ってくれた。

こうなっちまったらしょうがない。

腹くくるか。

 

「では、初めても良いかの?」

「ああ!」「お願いします」「はい」

「それでハ、始めるヨ!みんな位置についてネ」

 

師範代の言葉で空気が張り詰める。

あ、あれ?何でそんなに二人は真剣なの?バカなの?

本気のお前等相手にしたら、俺死んじゃう…

俺のそんな気持ちを無視して二人は師範代に指示された場所に向かう。

 

「拓己ー。早く位置についてネ」

「ほれ、拓己、はやくせんか!」

 

もう、後には引けない……

どうすんだよ、おい…。もう仲直りとかいいよ…

 

「タク兄ー。頑張ってー」

「なぁ!?ワン子…おのれタク、私からワン子をとるとは。制裁が必要のようだな……」

 

ワン子、応援ありがとな

でもさ、そのお陰でモモが全力で怒ってるんだけど…

ちくしょう、やってやる…やってやるよ!!

俺は半ばヤケクソになり、指定されたところに行く。

 

「うむ、それではこれより松永燕、川神百代対津軽拓己の変則仕合をはじめる。」

「三人とも悔いの内容にネ、はじメ!!」

 

開始の合図を聞いたとたん、二人は俺に向かって突撃してくる。

予想は出来てたけど、全く躊躇無しかよ…

俺は二人の攻撃に備えて構えを取り、カウンターを狙う。

 

「私の気持ちを知れー!!」

「よくも、ワン子を誑かしたなー!!」

 

あれ?なんか二人とも当初の目的と言ってることが違くないかい?

モモに至っては、意味が分からないし…

実は二人とも戦いたいだけ何じゃ……

そんな事を考えていたからだろう、叫びながら繰り出してきた二人の攻撃のうちモモの攻撃を流し損なって食らう。

 

「やばっ!ぐっ・・・!」

「ちっ、浅いかっ!!」

「さすが、タクだね。私の攻撃はしっかり受け流してる。でも、余計なこと考えてたら怪我しちゃうよ?」

 

モモのやろ、なに本気で悔しがってんだよ!!

そっちがその気なら良いぜ…仲直りなんか二の次だ。絶対にあいつら負かす!!

そして俺は仕合に集中していく。

 

SIDE OUT

 

―――――――――――――――

 

拓己が静かに構えを一般的なものから変える。

体の重心を後ろに傾けて体を前傾ぎみに。

一見バランスが悪いように見えるその構えには一分の隙も見つからない。

拓己がその構えにしたとたん、その場の空気が一変した。

 

「?モモちゃん?」

「燕、気をつけろ。今までとは違うぞ」

 

燕はその言葉を聞き、唾を飲み込む。

しかし百代の顔は強ばるどころか笑っているように見えた。

それを離れたところから見ているファミリーたちは

 

「ねぇ、大和。拓先輩もしかして」

「モロ、まだ決まった訳じゃない…」

「おいおい、まじかよ洒落になんねーぞ!?」

「ベ、別に怖くなんかないぜ」

「ガクト、無理して強がらなくても」

「あうあう、タク兄がなんかコワいわ ー」

「これはかなりヤバいかもね。でも大和、安心して。私がついてる」

「お友達で」

「だから…先読みされた!?」

 

薄々、拓己がキレたことに感づき、最悪どうなるか知っているメンバーは、徐々に身の安全を確保しようと仕合をしているところから離れていく。

 

「ん?なんだ?首の辺りががピリピリする」

「そうですね。おそらく拓先輩の雰囲気が変わってさらに気のぶつかり合いが激しくなったからだと思います」

『あぁ、オラの鬣が逆立ってきちまうようなすっげー気のぶつかり合いだぜ』

「なので、クリスさん。イヤな予感がするので少し離れましょう」

 

同じく由紀江とクリスも、何かを感じたのか他のみんなと同じように距離をとる

 

「モモちゃん、もう一回!」

「あぁ!」

 

ファミリーが距離を取ると百代、燕の二人は拓己に仕掛けた。

先ほどと同じように左右から拓巳に迫る。

タイミングはほぼ同時、ほとんどの人なら避けることなどできるはずはない攻撃。

 

もちろん拓巳も例外ではない、受け流すことはできても避けることなど不可能だ。

だから拓巳は避けるでも受け流すでもなく、向かっていく。

 

この動きは審判をしていたルー、鉄心にとっても予想外だったのか二人とも感嘆の声を上げる。

 

「へぇ、なるほどネ…」

「ほーう、そうくるか…」

 

審判をしていた二人が予想していなかったのだから

攻撃を仕掛けた本人たちもまったく考えていなかった。

当然驚き動きが一瞬鈍る。

 

「え!?」

「なっ!?」

「燕、悪いけど先に沈めさせてもらうぞ…はぁ!!」

 

