INFINITE Be The One!!! 作:テントウムシ!!!
不運続きであったために、今回こそはフルボトル研究をさせてくれることを祈りながら、第14話どうぞ!!!
春万Side
俺は今、IS学園の近くにあるショッピングセンター、レゾナンスに来ている。何故って?いきなり布仏に連れてこられたんだよ。
「何か?」
「いえ、なんでも」
「そうですか。ほら早く行きますよ。今日は月一のセールなんですから」
「お前は主婦か!!!何故俺が荷物持ちなんだよ。研究させてくれよ」
「その研究にいつも付き合っている私に少しくらい労ってやると言ったのはどこの誰でしたっけ?」
「・・・俺です」
「フフ、よろしい。それに今日は貴方の服を選ぶんですからね。せめて制服以外の服は持っててくださいよ」
「余計なお世話だ!!!ったく服くらい自分で選ぶっての」
遡ること昨日、
俺はいつも通り授業後、開発室に戻ってフルボトルの開発をしていると、ダリルがいきなり突撃してきた。
「おいコラ、春万!生きてたんだな!!!」
「いや、勝手に殺すな」
「いやー、全然見かけなかったからてっきりなwww」
「おい、それで今日は何の用だ?というか用があるのか?」
「ない」
「やっぱりな。なら少しはISの操縦技術でも磨け。それか部活行け」
「専用機まだないし、部活行くと疲れるんだよ」
「そりゃ運動部は疲れるだろ」
「違ぇよ。何故か同い年の奴らからお姉様、お姉様うるせぇんだよな」
「・・・。お前、何したの」
「知らねぇよ、オレに言うな」
「あっそ。とりあえず研究の邪魔にならないようにしろよな。さてと、この漫画フルボトルとのベストマッチを探さないとな!!!」
「乙乙!!!今日もやってるね」
「蒲田先輩、こんにちは」
この先輩は蒲田夏目先輩。この開発部の部長であり、かなりサイコな武装をよく作る人だが、面白い人である。
俺はこの人にいつの間にか気に入られたようで、気が付いたら開発部に入っていた。ビルドの武装開発もこの人はよく手伝ってくれる。
この開発部は先輩が認めないと入れないようで(というよりも技術がないとついていけないため)、開発部の1年は俺と布仏とあと2人程しか入っていない。
主に活動目的として、武装やIS装甲などの開発やISの整備を兼ねてる。元々整備部だったらしいが、せっかくだから開発もしたいということで、名前を改めたらしい(と言うよりは整備科があるので要らなかった)。
「すいません、日直で遅れました」
「お、やっと来た。今日は新しい武器の開発もやるぞ」
「兎野君、私も自分のやりたい開発があるので手伝ってくださいね。それと、ダリルは早く部活に行きなさい」
「えー、ったくしょうがないなー。あ、そうだ、この2つベストマッチしたぞ!!!それじゃなー」
「は?そんな訳・・・」
【忍者】
【コミック】
【BEST MATCH!!!】
「・・・うそーん」
ダリルは悩む素振りなく一瞬にしてベストマッチを発見していた。俺は呆然としてしまった。
「なんでダリルはこんなベストマッチを簡単に見つけるのかね。ベストマッチ見つけるのに量子力学とか勉強してもいつも悩むのに何故・・・」
「良かったですね。忍者と漫画ですか、中々に面白そうな組み合わせですね。」
「し、仕方ない。こうなったら最強の武器を作ってやる。忍者とコミック、コミックかー!漫画、漫画、漫画・・・」
「なになに、今度は何悩んでるの?先輩に言ってご覧なさい」
「新しいビルドの武器を考えているんです。お題は忍者と漫画を組み合わせた武器の様です」
「ふむふむ、忍者と漫画かー。・・・そうだ!!!」
そう言って先輩は何かしらホワイトボードに描き始めた。あれは剣のようであった。
「剣?」
「そうそう。君のビルドってさ、近接武器に剣はないでしょ。ドリルクラッシャーは近接でも、切るってよりも削るだろう。なら今度は切る武器を作ればいいんじゃない?」
「そうだな、剣かー。うん、そのアイデア頂き!!!」
俺は早速設計図を書いた。頭の中がフル回転し、どんどん出来上がる。頭をガシガシしながらいつも通り、寝癖が立つ。やはり開発は最っ高である。
「忍者だから、忍法は使いたいな。それもなるべく効率よく出せるように武器に乗せてみよう。そうなると漫画、そうだ!!!四コマ漫画だ!!!これならコマごとに忍法を乗せられる。俺ってやっぱり天っ才だ。いける、これは最っ高の武器が出来る!!!」
そう言いながらどんどんホワイトボードに構想案を書いていく。
「乗せる忍法はやっぱり、分身の術に隠れ身の術。それとそれと、攻撃に火遁の術に風遁の術!!!これこれ。いいね、ボタンひとつで術を発動し、分身してからの一斉攻撃!!!よしよしこれだ!!!
