INFINITE Be The One!!!   作:テントウムシ!!!

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第36話:巡り会い、動き出す歯車

春万Side

その日の夜、

夕飯を頂いた後に、刀夜さんに部屋に来るよう呼ばれた。

そこには、刀夜さんともう一人、男性が座っていた。

その位置取りからして、従者の方のようだ。

 

「ん!来たね。適当に座ってくれ」

 

「はい。・・・あの、其方は?」

 

俺は後ろに控えている人を尋ねると、刀夜さんは目線だけ送って、此方に向き直した。

 

「私は更識家16代目当主側付き、布仏仁と申します。君には虚と本音の父親と言った方が分かりやすいね」

 

言われてみると、眼鏡をした顔立ちや髪の色など虚達にそっくりであった。

 

「兎野春万です。いつも虚さんにはお世話になっています」

 

「フフ、こちらこそ、虚と仲良くしてくれてありがとう。彼女はあまり人と絡むことが得意ではなかったのだがね、君と出会って変わったようだ。虚にとって、君はとても大切な存在みたいだ。これからも、虚と仲良くしてくれると助かるよ」

 

仁さんはとても優しい表情を浮かべていた。

 

「フッ、君のことは逐一虚ちゃんから聞いているからね。親類の親としても礼を言おう。・・・・それでだ。話というのは、君に聞いておきたいことがあるんだ」

 

「聞いておきたいこと?」

 

刀夜さんは真剣な眼差しで俺を見つめていた。

何かを探っているのだろうか?

 

「ビルドについて、かな。何せ、正義のヒーローだ。話を聞いてみたいと思ったんだよ!!!せっかくだから色々と聞かせてくれないか?勿論、我々のことも君に話しておこう」

 

刀夜さんは虚の報告でビルドについて興味を持ったらしい。

それから俺は、これまでどのようなことをしてきたのか、ライダーシステムの思想や敵との戦い、フルボトルの研究についてなど、話せる内容を話した。

刀夜さんはコロコロと表情を変えながら、ビルドについてを真剣に聞いてくれた。

少し下がって聞いていた仁さんもとても興味深そうに聞いていた。

俺も更識家のことを教えて貰い、楯無や虚が今までどのようなことをしていたのかを聞ける範囲で教えて貰った。

 

「フム、そうか。ライダーシステムは兵器ではなく、多くの人を守るための装置、か。記憶がないにもかかわらず、ここまで善性を持った人間を見たのは久しぶりだ。君の話からは一切の曇りない信念を感じたよ」

 

「何だかそう言われると恥ずかしいですね」

 

「まるで、彼のようだな。苗字も『兎野』で同じだったな」

 

「彼?誰のことですか?」

 

「あぁ、彼というのは『兎野忍』という科学者だ。私の友人だ。だが、彼はもう何年も前に事故で亡くなってしまったのだけどね。彼とは更識家とも元々進行があったからね。君は彼に何処と無く似ているよ」

 

『兎野忍』、兎野命を調べている中で唯一ヒットした人間だ。

確か、宇宙工学を研究していた人間だ。

だが、今から何年も前に宇宙へのIS実証実験の際に起きた事故で亡くなったとされている。

その実験の失敗が原因でISの宇宙進出が滞ってしまったとされている。

 

「その人に関しては自分も調べました。苗字は一緒ですが全く関係がないようですね。確か家族は娘が一人居るだけだったはずですよね」

 

「あぁ、間違いない。もしかしたら隠し子かもしれないと思ったんだがな。まぁ残念なことに、親子鑑定も0%だったから宛は外れてしまったんだけどね。今も君のご家族を全力で探してはいるのだが、申し訳ない」

 

「いえ、調べてもらっているだけで有難いです。それはそうと、刀夜さん達は『兎野命』という人物を知ってますか?」

 

「命?何か君と関係しているのかい?」

 

「その、もしかしたら自分と関わりのある人かもしれないので、出来れば調べてもらえないでしょうか?」

 

「ん!ちょっと待ってくれ、命?ミコト?・・・・・仁、確か忍さんの娘さんの名前は」

 

「命さん、ですね。ですがその命さんは今から5年前に失踪して以来、行方不明です」

 

失踪している?

