雰囲気で言うなら歪な信頼、つまりドラマCDのノリみたいな感じですね。
BGMは神咒神威神楽の『幸魂奇魂守給幸給』辺りでお楽しみください。
「私、わかっちゃったんだよね」
そう言って谷口鈴は、王宮のとある一室に集まったメンバーに対してそう切り出した。
「いきなりどうしたの、鈴ちゃん」
永山パーティーの治癒師、辻綾子が鈴にそう尋ねる。その顔にはある種の不安が募っている。それもそのはず、勇者パーティーの結界師、谷口鈴は此処にいるメンバーを集めた後、しばらく沈黙した上で、ようやく出た言葉がそれだったからだ。
「ていうか、私達ってなんでここにいるんだっけ?」
そう言ったのは愛ちゃん護衛隊のメンバーの一人、宮崎奈々だった。しばらく沈黙が続いたからか、どうしてこうなったのかわかっていないメンバーの内の一人、というよりわかっていない全員の内の一人だ。
「えーと、鈴ちゃんに大事な話があるってすごい剣幕で呼ばれたからだよね」
同じく愛ちゃん護衛隊に所属する菅原妙子は奈々の疑問に対してそう答える。妙子は訓練を終えた後、鈴にすごい剣幕で呼び出されたのだ。一緒についてこようとしていた優花には絶対来ちゃ駄目と釘を刺していたのでわけがわからない。
「あのー、ついでに言うと私も何でここにいるんでしょうか?」
「それは先生もです。突然の呼び出しで驚いてしまいました」
「私なんか、作業中に呼び出されたんですけど。用がないなら帰ってフェルニル開発に戻りたいんだけど?」
そしてさらに侍女たちに働きすぎなので強制的に休みを取らされたところ、それならと手を引っ張ってこられたリリアーナ。
豊穣の女神に救いをと祈りを捧げてくる愛子信者をどうやって躱すか悩んでいたところ強制的に結界で遮断されたまでは良かったが、そのまま連れてこられた愛子。
さらにハジメと共にこれから旅をする上で必要になるであろう飛空艇の開発というロマンあふれる作業を行っていた真央が続く。
「諸君。よく集まってくれたね。みんな疑問に思ってると思う。なんでこのメンバーが集められたのかって。それはこれから私が話すある重大事実に関わるんだけどその前に聞きたい。ここにいるメンバーの共通点って何だと思う?」
此処にいるメンバーは──
谷口鈴、辻綾子、宮崎奈々、菅原妙子、リリアーナ、畑山愛子、吉野真央の合計七人。共通点があるとすれば跳び抜けた戦闘力持ちではないということだろうか。
「特に戦闘が得意というわけじゃない、とか?」
宮崎奈々が思ったことを口にする。奈々としては中々頑張ってきたと思っているのだが、流石に蓮弥やハジメのパーティーと比較されると格が二つも三つも違うことなど承知の上だ。
「確かにそれもある。むしろそれも結論の内だよ。だけど……私が言いたいのはそれじゃないんだよ。……正直この事実を言おうか迷った。その事実に気付いた時、私はしばらく悶え苦しむことになったよ。だけど……正直一人で抱え込むのは限界だったんだよ!」
鈴が握りこぶしを作りながら力説する。その光景に集まった女性陣はドン引きする。
「あ、みんな今引いたでしょ。けどね。この事実を知ればそんなこと言えなくなるから……」
「だからその事実って何のさッ!」
痺れを切らした真央が少し強めで鈴に言う。正直やることがいっぱいある真央はこんなところで無駄に時間を浪費している余裕などないのだ。
「じゃあ、言うよ。みんなよく聞いて。私はここにいるメンバー、ここにいないメンバーにある共通点があることを知った。一つは強いか弱いか。残念だけどここにいるメンバーといないメンバーには壁があるのはみんな承知だと思う。私はそれが何でか調査した。そして驚くべき事実に気付いてしまったんだよ。それは……」
一旦言葉を切り、鈴が全員を見回した後、驚愕の事実を突きつける。
「それは……戦闘力と…………おっぱいの大きさは比例するということだよ!!」
『…………は?』
鈴以外の全員が同時に疑問の声を出す。意味が分からない。おっぱいがどうしたというのか。全員考えていることは同じだった。
「最初は私もそんなこと思っていなかったよ。なぜなら私達にも希望の星はいたから。だけど、だけどそれはある出来事によって覆されることになった」
「それは……ユエユエの……まさかの裏切り!!」
