INFINITE Be The One!!!   作:テントウムシ!!!

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仮面ライダービルドであり、天っ才物理学者の兎野春万は前回、ブラッドスタークから情報を引き出すも、謎を更に深めることとなった。
そして謎の人物『兎野命』。そいつが何かを握っているようだ。
それはそうと、本編なんか色々な方向に行っている気がするのは俺だけか?
まぁそんなことは一旦置いといて、第34話をどうぞ!!!


第34話:聖なる使者からの贈り物

春万Side

学園に帰ると、開発室には未だクロエさんが待っていた。加えて虚もいた。

 

「あ!お帰りなさい」

 

「お疲れ様でした春万君。お疲れでしょうが、女の子を部屋で待たせるなんて紳士の風上にも置けないですね」

 

「あ、あぁ。すまん」

 

「行くのでしたら、ちゃんと私に連絡くらい下さい」

 

「次は気を付ける。クロエさんもゴメンな」

 

「いえ、待つことには慣れていますから。フフ、それにしてもお二人共本当に仲がよろしいですね」

 

「まぁな。取り敢えず今日はもう遅いし、女子寮まで送っていこうか」

 

「お構いなく。春万君はちゃんと体を休めて下さい。クロエさん、戻りましょうか」

 

「はい、それでは春万さん。あ!またここに来てもよろしいでしょうか?」

 

「おう、何時でもどうぞ。大体は研究してるから」

 

「そうでしたか。それでは次はお手伝いに訪れますね。それでは、お休みなさい」

 

「お休みなさい春万君」

 

「あぁ、お休みなさい」

 

俺は二人を見送ると、すぐさま『兎野命』について調べ始めた。

どういう人間なのか、一体俺になんの関わりがあるのだろうか?

スタークは兎野命についてを知っていそうな雰囲気ではあったが、あれ以上の情報は引き出せそうにはなかった。

検索をかけてみたところヒットはせず、結局その日は何も収穫も得られなかった。

 

次の日、

朝からクローズドラゴンが騒ぎだし、俺に向かって噛みつき出したので何事かと起きたところ、新たなフルボトルが出来上がっていた。

いつもの様に寝癖が立ち、急いで見ると、色は赤と白の2つの紅白フルボトルがあった。

 

「これは・・・・なんだ?えっと、ケーキかな?」

 

もうひとつの赤いフルボトルには、あのサンタクロースの形がしてあった。

 

『グワァ〜〜!!!!!!』

 

「ハハ、なんだ、縁起がいいのか?折角だ!このフルボトルの実験はクリスマス会にやるとしようか!!!よし、これは俺とクローズドラゴンの秘密な」

 

『グギャァス〜〜〜!!!』

 

クローズドラゴンも嬉しいのか、空中を盛大に舞っている。

クリスマス会もなんだかんだで楽しみになってきたな。

春万Sideout

 

虚Side

春万君がスマッシュと戦闘を行って以降、何だかよそよそしい日が増えました。

明日にはクリスマス会が行われるというのに大丈夫でしょうか?

今はそんなことよりも、学園全体で活気もかなり溢れています。

これはとてもいい僥倖ですね。

今回のイベントは体育祭野代わりのイベントという目的の他にも、キャノンボール・ファストで起きたスマッシュ事件以降、恐怖を感じ引きこもってしまったり、積極的に学園行事に参加することをためらってしまった生徒達に、これを機にもう一度学園復帰をして貰えるような環境づくりという意味も孕んでいます。

計画は思惑通りに順調に進み、心身疲労をしていた方達も続々と学園復帰をしているようです。

楽しい雰囲気というのはとても大切なのだと改めて学びました。

お嬢様のためにも、このような雰囲気は継続していけるように来年度も頑張らないといけませんね。

 

「布仏さーん!これはどこに置けばいいの?」

 

「それはステージにお願いします。それが終わったら今度はこちらの作業をお願いします」

 

「りょうかーい!!!」

 

私も設営係として今日は一日忙しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、

今日から冬休みなのですが、その初日を借りてクリスマス会を盛大に開きました。

現在、私はクラスから出て生徒会室に来ています。

そろそろ最初のイベントが始まるようです。

 

「あー、あー、聞こえるか、IS学園の諸君。儂は知っているだろうが、IS学園生徒会会長、スカイナ=セタンスだ。これより、IS学園による『ビックバンクリスマス』を始めるぞ!!!準備は良いな勇士達よ!!!早速だが、もう始めるぞ。最初のゲームは『プレゼントゲット大会』だ!これより生徒会役員には3本の鉢巻を着けさせた。その鉢巻を手に入れたものは、豪華賞品を与える。今から3時間、ルールは相手に危険な行為をしなければ何をしても構わない。さぁ、スタートだ!!!」

