INFINITE Be The One!!! 作:テントウムシ!!!
っておい、スターク!!!何勝手に俺のナレーション始めてんだよ!!!
『ん〜?なんだよ、いい声してんだろ〜。声の仕事は得意なんだよ』
何言ってんだお前!!!それにここの主役は俺だぞ!!!俺!!!
やられ役のサブキャラは引っ込んでなさい!!!
『フッハハハ、つれないねぇ〜。そうカリカリするなよ、仲良くやろうぜ春万ぁ〜』
お断りだ!
『まぁオレが久々に活躍する第33話、見てくれよ』
スターーーーーク!!!。
春万Side
あれから数日、
クラスでは少しづつクリスマス会に向けて準備を始めていた。
俺は俺で時間が空いた時は開発室に篭もって研究を続けている。
ただ、ココ最近・・・、
「じーーーーーーーーーーー」
目を開けずにじーーー、とか言っている子にストーキングされている。
というか見えてる?
何故なのか、ここ最近あの銀髪の美少女、クロエさんにストーキングされていた。
ただ、俺が彼女の方を振り向くと直ぐに隠れてしまう。
加えて、彼女に声をかけようとすると、どこかへ逃げてしまう。
虚に相談をしたのだが、何故かゴミを見る目で、
「そうですか。良かったですねモテモテで。では、仕事がありますから」
など言われてしまった。
かなり辛辣な対応をされて、正直悲しくなっていた。
しかし、実際本当に何故、俺をつけるのかがわからない。
元々、束さんの助手の様な立場にいた少女であり、スマッシュにされ、助けて以来話していない。
1組に配属された様だが、その後は織斑先生がサポートしていただろう。
こうして考えると、何か俺にお礼でもしようとしているのだろうか?
そこで俺はもう一度声を掛けてみた。
「えっと、クロエさん?」
「っ!」
驚いてまた隠れてしまった。
流石に何度もそのようなことをされると、俺自身もむず痒い感覚に襲われらるため、逃さないように走って捕まえた。
「キャ!!!え、えっと・・・」
「とりあえず、俺になんか用か?ここ最近、ずっと俺つけてたよな?どうして?」
「そ、それは、その・・・・申し訳ございません。少し、お話をしたかったのですが、その、いきなり声を掛けるのは、失礼だと思いまして」
「なんだそんな事か。それじゃあ、開発室来なよ。あそこならゆっくり出来るし、お茶も出せるから」
「は、はい。ありがとうございます」
俺はクロエさんを自身の部屋である開発室に呼んだ。
着くまでは目が見えないこともあり、制服の裾をチョコんと掴んで付いて来ていた。
その仕草はとても可愛らしく普通の美少女であった。
こんな子がこれまで壮絶な人生を生きてきたということが、少し信じられない様な感覚を感じた。
開発室に着くと、俺はポットにお湯を沸かしながら、クロエさんに椅子を用意し座ってもらった。
目を閉じながらも、周りをキョロキョロと見渡していた。
目を閉じていてもボーダンオージェのハイパーセンサーを利用して周囲を感覚で感じているのだろう。
ポットのお湯が湧いたようで、取り敢えず置いてある紅茶を入れ、クロエさんに出した。
「紅茶で良かったかな?」
「はい、ありがとうございます」
「それで、話って?」
「用と言えるほどのお話ではありませんよ。ただ貴方とちゃんとお話したかっただけですよ。加えると、お礼も兼ねてでしたが、何も用意しておらず申し訳ございません」
「本当に、ただ話したかっただけ?」
「はい、そうですよ。その、付けるような真似をして申し訳ございませんでした」
クロエさんの目的は俺とただお話がしたかっただけのようだ。
嘘を言っているようには感じない。
それに加え、この子からは何か不思議な雰囲気を醸し出していた。
ミステリアスと言ったところだ。
「あの時は助けて頂き本当にありがとうございました。こうして学園に何事も無く通えているのも、兎野さんのお陰です」
「いや、俺は特に何も。ただ君がスマッシュになって暴れている所を止めただけだし。学園でやって行けるようにしたのは織斑先生の尽力の方が大きいし、束さんも関わっているだろうからな」
「束さん?兎野さんは束様と面識があるのですか?」