ユエユエ。そう言われて思い返すのは南雲ハジメの恋人の金髪吸血姫の姿。
「みんなも見たでしょ! 一緒に大浴場に入った時のあの驚愕の光景を……」
「あー、アレか」
「ユエさんが突然大きくなった奴でしょ?」
奈々と妙子が言うアレとは、少し前で解放された大浴場で主な女性陣と一緒に入浴していた時のこと。
ユエの周りに巨乳艦隊が勢ぞろいした際に、その威圧感に対抗するため、あろうことかこの大浴場で黒龍を一瞬だけ召喚。それに周りがビビる暇もなくそれを取り込んだユエが自分達と同年代くらいに成長したのだ。
『ユエ……こんなところで
『……ユナはわかってない。ユナ達に囲まれる時に感じてた圧迫感と威圧感を。だけど今の私はあの時の私じゃない。戦闘せずにこの身体を維持するだけなら、入浴時間くらいはこのままでいられるはず』
そしてその光景を、驚愕の表情で鈴は眺めていたのだ。
そして現在。
「私達持たざる者達の唯一の希望の星だったユエユエの裏切りによって、この理論は完成してしまったのだよ!」
「それが……おっぱいの大きさと強さは比例するってやつ?」
真央が心底呆れた眼差しを鈴に向ける。自分はこんなことのために時間を取られているのかと言いたげな視線だった。
「さ、流石にそんなことはないんじゃ……」
「……いや、そうでもないかも」
綾子の言葉を遮るように奈々が口を開く。その顔はまるで気づいてはならないことに気付いてしまったというような鈴と同じ顔をしていた。
「ねぇ、妙子っち。私達愛子ちゃん護衛隊の中でさ、もちろん愛ちゃん先生も含めてね。一番強いのって誰だと思う?」
「えっ……そうだなー、やっぱり優花ちゃんじゃないのかな。あの七色のナイフを使いだしてから飛び抜けてる感あるよね……あっ」
妙子は奈々の問いにすぐに答える。確かに男子含めて愛ちゃん護衛隊が仮に戦ったとしたらおそらく優花が一番強いだろう。そしてそれゆえに、妙子もまたある事実に気付いてしまう。
「そう、そうなんだよね。私達愛子ちゃん護衛隊の女性陣の中で一番おっぱいが大きいのって……優花っちなんだよね……大人の愛ちゃん先生も含めて」
「はぅッ」
奈々が述べる事実に対して、ショックを受ける愛子。ただでさえこの中での歳の差を感じていただけにショックは大きい。愛子は手をついて崩れ落ちた。
「そう、そうなんだよ!! というか南雲君とか藤澤君達のパーティーの巨乳率高すぎない!? ユエユエがまさかのワープ進化したことであの中で一番おっぱいが小さいのがカオリンってどういう魔境!? というかカオリン小さくないから、普通に大きいから。この格差はなんだ──ッッ!!」
どうやら相当鬱憤が溜まっていたらしく。鈴がガーッッと言う感じに吠える。
「まぁ、そう言われると……確かに強さとおっぱいの大きさに関係があるような……ないような」
一部鈴の剣幕に引きずられるものが出てき始めた。
「そして、ここに集まったメンバーは全員推定Bカップ以下の持たざる者達ばかり。だからこそ、これから私達がこの世界で生き残るために、
カッというカットシーンが入るような顔でそう宣言する鈴。それはある種の異空間を形成する勢いがあり、現に半数くらいが飲み込まれ始めている。
「あー、あのさ」
そしてその空間に水を差すようにそろそろと手を上げる真央。
「どうしたの、同士マオマオ」
「いや同士って。あのさー、その……この場では割と空気読めてない発言かもしれないけどさ……ぶっちゃけ私……一応Cカップある……」
「聖絶・縛!!」
「へぶぅ!!」
真央の発言を聞いた途端、突如鈴が結界術を真央に行使する。
聖絶・縛。聖絶・纏の応用技であり、身に纏う結界を逆向きにすることによって対象が指一本動かせないように封じ込める新技である。
「マオマオ、今……そういうこと言っちゃ駄目だから……発言には気を付けようね(二コ)」
「(こくこく)」
鈴が発するあまりの威圧感に周りに助けを求めるものの、なぜか誰も助けようとしてくれない。全員真央の大きすぎず小さすぎないほどよく膨らんだ胸部を穴が開くほどじーと見ているだけだ。真央はうかつなことを言ったら
「あのー私もそれに参加するのでしょうか。もう皆さん忘れるくらい没個性なのかもしれませんけど……私一応この国の王女なんですよね」