 

さぁ、逃げましょうか。

このゲームは相手に危害を加えなければどのようなこともしてもいいという、かなり偏ったルールによって行われたゲームです。

何でもしていいということは、ISを使用しても良いということです。

実際はこんなこと許可が下りるのか分からなかったのですが、先生方もかなり無理をしたようですね。

 

【ラビット】

 

【タンク】

 

【BEST MATCH!!!】

 

「あ!春万君狡いですよ!!!」

 

「何使ってもいいんだろ!ならビルドを使わない手はないな!!!」

 

【Are you ready?】

 

【鋼のムーンサルト=ラビットタンク!!!】

 

「それじゃ、ガンバ!!!」

 

そう言うと左足に力を溜めて、バネのように跳んで行ってしまいました。

あれから、私はひたすら逃げ回るのですが、学園の人数的に逃げ切れるわけがないので、私は諦めることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲームが終わり、これからのプログラムは全て体育館にて行われます。

次に行われるのは演劇部による演劇となっているので、生徒達は体育館へ移動することになりましたが、ちょうどその時に、春万君から連絡が来ました。

 

「もしもし、どうしました?」

 

「もしもし、あぁ、虚すまん。スマッシュが現れた。ちょっと行ってくる」

 

「あ、切られた。はぁ、結局春万君はスマッシュ退治ですか・・・。仕方ありませんね。私も早く体育館に行きましょうか」

 

『よう、お嬢さん』

 

春万君のことは諦め、取り敢えず体育館に向かおうとした時、後ろから不気味な声が私に呼びかけてきました。

 

「っ!誰?な、貴方は、ブラッドスターク!!!」

 

そこには赤黒い血濡れの蛇、ブラッドスタークが立っていた。

 

「・・・私に、何か用があるのでしょうか?」

 

『フハハ、冷静だな。流石は更識と言ったところか。なに、今日はお前と話をしに来ただけだ』

 

「私と、ですか?珍しいこともあるのですね」

 

正直、かなり焦っています。

この閉所で更に私は自衛のものを持っていません。

更に相手はあのブラッドスタークです。

春万君がいない状況では、かなり危険でしょう。

 

『そう身構えなくてもいい。今日は命を取りに来たわけじゃないからな』

 

「ならどのような目的なのでしょうか。私と話すことというのは、些か不可解です」

 

『そうかぁ?俺はお前にも興味を持っていたからな』

 

ブラッドスタークからは殺気というものを感じません。

多分本当なのでしょう。あまり信じない方がいいと思いますが、ブラッドスタークと話すことで、春万君の助けになる情報が得られるのであれば、危険を冒してでも引き出せしてみましょう。

 

「そうですか。貴方に興味を持たれても全く嬉しくありませんが、何か用があるのでしょう」

 

『肝が据わってるなぁ〜。・・・フッ、なぁ、お前は春万のことをどう思う?』

 

「どう、とは?」

 

『何故あいつに手を貸すんだ?』

 

「そ、それは・・・」

 

『フハハハ、真面目だねぇ〜。なに、少しからかっただけだ。まぁそこら辺は個人的感情で済むからな』

 

なにか含みを持ちながら、何事も無かったように流されました。

個人的感情とは、一体何を考えているのでしょうか。

マスクで素顔が隠れているので考えが読みにくいです。

 

『そんな睨むな。ただ、春万は普通の人間ではないということはお前もわかっているだろう?』

 

春万君が普通では無いのは薄々感じていました。

やはりスマッシュと何か関係があるのでしょうか。

 

「彼はスマッシュと何か関係があるのですか?」

 

『あるな。だが彼奴は特別でもある。普通のスマッシュとは枠組みが違うからな。春万の成長はオレにとって大事なことだからな。だから、春万がビルドとして成長する為に、お前の存在は欠かせないからなぁ』

 

成長する為?

敵であるはずならば春万君の成長を嬉しく思うはずはないです。

春万君のことに関しても、何か知っていそうですね。

少なからず、スタークと春万君は何かしら関わりがあるということでしょう。

ですが先ずは。

 

「教え下さい。貴方は一体何者なのですか!!!」

 

『おいおい、いきなりぶっ込んだ質問してくるねぇ。ミステリー小説でもあるだろう。そう簡単には正体は明かせないなぁ。いずれ分かるだろうよ。今は未だその時じゃあない。ところでだ。更識家といえば、お前達更識は亡国機業を追っていたな』

 

「何故貴方がそれを?」

 

スタークは座りながら煽ってくるように、それでいて全て見透かしているように反応してくる。

此方はやはり、かなりの情報源のようですね。

 

