INFINITE Be The One!!!   作:テントウムシ!!!

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第41話:新・生徒会長スタンドアップ!!!

春万Side

俺は今、生徒会室の前に来ているのだが、何故か織斑先生とスカイナ会長が格闘していた。

 

「セ、タ、ン、ス〜!!!」

 

「織斑、先生・・。ちょっ、貴方のアイアンクローは洒落には〜!!!痛い痛い!!!」

 

「寄りにもよって何故兎野なんだ!!!布仏もいただろ!!!」

 

「そ、それは色々と考えてですね・・・・」

 

織斑先生は俺が生徒会長になることに対して苦言を言い、次いでにスカイナ会長をアイアンクローしている。

この人に体罰だとかは求めてはならない。

社会的に強すぎる、というかそれを求めて来る生徒もいる。

最早この学園は末期だ。

話を元に戻すが、俺は俺でこの変な状況を傍観、と言うよりは諦めモードで眺めていた。

今更であるが、俺が生徒会長になることには問題だらけであるのだ。

先ずは性別。これが一番の問題であり、男がこの学園にいることでかなり異常な目でいつも見られていた。

未だこの学園は女尊男卑が強く根付いているため、やっかみがなかった試しがない。まぁ、会長と戦って以降、かなり人数は減った方ではあるが。

それに考えてみて欲しい。

ISを動かせない男が、このISを専門的に扱う学園の生徒会長になるというのは如何なものであるだろうか。

かなりの批判を喰らうだろう。

しかし、このIS学園の生徒会長とは、つまり学園最強の称号を意味するものでもある。

3年であるスカイナ会長達が抜ける今、この学園で最強はつまり、ライダーシステムを扱う俺であるらしい。

ライダーシステムとISは全くの別物なのだが、大丈夫なのだろうか。

だが、学園長はそれを知っていながらも認めているような態度であったのを、未だ覚えている。

今更ながらのことに悩んでいると、背後から丁度更識家から帰ってきた虚の声がしてきた。

 

「何事ですか?」

 

「あぁ、俺が生徒会長になることを織斑先生があまり良くは思っていないらしい。会長に文句件理由を聞きに来たってところだろう。俺もさっき来たばっかりだから詳しいのはよく分からん」

 

「そうでしたか、織斑先生が(多分、仕事が増えるからでしょうね)・・・。それはまた大変ですね。春万君が生徒会長ですからね。頭が痛くなるでしょうね。それはそうと、あのボトルの方はどうなったのですか?」

 

何故か俺のせいである様な言い方をされたが、取り敢えず無視だ。

 

「よく聞いてくれた!帰ってから浄化してみた所、なんとドラゴンのフルボトルが出来たんだよ。…ただ、ちょっと特殊なフルボトルみたいなんだ」

 

「特殊、ですか?何か引っかかることでもあったのですか?」

 

甲斐に渡したものの、一旦データを撮る為に、甲斐を勉強させている間に貸してもらい、データを取っていた。

だが、ドラゴンフルボトルは使ってみると、暴走したかのように力が爆発的過ぎて抑えきれず、加えて体に負担までもかかってしまうという状態であった。

 

「まぁな。今までのフルボトルと違って、全然扱いきれないんだ。力の制御が効かないフルボトルなんて初めてだ。・・・どうだ虚?興味深いだろう?」

 

俺が誘うように言うと、虚は目を細めながらその誘いに乗るように興味を示していた。やはり俺と虚の感覚は何処か近いのだろう。

自分に共感を持ってくれる人間がいることはとても嬉しい。

 

「っ!・・・フフフ、そうですね、とても興味深いお誘いですね。今後の研究に、より精が出そうですよ」

 

「ハハ、虚ならそう言うと思った。それじゃあ早速手伝ってくれないか?やっぱりお前がいないと捗らないからな」

 

「もう、仕方ありませんね。私がいないとダメダメな天才物理学者さん?」

 

虚はなんとも不名誉なことを言ってきたが、俺はいつもの様に自意識過剰にお返しをしてあげた。

 

「ダメダメじゃねぇよ。何時でも完璧な天才物理学者だ」

 

「本当に春万君はナルシストですよね。まぁそうしておきましょうか。それでは行きましょうか?あちらはまだまだ長続きしそうですからね」

 

織斑先生は未だスカイナ会長に未だ文句をタラタラと言っていた。

俺達はそんな姿を見て呆れながら彼女達をスルーし、開発室へと戻るのだった。

そんな2人のやり取りを傍目から感じていた2人はと言うと、

 

((アイツら、私(儂)の前で堂々とイチャイチャしやがって!!!さっさと付き合え、研究バカップル!!!))

