INFINITE Be The One!!! 作:テントウムシ!!!
『そうか、んじゃ楽しみにしてるぞ〜』
ってコブラ野郎!!!ちょ、待てこら!!!あぁ、もう。
とりあえず、さぁどうなる、第13話!!!
虚Side
保健室を出たあと、ファルティナ先生へ兎野君が目覚めたことを報告しに向かいました。彼が眠っていたここ三日間、心配で気が気ではありませんでした。
時は遡り、三日前、
私が簪お嬢様と本音に学園の案内をして一時間ほど経った後、お昼を持って兎野君に連絡を入れたのですが、全く繋がらず、警備の人にも聞いて回り彼が人通りの少ない方面へ向かったのを見たという人がいたので、その情報を頼りに向かっていくと、まさか彼が倒れているとは思いもしませんでした。最初はお腹をすかして倒れたのかと思いましたが、近づいてみると背中から少し出血していました。急いで彼を運び保健室へ連れていきました(男の子にしては結構軽かったです)。保健室でファルティナ先生に見てもらったところコブラの毒にやられているということが分かりました。何故この学園でコブラの毒なんかにやられるのかは全く理解できませんでしたが、彼が倒れていた近くに大きな穴があったことを思い出しました。
気にはなりましたが、そんなことよりも彼が心配だったのでスルーしてしまいましだが、あれが何か関係しているのだと思います。
その事をファルティナ先生に報告してみたのですが、直接の原因かは分からないがこの学園にコブラが出ることはないと仰いました。私もこの学園でコブラが出たなど聞いたことがありません。とりあえず医療用ナノマシンの血栓で毒はどうにかなるそうなので良かったです。それから織斑先生に連絡をし、空いていた穴を調査しましたが、サイズから見てISが地下から入ってきたという仮説が導かれましたが、この学園でISが地下から入ってこれるわけがありません。
しかし、一つだけこの仮説を決定づけることが文化祭中にありました。本音が私と連絡が取れないということで私を探していたということを言っていました。丁度その時刻、学園の通信機器及び周辺の通信状態がジャミングされていたようです。
織斑先生曰く、それの対応に追われていたために警備係と連絡が取れなかったようです。あの時私も兎野君と連絡を取っておけば、それに気づけたはずでした。本音の言った言葉に少しでも疑問に思っておけばいち早く気づけたことに悔しさを感じました。もしかして、あの時になった爆発音は彼が戦闘状態に入っていた音だったのでしょう。彼が起きたらちゃんと謝りましょう。それにしても一体も何があったのかも聞かねばなりませんね。
それから三日間、兎野君は目覚めませんでした。2日目の文化祭はお嬢様も来たのですが、
彼が今だ目覚めていなかったことが気が気ではなかったことが顔に出ていたのか、お嬢様にかなり揶揄われました。
お嬢様も昨日のことを知っているようで、彼が目覚め次第話を聞くということです。学園が襲撃されたことで、更識にも伝えられたのでしょう。
彼が目覚めるまで、彼のお見舞いには欠かさず行きました。彼が目覚めた時は喜びのあまり抱きついてしまったのは不覚でした。
でも、本当に良かったです。
虚Sideout
春万Side
俺が目覚めてから次の日、大事を取って授業は休み、今は学園長室にいる。その学園長室には俺と学園長、布仏に更識さんと、織斑先生の5人が集まっている。文化祭で起きたことを尋ねるためらしい。
「それで、あの時君には一体何が起きたのですか?」
「簡単に言うとIS擬き2体と戦闘しました」
「IS擬き?何故『擬き』と付けるんだ?」
「ISっぽかったんですが、明らかに現行の技術じゃなしえない力を持っていましたから」
「どんな能力だったんですか?」
「いきなり分身する。それも全て質量のある分身だ。分裂に近いかも。それに姿形がISとは多少異なっていたからな」
「姿形がですか?しかし、穴の大きさ的にISと同じではなかったのですか?」
「あぁ、大きさも間違いなくISサイズ。ただ、所々生物のような肉体があったんだ。それよりも俺にはもっときになることがあるんだ」
「気になること?なんでしょうか?」
「1体目のIS擬きを倒した時に爆発の後に銀髪の少女が中から出てきたのですが、2体目からは何も出なかったんです」
「銀髪の、少女。その少女はどうした?」
「コブラ男に連れ去られました。後ろからいきなり刺されて、すいません。助けられませんでした」
「そう、か。そのコブラ男ってのは誰だ?」
朦朧とした意識であったために完全には見えていなかったが、胸のマークにコブラのようなものがあったのを思い出した。
「意識が朦朧としていて完璧には見えなかったんですが、胸にコブラのマークをしていたからです。それも、俺のビルドに似たようなものだった」
「似ている、か。とりあえずそいつについては保留だな」
「話は変わるけど、1体目と2体目の違いはなんだったのかしら?」
「1体目はどこかぎこちなく、パワーに振り回されているって感じだったな。だけど2体目は適合していたのか、それなりの動きをしていた。1体目と違って力の使い方も違かったしな。まぁ、天っ才の俺はサクッと片付けたんだけどな。そうそう、ちゃんとホークガトリンガーも大活躍したんだぞ!!!」
「その後倒れましたけどね」
「うっ、そこは・・・」
俺は布仏に痛いところをつかれてしまった。あの時は油断して変身を解除してしまったために起きたことであり、もう少し警戒しておけば良かったと今更ながらに思った。
「そんなことよりも、そのIS擬きは一体何なのかは分かるの?」
「・・・あぁ、昨日それらしきものを思い出した。俺はここに来るのにISに追いかけられていたって思っていたんだけどな、あのIS擬きもいた」
俺はISとIS擬きが組んで攻撃してきたとは考えにくかったために、それらが仲間であるとは、ここで断言できなかった。断言してしまえば混乱を生みそうだったからだ。
「ということは兎野君の記憶にも影響があるようですね。貴方が一体もどんな人物だったのかも、そのIS擬きと何かが繋がっているのでしょう。それに中から人が出てくるということは、人体を無視した危険な兵器であることに間違いはないでしょう。学園が何故襲撃されたのかは分かりませんが、これから学園に危険が忍び寄っているのでしょう。最優先は生徒の安全の確保です。皆さん、よろしくお願いしますね」
「分かってます。もしかしたら、IS擬きは俺の作ったライダーシステムに何かしら関係があるかもしれませんからね」
「兎野、敵はそのIS擬きともう1体、コブラ男も含まれるだろう。コブラ男はそのIS擬きについて必ず何か知っているはずだ。それはお前の記憶に必ず繋がるはずだ。だが、一教師からすれば、生徒1人に今回のような危険なことを全て任せる訳にもいかない。今回はジャミングによって通信は遮断されたが、出来るのなら必ず連絡を入れろ。いいな」
「分かりました。次は逃がしはしないさ」
「更識もできる限り情報を手に入れるわ。そんな化け物みたいなのが現れた以上、動かない訳にはいかないわ」
話はそれで終わり、俺は開発室に戻った。
しかし、あのコブラ男の言っていたハザードレベルとは一体なんなんだ?また謎が深まるばかりではあるが、丁度その時、新しいフルボトルが出来たようだ。つい四日前に作っておいたやつだ。俺はいつも通り寝癖を作り、完成したフルボトルを見てみた。
「さぁ、これは一体なんだ?んーと、漫画か?」
新たなフルボトルと共に世界を巻き込んだ大きな陰謀に巻き込まれていくのであった。