そう言ってまだこの空間に染まり切っていない──それでも真央を助けようとはしなかった──リリアーナが遠慮がちに手を上げる。
「だからこそだよリリィ。リリィほど高貴な身分になるとその胸に対して色々言われることがあるんだろうなと思ったから、みんなで解決しようってことだよ!!」
「いくら何でも失礼過ぎませんか!? 第一私は別にそんな……特に胸のことで言われたことな、んて……」
そこでリリアーナはふと数か月前の王宮の屋上での出来事を思い出す。
「正直……あんたは好みじゃないなぁぁ(ゲス顔)」
あの時、蓮弥は自分の胸を見た後、まるでリリィの胸のあまりの貧相さに憐れみと侮蔑を向けるかのようにしてこう言ったのだ。(注:リリアーナ様は半分くらいはこの空間の空気に染まっているので一部誇張されている表現があります)
イラァ
「おほん、鈴。気が変わりました。一緒に考えましょうッ。胸の大きさが全てだと思っているおっぱい星人野郎をぎゃふんと言わせる秘策を!!」
「そう、その意気だよリリィ!!」
とうとうこの集まりは王族公認になってしまった。もはや止めるものは誰もいない。
「さて、自分達が成長するためには、まずは敵を知ることから始めないと……だから私は奴らの推定乳力を計測し、そのおっぱいを持つに至った秘訣について聞いてきたからみんなと共有するよ」
『行動早いな!!』
ほぼ全員が突っ込む。そんなことを気にすることもなく鈴は話を始めたのだった。
「まずはユウカリンからね」
「優花っちかー。確かに形とかすっごく綺麗だけど……」
「私達より大きいとは言え、そこまで飛び抜けてるわけでもないよね」
奈々と妙子の言葉に鈴が相槌を打つ。
「そう、私達に比較的近いからこそ。得られるものがあるんじゃないかと思うわけですよ」
そして優花について鈴は語り始めた。
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園部優花(推定乳力:D)の場合
『は? 胸を大きくするには? いやそんなこと急に言われても……えっ、切実な問題? いやだから正直私ってそこまで大きくない……いや、ごめん。失言だった。もう言わないからそんな人を殺しそうな目で見ないで。……胸を大きくする方法かぁ、確か私が大きくなり始めたのって蓮弥君が店にくるようになってからだから……その……恋をすること……とか?』
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「優花っち……」
「なんというか、優花ちゃんはすごくわかりやすいよね」
「だよね~。なんというかさ。普段結構さばさばした感じの優花っちだけど、藤澤君の前だと声のトーンから違うというか」
奈々と妙子が仲間の恋バナで盛り上がっているところで結界から解放された真央が参加する。
「ふーん。そういうことか。そういえばさ、何気に実は綾子って以前より胸大きくなってるよね?」
「えっ、今このタイミングでそれを言うの!? ううう、けど本当に少しだけだよ」
「ほほーう……優花の理屈でいうならもしかして素敵な恋でもしてるのかな?」
「なっ、べ、別にそんなことは……そういう真央こそどうなの。確かちょっと気になる奴がいるとか言ってたよね」
「私はノーコメントで。それよりどうなの? 恋をするとなんちゃらって言うのは割と聞くけど」
綾子をからかいつつ真央がこの場の主人である鈴に聞く。
「確かによく聞くけど、効果に信憑性がなさそうだからこれは無しってことで。じゃあ次、カオリンね」
鈴はあっさり結論を出すと、次に香織についての話題に変える。
「香織は何というか……胸でも正統派ですよね」
「そうだね。もちろんおっぱいも美乳なんだけど、こう全身の肉付きが思春期男子の理想像というか……こう思わず抱き着いちゃうような魅力があるよねうへへ」
「鈴……あんたおっさん漏れてるよ」
リリアーナの言葉に鈴が若干トリップした感じで応える。それを呆れたように見る真央。
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白崎香織(推定乳力:E)の場合