名付けて《4コマ忍法刀》」
そう描き終わると先輩は笑いながら布仏に整備の誘いをしていた。
「ハハハ、いつもながら凄いね〜。あ、うっちゃん、これから打鉄の整備やるけど、どうする?」
「では、そちらをやります。ああなった彼は人の話を聞きませんし、1人で完成させるでしょうね。フルボトルを作る時は手伝いますが武器は設計図を書いたらあとは彼が1人で作り上げていきますからね。」
俺はそんなこと気付かずただひたすら集中していた。
「よーし、さてと設計図は決まった。あとは形にするだけ。えっと材料材料・・・」
そうして、
気が付くと次の日になってました。1日ひたすら武器作りをしていたために、かなり早めに作り上げてしまった。
「で、出来た。完成したぞ《4コマ忍法刀》、試したい、今すぐ試したい。何か何かないか?切れるもの。何かないか?」
試し斬りの為の何かを探していると、開発室の扉が開き、そこには呆れた顔をした布仏が佇んでいた。
「ハァ、やめてくださいね。それよりも早く朝食を食べに行かないと食堂が閉まってしまいますよ」
「えぇー。せっかく作ったのに」
「いいから行きますよ。」
「それよりもこんな朝早くから珍しいな。今日は休みだろ?」
「えっと、兎野君は今日、この後時間ありますよね?」
「まぁ、あるけど」
「では買い物に行きませんか?」
布仏から唐突な誘いであった。しかし一体どうしてなのかは全く分からなかったために訊ねた。
「え?何故?」
「兎野君は洋服など持ってませんよね。それにここに来てから一度も買い物していませんし、折角ですからと思ったのですが?」
思えば学園に来てからというもの、買い物ということをしていない。よって服も制服しか持っていなかった。しかし、外へは行く意味が特にないために今まで必要としていなかった。
「まぁそうだけど。なんだよ、この天っ才の俺とデートしたかったのか?」
「は?キザみますよ」
ちょっとジョークを挟んだだけだったのだが、布仏からゴミを見るような目で言われた。恐い。
「す、すんません。調子乗りました」
「その、いつも兎野君の開発のお手伝いをさせられている私に何か奢ってくださるんじゃなかったのですか?」
そういえばそのような約束をしたような、完全に忘れていた。
「あ!・・・忘れてた」
「ですから今日、お付き合いくださいね?」
最高の笑顔でそう言われた。これを断ったら命はないだろう。故にYesとしか言えなかった。
「・・・了解しました」
ということがあり、今俺達はレゾナンスに来ているんだ。確かαクルーズのパフェを奢れと言われたが、パフェくらいなら全然良い。だが今は、かれこれ2時間は着せ替え人形となっているんだが。
何か言うとキザまれるし、おっかない。しかし、今は何だかんだで楽しそうであるため良かった。
「次はコレです」
「まだやるの!!!」
「もちろんです。今日はとことん付き合ってもらいますからね。」
はは、一体いつ終わるんだこれ?
春万Sideout
『さてと、ショータイムだ。精々オレを楽しませてくれよ兎野春万』
【デビルスチーム!!!】
黒い煙を誰かに浴びせ、煙が晴れた時に、そこにはあの化け物がいた。
赤黒い血濡れのコブラが迫っていることに、俺はまだ気づいていなかった。