INFINITE Be The One!!! 作:テントウムシ!!!
前回、クロエさんを助け出し、また新たな謎が生まれるのであった。
金のバックルの正体もイマイチわからずに終わってしまった。
加えて、篠ノ之博士がセクハラ変態であるという衝撃発言に、かなり参っている状態だ。
「どうして研究者はこんな変人ばかりなのでしょうか?」
ちょっと布仏さーん?それを言うと俺も変な人みたいなんですけど!!!
「・・・・・・フッ」
哀れまれた・・・。と、取り敢えず、
「第26話はこの束さんの出番だよー!!!イェーイイェーイ!!!ちーちゃん見てる??ちーちゃん?ちーちゃん!ちーーーーーーちゃーーーーーん!!!」
また、俺のセリフ・・・。
虚Side
あれから翌日、
クロエさんはIS学園へ編入という形で入学することになりました。
しかし、彼女は目が不自由な為にサポートという形で織斑先生が副担任をしている1組に編入しました。
まぁ、それは建前のようなものであり、実際は篠ノ之博士と関係がある少女への監視を目的とし、その適任者として織斑先生が選ばれたということです。
兎野君はナイトローグと戦ってから、ビルドの強化アイテム作りに躍起になっているようですが、フルボトルの特性をより理解し、出力を上げるために今一つ何かが足りないようで行き詰まっています。
「布仏〜、フルボトル生成機からフルボトル取った?」
「いえ、取っていませんけど」
「え・・・・・・うそーん」
兎野君の顔がみるみるうちに白くなっていきました。
私も今一度、フルボトル生成機を確かめてみましたが、確かに入れたはずの2つの成分を含んだフルボトルが無くなっていました。
「兎野君、もしかして」
「ちっ、やられた。最悪だ。盗まれたか」
兎野君は頭を掻きながら項垂れるように座り込んでしまいました。
今までのフルボトルは全てビルドドライバーの拡張領域に仕舞っていましたが、出来たばかりのフルボトルは1番盗まれる可能性があり、それが現実となってしまったようです。
「昨日はここに戻って来てから見なかったのですか?」
「あぁ、クロエから採ったデータを元にAdovansudoがスマッシュにどんな関係があるかをもう一度調べてた。完全に見忘れちまった。俺のミスだ」
兎野君は運悪く、今回はフルボトルではなく、スマッシュの方を優先して調べていたようです。
そうなると、フルボトルが盗まれた時間は私たちがクロエさんと保健室にいたあの時間に限られてきます。それ以外だと確りと鍵を掛けていますから、入ることが出来ません。学園のロックはそう簡単に破れるような代物でないため、ピッキング等も不可能ですから。
「しかし、保健室にいた間はここの鍵は掛けていたのですよね?」
「あぁ。だけど一度だけ、鍵を解除した時間があった」
「・・・クロエさんを調べる為に戻っていましたね」
「そういう事だ。多分犯人はここの学園の生徒か教員の誰かだけど、この人数を一人一人フルボトルを持ってるか調べることなんか、はっきり言って出来ない」
学園の生徒から教員、他にも学園関係者だけでも1000人以上の人間を一人一人調べることは無理に近いです。
今出来ることはこれ以上盗まれることがないように、厳重に保管できるシステムを作る等、防衛システムを上げることくらいしか出来ません。
「こうなったら、このお供アイテムを作ってやる!!!布仏、ちょっと手伝え、速攻で作り終えるぞ!!!」
「分かりました。設計図を貸して下さい、どういうコンセプトなのか知らないと作れませんから」
そう言うと、スケッチブックに書いてあった設計図を取り出すと、製作を始めました。
翌日、
『グワァ〜〜〜〜〜』
2人で一徹して作り上げたフルボトルを守る番人、いや人ではありませんが、番龍と言うべきでしょうか。
「出来た〜、名付けて《クローズドラゴン》」
そう言うと、クローズドラゴンは宙を舞い上がり飛び立ちました。
この《クローズドラゴン》はドラゴン型の自律行動ユニット。
フルボトルを装填できる《フルボトルスロット》を持ち、そこにフルボトルをセットすることで、頭部に付属している《ブレイズチャッカー》に成分が流れ、そのフルボトルに応じて形状変化できる蒼炎を備えている。
更に、製作中に兎野君が閃いた案で、ブラットスタークを意識してか、口部に《カプリファング》という牙を備えており、その牙で攻撃出来ます。また、解毒機能を持っており、治癒対象者に噛み付くことで毒を吸収、解毒を行うこともできる優れオトモです。
他にも色々と説明したいのですが、少々疲れてしまいましたので控えさせてもらいます。
「それにしても、かなりの力作が出来ましたね」
「おう、やっぱ俺は天っ才だな」
「1人だけですか?」
「・・・助かった」
「フフ、よろしい。さてと、もう朝ですし食堂へ行きますか?」
「そうだな」
『へー、ホントに面白いの作るね〜。束さん興味津々だよ〜』