『胸を大きくする方法か~。医学的に言えばエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが作用することで胸が大きくなるんだけど、その分泌量には割と個人差があるから。……一応胸を強制的に大きくする薬とか作ろうと思えば作れるけど鈴ちゃん試してみる? えっ、冗談ッ、冗談だからねッ。ユエに対抗するために作ってはいるけどまだ試作段階だし、下手すると成長が止まらなくて牛みたいになるかもだし。……だからそんな物欲しそうな顔をしてもあげないからね!』
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「例え牛になっても欲しかった!!」
「というか香織って……薬とか自分で作ってるんだ」
「同じ治癒師で始まりは同じはずなのに……何でこんなに差があるんだろう……」
「(というよりあの人。ほんとどんな教育をしたのやら……)」
綾子が同じ治癒師なのに自分より遥か先を行く香織に若干憂鬱になっている一方。真央は自分の知り合いの魔女がどういう教育をしたのか気になっている。
「胸を大きくする薬は残念ながらもらえなかったけど。もし実用化したら声をかけてくれると言ってたから将来に期待ということで次、シアシア」
話題がシアに移ると奈々がさらに真剣な顔をしだした。
「シアさん。あれは……世界が変わるよ」
「奈々って、ウルの町で会った時、シアさんの胸をやたらツンツンしてたもんね」
「確かに興味があるのはわかりますが、本来いくら同性でも勝手に触るのはマナー違反なんですからね」
「はーい」
ウルの町で四輪に乗せてもらっている時に奈々がシアの胸をやたらツンツンしてたのを妙子が思い出し、教師としてモラルについて注意する愛子。
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シア・ハウリア(推定乳力:F)の場合
『胸が大きくなる方法ですか……うーん。正直わかりません。というのも私の家族って大体みんな大きいので……兎人族の特性ですかね。他の亜人族よりそういう傾向が強いと思います』
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「やっぱり種族差は大きいのかな?」
「はい、隣国であるヘルシャー帝国では亜人の奴隷が正式に認められているのですが……あんまりシアさんの前では言えませんけど、その中でも兎人族はそういう可愛らしさで特に人気らしいのです」
奈々の発言をリリアーナが苦い顔をしながら言う。エヒト教の教えが根底から崩壊した今だからこそ堂々と言えるが、元々教会の教えにそこまで浸かっていなかったリリアーナはヘルシャー帝国の亜人奴隷制を良くは思ってなかった。だがそれは隣国の法律であり、内政干渉は当然できない。勇者達の時はいなかったが、普段の外交の際、帝国の使者団が堂々と奴隷を連れてくる光景を苦い目で見ていたのだ。
「けど種族差は流石に超えられないからね。じゃあ次はユナさん」
話題がユナに変わる。
「あの人はさ……確かにおっぱいも大きいけど……その前になんというか……めっちゃ綺麗だよね」
奈々が初めて会った時のことを思い出し……
「神々しいっていうか……努力で手に届く次元じゃない美しさというか……」
同じく妙子がその魔性の美貌を称賛し……
「胸が大きくても全く下品に見えないというか……私なんかお風呂の時、正直女神の裸婦像かと思ったし」
真央がその神性を認める。
「オーラから違う感じがしますね。あの人が本物の女神でもこの世界の住人は誰も驚かないと思います」
最後のこの世界の住人代表としてリリアーナの意見を採用し、総括するとユナの美しさは人並み外れた人外のものだということ。ここにいるメンバーでユナの次元外れの美を疑う者はいない。
「ユナさんの話は正直参考にならないと聞く前は思ってたんだけど……ちょっと聞いてくれるかな」
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ユナ(推定乳力:F+)の場合
『胸が大きくなる秘訣ですか……やはりよく食べることでしょうか。私が昔旅をしていたころ、貧困に喘ぐ村を訪れた際はやはり全員痩せ細っていましたから。日々与えられる糧に感謝し、その恵みを一身に受けて成長できれば、きっと身も心も豊かになれますよ』
~~~~~~~~~~~~~