5年も前にいなくなっているのでは手掛かりも掴めないだろう。

彼女は俺の何か秘密を握っているはずなのだ。

今、彼女は一体何処に居るんだ。

 

「更識家の総力を挙げて捜索しよう。何か分かり次第、君に伝えよう。さぁ、もう今日は遅い。更識家の朝は早いからな。今日はもう寝なさい」

 

「は、はい。その、よろしく、お願いします」

 

「構わないよ。虚ちゃんのお願いでもあるからね。彼女にもお礼を言って上げてくれ」

 

「虚が・・・。はい、分かりました」

 

俺は立ち上がり、刀夜さん達にお辞儀をし、部屋を出た。

更識家の人達には感謝しきれないな。

その中でも、虚には特に。

そう思いながら、俺は部屋に戻り就寝した。

 

 

 

 

 

 

 

次の日、

早朝から春万の寝顔を眺めながら、つついている虚の姿があった。

 

「・・・・・・・春万君、起きて下さい」

 

「・・・んあ?・・・・・・早くない?」

 

「普通ですよ?」

 

「マジか」

 

時刻は未だ6時にもなっていない。

俺は眠い目をこすりながら身体を確りと伸ばした。

眠気が少しづつ覚めていき、意識が確りと保たれた。

 

「ん、おはよう虚」

 

「はい、おはようございます春万君」

 

俺は虚に朝の挨拶を行い、大広間へと向かった。

大広間には更識家の面々と布仏家の面々が集まりだしていた。

俺が入って来た後に、本音ちゃんと眼鏡をかけた水色の髪をした少女が入って来た。

本音ちゃんは未だ眠そうだ。

本音ちゃんを観察し、ふと目線を逸らした時に、眼鏡をかけた少女と目が合った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ん?」

 

「あ、その、えっと・・・・」

 

辿々しくした後、人見知りなのか、何も言わずに本音ちゃんの後ろに隠れてしまった。

そんな光景を見ていた虚がそっと耳打ちしてきた。

 

「彼女はお嬢様の妹の簪お嬢様です。少し人見知りがあるのですが、本当はとても可愛らしい人ですよ」

 

「ふーん。まぁいきなり家に知らない男が居たらびっくりするだろうしな」

 

「それもそうですね。不審者ですからね」

 

「勝手に不審者にするな。俺は天才物理学者だぞ!!!」

 

「はいはい、それよりも朝ごはんの準備を手伝って下さい」

 

「無視ですか〜。はぁ、了解だ」

 

「フフ、分かればよろしい」

 

「な〜に?朝からアツアツね二人共!!!」

 

そんな所でケラケラと笑っている楯無が入って来ていた。

 

「お嬢様、後でお話が」

 

「え?虚ちゃん?何でそんな怒って・・・・ハ、ハハハ」

 

虚の眼力怖すぎだ。

虚から黒いオーラも出ていた。

相当怒ってるな。

 

「さぁご飯にしましょう」

 

その声と共に朝ご飯を頂いた。

 

 

 

 

 

 

ご飯も食べ終わり、部屋に戻ろうとした時、クローズドラゴンがビルドフォンを持って向かってきた。

ビルドフォンからはスマッシュ反応が二つあるのを示していた。

 

「・・・虚、行ってくる」

 

「スマッシュ、ですね。旦那様には私から言っておきます」

 

俺は確認を取り、外に出てビルドフォンにライオンフルボトルを挿し込んだ。

 

【ビルドチェンジ】

 

バイクモードに変形させ、ライドビルダーに跨り、スマッシュ反応の発生源へと向かった。

そんな後ろ姿を虚ともう一人、青髪の眼鏡をかけた少女が見送るのであった。

 

