INFINITE Be The One!!!   作:テントウムシ!!!

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第46話:その名は仮面ライダークローズ!!!

春万Side

 

【Wake up burning!!!Get CROSS-Z DRAGON!!!Yeah!!!】

 

「今の俺は、負ける気がしねぇ!!!」

 

俺の目の前で、蒼炎に燃える新たな仮面ライダーが誕生したのだった。

遂に甲斐が変身することに成功した瞬間であった。

 

「あいつ、マジで変身しちまったよ・・・。フッ、最っ高だな!!!」

 

俺は甲斐の背中をじっと眺めながら、事の顛末を見守るのだった。

春万Sideout

 

龍斗Side

俺は仮面ライダーへと変身すると、今までとは比べ物にならないほどの力が全身に漲っていた。

ナイトローグは俺が変身出来たことに驚きを隠せずにいた。

 

『変身、しただと・・・。これも彼奴の計算のうちということか』

 

よく分からないが、今はこいつらをぶっ倒すことに集中することにした。

スマッシュはそのまま体から水のようなものを出して、波乗りしながらこちらに向かってきた。

俺は拳をギュッと握り締め、正拳突きの構えを取り、間合いが詰まった瞬間、拳をスマッシュに向けて突き出した。

蒼い炎を微かに燃やしながら、スマッシュを勢いよく後方へ吹き飛ばした。

スマッシュは俺の一撃によって完全にダウンしていた。

その隙を見逃すことなく、レバーを一気に回して両手を広げて足に力を溜め込んだ。

 

【Ready〜Go!】

 

ドライバーの準備音が鳴ると同時に《クローズドラゴン・ブレイズ》が召喚され、俺の体を纏うように動き、背後に待機していた。

 

【ドラゴニック・フィニッシュ!!!】

 

俺は《クローズドラゴン・ブレイズ》の吐き出した炎に乗り、右足の《ドラゴラッシュレッグ》に蒼炎を纏い、スマッシュに向けてボレーキックを叩き込んだ。

スマッシュは必殺技に耐えきれず緑色の煙をあげながら爆砕した。

ナイトローグもその圧倒的なパワーに怯んだのか、後退りしながら狼狽えていた。

 

『バカな、一撃、だと・・・。ちっ!』

 

スチームブレードを再度握り直し、俺に向かってくるが、その攻撃を全て躱し、カウンターとしてワンツーを叩き込んだ。

更に追い打ちをかけようと間合いを詰めると、左手にトランスチームガンが握られており、それをこちらに向けて発砲してきた。

間合いを詰めようとしていたため、その攻撃は直撃してしまったが、今までとは違い、ダメージは全然感じていなかった。

俺はもう一度攻撃をしようとした時、ドライバーから突如剣型の武器が現れた。

 

【ビートクローザー!!!】

 

《ビートクローザー》を手に取り、間合いを再度詰めて、そのままナイトローグを斬りつけた。

トランスチームガンとスチームブレードで応戦しようとするも、リーチの長さが違い、先ずトランスチームガンを持つ左手を斬って、トランスチームガンを叩き落とした。

その後、鍔迫り合いになるが《ビートクローザー》のグリップエンドに備えてある《グリップエンドスターター》を1回引っ張った。

すると、刀身の《ビートアップゲージ》が起動し、赤い部分まで光ることで《ビートアップチャージャー》に力が溜まっていくことを示していた。

 

【ヒッパレー!!!】

 

【スマッシュ・ヒット!!!】

 

刀身を蒼い炎で纏わせ、接近してきていたナイトローグを斬りつけた。

しかしナイトローグはダメージを受けるも大きなダメージを負わせることは出来なかった為に再度鍔迫り合いとなった。

今度は《グリップエンドスターター》を二回引き、剣に力と負荷をかけてナイトローグに体重をかけた。

 

【ヒッパレー!!!ヒッパレー!!!】

 

そして、グリップに付属されている《クローズビートリガー》を引き、一気に斬りつけた。

 

【ミリオン・ヒット!!!】

 

すると、ビート音の様な斬撃が発生し、ナイトローグは攻撃を耐えるのに精一杯であり、ミリオン・ヒットを退けるも腕からは火花を放っていた。

俺はもう一度《クローズビートリガー》を、今度は3回引き、よりパワーを上げて後方へ退いたナイトローグに接近し、回転するように斬りつけた。

 