「そういえばユナさんって結構健啖家だよね」
「この前も大人何人分の食事を平然と取ってたし」
「私も聞いた時は一瞬騙されそうだったけどさぁ……わかってない。ユナさんはわかってないよ。食べれば食べるほど胸が成長するのはユナさんだけで、普通の女の子は際限なく食べると胸じゃなくこう、お腹とか背中に脂肪がついちゃうんだよッ!」
『異議なし!』
これは全員一致の見解だった。やはりユナは体質からして常人とは違うのだろうという結論に達し次の人物に話題が移る。
「次はシズシズなわけなんだけど……」
「お風呂の時思ったけど……色々すごいよね、流石って感じ。全身引き締まってて背が高いからまず迫力がすごいし」
奈々が感嘆の声を上げ、それに賛同するように妙子が続く。
「手足もすらっと長くて、腰もしっかり括れてて正直憧れるよね。お姉様って慕う人が多い気持ちわかるかも」
そして真央は少し科学思考で評価を始める。
「雫は何というか……身体の造りが巧いよね。この表現があってるかわからないけど、世界レベルのトップアスリートの身体と雑誌の表紙を飾るような巨乳グラビアアイドルの身体の良いところを組み合わせて、上手くバランスを取っているというか……身体のパーツ単位で女を磨いているって感じ。間違いなく一朝一夕じゃ、あんな風にはならないと思うよ」
「だからこそ、あの綺麗で素敵なおっぱいを手に入れる秘訣が聞けると思って聞いたわけだけど……」
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八重樫雫(推定乳力:F+)の場合
『胸が大きくなる方法。……そうね。まずは下着を自分に合ったものにするとか。下着が合ってないと身体のバランスとか悪くなるし、揺れて動いた分だけ胸の脂肪が落ちるから。私なんか普通の女の子より身体を動かすから体を鍛えながら胸を減らさないように姿勢とか身体の動かし方にもいちいち気を使ってるのよ。例えばそもそも胸を動かさないようにするとか、できるだけ身体の左右を平等に動かすことで胸の大きさを均等にするとか……本当は剣道するならもう少し小さいほうがいいんだけどね……えっ、じゃあなんでそんなに苦労してこの大きさを維持してるのかって? それはだって……私の胸が大きいと蓮弥が喜んでくれるし……って無し無し。今の無しだから』
~~~~~~~~~~~
「違う、違うよシズシズ! 私達が知りたいのは増やし方であって減らさない方法じゃないんだってば。それは元々十分持ってる人だけに通じる理屈だよッ。後最後は爆発しちゃえコンチクショー!!」
「なんというか……雫っちはよく自分に女子力がないとか言ってるけど……」
「一番女子力高いのって雫ちゃんだよね……」
奈々と妙子はクーランの町で出会った時の蓮弥と雫の何気ないイチャイチャを思い出す。
「真に女子力が高い女子は見えないところに気を遣うというか。あれで案外、夜の姿はテクニシャンだったりして」
「夜って真央。それってもしかして……」
したり顔で真央が呟き、それに何を想像したのか綾子が顔を赤くする。
「……ごほん。とりあえず王都の情勢が落ち着いたら行商人に皆さんの下着のオーダーメイドとか頼んでみます?」
『お願いします』
本人は女子力が低いと思っている雫だが、周りの人物は女子力が低いとは思っていない。むしろあの中では一番乙女だというのが共通認識だった。
「さて次は我ら持たざる者達の裏切り者。ユエユエの場合だけど」
「いや、あの人は特殊じゃん」
「正直美貌という意味ではユナさんと二強だとは思うけど……」
テンションを上げる鈴に対して少し冷静になった奈々と妙子がツッコム。
「そう、だから……」
~~~~~~~~~~~~
ユエ(推定乳力:B→G)の場合
『身体を大きくした魔法を教えてほしい? ……アレは私の体質あってのものだとユナは言ってたから無理だと思う。そしてそもそも私はあなた達とは条件が少し違う。私が自動再生に目覚めて身体の成長が止まったのは十二歳の時。つまり私は肉体年齢が十二歳の時点であなた達とほとんど同じだった。だからハジメ達と肉体年齢が同じになればああなるのは必然。つまり……胸を大きくするために必要なのは元々持ってる素質……とか?』
~~~~~~~~~~~~