 

「「へっくし!!!」」

 

俺と虚は何故か同時にくしゃみが出てしまった。

こんな偶然もあるものなんだな。

 

 

 

 

 

開発室に戻り、俺達はドラゴンフルボトルのデータと睨めっこしていた。

甲斐はその間、IS学園に入る為の最低限度の知識を勉強させていた。

頭の出来がかなり残念である甲斐は、頭をずっと抱えながら唸り声を上げているのだった。

 

「うぬぬぬ、分からん!!!・・・・あっちあっつ!!!やめ、やめろっての」

 

『グワァ!!!』

 

そんな甲斐を監視するようにクローズドラゴンが宙を舞っていた。

少しでもサボろうとすると、クローズフレイムを容赦なく放ち、甲斐の頭を焦がしていくのであった。

そうして1時間程経ち、データをまとめ終えると虚は何かに気づいたのか、俺にあることを提案してきた。

 

「考えたのですが、パワー制御が難しいのならば、このフルボトルを一本だけで使うことは出来ませんか?」

 

「一本だけ?・・・・・・そうか、このフルボトルを制御するためのアイテムを作れば、このじゃじゃ馬フルボトルをうまい具合に扱えるかもしれないな。アイテムか〜。ん?」

 

そこで俺は気づいた。

フルボトルはドラゴンであった。甲斐の頭の上を舞っているクローズドラゴンも同じ龍型の発明品。

・・・それならば、クローズドラゴンを介することで力の制御を可能に出来るよう、調整すればどうだろうか。

クローズドラゴンもこのフルボトルと相性が良ければ、クローズドラゴンだけでも十分なサポートを行えるだろう。

それに彼奴の・・・・・・・・・・・。

 

「それならクローズドラゴンを使うか。このフルボトルは彼奴のだ。お目付け役としてクローズドラゴンを彼奴に貸したが、もしもの時に活躍してくれるかもしれないしな。それと・・・・・ってな訳で、どうだ?」

 

「フム、それは面白そうですね。武器は私に考えさせてくださいよ。今ならいい案が浮かびそうなんで」

 

そうと決まれば、いつも通り俺達は忙しく動き出した。

虚が一体どんな武器を考えてくれるのかにも興味深い。

先ずはクローズドラゴンの改造案から始め、次の日にはクローズドラゴンのメンテナンスと同時に、拡張領域の増長・調整を終え、クローズドラゴンには新たにあるギミックを搭載するのであった。

ビルドドライバーと連携できるように拡張されるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、新学期が始まると、最初の全校集会が始まった。

甲斐は開発室でお留守番だ。その間に勉強を行わせている。

今日の俺は生徒会副会長であるため、舞台袖に控えていた。

本日をもって現生徒会3年のメンバーは引退し、俺達へ引き継ぎを行うため、これから生徒会は俺と虚の2人のみとなってしまう。

なるべく早めに生徒会役員を集めることを織斑先生にしつこく言われたが、それは後々やることにしよう。

今日の朝まで織斑先生は俺が生徒会長になることに苦言を申していたが、もう考えることをやめてどうでも良くなってしまったようだ(多分疲れたのだろう)。

 

「本日をもって3年生徒会役員及び儂、スカイナ・セタンスは生徒会長の任を終える。そのため、次の生徒会長として儂は兎野春万に引き継がせることにした。春万、後はよろしく頼むぞ」

 

スカイナ前会長に呼ばれたため、壇上に出るとそこでは多くの生徒が怪訝な顔をしていた。

女尊男卑の思考が強い人に至っては、今にも噛みつきそうな顔をしながら、俺を睨んでいた。

誰にも祝ってもらえない新生徒会長って、どうなんだ?

 

「えぇ〜、という訳で、新生徒会長として自分がなることになりました。・・・多分、ここにいる大体の人はなんで俺がって思うだろう。ISを動かせない男がこのIS学園の生徒会長になることはかなり可笑しいと思えるだろう。だが、それは君達の凝り固まった思考がそう思っているだけだ」

 

あえて俺は生徒達に煽るような言い方をした。

勿論意味があるからやったのだが、その煽りに殆どの生徒や教員が食いつき俺を睨みつけていた。

それを無視しながら、話を続けていった。

 

「この学園の生徒会長につける条件はただ一つ、学園最強であること。それは決してIS技術という条件だけではない。俺の持つライダーシステムは皆も知っているように、ISと互角以上に戦える。だが、俺はライダーシステムの強さを皆に見せつけたいわけじゃない。ライダーシステムはこの学園を守る為の防衛装置であることを理解して欲しい。皆も知っているだろうが、ここ最近この学園は外部からの攻撃を多く受けるようになった。キャノンボール・ファストの時、多くの生徒達に被害を出してしまったことに対して、責任を取らせて欲しい。

その為にも、これから襲い来るかもしれない外敵からこの学園の生徒である君達を守るために、全力で生徒会長を張りたいと思っている。これからよろしく、お願いします」

 

俺は自分なりに考えたことを述べ、壇上から降りた。

虚が控えていたのだが、彼女の様子からして若干俺の事を心配していたようだが、何事もなく終わって安堵している様子だった。

 

 

生徒達は様々な反応を示していた。

ある者は、彼に不安を抱きながらも、生徒会長として任せることを決め、ある者は、未だ彼に不信感と嫌悪感を隠せずにいた。

またある者は、私こそが生徒会長に相応しいと思うのだった。

教員も様々な反応をしていた。

男などに任せられないと思う者もいれば、彼の今後に期待し、見守ることを決める者。

十人十色の反応であるが、間違いなく男ということだけで思考を停止し、下に見ようとする人間は少しづつ減っていたのは事実であった。

 

 

俺こうして、晴れて?なのか良くはわからないが、IS学園生徒会会長となったのだった。


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