その動きの乱れを見逃さず拓巳は燕の鳩尾に掌底をたたき込む。

全くの不意打ちで、燕は防御など出来ずに吹き飛ぶ。

しかしそれでも何とか、急所だけは外しよろよろと立ち上がる。

 

「がはっ、い、今のは洒落にならないって……」

「大丈夫か!燕」

「な、なんとか…」

 

百代は、拓己から目を逸らさずに燕に声をかける。

同時に百代は考えた。普段の拓己なら間違いなく今のような攻撃はしてこないだろう、と。

 

普段の拓己は受けのスタイル、相手の攻撃にあわせてカウンターを狙ってくるものだ。だからあり得ない

さらに今のような攻撃をするにしてもあそこまで力は込めないだろう、とも。

 

拓己の技はすべて体の中、通常鍛えられないところへ用するもの。だから力を入れるのは一般的な技よりも少ないはずなのだ。

そこまで考えたところで百代は、一つの考えに至った。

 

これはタク、 () () でキレてる、と

 

その結論を出し、百代は、一層気を引き締め燕にさらに声をかける。

 

「わかった。でも燕はこのままギブアップしてくれ、これ以上は危険だ。タクの奴が完全にキレてる。あぁなったタクはかなりヤバいからな」

「だ、大丈夫だよ。まだまだ動けるって!」

 

そんな百代の忠告を聞いても燕は大丈夫だといい構えをとる。

しかし、審判である鉄心たちも燕を止める。

 

「ルー!」

「はイ、松永燕戦闘続行不能!早く離れてネ」

「わ、わかりました…」

「誰か救護班に連絡せい」

 

燕が離れしっかりと治療を受けるのを確認し、百代は仕合に集中する。

すべての神経を研ぎ澄まし、仕合を楽しむそれだけのために使う。

準備が整い、百代は仕掛ける。

 

「行くぞ!!川神流無双正拳突き!」

「ふぅー…」

 

対する拓己は深く息を吐いて、全身の力を抜き自然体に構えた。

迫る百代の拳を到達する前拓己が上方へ受け流す。

攻撃を受け流された百代は、声を出して笑いながら言った。

 

「ははっ!いいなぁ、タク。今のを完璧に受け流すか」

「まだ本気じゃないくせによく言う…。さっさと本気で来いよ。俺は本気のお前を倒す!!」

「いいだろう。お望み通りこれが正真正銘の全力だ!」

 

拓己の言うとおり百代は全力を出してなかったのか

先ほどより素早い拳を連続して突き出す。

それもすべて正確に拓己の急所目掛けて繰り出される。

 

「そらそら!」

「ちっ!」

 

その攻撃をかろうじて捌き、拓己は百代から距離をとる。

武神と呼ばれる百代の全力は凄まじく、着実に拓己の体力を奪っていく。

さらに、それによって起こる風が辺りに吹き荒れ周りにも被害を出し始めた。

この状況にルーが危機感を持ち、鉄心へ仕合を中止させるように言う。

 

「総代!これ以上は、危険です」

「大丈夫じゃよ、あの二人はここにいる者たちを巻き込みはせん。それにいざとなったら、わし等がいるし」

「ですガ…!」

「ルー、お前だって拳で解決した方が良いといっとたじゃろ?」

「むぅ、わかりましタ!」

 

鉄心が説得しルーを納得させられている間も二人の仕合は続く。

百代が攻撃をし拓己が捌く、といった事が繰り返され続けていた。

拓己も当然カウンターを狙ってはいるのだが、その隙がない、それほどに激しい攻撃だった。

 

「どうした、タク。おまえはこの程度なのか?そんなんじゃ私は倒せないぞ!」

「調子に……乗ってんじゃねぇー!!」

 

しかし、ここで仕合が大きく動いた。

今まで防戦一方だった拓己が攻めに転じたのだ。

百代の攻撃をギリギリで避け、懐に飛び込み、渾身の一撃を放つ。

 

「なっ!?」

「川神流八卦・崩拳!!」

「がはっ!!!」

 

 

 

 

SIDE 拓己

 

俺の渾身の一撃を受け吹き飛ぶ、モモ。

今のは決まったろ…。これで無理だったら俺ちょっと泣きそう…

俺は息を整えながら、モモに向かって言う。

 

「はぁ、はぁどうだこのやろー」

「は、はははは。今のは効いたなぁ。だが―― 」

 

モモがそういうと、みるみる体の傷が治っていく。

だよな、瞬間回復が出来るんだもんね……

はぁ、ホント化け物だな。あいつ

 

「私には瞬間回復がある!さぁ、続きをするぞ、タク!」

「上等だ!かかってこい!!」

 

と、粋がったのはいいがぶっちゃけもうへとへと。

さっきの耐えるんだもんな……

ま、やれるだけやるか!

 

―――――――――――――――

 

「ふぅ」

「勝者川神百代、松永燕」

 

当然こうなるよね。

ちくしょう、今回は負けか…

でも次は、次は絶対に勝つ!