「クソぅ。持たざる者は最初から持ってないとでもいいたいのかコンチクショー」
「そういえば私のお母様は大変立派だから気にしなくてもいいと私の侍女が言ってたような……」
「じゃあリリィ以外でこの中で母親が巨乳な人とかいるの?」
「…………」
無言。圧倒的無言。
「……おほん。じゃあ次はフレイヤさんだけど……」
『ちょっと待った!!』
その鈴の発言に全員が待ったをかける。
「えっ、もしかしてあの人にも聞いたの!?」
「あの人、一時期味方だったとはいえ、王都を滅ぼしかけた人なんだけど……」
「それでも……巨乳の魅力には抗えなかった」
「マジかー」
~~~~~~~~~~~~
フレイヤ(推定乳力:G)の場合
『は? 何あんた、まだ聞きたいことが……胸を大きくする方法……………………あんたさ、私が言うのもなんだけど頭大丈夫? ………………はぁ、そんなの知るわけないでしょ。あんた達と違って私に幼年期なんてないから生まれた時からこの姿よ。そうね……あえて言うならエヒトの奴が弄ったんでもない限り元々オリジナルが持ってた素質かしら。やっぱり持って生まれたものには人は逆らえないのよ。ま、諦めて貧相なら貧相なりに分相応に生きることね』
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「あっ、意外と答えてくれるんだ」
「為せば成るだよ。誠心誠意頼めば意外と親切だったよ」
「さて、後は……」
「ティオさん……なんだけど……」
~~~~~~~~~~~~
ティオ・クラルス(推定乳力:測定不能(鈴の理解できる範疇を超えたため))の場合
『胸を大きくする方法。そうじゃな、やはり規則正しい生活を送ることじゃ。人が成長するのは寝てるときじゃから質のよい睡眠は重要じゃな。後はストレスを溜めないことと食べるもの。例えば大豆や肉類には胸を大きくする作用のある栄養素が多く含まれておるから積極的に取ると良い……というかお主。さきほどから妾の胸ばかり見ておるが聞いておるのか?」
~~~~~~~~~~~~
「あの人は……もはや私達とは違う生き物だよね」
「あの大きさ、あの質量で……あの形と張りを維持してるとか」
「流石伝説の竜人族。胸の大きさも伝説でしたか……」
「やっぱり種族差は超えられないよね」
「(あれ? ひょっとしてティオさんが一番真面目にアドバイスしてくれてたような……)」
鈴が思い出して生物としての格の差を思い知り、奈々があの美爆乳といっていい究極のおっぱいに戦慄し、リリアーナが五百年前に滅びたはずの伝説の種族のポテンシャルに納得する。
彼女達の結論は真央がまとめたが、愛子だけは真面目に賢者としてのティオのことを思っていたりする。
「というかもうそろそろやめにしない? なんか虚しくなってきたんだけど」
「そうだね……何か比べるのも馬鹿馬鹿しくなってきたと言うか」
「そもそも何の話をしてたんだっけ?」
「あれだし、胸の大きさと戦闘力は比例するってやつ」
大半の人達は一種の特殊な空間が薄れてきたことで自分何をやってたんだろというような雰囲気に戻りつつある。
「ううう。誰か、誰かいないのかな。バストサイズ=戦闘力の方程式を覆すことのできる私達の希望の星は!!」
鈴は、この世界のどこかにいるはずの自分の理論を覆してくれる人に向けて祈りを捧げた。
~~~~~~~~~~~
ミレディ・ライセン(推定乳力:B-)の場合
『へっくし。アレアレ? ゴーレムなのに風邪でも引いたかな。ひょっとしたらレギオン騒ぎでどこかバグったかも。後でメンテしとこ。へっ、推定乳力:B-? おいこらちょっと待て。なにこのマイナスって。もしかしてギリギリBですよ、だいぶおまけしました(笑)みたいな感じなのかな。あるから、ミレディちゃんの本来の身体なら余裕でBあるから。へっ、ゴーレムだとまっ平? やかましいわ!!』
~~~~~~~~~~~
おしまい
皆さん、ここで驚愕の事実をお伝えします。きっと皆さん気づいていらっしゃらないかと思いますが、実は作者は……巨乳派です。Diesなら素直にマリィのサイズが一番好きです。容姿や性格を含めた総合的にお気に入りなのは螢なのですけどね。
皆さんは神座キャラやありふれキャラ、そして本作キャラのおっぱいなら誰が一番好きですか?