『俺はゲームメイカーだ。プレイヤーの動向を知るのも俺の役割だからな』

 

「亡国機業もあなたの言うゲームに含まれているのですね」

 

『あぁ、面白いだろ?ビルドにはより一層、強くなってもらわないとなぁ』

 

「貴方は一体何を企んでいるのですか」

 

『フッハハハ、全てはパンドラボックスを開けるためだよ』

 

「パンドラボックスを・・・。亡国機業もパンドラボックスを狙っていると?」

 

『正解だ。奴らはその力を手に入れようとしている。パンドラボックスの力は強大だからな。その力に魅了されるのも無理はない。この世界を手にすることの出来る力を秘めているからな。そこでどうだ?オレと手を組まないか?』

 

「そこで頷くとお思いでしたら、他を当たってください」

 

『だと思ったよ。中々、春万にお熱なこったな』

 

「なっ///」

 

『さてと、そろそろお暇させてもらうとするか。これからも春万のことをよろしく頼むよ。Ciao』

 

スタークは何故か気が済んだように煙を巻いて消えてしまった。

スタークと話していると大切な事を只管はぐらかされてしまいました。

それにあの口調、まるで春万君の親の様な話し方。

まさか、いや春万君に親族関係がある人間はいないはず。

春万君からもそのようなことは何も・・・。

そういえば、この前1人でブツブツと『ミコト、ミコト・・・』と呟いていたような。

1度、春万君から聞かねば分かりませんね。

そう思いながら、体育館へ戻っていきました。

その後ろで私を見ている影に気づくことなく・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館へ入ると、既に最後のプログラムであるプレゼント配りの時間になっていました。

 

「お、布仏!丁度良かった。お前、プレゼント知らないか?」

 

慌てるように、ひな先輩が尋ねてきました。

何かトラブルでもあったのでしょうか。

 

「いえ、私は知りませんが。何かトラブルでも?」

 

「プレゼントが無いんだよ!!!やばいな。これ暴動が置きかねないぞ」

 

配るはずのプレゼントが何者かに盗まれてしまったようです。

全生徒分もあるプレゼントを誰かが盗めるとは到底思えないのですが、このままでは最後の最後で失敗してしまいます。

何かで代用などはこの時間からは不可能ですし、加えて春万君は未だ帰ってきていないようですし、一体どうすれば。

 

「やばっ!先生達もスカイナに問い詰め始めちまった。だぁーー、ここまで来て最悪だよ」

 

最早詰んでいますね。

仕方ないので、生徒達に謝る他ありませんね。

そんな時、ステージ上から大きな笑い声の様なものが聞こえてきました。

 

「ハーハッハッハ!!!さぁ、実験を始めようか!!!」

 

【サンタクロース】

 

【ケーキ】

 

【BEST MATCH!!!】

 

「この声は、まさか!!!」

 

「あの馬鹿後輩、何やらかす気だ!!!」

 

いつもの様にビルドの実験を行う時の掛け声と共に春万君の声が体育館に響き渡りますが、一向に姿を現しませんでした。

ただ、その直後、私達は奇跡的なものを目の当たりにしました。

体育館の証明が全て落とされ、暗闇の中からまるで星が輝いているようなイルミネーションが体育館上に投影されました。

 

「キレイ・・・」「何これ!すごい!!!」

 

様々な声を上げながら生徒達が喜んでいました。

かく言う私も心踊らされていました。

そしてステージ上にまるでサンタクロースの様なビルドが現れたのです。

 

【Are you ready?】

 

「変身!!!」

 

【聖なる使者=メリークリスマス!!!イェイ!!!】

 

「勝利のクリスマスは決まった!!!」

 

ビルドの新たなベストマッチフォームで、このクリスマスを祝う為のフォームのようです。

そしてビルドはステージ上でレバーを回し、必殺技の体勢をしていました。

今度は一体何をするのでしょうか?

 

【Ready〜Go!】

 

【ボルテック・フィニッシュ!!!イェーイ!!!】

 

ボルテック・フィニッシュの音が鳴り響くと、大きくジャンプし、赤と白の両腕を大きく開き出すと、キラキラした光が降ってきました。

その光の粒が手元に来ると、直ぐに小さく爆発し、右手にプレゼント箱が、左手にはケーキが出現したのです。

 

「ハハ、何だこれ?後輩の奴、凄いことするな!」

 

ひな先輩は嬉しそうに笑いながら褒めていました。

 

「フフ、そうですね。本当に、凄いですね」

 

「ホッホッホー、メリークリスマス!!!」

 

楽しそうに空中を舞いながら、聖夜の夜を祝福していました。

私はそんな姿をずっと見続けていました。

 

「メリークリスマス、春万君」

 

 

 

 


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