INFINITE Be The One!!! 作:テントウムシ!!!
「前回、特に何もしてないので言うことがないのですね」
う、痛いとこをつくな。
とりあえず、今回からまた物語が動くから、とりあえず第18話どうぞ!!!
虚Side
10月になり、私たちの学園では新たな催し物へと生徒達が準備を始めています。かく言う私たち開発部もかなり忙しいです。あの兎野君もココ最近は全然フルボトルの研究をしていません。というか出来ません。
何故そのような事態になっているかというと、このIS学園では10月の初めの週に『キャノンボール・ファスト』という行事があります。簡単に説明すると、ISを使用したレースです。安全性が保証されているため、妨害を可能としたレースで、一般中継によるテレビ放送もあり、かなり人気のスポーツ競技です。
その準備には、整備科の生徒が主にISの整備を行うのですが、何せ時間が足りないために、予備整備科でもある開発部もお手伝いとして駆られているのです。お手伝いであるはずなのですが、男子という理由もあってか、兎野君はひたすら力仕事などに追われ自身の研究に全然入れてないです。
これが始まってからずっとですから、かなりお疲れの様子です。まぁ私もですが、彼が一番疲れていますね。
「あの、兎野君。少し休憩にしませんか?」
「この駆動系の整備が終わったらな。先に休んでていいぞ」
これです。あのフルボトル研究以外全く興味示さない兎野君が真剣に取り組んでます。しかもこれで何回徹夜しているのでしょうか?今も、流石に六時間も休まず、ずっと通してやるのは体に悪いです。当日に体調を崩さなければいいですが・・・。
当日、
彼はやはり体調を崩しました。いつもフルボトルの研究の時は確りと休憩も入れているようですが、今回は働きすぎたようです。
お見舞いには朝、行ってきたのですがかなり体調が悪いようです。そんな状態の時に限って新しいフルボトルが出来てしまい、彼は研究しようとしていたのですが、流石に体が持たなかったのか、直ぐに眠ってしまいました。
ファルティナ先生の元へ行ったのですが、今日のキャノンボール・ファストで忙しくなってしまうそうなので、大人しく自分の部屋で寝てもらいました。今日一日、少し気がかりです。
(せめて今日は何も起きないといいのですが・・・)
そんな私の考えを他所に、
『人が多く密集しているようですね。丁度いいですね。◾️様の為によい見せしめとなってもらいましょう。やれ』
「「ギギ」」
黒いコウモリの脅威が迫っているの私は未だ知らずに。
虚Sideout
春万Side
(体がだるおも〜)
今日は朝から目が覚めると頭が痛く、気持ちが悪かった。風邪を引いたようだ。布仏が朝から頭に冷えピタやら薬などを持って、キャノンボール・ファストが始まるギリギリまで看病してくれた。非常に有難かった。
なぜだろうか、風邪を引くと無性に寂しくなってしまうのは気の所為なのだろうか?朝からフルボトルがせっかく出来たというのに、こんな体ではろくに研究も出来なかった。だからといって記憶が蘇ることもなく、寝ていると夢に今までの朧気な記憶のみが流れる。最後には必ずIS?のような奴らに追われて終わる。最っ悪な気分で目覚めてしまった。
最近は徹夜続きだったから全然寝てなかったが、寝るとこの調子で、正直寝るのが嫌だ。それでも今日は体がまともに言う事を聞かないから仕方ない。
ボーッと天井を眺めながめていると、扉が開いた。
「ん?誰だ?」
『よぉ!体調が悪そうだなぁ、兎野春万』
「な!ゲホ、何故お前が!!!」
そこに居たのは、赤黒いコブラ『ブラッドスターク』であった。
俺は咄嗟に起き上がり、よろめきながらもビルドドライバーを腰に巻いた。
「くっ、どうやって、入って来た?」
『オイオイ、今日はお前と話をしに来ただけだぞ。それにそんな体でどうするんだ?』
「そん、なの、信じられるか。はぁはぁ」
『今のお前と戦ったところでハザードレベルは上がりはしないしな、暇潰しに話をしに来たんだよ』
「んなの信じられか!!!」
【忍者】
【ガトリング】
【Are you ready?】
「変身!!!」
俺はトライアルフォーム:ニンニンガトリングとなり、ブラッドスタークに斬りかかった。
『ったく、今のお前じゃ相手にならねぇよ』
【エレキ・スチーム!】
ブラッドスタークはスチームブレードを取り出し、スチームチェンジバルブを捻り電気を帯びた。
俺は4コマ忍法刀とホークガトリンガーの銃剣で距離をとりつつ隙あらば、斬り掛かる。
俺は多少よろめきながらも4コマ忍法刀の分身の術で数を増やしていく。しかし、ブラッドスタークはうまい具合に全て足らい、多少の人数差を諸共せず、分身全てを斬り裂いた。
ホークガトリンガーのチャージ攻撃もブラッドスタークの持つ銃:トランスチームガンと組み合わせることでノーダメージで切り抜けられた。
『ほ、よっと。体調が悪い癖に中々動けるじゃないか。本当は仮病か?ハハハ』
「くっそ。ハァハァ、当たらねー。っ〜(頭が痛ぇー)」
『・・・はぁ。やめだやめ。ったく話をしに来たらこれか。仕方ない、日を改めるか。あぁ、これだけは聞いておかねーとな。』
「ハァハァ、なん、だよ」
『お前は《パンドラパネル》を持ってるか?それとも知っているか?』
「パンドラ、パネル?なんだ、それは?」
『なんだよハズレか〜。まぁ仕方ないな。それならいい』
「だから、それ、は、一体なんだ!!!」
『あぁ、なんだ自分で調べてみろ。次会った時、答え合わせといこうか。それとだ、ついでに教えといてやる。スマッシュが今頃お前の同級生を襲っているぞ。行くなら早く行け。俺はもう帰る。Ciao』
そうしてブラッドスタークは煙を吐いて消えた。
パンドラパネル、聞いたことが無い。一体どんなものなのかは分からないが、アイツが狙っているとしたら碌でもないものであるのだろう。いや、なんだ、このモヤモヤとした感じは。俺は、もしかしたらそれを・・・。
「って、考えてる暇なんてなかった。早く会場に行かないと、大変なことに、っ〜」
頭が痛い。体はかなり限界に近かった。しかし、俺が行かないと普通のISではスマッシュに勝てない。それでは多くの学生が大変なことになってしまう。屁垂れた体に鞭を打つように立ち上がり、開発室にある新しいフルボトルを持って会場に向かっていった。
(頼むから無事でいてくれよ、布仏、みんな。今行くからな)