INFINITE Be The One!!!   作:テントウムシ!!!

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第44話:不死身の炎から解き放て!!!

春万Side

 

【封印のファンタジスタ=キードラゴン!!!イェイ!!!】

 

「今助けるからな、虚。うぉぉお!!!」

 

虚が変えられてしまったスマッシュは不死身の炎を纏い、その炎を翼にすることで空を飛ぶことが可能なスマッシュである。

名付けるとするならば、『フェニックススマッシュ』。

不死鳥が如く、何度も再生してしまうが、その分だけ虚に負担がかかってしまう。

これ以上、虚に負担を掛けてしまえば、最悪の場合、また救うことが出来なくなってしまう。

そんなことは絶対にさせない。

もうこれ以上、誰かが悲しむのを、誰かが目の前で消え去ってしまうのも見たくはない。

それに、俺にとって虚は大切な存在だ。

決して失いたくない、大切な存在だ。

だからこそ、救ってみせる。このキードラゴンの力で!!!

 

「はぁ!」

 

『グッ、ぅぅあぁぁ!!!』

 

スマッシュは更に炎を纏わせながら、低空飛行で突撃してきた。

俺は右手の《BLDインファントグローブ》に蒼い炎を発現させ、拳にその炎のエネルギーを溜めてスマッシュに向けて拳を突き出した。

不死の炎と蒼炎。

制したのは、ビルドの蒼炎であった。

スマッシュの纏っている炎を蒼炎が一気に燃え上がらせ、色を全て蒼に染め上げた。

ナイトローグはその状況を不味いと感じたようで、スチームブレードを取り出し、襲いかかって来た。

しかし、元々二人共相手に取るつもりで戦闘を行っていたため、対処も直ぐに出来た。

このナイトローグは前回と同じ様な戦い方であったため、データも充分にあり、スチームブレードを全て捌ききった。

 

『バカな!』

 

「残念だったな、これでも俺は一度負けた相手は研究する質でね。こいつでどうだ!!!」

 

俺は左腕の《バインダーマスターキー》で反撃し、そのままナイトローグを拘束するための拘束型攻撃で、ナイトローグの動きを完全に封じきることが出来た。

そして、そのままナイトローグに対し追撃を仕掛けようとした時、ドラゴンフルボトルの副作用が出始めてしまった。

 

「グッ、まだ、もって、くれ!!!」

 

俺は踏ん張りながらもドラゴンフルボトルの暴走を強引に抑え込み、今にも拘束から抜け出しそうなナイトローグへ右腕のストレートをぶつけた。

 

『グッ!!!』

 

拘束を同時に壊しながら、後方へ吹き飛ばすことに成功した。

そしてナイトローグは、回収していたフルボトル数個を地面に撒き散らした。

俺はそのフルボトルを拾おうとしたが、その直後、背後から疲労していたフェニックススマッシュが炎を纏わせながら突撃してきた。

それも、今までよりもより速度を上げて突進されてしまい、咄嗟の判断では間に合わず、スマッシュの攻撃が直撃してしまった。

 

「な!ぐはっ!」

 

最早体も限界に来ていたが、それでも助けたいという思いが、俺に何度も力をくれ、立ち上がることが出来た。

ナイトローグもその光景を見て、驚きを隠せずにいた。

 

『何故、まだ立てる!最早貴様に力など残ってはいないはずだ』

 

「誰かを助けたいという思いが、俺を何度だって立ち上がらせてくれるんだよ!!!お前には絶対に分からないことだ!!!こんな所で未だ倒れる訳には行かねぇんだよ!!!」

 