そう決意を固めていたら総代と師範代が近づいてきた。

 

「どうじゃ?スッキリしたか?」

「へ?」

「だかラ、百代たちとは仲直り出来そうなノ?」

「あ…」

 

あぁ、そういえばそんな理由だったな仕合したのって。

はて、どうなんだろうか?

俺も途中でそんなこと忘れてたし、あいつらも覚えてないだろ。

ま、取りあえずやってみるか!

そう決め立ち上がって燕とモモのところに行き、緊張しながら話しかける。

 

「よっ。」

「お?タク。ふふん、今回も私の勝ちだぞ?」

「あぁ!タク!!さっきのすっごい痛かったんだぞー!謝れー」

 

俺とは違い、いつも通りの反応を示す二人。

あれ?これもしかしなくても、翔一の読み通りじゃね?

んだよ、緊張してバカみたいじゃねぇか!

でもま、ケジメはケジメ。

ちゃんと謝って何で怒ってたのか聞かないと……

 

「二人ともまずは謝らせてくれ。本当にごめんなさい」

「は?なにを謝ってるんだ?」

「さぁ?えっと、タクなんのこと?」

「その、昨日の朝よく分かんないうちに気に障るようなことしちまったじゃん?だからそのことについてと言うか」

「あぁ~そんなことか」

「気にしなくてもいいのに」

 

お前ら俺がめちゃくちゃ悩んだことをあぁ~って!

こいつら……俺があんだけ悩んだのはなんだったんだよ……

俺が二人の反応に軽く絶望していると、モモが話しかけてきた。

 

「そのなんだ、私たちも少しやりすぎたというか……」

「うん…ちょっと反省してるんだよね。だから私たちの方こそごめんなさい」

 

燕の言葉にあわせてモモも頭を下げる。

あれ?なんだこれ?何で謝ったのに逆に謝られてるの?

訳の分からない状況に俺たちの動きが止まる。

すると、徐々に面白くなってきた。

それは二人も同じだったのか少し肩を震わせている。

そして耐えきれずに吹き出した。

 

「ぶふっ!俺たち何やってんだ…ははは」

「あははは、確かに!みんなして謝ってバカみたい!!」

「確かにな、ふふふ」

 

三人で腹を抱えて笑う。

なんか予定とは全然違ったけど仲直りできたし、いっか。

ひとしきり笑ったあと、俺はもう一つの話題を出す。

 

「はぁ~、ところでさ何で怒ってたのさ?」

「ん?何のこと?」

「だから、さっき謝った奴の理由」

「そ、それはタクは知らなくていい!!」

「は!?なんで?」

「いいったら、いいんだ!」

「ふふっ、そういうことみたいだから秘密♪」

 

な、なんだこのはぐらかされた感じは……

まぁ、二人が知らなくていいって言うなら無理には聞かないけどさ。

これじゃ、気をつけようがないんだが……

 

「いいならいいんだけど…」

「美少女に秘密はつきものだよん」

「なんか釈然としない…」

「なら、私たちの頼み事を一回だけ聞くって言うのはどうだ?」

 

ん?なにがじゃあなんだ?何かおかしくないか?

俺は理由を教えてもらえないのが気にかかってるだけだぞ?

なのになんでお前らの頼みを聞かないといけないんだよ!

俺が異議を唱えようと声を出す。

 

「ちょっとま――」

「いいんじゃない?それ」

 

俺の言葉を遮るように後ろから大和が口を挟む。

大和、自分の事じゃないからって軽く言いやがって

そんな思いを無視して大和は言葉を続ける。

 

「タク兄だって悪いと思ってるし、それにさっきの燕先輩へのお詫びも兼ねてちょうどいいんじゃない?」

「むっ…」

「そうだ、そうだー。さっきのすっごく痛かったなぁ~?」

 

それを言われたら、断れない。

あぁーもう分かったよ!何でも聞いてやる!!

大和の奴、覚えてろよ……

 

「わかった、わかったよ何でも頼み聞いてやるから」

「やったね」

「最初から素直にそう言えばいいんだ」

「で、何すればいいんだ?」

「それはまた今度言う」

「私も同じだ」

 

ちくしょー、いったい俺は何を頼まれるんだ?

と、まぁいろいろあったわけだが

何とか仲直りは出来たしめでたしめでたし…なのか?

しかし、すっげー不安だ。

突拍子のないことは勘弁してくれよー。




駄文をここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は一ヶ月以上あけてしまったという事で再びおわびを。

本当にすみませんでした。m(_ _)m
難産だったのもあったんですがいかんせん正月気分がなかなか抜けずww

そんなわけで今回はどうでしたか?
難産+長期にわたって書いたこともあり若干変になってるかも知れませんが、そこは目をつむっていただいてww

次回は素早く迅速にあげるので許してください。
ではまた次回

あっ、前話で後書きに書いた募集はまだ行ってますので是非お願いします。

ソモ産でした。ノシ
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