ありふれた日常へ永劫破壊   作:シオウ

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Frohe Weihnachten(フローエ・ヴァイナハテン)


雫VSフレイヤ決着

 私に自我というものが芽生えたのは、間違いなくあの瞬間だ。

 

 今でも覚えている。

 

 取るに足らないと思っていた人間の咆哮を。

 

 この身は神の使徒。没個性の量産品──1番(エーアスト)から9番(ノイント)のような低性能とは違う。

 

 かつて存在し、失われた神の器を再現したハイエンドモデル。

 

 この世界に、創造主であるエヒト以外に私に敵う者などいない。

 

 その確信を、白い異形(藤澤蓮弥)が打ち砕いた。

 

 怒りが湧いた。屈辱を覚えた。恐怖も知った。

 

 だが、それ以外に、この身を焦がす感情は何だろう。

 

 その答えを、私は今も探している。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

概念魔法(ArsMagna)──堕落せし至上の大天使(プリームス・ルシフェリア)

 

 堕天使フレイヤが己の渇望を解放し、その真価を発揮する。

 

「ッ……優花ッ! 下がって!!」

 

 真っ先に狙われたのは、優花だった。

 

 雫の警告は間に合わず、優花は体勢を整える暇すらない。これまでの戦いで鍛えた反射対応能力も、フレイヤの速度の前では無力だった。大剣が光を切り裂き、優花を薙ぎ払う。

 

 優花の防御など、何の役にも立たない。

 

『絶対位階』──フレイヤが自身より下位と認識する存在のあらゆる抵抗を否定する概念。

 

 避ける術はなく、優花は跡形もなく消えた。

 

 その光景を目にした雫は、心を静める。

 

(……眷属である優花は、盧生である私が生きている限り蘇生可能。大丈夫)

 

 盧生が死ねば道連れで眷属も死ぬ。だが、盧生が生きていれば、眷属はほぼ不死身。雫が生きている限り優花を蘇生させることは可能だ。現実世界でも同じだと、自身の超直観(石神の血)が確信している。

 

「さて、邪魔者は消えたかしら。次はあんたの番よ」

 

 問題は、雫がフレイヤにどうやって勝つかだ。

 

 かつて王都上空、あるいは神山周辺で蓮弥と死闘を繰り広げた堕天使の力。それが今、雫に牙を向ける。

 

 これからの死闘は、防戦一方になるだろう。雫の攻撃は通じず、フレイヤの一撃は致命傷になる。

 

 だが、そんな状況でも、雫には勝算がある。

 

 フレイヤが大剣を振るい、雫の首を狙う。空気を切り裂く衝撃に、雫はかろうじて身をかわす。

 

 その大振りは明らかに隙だらけ。しかし雫は反撃せず、直感で理解する──今、自分の攻撃は通じない、と。

 

 だから雫は、逃げ続ける。

 

「あら、あらあらあら? さっきまでの威勢はどこにいったのかしらッ?」

 

 逆にフレイヤは攻勢を強める。自身の概念が破られるはずがないという確信。その自信を体現するかのように、大胆な連続攻撃を繰り出す。

 

 ひたすら逃げ回る雫をその敏捷で追い詰め、馬鹿げた筋力に物を言わせて大剣を振り回す。その動作だけで地下空間が震える。ここが地下だと忘れているのか。そもそも生き埋めになることを想定していないのか。

 

 だが、かつてこのような攻防を雫は経験したことがある。あの時も当たれば即死の攻撃をひたすら回避し続けた。

 

(ユナの攻撃ほどじゃない)

 

 感じるフレイヤのステータスはオール30万を余裕で超えてる。攻撃速度は音速を遥かに上回るし、馬鹿げた筋力で振るわれる攻撃は一撃一撃が災害そのものだ。だが雫にはまだ余裕があった。自分はここでは死なない。叔父のようで癪ではあるが、雫の超直感は迫る危機に対して冴え渡っている。

 

 無数の魔法陣から魔法が放たれる。全て絶対位階による防御不可能の攻撃。それをひたすら回避し続けることで雫は対応する。

 

(だけど、いつまでも逃げるわけにはいかない)

 

 ギリギリで回避できているが、同時に攻勢に出れないのも確かだ。このままではいずれ対応できない瞬間が出てくる。

 

 概念魔法を発動したフレイヤに対し、雫は勝ち筋が2つある。

 

 1つは五常楽・急ノ段。協力強制と3つの夢を同時に使うことで発動する一般的に認知されている夢界戦術の奥義。

 

 協力強制により相手の力を乗せた上で術を発動する以上、嵌れば現状のフレイヤにも通じるとわかる。

 