【ヒッパレー!!!ヒッパレー!!!ヒッパレー!!!】

 

【メガ・ヒット!!!】

 

今度は円を描くようにビートが刻まれ、ナイトローグの腹部に完全に決まり、遂にナイトローグは地面に膝をつけた。

此方を恨めしそうに見詰めるマスクからは尋常ではないほどの殺気を感じた。

 

『き、貴様〜、何だこの力は』

 

「強いだろ、俺だけの力じゃねぇからなぁ!!!」

 

俺は今度こそナイトローグを倒す為に、ベルトの横にセットされているフルボトルスロットからロックフルボトルを取り出し、軽く振ってから《ビートクローザー》の《フルボトルスロット》に入れ、《ビートクローザー》が持つ必殺技を発動させた。

 

【スペシャル・チューン】

 

フルボトルがセットされたことによって、そのフルボトルが持つ特性を引き出した必殺技を放つことができるようになる。

 

【ヒッパレー!!!ヒッパレー!!!】

 

【ミリオン・スラッシュ!!!】

 

刀身に再び蒼い炎が生まれ、それが少しづつ丸く収縮し、火炎弾が出来上がり、それを野球のバットを振るような形でナイトローグへ向けて放った。

ナイトローグは両手を交差して自信を守ろうとするも、攻撃が強すぎた為、弾き返すことも、受け止めることも出来ず吹き飛ばされてしまった。

 

『ぐっ、お、覚えていろ』

 

ナイトローグは煙を撒いて逃げるようにその場から消え去ってしまった。

俺はもう一度自分の姿を再確認し、改めて仮面ライダーになったことに実感を持った。

この力があれば、今度こそ守れるはずだ。

 

俺は変身を解除して、俺の事を静かに座りながら見ていた春万のの元へと行き、手を差し伸べた。

 

「ほれ、また無茶しやがって」

 

「・・・はぁ、フフ、サンキュ。よいしょっと!!!」

 

俺の手を掴み、よろめきながらも確りと立ち上がった春万の表情は今まで見た中でも最高の笑顔であった。

 

「どうよ、俺の活躍は」

 

「まぁまぁだな。サブキャラのくせによく頑張ったといったところだな」

 

「サブキャラってなんだよ!!!俺が来なけきゃ負けてたくせによ」

 

「負けてないし、あのままやっても勝ってたし〜」

 

春万は調子のいいことを抜かしていたが、その体には幾つ物傷が出来ており、正直そのまま戦っていたら本当に危なかったのだろう。

俺の初陣は何ともヒーローっぽい大活躍を見せたのだった!!!

それはそうと、彼処で火花を上げながら倒れ込んでいるスマッシュをそのままにしておいてもいいのだろうか?

 

「おい春万、あれ、あのままで良いのかよ?」

 

「あれ?・・・っあ!!!やっべ!!!」

 

春万は急いで空のボトルを取り出してスマッシュに向けると、みるみる内にスマッシュの成分が抜き取られていき、スマッシュの姿から人間に戻っていった。

ただ、その人間は何処かで見たことのあった、水色の髪をした性悪女だったことに俺は驚愕していた。

 

「って!楯無ぃ!!!どういうことだよ春万!!!」

 

「あっ、お前には言ってなかったな。まぁいいや、早く虚に連絡しないと。お前は介抱しろ!!!・・・・あっ、もしもし?」

 

「はぁ?人任せかよ。まぁいいや。おい、起きろ性悪女!」

 

俺は仕方なく楯無を抱いて、肩を軽く叩きながら呼びかけた。

すると、目を覚ましたのか、朧気な目で俺の方を向いてきた。

こいつ、フルボトルのある場所に行くんじゃなかったか?