「あの後にね。まさかパンドラパネ・・・っとごめん、なんでもない」
「パンドラパネルのことですね。知っていますから大丈夫ですよ。これでも束様のお手伝いをしていましたから」
「それならさ、何か聞いてないか?」
「そうですね、私は束様の研究内容を理解出来る様な頭脳を持ち合わせていないので、申し訳ございません」
やはり、クロエさんは束さんの研究内容をしっかりとは知らされていないのだろう。
あの人の性格上、人にやらせるよりも自分でやった方が早いと思っているだろう。
「そっか〜。まぁいいよ。そんなことより、学園生活はどうだ?」
「楽しいですよ。1組の人達は私に優しく接してくださっていますし、ダリルさんはとてもよく話し掛けてくれますよ」
「そっか、ダリルは1組か。ダリルがなんか迷惑かけてないか?」
「そんなことありませんよ。とても優しいです。あまり勉学の方は得意ではなさそうでしたが・・・。それで、他のクラスですと、虚さんとはとても仲良くなりましたよ」
「ダリルにそこは期待するな。虚とはあれ以来か。まぁ、楽しく学園生活を送れているならいいかな」
それから、学園での思い出をいくつも語りだしていた。
とてもいい笑顔で、周りに華が咲いたかのようにぽわぽわしながら話してくれた。
本当に学園に来れて嬉しそうだった。
「それで・・・って、あ!ごめんなさい。一人で話し続けてしまって///」
「ハハ、別にいいよ。これでも生徒会副会長だ。学園で楽しく過ごせているのなら何も言わないよ」
そんな楽しいひとときに、突如としてアラームが鳴り響いた。
スマッシュが出現した際になるアラームを止め、その場所を見ると、今回は街中に出現したようだ。
「すまん、ちょっと行ってくる。クローズドラゴン、ここ頼むぞ」
『グワァ〜〜〜〜』
俺はクローズドラゴンに命令し、ドライバーを腰に巻き、鷹とガトリングのフルボトルを振り、ドライバーに挿し込んだ。
【タカ】
【ガトリング】
【BEST MATCH!!!】
【Are you ready?】
「変身」
【天空の暴れん坊=ホークガトリング!!!】
「それじゃあ、ここよろしくな!!!」
「へ?あ、はい。いってらっしゃいませ」
俺は開発室を出ると、翼をはためかせて大空に舞い上がった。
既に日も暮れ始めている中、ホークガトリンガーを取り出し、スマッシュの元へと向かって行った。
スマッシュが出現した場所に到着すると、そこには地面に大きな穴が空いていた。
これまで出現したのと同じような形であり、そこには下水道が通っていた。
(やはりな。これならば、もしかしたら・・・)
俺は頭に浮かべていた仮説が少しづつ形になっていた。
一先ずその事を頭の片隅に置き、今はスマッシュを探すことにした。
ビルドフォンを開いて、もう一度センサーを出すと、ここから少し移動していたため、もう一度空を飛んで向かった。
少し離れた先に、スマッシュと血濡れの色をした人型、間違いなくブラッド・スタークであった。
スマッシュの形はロボットアームの様な腕をしていた。
『ん?漸くお出ましか。待ちくたびれたぞ仮面ライダ〜』
「よう、スターク。お前には少し用があるんだ。付き合ってもらうぞ」
『ん〜?何かあるようだな。ま、用ならこいつに勝ってからにしてもらおうか』
「望む所だ。スマッシュがいる時点で逃しはしないさ」
スマッシュはスタークの合図を確認すると突撃して来た。
スマッシュの背中からブースターのような形状があり、そこから火を蒸かしながら加速してきた。
俺は咄嗟に上空に飛び直した。
見た所、加速に合わせたパワータイプのようだ。加えてロボットアームによる特殊攻撃が予想できるため、テクニック型とも言えるだろう。
ここは下手に考えず、パワーで一気に押し切った方がいいだろう。
そう考え、素早くライオンと掃除機のフルボトルを取り出しドライバーにフルボトルを挿し込んだ。
【ライオン】
【掃除機】
【BEST MATCH!!!】
【Are you ready?】
「ビルドアップ!!!」
【たてがみサイクロン=ライオンクリーナー!!!】