 だが、今のフレイヤに対して雫の急段が嵌るかは疑問だ。

 

 まず第一に雫がフレイヤの攻撃を避けるのに精一杯である点。攻撃一つ一つが『絶対位階』による必殺である以上、一つももらうわけにはいかない。そんな中で協力強制を成立させなければならない。

 

 雫の急段の協力強制の条件は相手が隠している物を見つける。つまり隙を見抜く必要があるが今のフレイヤに隠しているものなどない。

 

 解法の目を使わなくてもわかる。格下であるお前には絶対に負けないという自信の表れを。

 

(それでも……違和感がないわけではないけど……)

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、そこから協力強制まで持っていけるかは相当微妙なところだろう。

 

 だからこそ、雫の勝ち筋はもはや1つしかない。

 

 雫は感覚を研ぎ澄ませる。もう1つの切り札を発動させるには時間が必要だった。

 

 100年の修行にて手に入れた剣術の極みにてフレイヤの攻撃を捌きつつ、雫は静かに気を伺う。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 そして、雫に対して一方的な有利を得ているフレイヤも流石に異常に気付く。

 

(おかしい。なんで、こいつを倒せないのよ……)

 

 音速の剣戟は雫の剣にいなされ、空間を覆う魔法群は透過能力にて躱される。

 

 所々差し込まれる雫の攻撃は完全に無効化できているため、概念魔法が効果を発揮していないわけではない。だが、そもそもここまで抵抗されるわけもないのだ。

 

 絶対位階には相対する相手によって三段階の仕様がある。

 

 フレイヤが格下だと認識する相手だった場合、フレイヤの攻撃を含むあらゆる干渉は必ず有効となり、フレイヤへのあらゆる干渉は必ず無効になる。例え自身の能力を上回る能力を持ったアーティファクトの類を用いようと、その使用者の格が彼女に並ばない限り通じない。

 

 彼女を相手に下克上は絶対に起こらない。これは性能では遥かに劣る神の使徒のナンバーズに蔑まれてきたことの劣等感が起源である。

 

 フレイヤが同格だと認識する相手だった場合、相手が強くなり、自分が劣っているとわかれば相手に合わせて自分も強くなるというもの。これは対等だと認めた相手に蔑まれるのは我慢できないというフレイヤの想いからくる能力。ただし、基本的に同格だと認識しているが故の能力なので、相手を上回ることはないが、その過程で相手が取るに足らないと認識すれば格下相手のルールが成立するので彼女に敵対するものは置いていかれたら二度と勝てなくなる。

 

 フレイヤは雫を間違っても同格だと思っていない。自身の能力上昇が起きていない以上、これは間違いない。

 

 間違いなく雫は格下。なのに、攻撃は受けなくてもフレイヤの攻撃に対して抵抗されている。

 

 ならばもしかしたら……

 

(私はこいつに……勝てないと思っている?)

 

 概念魔法は極限の意思によってのみ発動する。極限の意思とは混じり気のない究極の意思と言い換えてもいいだろう。だからこそ、概念魔法は融通が利かない。

 

 フレイヤは概念魔法使い、すなわち『到達者』のことを一つ上の階層に至ったものであり、概念魔法とはこの世界に誕生した新たな法なのだと解釈している。

 

 この世界でもそうだろう。平民は領主である貴族の作った法律に縛られ、貴族は所属する国の王族の王命には逆らえない。そして王族も教会による神エヒトの威光には平伏する。

 

 上位の存在は下位の存在に自分に都合の良いルールを敷く。人間ならば自ら敷いた法を守るも破るも自由かもしれないが、それでは薄汚い人間と同じであり、そんな矛盾した存在が跋扈しているからこそ人間世界はぐちゃぐちゃなのだ。一段階上の階層に上がったものはそれ相応のふるまいをしなければならない。

 

 簡単にいえば、到達者は到達者自身が創ったルールを破ってはいけない。

 

 雫に勝ちきれないということはそういうこと。絶対位階という理において避けられない事象。

 

 絶対位階最後の仕様。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 現状の攻防は一部その事象が雫に当てはまっていることの証左。

 

 フレイヤは魔法行使を一切やめ、二刀の大刀による攻防のみに絞る。その間、想像構成領域を用いた演算を行い自身を精査し始める。

 

 全ての神の使徒に備わっている自身のバグを見つけるための機能。まさか微塵も狂いが許されない量産品ではなく自身が使うことになるとはフレイヤも思っていなかったが、利用できるものは利用する。

 

 フレイヤが神域で眠っていたところをエヒトによって起こされ、藤澤蓮弥討伐を任されたころから記憶を精査する。

 

 藤澤蓮弥に戦いを挑み、思わぬ反撃を受け今の自分に繋がる自我に目覚め、藤澤蓮弥と戦うのに相応しい力を身に着けるために、同胞である神の使徒の力を奪い始めた。

 

 そして藤澤蓮弥と再び戦い……

 

『……どうだフレイヤ。二人ともいい女だろ。……お前俺を自分のものにするとか言ってたけどな』

 

 藤澤蓮弥のあるセリフが記憶に蘇る。

 

(まさか……これが!?)