 

「か、い?なんで?」

 

「なんではこっちが聞きてぇよ。どうしてお前がスマッシュにされてんだよ?」

 

「そっ、か〜。一応、ボトルの居場所に行ったんだけどね、待ち伏せされてて、フルボトルを見つけたと思ったらいきなり背後から殴られて・・・スマッシュにされてた、のね。不覚だわ」

 

楯無は心底悔しそうな顔をしていたが、結局はナイトローグ達に一杯食わされたという事だ。

仕事出来ますオーラはどこに行ったんだ?元々無いか。

 

「今、失礼なこと考えなかった?」

 

「いや、別に・・・」

 

「怪しい・・・。というか、何時まで乙女の柔肌を触ってんのよ!!!エッチ!!!」

 

「はぁ?助けてやったのにそれは無いだろうが!!!」

 

「・・・お前を助けたのは、甲斐で間違いないぞ」

 

「ホントなの?・・・・そ、その・・・あ、あり、ありが、とう。助けてくれて」

 

楯無は俺の言葉を疑うような目をしていたが、そこで春万がフォローしてくれたおかげで、楯無は恥ずかしがるようにしながらお礼を言ってきた。

 

「おう」

 

「ほらお前達、さっさと帰るぞ。フルボトルが出来上がったっていう知らせも届いたしな!!!」

 

俺達はそのまま学園に帰って行くのであった。

・・・・徒歩で。

龍斗Sideout

 

春万Side

戦闘も終わりIS学園へと戻り、開発室の扉を開けると、楯無の存在を確認できた為に、虚が急いで楯無の手を取っていた。

 

「お嬢様、ご無事ですか?」

 

「アハハ、ちょっと失敗しちゃっただけよ。体も大丈夫よ」

 

「良かった、本当に良かった。春万君、甲斐君、二人共本当にありがとう」

 

丁寧に俺たちに頭を下げるが、今回俺は特に何もしていないからその礼を受けるとる訳にはいかなかった。

今回楯無を助けることが出来たのは、正真正銘、甲斐が仮面ライダーに変身することが出来たからだ。

まさかあの土壇場で変身するとは思わなかった。

こいつの成長速度は尋常でないことは確かなのだろう。

一体、何処まで此奴は強くなるのだろうか。

 

「へへ、なんせ俺が遂にビルドになったからな!!!」

 

「ビルドに、ですか?」

 

「お前はビルドじゃねぇよ」

 

「はぁ?どういうことだよ!!!」

 

「・・・クローズ、『仮面ライダークローズ』だ。それがお前の仮面ライダーとしての名前だ」

 

「クローズ、クローズかぁー。気に入った!!!」

 

『仮面ライダークローズ』。名前の由来としては、ビルドは作る、形成するという名の無限の可能性を持つが、クローズはボトルを一本、ドラゴン単一の完成された存在、そして寄り添う・閉じる、という意味を持った名前にしてみた。意味はもっと色々あるが・・・。

まぁ、甲斐が気に入ってくれたのであれば良しとしよう。

仮面ライダービルドのサブキャラとして・・・んん、ビルドの相棒として、これからの甲斐に期待を込めるとしよう。

 

「クローズ、クローズ。明香里ぃ〜、遂に仮面ライダーになっちまったぞ!!!」

 

「甲斐のくせに生意気・・・」

 

「・・・お嬢様、顔が少し紅いようですが、横になって休まれてはいかがですか?」

 

楯無は甲斐を見ながら悪態をついていたが、その表情は何か意識してしまった少女であった。

 

「甲斐、いえ・・・『龍斗』、その、改めて助けてくれてありがとね」

 

「あ?なんだよ改まって。つうかお前、顔真っ赤だぞ?大丈夫か?」

 

甲斐は楯無を心配してか、そっとおでことおでこを合わせて体温を測っていた。

楯無は恥ずかしさからか、顔から火がでそうなほど紅く染め上げており、頭から湯気が出ていた。

完全に沸騰してしまったようだ。

 

「ち、ちか、い!」

 

「お、おい!大丈夫か?ど、どうすんだよこれ!!!」

 

俺の方を向いて、この状況をどうにかして欲しそうにしていたが、完全にお前のせいだと言いたくなる。

俺は無視して、新しく出来上がっていたフルボトルへと視点を変えるのだった。

新しく出来ていたフルボトルは、赤い鳥のマークが描かれていた。

名前は『フェニックスフルボトル』、不死鳥が絵柄がそれを示していた。

虚が変えられたスマッシュの特性を完全に抽出できたようで、虚もそのフルボトルを感慨深く観察していた。

このフルボトルとベストマッチを探そうとしたが、現在持っているフルボトルはドラゴンとロック以外には、この『ロボットフルボトル』のみであった。

流石にロボットは無いだろうと思ったのだが、試しにビルドドライバーに挿し込んでみた。

 