彼処で倒れている彼奴の想いも受け継いでいるんだ。

限界なんて何度だってぶち抜いてみせる。

俺はもう一度、全身に気合を入れ、フェニックススマッシュに攻撃を再度開始した。

左目の《ドラゴンフェイスモジュール》が感情が昂ったために、発熱し始め、より全身に力が行き渡り始めた。

そうしたことで先程以上に勘が冴え渡り、より【キードラゴンフォーム】の性能を引き出せるようになった。

《ライトアイロック》を機能をより精確に、精密に作用し始め、フェニックススマッシュとナイトローグの位置を完全に把握出来た。

《レフトアイドラゴン》により、反応速度がより高まり、フェニックススマッシュの突進を回避すると同時に、強烈なカウンターをお返しすることに成功した。

加えてナイトローグの行動を完全に把握していたため、【ライフルモード】へと変えていたトランスチームガンの必殺攻撃までも、躱すことが出来た。

 

『馬鹿な!先程までと動きが上がっているだと・・・』

 

「こいつでどうだ!!!」

 

俺は躱した直後、ビルドドライバーのレバーを回し、ナイトローグへボルテック・フィニッシュを放った。

 

【Ready〜Go!】

 

【ボルテック・フィニッシュ!!!イェイ!!!】

 

《バインダーマスターキー》を右に左に大きく振り回し、ナイトローグにチェーンのような形をしたエネルギー体で、もう一度体を完全に拘束し、《ドラゴンハーフボディ》全身から蒼炎を放ち、自分の頭の上に炎が集まりだした。

それを全て右腕に小さく濃密に集約し、ナイトローグへ向けて炎をぶつけた。

直後、ナイトローグは大爆発を起こし、体にはダメージ過多による電流が流れ出していた。

 

『グッ、兎野、春万ぁぁあ!!!貴様だけは絶対に許さん。次は無いと思え!!!』

 

負け惜しみのような捨て台詞を吐きながら、円筒のような部分から煙を巻き、姿を消してしまった。

 

「フグッ、ヤバいな。もう持たない。さっさと決める。勝利の法則は決まった!!!」

 

急かすように右手を《ライトアイロック》をなぞる様に、いつもの決めポーズを行い、右腕に付いている白刃《ファングオブブレイド》で既に疲労しているフェニックススマッシュを斬りつけ、同時に炎を溜め込んだ爆砕パンチを喰らわせ、瀕死寸前にまで追い込んだ。

しかし、フェニックススマッシュは炎を全身に纏わせることで傷を修復しようとしていた。

しかし、これ以上ダメージを治させるつもりは毛頭無い。

修復中は体が止まるため、その隙を突き、レバーを回し再度ボルテック・フィニッシュを使用した。

 

【Ready〜Go!】

 

【ボルテック・フィニッシュ!!!イェイ!!!】

 

俺はある程度の距離を取り、体全身に蒼炎を放ち、両手を広げ、右足を後ろに構えながら、フェニックススマッシュに向かって走っていった。

そして、距離感が絶妙な位置となった時、両足で跳び上がり、空中で一回転し、右足の《ロックアップシューズ》を突き出した。

正しく、初代から受け継がれたライダーキックを仕掛け、見事決めた。

更にロックアップシューズには特殊装置が組み込まれており、蹴りを決めた直後に、フェニックススマッシュの体を封じることが出来た。

爆発後、再び再生されないように炎を生成させないように体を完全に拘束することに成功した。

 

そうして、エンプティボトルを取り出し、急いでスマッシュの成分を抜き取った。

すると見る見るうちに虚の姿へと戻っていった。

ホッと安心するのもつかの間、気が抜けたと同時に抑え込んでいたドラゴンフルボトルの力が暴走し、変身を強制解除させられてしまった。

倒れそうな体に更に無理をして、虚に走って向かっていき、抱きとめた。

 

「ハァハァ、虚、良かった・・・」

 

俺は反射的に虚のことを抱き締めていた。

すると、意識を取り戻したのか、俺の右手にそっと手を置いて反応を示してくれた。

 

「っ、はるま、くん?・・・ありがとう、ございます」

 