「・・・・・何、あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スマッシュの発生元へと辿り着くと、

生身の人間が、スマッシュと戦っていた。

 

「はぁ!」

 

生身の人間は立ち向かっていくが全く歯がたっていなかった。

生身の人間は見た目からして、自分とあまり変わらない年齢の少年であった。

戦い方から見て何か武道を行っていたのだろう。

 

「ぐっ、くっそ」

 

「クローズドラゴン、スマッシュの気を引いてくれ」

 

「グワァ〜〜」

 

クローズドラゴンにそう伝えると、ガドリングフルボトルを渡し、フルボトルスロットに入れると、

 

【CROSS-Z・FLAME!!!】

 

そう鳴り響き、スマッシュに向かって攻撃を開始した。

スマッシュはその攻撃に反応し、生身の人間を無視した。

俺は生身の人間に近づきながら問いかけた。

 

「大丈夫か?」

 

「ハァハァ、誰だテメェ。奴らの仲間か?」

 

「奴ら?」

 

「惚けんな!俺に人体実験したのはテメェらだろうが!!!」

 

「よく分からないが、取り敢えず俺はそこのスマッシュを倒しに来ただけだぞ?」

 

「あ?違ぇのか?」

 

「取り敢えず、詳しい話は後で聞くよ。フッ、生身の癖にスマッシュに立ち向かうなんて、お前勇気あんじゃねぇか。後は俺に任せておけ」

 

人体実験だとか、此奴からは興味深いことが聞けそうだ。

もしかしたら、スマッシュに繋がる何かを知っているかもしれない。

まぁ、今はそんなことよりも、此奴の勇気に答えてやらないといけないな。

俺はビルドドライバーを腰に巻き、ラビットフルボトルとタンクフルボトルを振って、ドライバーにセットした。

 

【ラビット】

 

【タンク】

 

【BEST MATCH!!!】

 

【Are you ready?】

 

「変身!!!」

 

【鋼のムーンサルト=ラビットタンク!!!イェーイ!!!】

 

「な、なんだそれ?」

 

「勝利の法則は決まった!!!」

 

俺はスマッシュとの距離を一気に詰め、連打していく。

研究済みのパワー型スマッシュである為、対処は楽であった。

ドライバーに内蔵されている拡張領域からドリルクラッシャーを取り出し、スマッシュの表面から削って行った。

五撃目で、スマッシュの胴体を突き、後方へ退かせると、パンダフルボトルをフルボトルスロットに挿し込んだ。

 

【Ready〜Go!】

 

【ボルテック・ブレイク!!!】

 

「喰らえ!!!」

 

ボルテックトリガーを引き、パンダの爪を出現させながら、スマッシュを削り斬った。

スマッシュを火花を上げながら完全に疲労し切っていた。

そして俺はドリルクラッシャーを拡張領域へと戻し、今度はハリネズミフルボトルを取り出し、ラビットフルボトルと入れ替えた。

 

【ハリネズミ】

 

【Are you ready?】

 

「ビルドアップ!!!」

 

トライアルフォーム=ハリネズミタンクへと変え、迫り来るスマッシュに対して、右手のBLDスパインナックルの針を最大まで伸ばし、スマッシュの攻撃を全てあしらった。

そのままスパインナックルで殴り続け、スマッシュを確実に疲労させていく。

スマッシュの隙が完全に出来たと分かり次第、ラビットフルボトルをもう一度振り、ハリネズミと入れ替えた。

 

【ラビット】

 

【BEST MATCH!!!】

 

【Are you ready?】

 

【鋼のムーンサルト=ラビットタンク!!!】

 

「フィニッシュだ」

 

ドライバーのレバーを回し、必殺技のエネルギーを溜め込んだ。

 

「ちょ〜っと待ってて」

 

俺は後方へ走り出し、地面に垂直に穴を開けた。

そこから一気に上へと上昇し、計算式で出来上がった形を元にスマッシュを逃がさないように挟み込み、必殺技を決め込んだ。

 