【フェニックス】

 

【ロボット】

 

【BEST MATCH!!!】

 

「ヴェ!!!ベストマッチしちゃったよ!!!うそーん・・・」

 

フェニックスとロボットって一体何処がベストマッチなのだろうか。

さっぱり分からない。

やはりベストマッチの意味は今後も研究課題として研究を続けていかねばならない。

俺はより一層研究に精を出そうとしていたのだが、そこでふと思い出したことがあった。

 

「そういえば、これでお前、入学できるな」

 

「・・・・・・あぁ!そっか!!!進路決まったわ!!!」

 

甲斐が仮面ライダーに変身することがIS学園への入学条件とされていたため、これで晴れて甲斐もIS学園のみ生徒として認められることとなったのだった。

まぁ、その前に先ず学年別トーナメントのみ仕事として強制的に駆り出されるのは目に見えているのだが、後で言えばいいだろう。

 

すると、ここに来て完全に忘れ去られていた存在が声を大にして、存在を強調してきた。

 

「オレを忘れるなぁーーー!!!」

 

「「「「あっ!忘れてた」」」」

 

「ひでぇよ。虚は特にひでぇよ!隣に居たじゃん!!!」

 

「それどころでは無くて・・・ごめんなさいダリル?」

 

「グス、こうなったら、ヘル・ハウンドをお前らで最凶にしてもらうからな!!!」

 

ダリル学園完全に駄々をこね始めたのだが、今回完全に忘れていたこちらが悪いのでお願いを叶えてあげることにした。

ISにもせっかくだから、ビルドの持ちうる技術を投入してみようと思う。

ISにもビルドの技術が導入できるのか分からないが、虚は久々にISに携われる為、嬉しそうにしながらも腕がなっているようだ。

それはそうと、もう一つ同時に、甲斐用のビルドドライバーを作ってあげないといけない。

クローズとしてこれから変身する為にも、今回はそのお祝いとしてビルドドライバーを送ってあげよう。

虚にその事を耳打ちすると、笑顔でハンドサインでOKのサインを出してくれた。

余談だが、虚からいい匂いがしてドキドキしてしまった。

 

「そ、それじゃあ、私は一旦家に戻るわね。私じゃあ、言いたくないけど足でまといになっちゃったし。奴らの居場所を見つけたら知らせるから、今度はよろしくね?そ、それじゃあ・・・・龍斗も、じゃ、じゃあね」

 

「お、おぅ」

 

「お嬢様、お気をつけて」

 

「「じゃあな〜」」

 

楯無は最後の最後まで甲斐に対して何か特別なものを感じていたようであり、恥ずかしさから帰る時も逃げるように立ち去って行ってしまった。

甲斐はそのことに対して頭から?マークを量産しており、まるで理解していなかった。

こいつ朴念仁かよ。

俺も虚もやれやれと首を横に振っていた。

 

「ん?なぁ、なんで彼奴逃げるように行くんだ?」

 

「はぁ、この唐変木っ」

 

「はぁ、甲斐君は朴念仁ですね」

 

「はぁ?なんだよそれ!俺は木でも棒でもねぇぞ!!!」

 

意味を理解していなかったようで、唐変木を何かの木と、朴念仁を棒だと思ったようだ。

後学力の低さも滲み出ており、俺達は完全に呆れていた。

 

「・・・バーカ」

 

「本当に、おバカさんです」

 

「二人揃って馬鹿って!せめて筋肉つけろ、筋肉を!!!」

 

甲斐はひたすら自分の大胸筋を強調しながら言ってきた。

正直キモイぞ、甲斐。

 

俺達の波乱な数日が漸く幕を閉じたのであった。

次からは学年別トーナメントだな。

忙しくなりそうだ。

春万Sideout

 

 

(え?お前らもよっぽど唐変木の朴念仁だと思うんだけど!!!オレがおかしい訳じゃないよね?)

 

一人だけ全てを察し、春万と虚にツッコミを入れていたダリルであった。

 

 

 


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