その目には涙を薄らと浮かべていた。

相当怖かったのだろう。それ以上に辛かったのだろう。

虚も感極まって抱き締め返してくれた。

 

「ごめん。遅くなった」

 

「そんなこと、ありません。本当にありがとう、私の、ヒーロー」

 

「・・・・・っ」

 

俺はそんなことを言われるべきでは無いだろう。

お前を、守れず、スマッシュにさせられて、傷つけてしまった。

甲斐だって、ボロボロにさせて、ナイトローグも倒せず、甲斐がいなければ諦めかけていた。

そんな奴がヒーローと呼ばれる資格は無いだろう。

俺は、ポロポロと目から涙が溢れて止まらなかった。止められなかった。

そして、より一層、虚を強く抱き締めていた。

 

「ごめん。本当にごめん。・・・結局、俺はお前を傷つけた。お前を守れなかった。俺はヒーローなんかじゃない。大切な人もまともに守れないのに、多くの人を守るなんて・・・」

 

「そんなこと、ありませんよ?貴方は立派にヒーローです。誰がなんと言おうと、例え貴方がそれを否定しても、私にとって、貴方はヒーローなのですから。ん、自信を、持ってください。ちゃんと貴方は多くの人守れていますから。だからもう泣かないでください。貴方が、涙を流していたら、私も悲しいです」

 

虚もより一層強く抱き締め返しながら、俺を慰めてくれた。

その目からはゆっくりとと涙を流しながら・・・。

あれだけのことが起きながらも、俺を必死に思いやってくれる優しい君に、俺は一体何を返せるのだろう。

 

結局俺達をはそのまま、俺が泣き止むまで、虚が只管俺の頭を撫で続けてくれた。

春万Sideout

 

虚Side

頭をそっと撫でて春万君が泣き止むと、そのまま糸が切れたように疲れ切ってしまったのか私を抱き締めながら眠りについてしまったようです。

私も先程までスマッシュとして暴れ回っていたようなので、体には倦怠感を感じています。

一応、スマッシュになっていた前後の記憶が朧気でまともに思い出すことが出来ずにいます。

私も疲れているため立ち上がることが出来ずにいますが、春万君達は私を救い出そうと必死に戦ってくれていたようで、そのまま眠っています。

私は白い被験者服のポケットの中から、ビルドフォンが入っていることに気づきました。

そういえば、記憶を失う前にそのまま持って行ってしまったことを思い出しました。

私は彼に申し訳なさを感じるも、心がとても満たされていました。

彼が初めて私に弱音を全力で吐いてくれたことが嬉しくて仕方ありません。

私でも、貴方の役に立てているのだと、貴方の大切に入っているのだと思うと、胸がキュッと締め付けられていきました。

私を抱き締めながら眠っている貴方をより一層、愛おしく感じます。

春万君を抱き締めずにはいられず、優しく、包み込むようにもう一度抱き締め返すと、春万君もそれに応えるように眠りながらも優しく私を抱きしめ直してくれました。

 

そんな状況をひっそりと見ている子が一人。

 

「起きて早々にこれだよ。ったく、こっちは必死に助けてやったてのに、イチャイチャしやがって。イテテ」

 

「っ///か、甲斐君。これは、内緒ね」

 

「へいへい。それよりも、早く運ぶぞ。こいつ、めちゃくちゃ無茶してたからな。間に合って良かったわ。うぐっ・・・」

 

甲斐君もかなりの深手を負っていました。

そんな状態で意識をしっかり持って、立ち上がっている姿を見ると、本当に強靭な精神力の持ち主なのだとしみじみ思います。

ですが今は怪我人。これ以上無理をさせる訳には行きません。

 

「甲斐君、貴方も大人しく休みなさい。お嬢様には既に連絡しましたから。直ぐに来てくれますよ」

 

「あいつにか?まぁいいや。俺はまぁ大丈夫だしな!!!イギッ!」

 