 

『まずはユナと雫くらい、いい女になってから出直してこい!』

 

 戦闘中にも関わらず、分裂してるに等しい自身を精査中のフレイヤが驚愕する。

 

 フレイヤと雫との間に大した繋がりはない。だからこそ、もしフレイヤが八重樫雫に勝てないと思うような事象があるとすれば、この場面以外考えられない。

 

(だからって、どうしろって言うのよ!)

 

 フレイヤ自身、まだ藤澤蓮弥と決着がついたなど認めてはいないが、蓮弥は一度フレイヤに勝利を収めている。

 

 勝者の言葉だからこそ、直接関係ない雫にまで自身の概念魔法が影響されているのだとしたら。

 

 そこでフレイヤは……考えるのをやめた。

 

森羅万象の奇跡を持ちて、目の前の敵を撃ち滅ぼさん。されば神意をもって此処に主の聖印を顕現せしめる

 

『森羅天墜』ッ!! 

 

 もともとくよくよ悩む性格でもない。概念魔法が完全に機能していないことは認めよう。だがそれが原因で敗北するなどありえない。

 

 あくまで自身の理の不全は蓮弥が由来であるもの。雫との間に天と地の差があること自体に疑いはない。

 

 天井覆いつくさんばかりに増幅した魔法陣から無数の魔法が飛び出す。発動した魔法はどれも最上級以上、しかも神代魔法すらも絡め、相生、相克を繰り返したその魔法は国一つを跡形もなく滅ぼしかねない神域の大魔法。

 

 轟音と共に雫に炸裂する大魔法群。フレイヤの求道型の性質の影響を受けた魔法は、威力の割には周囲への被害は落ち着いている。

 

 普通なら跡形もなく消し飛ぶ破壊力。だがフレイヤはもはや雫に対して油断したりしない。

 

 そしてフレイヤの懸念通り、雫は現れる。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~

 

 現れた雫は姿が変わっていた。

 

 雫は、和と洋が同居した独特の衣装に身を包んでいた。深い紺色の軍服は大正ロマンを思わせる仕立てで、身体のラインにほどよく沿うシルエット。胸元には金ボタンが整然と並び、凛とした印象を際立たせている。

 その下には、白を基調とした巫女衣装の名残ともいえる薄布の襟が覗き、赤い帯が腰を引き締めていた。スカートは軍服らしく短くまとめられているが、裾にはわずかに和柄が織り込まれており、歩くたび控えめに揺れる。

 

 いつもの黒髪に白髪の束が混ざった長い髪をポニーテールにして無駄なくまとめられ、動くたびに鋭い光沢を放つその姿はどこか静かで研ぎ澄まされた空気もまとっていた。

 

 腰には愛用の刀・村雨丸が吊られ、彼女の佇まいそのものが一つの武威となっている。

 軍服の硬質さと巫女装束の清廉さが奇妙に調和し、雫という少女の強さと美しさを、一切の誇張なくそのまま形にしたような姿だった。

 

「……あなたにも隠している物はあった。けど、それを自覚していないんじゃ私の急段に嵌められない」

「はぁ? 一体何の……」

「悪いけど……あなたの中に存在する()()()()を自覚させてやる義理なんて私にはないのよ。だから、協力強制なんて使わない。真向からあなたを打ち破る」

 

 雫は刀を構えながらただ前に進む。真向から打ち破るという言葉通り、フレイヤに向けて。

 

 姿が変わった雫に対して、調子が狂わされっぱなしのフレイヤはお望み通り魔法による弾幕を展開した。

 

 姿が変わろうとも八重樫雫は斬ることしかできない。その本質を理解していたフレイヤはわざわざ雫のテリトリーに入るつもりはない。

 

 それが恐れを含むものであると自覚せずに。

 

 まっすぐ歩く雫に複数の魔法が迫るが、その全てが雫に当たらない。いよいよ大乱闘の影響が出たのか、天井からところどころ発生している落石が雫に命中するはずの魔法の軌道をわずかにそらし、魔法同士の誘爆を起こしている。

 

「なッ……」

 

 今起きた出来事はなんなのか。フレイヤは違和感が大きくなるのを感じる。

 

 その違和感を拭うようにフレイヤの背後の堕天使が血涙を流して魔力を高める。

 

堕落せし至上の大天使の制裁(プリームス・ルシフェリア・シュトラーフェ)ッ! 