『ほぅ、中々ゴリ押しできた様だな』
俺は背後に回り、加速するためのブースターを狙い、そこに向けて《ロングレンジクリーナー》を向け、強吸引を行い、加速するために蒸かしていた火を完全に吸収し切った。
ブースターから再度火を蒸せば加速は可能だが、俺は必殺技の威力上げの為のエネルギー吸収を行った。
そしてドライバーのレバーを回し《BLDトラッシュコンバーター》に溜め込まれたエネルギーを《ゴルドライオガントレット》にエネルギーを溜めた。
【Ready〜Go!】
【ボルテック・フィニッシュ!!!イェーイ!!!】
スマッシュは再度加速を掛けてこちらに向かって来た。
その勢いを使い、右手のゴルドライオガントレットに溜め込まれたエネルギーに乗せてスマッシュにアッパーを噛まし、上空に打ち上げた。
加速し切っていたスマッシュは突如上空に打ち上げられたためにバランスを取れずにクルクルと回っている所に狙いをしっかりと定め、溜め込まれたエネルギーを放出した。
放出されたエネルギーはライオンの顔の様な質量のあるエネルギーであり、咆哮轟かせながらスマッシュに直撃させた。
スマッシュは空中で爆散し跡形もなく消滅した。
『ハッハハハ、やはり知性のないスマッシュじゃあ馬鹿みたいに突っ込むことしかしねぇな。それで、俺に何の用だ?』
「・・・お前を捕らえたら話しやすいんだがな」
『お前に捕まえられるのか?この俺を?フッハハハ、冗談が上手くなったじゃねぇか』
「・・・スターク、パンドラパネルを求める理由は何だ」
『ほぅ、その話題と来たか。なんだ、パネルを見つけたのか?はたまた手に入れたのか?』
「言うわけないだろ。教えろ!パネルには一体何の意味があるんだ」
『言っているのと同じだ。まぁいい、パネル一枚ごときに大きな理由は特に無い。強大なエネルギーを持った板としか分からないだろうからな』
「・・・パネル一枚ごときか。やはりパネルは何枚もあるだな」
『あぁ。折角だ、ここでお前にも言っておこう。パンドラパネルは計6枚ある。その6枚のパネル全てにベストマッチフルボトルを挿し込む。そうすれば強大なエネルギーを秘めたパンドラボックスが開くんだ』
強大なエネルギーとはよく分からないが、パンドラパネルは六枚、それを箱上にすることで、真の力が解放されるようだ。
やはり、フルボトルはパンドラボックスを開ける鍵であったようだ。
しかし、そうなると俺は元々パンドラボックスを知っていたということだろうか?
「パンドラボックスが開いたらどうなるんだ」
『どんな願いも叶う』
「願いが叶う?そんな非科学的なこと信じられるか!!!」
『パンドラパネルを調べていればわかるだろう。あれは元々地球にあるものでは無いとな』
「・・・・・・だとしてもだ。お前には渡しはしない」
『やれやれ、お前は未だこのゲームの参加者が俺とナイトローグ、そしてお前だけだとでも思っているのか?』
「ゲームだと?それにまだ誰かパンドラボックスを狙う奴がいるのか?」
『それ以上は自分で調べるんだな。俺はゲームメイカーだ。お前達に平等に情報を与えるさ。それにな、もう俺とナイトローグはつるんでいない、別々に考えるだな』
「それを信じる訳ないだろ。それにどちらも結局は敵だ。そこに変わりはない」
『そうか。それじゃ、俺はここらでお暇させてもらおうか』
「な!逃がすわけないだろ!!!」
俺はスタークに向けてロングレンジクリーナーを全開で作動させた。
しかしスタークは胸元からコブラを出現させ、吸引の勢いを使い噛み付かれた。
「ぐっ!」
『そうそう、帰る前にいい事教えといてやる。『兎野命(みこと)』って奴を調べてみろ。それじゃあな、Ciao!!!』
左手を使い、煽るようにスタークはその場を去って行った。
スタークの言っていた人物、兎野命・・・。
兎野、俺と同じ苗字を持つ人物は一体何を知っているのだろうか。
それと、俺とは一体どういう関係なのか。
言えることは間違いなくスターク達の関係者なのだろう。
俺は新たに重要な情報を得て、パンドラボックスを巡る戦いにより飲み込まれていくのであった。