「はぁ、何処が大丈夫なのですか?いいから座るなり寝るなりしていなさい。でないと、キザみますよ?」

 

「ぴぇ!す、すいません・・・」

 

一瞬にして座り直し、静かに待機し直していました。

この子は、子犬感が漂ってきますね。

本当に、お嬢様によく似てますね。

 

「ところでよ、いつまでそうしてんだ?」

 

「疲れて寝てしまったのですから、今はこのままそっとしておいて下さい」

 

「ふーん。・・・・そいつな、俺の為にも戦ってくれたんだ。俺じゃあ、あのコウモリ野郎に勝てねぇからって。だからって2体同時に相手して、ボロボロになりながらも何度も立ち上がってよ。正直、嫉妬しちまった。誰かを助けるためにこんなに命張って戦えるなんて、すげぇなってさ」

 

甲斐君は独り言のように呟いていました。

私にしてみれば、貴方も充分に凄いと思いますけどね。

 

「俺はさ、知らない誰かのためには戦えねぇ。今回みたいに、自分にとって大切な人の為なら、違ぇけどよ。此奴はそんなことお構い無しに戦うだろ?でもよ、それなら誰が此奴を守るんだよ。多くの人の為に命張って守って、自分が犠牲になるんじゃ報われねぇじゃねぇかよ」

 

甲斐君は春万君のことをよく見ていました。

短い時間でこれだけ春万君のことを理解していたなんて・・・。

春万君は多くの人を守り、明日を創るという信念のために、いつも体を張っています。

しかし、彼を守る人は誰もいません。

私では彼を守れない。守る力を持っていませんでした。

いつも無事を祈って帰りを待つしかできない。

甲斐君、貴方ならもしかしたら・・・。

 

「俺はさ、家族のこととからあるけど、それ以上に此奴に恩を感じてるんだ。此奴は、春万は俺を見捨てなかった。ただ家族を失った不幸な餓鬼だった俺を導いてくれたんだと思う。だから、俺は春万の為に戦いたい。まだ誰かを守るために命を張れるほど、人間できちゃいないけど、此奴なら信じられる。だからさ、力を貸してほしい。俺だけじゃ絶対に守れない。多分心の方はお前じゃないとダメなんだと思う。だから、頼む」

 

甲斐君は真剣な眼差しを私に送ってきながら、春万君の為に戦う覚悟を決めたようです。

勿論、私の答えは決まっています。

 

「分かりました。私も春万君を支えたいです。私と春万君で創り上げたビルドなのですから。・・・それでは先ず甲斐君には仮面ライダーになってもらわないと行けませんね?」

 

「お、おぅ。そう簡単になれないんだろ?はぁ、全土手長だー」

 

「えっと、前途多難では無いですかね?」

 

「そ、そうとも言うな・・・」

 

「帰ったら勉強ですね」

 

「勘弁して下さい」

 

「虚ちゃーん!かーいー!春万くーん!」

 

「迎えが来てくれたようですね」

 

そんなやり取りしていると、お嬢様が迎えに来てくれました。

お嬢様にも迷惑をかけてしまったので、後でお詫びしておきましょう。

こうして、私達の波乱な一日が幕を下ろしました。

しかし、未だこの騒乱は収まっていませんでした。

虚Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スマッシュとの戦いが見える場所で紅い血濡れの蛇を模した、ブラッドスタークが春万達をずっと観戦していた。

小さな蛇がブラッドスタークの元へと帰って行った。

 

『ふむふむ、ハザードレベル3.8か。いい調子だなぁ。やはり想い人がスマッシュにされたことでハザードレベルが上がったか。さてと、甲斐、今度はお前の番だ。精々オレを楽しませてくれよなぁ?フハハハ』

 

その手には一枚の写真が握られていた。

そこに写っていたのは、水色のショートヘアの少女、『更識楯無』であるのだった。

一体、ブラッドスタークは何を考えているのだろうか。

それは本人のみぞ知ることだろう。

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