第 1 話
「やっとあのバカげた城を攻略したぜ…。」
カルデア最後のマスターである私こと藤丸立香は、アサシンのサーヴァントの一人・刑部姫が起こした、馬鹿馬鹿しい事件をどうにか解決した。そして、そんな人類最後のマスターがマイルームに入ると。
「うむ、酷さも極まるとなんとやら…。だが、貴様はそれをどうにか攻略した。このことは誇って良いぞ?」
と私を誉める少女の声が。その声の持ち主は、赤い舞踏家な格好をした剣士(セイバー)のサーヴァント・ネロだ。
「そう言えば最近、ネロとセックスレスだなぁ。」
「何を!?つい昨日シたではないか!」
私の冗談に、本気で乗ってしまうネロに対して、さらに。
「ナニをシたのか、はっきり言ってくれないと分からないなぁ。」と弄ってみる。
「昨晩もセックスしたではないか!って女に言わせるな!このバカ者ぉぉ!」
と彼女は、顔を赤らめて反論してきた。こっちも、最早我慢の限界が近かった。
「今日も可愛いな。たっぷり、可愛がってやろう。」
「ではまずはキスから…」と言って目をつぶるネロ。
私は、可愛い嫁サーヴァントと唇を重ねようとした、そのとき。
「特異点発生ー!」
TPO 考えろ!空気読め!とアナウンスに対して思ったのは、事実だが、感情を抑えて管制室に向かう。
そして、アナウンスしたのは、空気が読めない、自称天才のただ女体改造しただけのおっさん魔術師(キャスター)のサーヴァントこと、ダヴィンチちゃんだ。
この世界は、どのようになったのかを、説明しよう。人類悪ゲーティアが起こした、人理焼却事件から約三年。地球は、七つのロストベルトに分かれて、混沌を極めていた。そして我々、人理保護機関であるカルデアはこのうちの二つを滅ぼした。
こう聞くと、悪い集団だが、こちらの世界の消滅の危機を回避するには、ロストベルトを滅ぼすしかない。そしてアナウンスの内容に私は疑問を持った。今回アナウンスされたのは、ロストベルトではなく、特異点ときた。クリプターなら作れても可笑しくないが、なんだか嫌な予感がする。
「一体、なにが始まるんです?」
私は、管制室に入るとそう言った。そして、直ぐに返事は来た。
「第三次大戦だ。という、ブラックジョークはさておき。単刀直入に言う。今回の特異点はクリプターが一枚咬んでいる。」
そう答えたのは、小さな女の子の風貌をしたダヴィンチちゃんだった。
「なんとなく嫌な予感はあったんですがねぇ。」
「因みに今度は、中国の殷の時代の特異点だ。」
「殷…そう言えばその時の王朝は……うーむ。あの狐巫女はおるか?」
「…!」
ネロの指摘に、私の鳥肌が立った。
「ネロ皇帝に、痛いところつつかれちゃったねぇ。タマモは、猫も狐も突然姿を隠してしまったんだ。」
「となると、………もう私の嫌な予感は的中だね。」
「ほう、狐狩り案件か。この私も同行しよう。いつ出発するんだ?マスター?」
赤い外套の武人が、こちらに話しかけてくる。そして、私はこう叫んだ。
「エミヤ…!」
続く