以下おっぱい語り。(※カップ数は二次元補正を受けているので現実とは差異がある可能性があります)
優花(Dカップ)
原作より大きい人。たぶん地球にいた頃から蓮弥に片想いしているせいで差分が出た感じです。本人は際立って大きいとは思っていませんが胸が開いた服を着てたりするのでそれなりに自信はあるんじゃないかと。
香織(Eカップ)
原作より大きい人。おそらく魔女の修行が差分の理由。原作の香織は素の身体とノイントボディでだいぶ差がありそうですが、本作の香織は素の身体でノイントくらいあると思ってください。
シア(Fカップ)
原作と変わらない人。兎人族はチート。だがもしかしたら真の姿は……
ユナ(Fカップ)
ユナのスリーサイズは設定集にて。+がついているのはスリーサイズ的にギリギリGカップに届かないくらいで設定しているから。
あと神座万象シリーズのコアなファンなら彼女が巨乳であることに理由があることを察してくれるはず。
雫(Fカップ)
原作より大きくした人。+がついている理由はユナと同じ。差分の理由は蓮弥を意識して狙って大きくしたから。
母親全面協力の元、磨いた身体はハニートラップと戦闘を両立する必要がある八重樫流くノ一的な身体付き。黒白のアヴェスターで言うならアルマみたいな感じ。
ユエ(Bカップ→Gカップ)
原作より大きいかは今のところ不明。というのもアダルトユエは公式設定であるため、書籍のアダルトユエのイラスト次第。
ユエは原作でも本文でも書かれていますけど肉体年齢十二歳にしては大きいんですよね。なので本作ではまっとうに十七歳になってたらシアを凌駕していたという設定にしました。もう少し神ノ律法に慣れるか、変成魔法を習得すれば十七歳Verを維持するのが苦でなくなるのでハジメは楽しみにしていたらいいと思う。きっと何だかんだ大きいのは素晴らしいことを実感するだろう。
フレイヤ(Gカップ)
ユエがそのまま十七歳になったらこうなるという設定そのままの姿。なお、もし原作のアダルトユエがそれほど大きくないとしたら、本作エヒトと原作エヒトの性癖が変わる可能性がある。ちなみに他の神の使徒はEカップ。
ティオ(Jカップ)
原作と変わらないがそれでもなお最強に位置する人。ハジメの筋肉恐怖症の発作が出た際の特効薬。バストサイズは100㎝超えなイメージ。原作だと彼女に匹敵するのは遠藤の嫁のエクソシストさんだけのはず。
おまけ
真央(Cカップ)
本作だと持つ者と持たざる者の中間にいる人。触らせた人間がいるかどうかはまだ秘密。
ミレディ(Bカップ)
ありふれ零でもネタにされてるのでお察し。4巻で新しく仲間になったりゅーちゃんもイラストを見る限り結構大きいので、ミレディは巨乳二人に挟まれて窮屈な思いをしていたに違いない。
次回は少し真面目な話になる予定。具体的には蓮弥達のグリューエン大迷宮攻略です。