【Ready〜Go!】

 

【ボルテック・フィニッシュ!!!】

 

ボルテック・フィニッシュをスマッシュに決め、爆散した。

俺はビルドフォンをもう一度見直すと、そこには未だスマッシュ反応がもう一つあるのだが、辺りを見てもスマッシュはいない。

今ここには先程の少年しかいない。

不思議に思っていると、緊張が抜けたのか、少年が座り込んでしまった。

 

「おいおい、大丈夫か?ってその手、結構怪我してるな」

 

「お、お前が仮面騎士だったんだな・・・」

 

「違う、仮面ライダーだ。仮面ライダービルド、作る、形成するって意味のビルドだ。以後お見知りおきを?」

 

「けいせい?何だそれ?」

 

「マジかよ。意味くらい自分で調べろバカ!!!」

 

「馬鹿ってなんだよ、馬鹿って」

 

「取り敢えず、ほれ。・・・・よっこら、うっ!」

 

俺はボロボロの少年の手を掴むと突如頭に電撃が走ったような痛みを覚えた。

そして、フラッシュバックするように頭に映像が流れた。

その記憶は、ガスマスクをつけた連中に囲まれながら人体実験を受けていた記憶であった。

 

「ど、どうしたんだよ?」

 

「・・・・・ハァハァ、人体、実験。あれは一体・・・」

 

そんなやり取りをしていると、軍隊なのか、銃を持った兵隊らしき人型のロボット?が此方に迫って来ていた。

ある程度の距離に達すると銃を構え始めた。

 

「彼奴らまた!」

 

「ん?なんだあれ?お前、アレに追いかけられてたのか?」

 

「あぁ、変な研究施設みたいな所で人体実験を受けさせられたんだよ。そこから逃げた時にアイツらに追われて、逃げ回ってたってことだ。というか、このままじゃ逃げられねぇ」

 

「変な研究施設ねぇ・・・・」

 

俺は今、思い出した記憶に似たような体験をしていたことを思い出していた。

俺もその人体実験を受けていたようだ。

そしてその実験場にはそこには、ナイトローグと周りに何人もの実験服を着させられた人間がいた。

 

「取り敢えず、謎が多すぎるな。ってそんなゆっくりしてられなかった」

 

俺はビルドフォンを変形させ、ライドビルダーの形へと変えた。

そこに跨り、後ろを見ると少年はボケっとしながら俺を眺めていた。

 

「・・・何やってんだよ。乗れよ!!!」

 

「え?あ、おう」

 

『グワァ〜!!!』

 

クローズドラゴンがあの兵隊達を足止めしている隙に、俺は急速発進させて、その場を離れるのであった。

その道中、

 

「はぁ、最悪だ。なんであんな軍隊なんかに追われなきゃ行けないんだか。・・・ところで、お前、名前は?」

 

「あ?俺は甲斐龍斗だ。お前は?」

 

「俺の名前は兎野春万だ。天才物理学者だ」

 

「自分で天才とか言うのかよ。歳もそんな変わらねぇだろうが。まぁ・・・・・・その、助けてくれてサンキュ」

 

「フッ、気にすんな。なんとなくお前を気に入っただけだ。それに・・・いや、なんかお前面白そうだしな。ズボンのチャックは全開だけどな!!!」

 

「ふぁ!何時からだよ!!!」

 

甲斐は急いでズボンのチャックを締め始めた。

 

「割と最初から」

 

「何で教えてくれねぇんだよ」

 

「教えるも何も、自分で気づけバーカ」

 

「お前、また馬鹿って、このやろ!!!」

 

「お前、揺らすな!!!転ぶだろうが!!!」

 

『グワァ(ヤレヤレ)』

 

こうして、俺と甲斐は運命に導かれるように出会ったのだった。

この出会いは偶然か?それとも必然か?

俺達の姿を見守る様に、ブラッドスタークは観察するのであった。

 

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