 

 自身の最大出力の砲撃を撃った瞬間、フレイヤに再び違和感が起きる。

 

 確かに八重樫雫を油断ならない敵だと認識したはずだ。概念魔法が正常に機能していないことも承知の上だ。にもかかわらず、いくらなんでも先ほどから力の運用が雑すぎないか。

 

 案の定、馬鹿正直に放たれた破壊の砲撃に対し、雫は刀を一閃させるだけで霧散させる。どんな攻撃も雑に放たれれば綻びが生まれる。今の雫にとって、それを成すのはとても容易い。

 

「あまり良い感覚じゃないけどね。使えるものはなんでも使わせてもらうわ」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()そんな感覚。そんな感覚を纏いながらも雫はフレイヤに向かって真っすぐ進む。

 

 邯鄲の夢での百年の修行にて、雫は邯鄲の八層門前まで到達した。

 

 実は邯鄲の夢の攻略にて階層の攻略順は定まっていない。王道通り一階層から八階層まで降りてもいいし、階層を飛ばして攻略することも是とされる。

 

 極端な話、すべての階層を飛ばしていきなり八階層に挑んでもいい。第七層ハツォル攻略中に雫は第八層の入口に立ったのだ。

 

 結論を言えば雫は第八層への道を進まなかった。雫の直観が今の自分では早いと警鐘を鳴らしたのだ。

 

 だが、雫の欲しい力はその扉の向こうにある。

 

 現実に戻った際始まるのは1つの世界を支配する神との戦いなのだ。だからこそ、雫は一緒についてきたユナと相談し、切り札の1つを手に入れるべく画策した。

 

 完成した盧生にのみ使える第六法。その正体とは思想に沿った神仏・超越存在を現実に紡ぎだすことが出来る召喚能力だ。

 

 現状の雫にその資格はない。だがすべてを手に入れる必要はない。幸いユナは雫の役に立ちそうな技法の知識があった。

 

 神ノ律法(デウス・マギア)……

 

 ユエが習得した憑霊術式を応用し、雫は1つの答えを導き出した。

 

掛け巻くも(かしこ)き、阿頼耶識に揺蕩う神魂(かみむすひ)に願い給う

 

 神格そのものを召喚するのではなく、神格の権能の一部をその身に降ろす。分類でいうなら降霊術に近い。

 

清き心の、誠を先とし、神代(かみよ)(のり)を崇め、まさに素直の本元(もともと)に還り寄りし、(よこしま)の末の法を破却す

 

 もちろん本来の力には及ばないが、一部とはいえ、その力は神威の力。トータスの奥義にも十分対抗できる。

 

故に神の雷霆の御業、静かに我が剣に宿りて、愚かなる心を明かして導き、誠実に歩む力を込みに与え給え

 

 そんな都合のいいことが可能なのか。幸いだが、この世界には超常の存在から力をダウンロードするための<システム>が存在している

 

(かしこみ)(かしこみ)申す

 

 

 黄昏輪廻転生(Program_No.5)の使用申請の審査を実施──

 

  審査完了──判定

 

  その使用を許可する(アクセプト)──

 

 

 

終段顕象(ArsMagna)──

 

神咒神威──建御雷神之刃(たけみかづちのじん)

 

 

決着は一瞬。

雷と剣を司る武神の力を宿した神威の剣はフレイヤを一刀にて斬り捨てる。

 

それと同時に雫の骸装が剥がれ落ちた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

肩で息をする雫には余裕がない。身の丈に合わない力を振るうとは限界以上の無理をしなくてはならない。

 

だからこそ、もしこれでフレイヤが倒せてなければ……

 

 

「……なめんじゃ……ない、わよ」

 

雫は追い詰められることになる。

 

フレイヤの概念魔法は解けている。神威の剣で斬った傷は自動再生の効果限界を超えているため治せない。それでもフレイヤは雫に対して戦意を失っていない。

 

身の丈に合わない力を使うには代償が必要だ。

 

疑似的に終段を使用するためにまず膨大な魔力を消費する。今の雫では1日に1度が限界であろう。

 

さらに邯鄲との繋がるラインに多大な負荷がかかった結果、この奥義を使用したあと雫はしばらくの間、邯鄲の夢が使えなくなる。

 