そうして食堂へ向かおうとしていた矢先、後ろから興味津々な目でクローズドラゴンと私達を見る、ウサミミを付けた女性が話しかけてきました。
「へ?」
「ん?たばね、さん?」
ウサミミをつけた女性はクローズドラゴンをジャンプして捕まえ、全体を確りと事細かく観察していました。
「ん!ひゃっはろ〜!!!みんなのアイドル束さんだよぉ〜!!!君たちに会いに来ちゃった」
私はその人を見たことがありました。
そう、全世界で絶賛指名手配中であり、更識家の力を持ってしても全く見つけることが出来なかった稀代の大天災=篠ノ之束であったのだった。その表情は此方に興味を持ちながらも、何処か不気味でプレッシャーのある笑みを浮かべていました。
虚Sideout
春万Side
俺達の目の前に、あの篠ノ之束が来た。
「やぁやぁ、君が仮面ライダービルドの兎野春万だよね。んーと、ハルくんって呼ぶね。ところでところで、今日はキミに渡す物があって来たんだぁ〜!!!どう、驚いた?ねぇねぇ、驚いた?」
「驚くも何も、まさかそっちから来てくれるなんて思いもしませんでしたよ、篠ノ之博士」
そう言うと、篠ノ之博士はむくれた様に頬を膨らませて詰め寄ってきた。
「もぅ、硬っ苦しいのはなしだよ。束さんでいいよ!!!あっ!そこのメガネ掛けたキミはうっちゃんって呼ぶね。うんうん、そう呼ぼう!!!」
俺達は自己紹介もしていなかったはずなのに、篠ノ之博士「束さん!!!」s「た・ば・ね・さ・ん!!!」
束さんは俺達のことを知っていたようだ。
「あぁ!それはそうと、先ずはクーちゃんを助けてくれてアリガトね。束さんがクーちゃんにおつかい頼んだら全然帰ってこなくて、心配して探した時には、ビルドと黒いヤツが戦ってたりしてさ〜。キミがクーちゃんを助けてくれなかったら・・・。ホントにアリガトね」
「い、いえ。ナイトローグがスマッシュにはしてたのが偶々クロエさんだったってことですし、助け出せて良かったです」
束さんはクロエのことが大事なようだった。クロエは束さんは自分を道具のように思っているのではと思っていたようだが、それは違うようだ。
何故なら、大事じゃない人にこんなに悲しそうな顔はしないから。
「それはそうと、何故クロエさんを迎えに来ずに、この学園に入学させたんですか?」
「んー、クーちゃんはさ、目が見えないじゃん。それに、境遇的に束さん以外に心を開く人が居ないのは可哀想だなぁって思ってね、折角IS学園に拾われたなら、そこで友達を作って欲しいなぁ〜って思ったからなんだぁ。コレも親心ってやつなのかなぁ〜」
束さんがクロエさんのことをこんなに考えているとは思わなかった。
世間ではコミュニケーションが非常に取りづらく、多方の有象無象は無視されるなど、人間としてかなり酷いと言われているが、話してみてよくわかった。
この人は身近な人をとても大切にする人であり、思ったよりもずっと良い人である。
「そう、でしたか。大丈夫だと思いますよ。もう、何人か友達が出来てますから。俺を含めて」
「そっかそっか。それは良かった。キミになら任せられるよ〜。それはそうと、うっちゃんはずっと固まってるね」
そう言われて隣を見ると、布仏はずっと放心状態であったのだった。いつもの凛々しい姿とは裏腹に、今まで見たことないような状態で俺も戸惑ってしまった。
「布仏?どうした?大丈夫か?」
「へ!は!はい!えっと、目の前に篠ノ之博士がいらっしゃいますから、その、どうしたらいいか分からなくなってしまって」
「なぜに?」
「何故って!何を言っているですか!!!篠ノ之博士はISの生みの親であり、正真正銘の大天才ですよ。言動に多々問題があると聞きましたが、その腕は最早奇跡と呼べるくらいの代物ですよ!!!そんな人が目の前にいるのですよ!!!一体どうしたらいいんですか?」
布仏は死ぬ程テンパっていた。
元々布仏はISを学んでいた(現在進行形)生徒であり、その生みの親である篠ノ之束が目の前に現れたら、誰だってテンパってしまうみたいだ。
「なはは!!!そんなに焦ることないよ〜。それにしても、いい体してるねぇ〜。ちょっと束さんに触らせてぇ〜!!!」
束さんってこういうキャラなようだ。織斑先生が言っていた、興味を持った奴にはセクハラしまくるというのは間違いなかったようだ。
「ひゃ!ちょっ!はか、キャ!ちょっ、ダメ!兎、野君、見な、いれ!〜〜っ!」
布仏がめちゃくちゃにされています。目の前で。
正直、スゴくエッチぃです。
と、とりあえず布仏を助けなければ。
「ちょっ、束さん。目的忘れてませんか?」
「ん?・・・あ!ごっめーん。完全に忘れてたよ〜。あっ、うっちゃんもゴメンね。そういうのはまた今度にしようねぇ〜」
「〜〜〜はぅ。お嫁行けなくなってしまいます」
布仏は顔を真っ赤に染めながら俺の事を見てきた。
今のは俺が悪いの?
