INFINITE Be The One!!!   作:テントウムシ!!!

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天っ才物理学者の兎野春万は気がついたら女子だらけの学園、IS学園へと漂着していた。何故俺がここに流れ着いたのか、俺の記憶は何故なくなったのか?多くの疑問を残した俺だが、俺の天っ才的な発明品であるフルボトルがその鍵を握っている。いやーやっぱり俺って天っ才だな?
「脈絡もなくいきなり自分を天才だとか言う貴方の頭はもう一度打った方がいいんじゃないですか。このナルシスト」
うるさいよ!!!さぁ、どうなる第3話。


第3話:ライダーシステムとフルボトル

場面は変わる。学園長室に到着すると明らかにイラついている理事長と真剣な眼差しではあるがどこかしら優しさを感じるような目でみている学園長が待っていた。なんだこの正反対な態度は。

 

「織斑先生、そい・・その子が行き倒れになっていたという男ですか?」

 

「はい、そうです。健康状態の確認のために保健室で安静にさせていました」

 

「そうでしたか。それで君の名前は?」

 

「兎野春万です。」

 

「織斑先生から聞いたところ自分がどこから来たのかも何も覚えていないそうですが、本当ですか?」

 

「えぇ、何も。覚えているのは名前とフルボトルと何かから逃げてきたということだけですね。」

 

「ふん、男の言うことなど信用出来ません。学園長、即刻この学園から叩き出しましょう」

 

「まぁまぁ、先程も言った通り聞かなければならないこともありますから、冷静になってください」

 

「ぐっ、」

 

「失礼しましたね。それで、君の言う『フルボトル』とはなんなのですか?」

 

「フルボトルとは、その名の通りそのボトルを振って使うものです。」

 

「なんだお前、思い出したのか?」

 

「はい、1日ゆっくり休んだおかげか、記憶を取り戻す鍵ともなり得るからなのか思い出せました。」

 

「そうか、なら説明を」

 

「分かりました。続けますね。あ、その前に先生に渡したフルボトルがあるとわかりやすいんですが・・・。」

 

「それは・・・」

 

「織斑先生、渡して上げてください。元々は彼のものなのですから」

 

「ですが、これは昨日調べてみたところ、全く解明できなかった代物です。もしも危機となり得るものでしたら」

 

「大丈夫だと思いますよ。彼は私たちを危険に晒そうなどとは全く思ってないようですので」

 

「っ・・・分かりました。兎野、これを返す。ただし、ちゃんと説明をしてくれ」

 

「分かりました。では改めて続けますね。このフルボトルの名前は『ラビットフルボトル』。有機物、兎の成分が入ったものです。」

 

「兎?何故、兎?」

 

「このフルボトルを製作するにあたって、成分の元はナノマシンから出来てます。」

 

「ナノマシンということはISや医療に使われるナノマシンということか?」

 

「えっと、ISにどんなナノマシンが使われているのかは知りませんが、このフルボトルは俺が初めて成功した発明品なんです。確か、使ったナノマシンの種類は遺伝子系統のナノマシンだったはずです。」

 

「ISで使われるのは自然物を生成するためのナノマシンであったはずだ」

 

「なら少し違いますね。それを使う場合は無機物のフルボトルが作れると思いますから。少し脱線しましたが、このフルボトルの性能は勿論振って発動します。」

 

「私は振ったが何も起きなかったぞ」

 

「え、そうなんですか!!!それは新たな研究課題になりますね。フルボトルは使える人が限られるのか。あ、すいません、と、とりあえずこのラビットフルボトルは振ると 」

 

「?」

 

「このように、えいっ!って、痛った!!!」

 

「ワオ!すごいジャンプ力」

 

「イタタ、っとこのように、高い跳躍力が一時的に手に入ります。それも、このフルボトルを振れば振るほど効果が上がります。」

 

「そうですか、それは分かりました。ですがそれは一体なんのために使うのですか?一見特殊な力が手に入っているだけで、ISがある時点では余りにもインパクトにかけますし、正直使いませんよね」

 

「いえ、まず、このフルボトルは一本では使いません。本来は2つのフルボトルを用いて使うものですから。」

 

「2つですか?ですがそれも・・」

 

「フルボトルだけだとですが、これはある装置の鍵となるものなんです。」

 

「ある装置?」

 

「はい。布仏さん、さっき書いた紙ってどこだっけ?」

 

「それなら私が持っているわ。はい」

 

「うん、ありがとう。これです。その名も『ライダーシステム』です。このドライバーに2つの、それぞれ有機物と無機物のフルボトルを差すことで変身することが出来るものです。」