雫は村雨丸を構え、フレイヤを油断なく観る。余裕がないのはお互い様だ。おそらく次の一撃で決着がつく。

 

向かい合いながら緊張が高まる最中。

 

「「ッッ!!」」

 

雫とフレイヤが意識を奪われるような異常が発生する。

 

蓮弥が進んだ方向に、『虚無』が発生した。




>神咒神威──建御雷神之刃(たけみかづちのじん)
雫の疑似終段。
未だ完成していない盧生である雫がそれでも神威の力を欲した結果、その力の一部を憑依するという方法を見出した結果、手に入れた力。
阿頼耶を普遍無意識に繋がる窓で神格を窓から引っ張り出すのが終段だとするなら、雫がやっているのは普遍無意識に向かって小さな穴を開けて力を引き出しているようなもの。

本来の力からしたら切れ端のようなものだがそれでも神威は神威。
概念魔法等級にあり雫の大いなる法(アルス・マグナ)を名乗るにふさわしいと言える。

発現する力は極限の一閃。剣を司る武神の力は文字通り斬れないものはない神剣と化す。


あとがき
皆さま、ちょうど一年ぶりになります。大変お待たせして申し訳ありませんでした。一年もなにやっていたのかと言われれば、この一年ゼノブレイドシリーズ4作品をはしごしていました。以前から気になっていたのですが、ホムヒカに惹かれて2からプレイを開始。戦闘システムが難しいと聞いていましたが、それが自分に合っていたようで見事にド嵌り。2→1→3という順番でプレイし最近ゼノブレイドクロスにてミラの探索を行っていました。アバターネームもシオウなので見かけた人もいるかも?
そんな感じで各作品それぞれ100時間以上プレイした結果、執筆する余裕もなく……
重ね重ねお待たせして申し訳ありません。

以下補足設定

>雫VSフレイヤ
めんどくさかった。特に概念同士の戦いは一種のトンチ比べでもあるので単純に力で上回ればいいというわけではない。当初は急段に嵌めてフレイヤを倒そうと思っていましたが、雫の急段は見破るという協力強制を満たさないと発動しない。
そこで困ったのが雫とフレイヤの因縁の薄さ。言ってしまえば雫とフレイヤって蓮弥を挟んだ程度の関係でしかない。フレイヤがオリキャラである以上、ありふれ原作の因縁もありませんし、それゆえにありふれ原作には頼れない。フレイヤの概念魔法を回避しつつ、違和感なく急段を成立させる。そのためにはある程度以上の二人の関わりが必要で、そうなると必然蓮弥との関係が主題になる可能性は高く、戦闘中にラブコメみたいなことになっては消しというのを繰り返しました。

そこで色々な面で助かったのがDies Entelecheiaの連載開始。
まず神座万象シリーズに戦神館のパロディーが出てきたのは助かります。
戦神館は神座万象シリーズとは別であるという印象をつけるために許されてたのは劇中劇くらいで神座側で戦神館を混ぜるのは一種のタブーを犯してるつもりで書いてたのにまさかの公式からの援護射撃。それやっていいの? という気持ちになると同時にこれから展開に対する気持ちが楽になりました。そっか、神座で戦神館は出していいんだ。

そして随神体(アヴァターラ)の設定が出て、神座核という設定が出てきて、歴代の超人の力の限定行使が可能なら雫にも限定的に終段使わせてもいいんじゃないかと踏み切りました。だから詠唱は第六っぽくても第五神座の骸装みたいな感じになりました。

雫は日本神話系の神格と親和性が高いです。制約を強めにしたので次に出番があるかはわかりませんが場合によっては神咒神威神楽とも混ぜられるかも。もっとも首飛ばしの颶風を使っといて今更感はありますが。

>神咒神威モード
姿が変わった雫の通称。軍服スタイルが本作の雫の姿なのですが、それに巫女っぽい要素を追加したみたいなイメージです。石神家の血を色濃く表に出したともいえ、髪型がカルマヘアーになってるのもそのせい。他作品でいうなら河上彦斎(Fate)の第一再臨が近いかも。

>盲打ち:C
神咒神威モードの雫に起こる現象。神座でいうなら事象の上滑り、戦神館でいうなら盲打ち。運命力とか運が良くなる。ただし雫はこの現象を気持ち悪いものだと認識しているのでそれぞれの本家本元より効果は薄い。
アカシャ君も戦真館の軍師ダン・カルーマをちょっとは見習ってどうぞ。

次回はようやく藤澤蓮弥の出番。そしてダニエル神父との決着になります。流石に今年中にもう一本出すのは無理なのでまた来年。次は年刊連載などにならないように頑張ります。
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