「もっと早く止めて下さい。バカ」
「えぇー、俺のせいか!!!今のどう考えても束さんが悪いだろ!!!」
「ならもっと早く止めてくれればいいじゃないですか!!!ジロジロ見すぎです。エッチ」
「わぁー、なんかラブコメが始まっちゃった〜」
束さんが遠い目をしながら俺達を見てきた。
二人共恥ずかしくなったので、とりあえず言い合いを止めて、今回の本題に入ろうとした。
するとまたしてもドアが開き、
「おい!!!兎野、布仏、何時までここにいるつもり・・・、束!!!」
「ち〜〜〜〜ちゃ〜〜ん!!!!!!!!!!!!」
織斑先生が運悪く入って来てしまった。
束さんは最大級にニコニコした表情になり、そのまま織斑先生に向かってルパンダイブをした。
「ちーちゃん、久しぶりだねぇ!!!さぁ今から愛を確かめ合おうぜ!!!スハスハクンクンベロベロチューーーーーー、ぶへ!!!!!!」
束さんは織斑先生に抱きついてから全身の匂いを嗅いだり下で舐めたりキスしようとしていたが、織斑先生はすかさず右手で顔面をキャッチし、そのままアイアンクローを決めていた。
「離れろ!!!何故お前がここにいる!!!」
「ち、ちー、ちゃん、頭、割れ、ちゃう、ピギャア!!!」
「ならそのまま割れておけ!!!」
織斑先生は束さんに一切の容赦なく、全力で頭を潰しにいっていた。
というより、先程から束さんの頭からミシミシなっているのは気の所為だろうか。
「と、とりあえず、織斑先生そこまでで。要件がまだでして」
「む、そう言えばお前はコイツに用があるんだったな。なら早くしろ。これから授業が始まるのだ」
「お、おぅ、ちーちゃんは相変わらずだねぇ。えっとね、今日はハルくんにこれを渡しに来たんだ」
すると、束さんはどっからともなく緑色の板のような物を渡してきた。
所々に何か差し込めるようになっているが、一体これは何なのか。
「えっと、これは?」
束さんに問うと、衝撃的なことを言われた。
「これは束さんが拾ってきた《パンドラパネル》だよ」
「・・・・・・・・・・・・は?パンドラ、パネル?」
「こ、これが、パンドラパネルなのですか!!!」
「うん、あのブラットスタークって奴が言ってたし。正直束さんはパンドラパネルなんかに興味無いもん。だからハルくんにあげる。おっと、そろそろ束さんはお暇させてもらうよ!!!クーちゃんをよろしくねじゃぁ、まったね〜!!!」
篠ノ之束は嵐のように去っていってしまった。俺達のこれから前に進むために必要な物だけを残していきながら。
何故、篠ノ之束はパンドラパネルを持っていたのか。それは彼女しか分からないだろう。
春万Sideout
一先ず、コレで彼はまた一つ器に近づいていく。
これでいい。束さん達の計画には、彼の成長は不可欠なのだから。それともう1人、不可欠な子も。君たちの成長によって、彼は完全体となれる。そして、パンドラボックスも。
「そろそろ動いていくね。運命の歯車って奴が。フフ、フッハッハハ!!!」
束の見ていたディスプレイには2人の少年が映っていた。