 

「ライダーシステムですか。これはどんなコンセプトのものなのですか?」

 

「勿論、対IS用ですけど。」

 

「何?お前は戦争でも始める気だったのか?」

 

「ふん、やはり男など頭の悪いことしか考えないようですね。何が対IS用ですか!男、しかも年端もいかない若造がISに敵う兵器など作れるわけないでしょう!!!」

 

「ライダーシステムは兵器じゃありません!!!これはISの暴走を止めるために使うものです!!!決して人を傷つけるものじゃない!!!」

 

「ふ、ふん。そんなことはどうでもいいです。学園長、これで分かりましたよね、やはり男など野蛮で危険なんです。さっさと学園から追い出しましょう」

 

しまった、つい熱くなってしまった。どうするか、このままじゃ路頭に迷って死ぬかも。

 

「まぁまぁ、2人とも落ち着いてください。まず、君のことを調べましたが、貴方には両親もいなければ戸籍もありませんでした」

 

「(更識家が調べましたから間違いないです)」

 

「つまり俺は身寄りもなければ行く宛もなしってことですね。それは何だか不気味だな」

 

「残念ながら。貴方が兎野春万君という事も証明できていないという状態です」

 

「誰かにそう呼ばれていた記憶が薄らあったんですけどね。それが誰かは思い出せないんだけど・・・」

 

「このまま学園から外に放り出したとしても、貴方はどうすることも出来ないでしょう」

 

「そうでしょうね。このままだと野垂れ死にますね」

 

「なので提案があります」

 

「提案?」

 

「貴方が先程仰っていたライダーシステム、それを1週間で作り上げ、本学園に入学することです」

 

「は?」

 

「は?」

 

「へ?」

 

「ふ?」

 

「ひ〜?」

 

「ほう」

 

「なんで遊んでるんですか先生方」

 

「別に遊んでないですよ〜、私、全然喋ってなかったからね」

 

「そうですね、ファルティナ先生もいましたね」

 

「酷いよ布仏さん」

 

「いやあの、なぜ?俺は男ですよ。ISは動かせませんよ。」

 

「貴方は先程暴走したISを止めるためといいました。もしそれが本当に可能ならば学園はより安全に保たれますからね」

 

「学園長、どういうことですか?」

 

「もしかして、学園にあるISが暴走した時のための抑止力として欲しい、ということですか?」

 

「えぇそうですよ。見た所、貴方は技術者の様な口ぶりですから、実力があればISの整備科に所属できるでしょうし、そろそろ男性にもIS学園で通えるように考えていたところですので、それのテスト学生としてもですが」

 

「ま、待ってください学園長!!!本気ですか。この神聖な学園に穢らわしい男を入れるなど」

 

「理事長先生、そのような発言は一学園の長としてはあまり宜しくないのではありませんか?」

 

「くっ、ですが・・」

 

「それに私は心配しているのですよ.」

 

「心配?」

 

「もしも、学園にあるIS全てが暴走した際、いったい誰が止めるのですか?」

 

「そ、それは・・・」

 

「その為にも彼の言うような抑止力が学園に居さいすれば、対処出来ます。そのような保険としても考えていただけませんか?」

 

「うっ・・・・・わ、分かりました。ですが、それはISバトルで勝利してからですよ」

 

「勿論です。学園に入学する以上、試験は受けて頂きます。勿論兎野君が試験に通った際には必要事項は全てこちらで用意します。それでよろしいですか兎野君?」

 

「俺としても願ったり叶ったりですよ。ありがとうございます学園長先生。1週間もあれば完成させられます。設計は全てこの頭に入っているので。」

 

「そうですか。ではそういう方向で。ただし、開発には必ず誰かを見張らせます。貴方は未だ不穏分子であることには変わりありませんからね」

 

「了解です。資源さえあれば今からでも作りますよ。」

 

「宜しい。それでは織斑先生、1週間彼の監視をお願いしますね」

 

「分かりました。兎野、開発には何が必要なのかを後で私に出してくれ。揃い次第始めてくれて構わない」

 

「ありがとうございます。でも本当にいいんですか?記憶が無いとはいえもしかしたらテロリストだとか、スパイとかかもしれないんですよ。」

 

「フッ、大丈夫だ。若造程度に負けるほど落ちぶれてはいない」

 

「フフ、伊達にブリュンヒルデの称号は貰えませんからね」

 

「そう、ですか。では遠慮なく作らせてもらいますね。」

 

こうして俺は◼️◼️◼️となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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