TRICK 時遭し編   作:明暮10番

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もう二度

 自分を呼び止めた彼女に、剛三は見覚えはなかった。当たり前だ、まさか目の前にいる彼女が、未来から来た自らの娘だとは思わないだろう。

 剛三は怪訝に思いながら、自分のファンだろうかと考え、物腰柔らかに応じた。

 

 

「……こんばんは。今日のショーに来てくれた方ですか?」

 

「え、えぇ……結構、後ろの方でしたけど……」

 

 

 ふっと微笑み、「そうでしたか」と嬉しそうに頷く。

 

 

「楽しんでいただけましたかな?」

 

「……はい。やっぱり、山田剛三先生です……素晴らしい舞台、でした」

 

「良かった良かった。また来年には大きなショーを行いますので、是非お越しなられてください」

 

 

 そう言ってから、「私はこれで」とホテルに戻ろうとし始めた。

 ドアが開かれ、ロビーへ片足を入れる──その前に、大急ぎで奈緒子は話しかける。

 

 

 

 

「あのトランプのマジック! とても面白かったです! 輪ゴムを、使ったんですよね!?」

 

 

 途端、剛三の足は止まる。次には驚いた顔付きで、また彼女の方へ身体を向けた。

 彼の興味を引いたと察した奈緒子は、続け様にトランプマジックのタネを話し始めた。

 

 

「最初の束からカードを選ばせた後、カードを見ないよう控えていた隙に、後ろ手で持っていた束に輪ゴムを巻いた……それを上手く手で覆って隠しながら、渡していたカードを、輪ゴムを巻いた束の一番上に置かせるんです」

 

「…………ほぉ……?」

 

「次にあなたは、その束を一回切りました……すると巻かれていた輪ゴムが捻れて、一番上に置かれたカードを押し飛ばすようになる……そうですよね?」

 

 

 タネを見破った彼女を、ただのファンではないと悟った剛三は、半開きにしていたロビーへの扉を閉め、一歩奈緒子の方へ寄った。

 

 

「……あれは新作のマジックだった。良く見破れたね?」

 

「は、はい……」

 

「……もしや……君は、同業者だね?」

 

 

 口調がお誂え向けの敬語から、少し厳しいものに変わっている。彼は同業者に対しては厳しい人だったと聞く。同じ土俵にいる以上、妥協を見せるのは相手に無礼だと言うのが、彼のプロなりの信条だった。

 

 そして奈緒子にとってはこれが嬉しい事だった。父が自分を、一端のマジシャンとして扱ってくれたと思えたからだ。

 すぐに奈緒子は首肯する。

 

 

「先生ほどではないですけど……一応、小さなステージには何度か……ぜ、全然、売れてはないですけど……」

 

 

 いつもの強情や見栄っ張りも、父の前ではさすがに鳴りを潜める。気恥ずかしそうに、前で組んだ指を遊ばせた。

 

 

「……それで、先生に……見て貰いたいんです……ご迷惑ではないのなら、ここで……」

 

「……君のマジックを?」

 

 

 少しだけ後悔したように眉を寄せたが、次には振り切ったようにしっかり目を合わせ、力強く返事をした。

 

 

「……はい……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人は少し場所を変え、ホテル脇にある小さな路地にいた。

 剛三はホテルの隣にあるブティック前の、小さな段差に座っている。ブティックはもう閉店しているのか、ショーウィンドウの向こうは真っ暗だった。

 

 どんなものかと見定めようと、厳しい眼差しで吟味に徹している剛三。その前で奈緒子は、緊張した面持ちでマジックを披露し始めた。

 

 

 

 最初に披露したものは、縄と徳利を使ったマジック。

 奈緒子が持った徳利の口に、するすると縄を入れて行く。そして縄を持った状態で徳利から手を離すと、なんと徳利は縄に釣られるようにして宙に浮いたまま。奈緒子は得意げに剛三へ目を送る。

 

 

「入れる時こっそり、その縄をジグザグに折っただろう? するとその折った所が玉になって、徳利の口で引っかかる」

 

 

 剛三はあっさり、見抜いてしまった。

 

 

 

 

 

 次に披露したのは、空中でボールを浮かせるマジック。奈緒子の開いた両手の中で、ボールはふわりと浮いていた。

 糸か何かだと思われる前に、奈緒子は腕を広げたり縮めたりしてやる。それでもボールは位置を変えず、その場に固定された状態だ。

 

 

「いいや、やっぱり糸だ。『インビジブル・スレッド』ってのだ」

 

 

 それも剛三はあっさり見破る。

 

 

「袖の下にリールを仕込んでいるだろう? そうすりゃぁ腕を広げても縮めても、リールが糸を巻いたり出したりするから、ボールが浮いている位置は変わらない」

 

 

 奈緒子は苦々しい顔で、手首より少し奥の所で巻き付けた小型のリールを見た。

 

 

 

 

 

 最後に披露したのは、四つのリングが繋がるマジック。別々だったリングとリングを擦らせると、何とそれは次々に繋がって行き、とうとう四つ全てが繋がって垂れ下がった。

 

 

「一つ目のリングに切り込みがあるだろ? それを手で隠しながら、そこに別のリングを入れるんだよ」

 

 

 更に剛三はリングを指差して続ける。

 

 

「もっと言ってやる。別々なのはその切り込みのあるリングともう一つだけで、もう二つは元々繋がっているリングだ。上下に重ねちまえば、繋がっている事には気付かれない」

 

 

 剛三の言った通りだ。奈緒子が手に持っているリングの内、一番上の物は切り込みのない物、その下のは切り込みのある物、そこから下の垂れ下がっている二つのリングは元々繋がっていた物だ。

 

 

 全て見破られ、奈緒子は残念そうな面持ちで道具を鞄に片付けた。その間も容赦なく、剛三は指摘する。

 

 

「少し、道具に頼り過ぎだな。それにどれも、昔から使われているマジックだ。昔こそウケていただろうが、今はテレビで観客の目は肥えて来ている。いずれ、時代遅れのマジックと見做されちまうぞ」

 

「……!」

 

 

 彼の指摘を受けて痛感する。やはりこの時代でもやや時代遅れだったかと。

 

 そして同時に衝撃を受ける。父はこの頃から既に、観客と時代の移り変わりを憂慮していた。これは幼少期、テレビ番組のマジシャンを嫌っていた父の姿とは真逆に思えたからだ。

 

 父が嫌っていたと思っていた「派手なだけのマジック」も、彼なりに認め始めていたのだろうか。奈緒子にはその事実が驚きだった。

 

 

「マジシャンってのはエンターテイナーだ。観客がいてこそ成り立つ。『つまらない』と思われたら負けだ。観客はタネや仕掛けが分からなくたっても、古臭いモンだってのはバレてしまう」

 

「…………」

 

「そう言う時代になって行くんだよ。悲しい事だがね」

 

「……そうですよね」

 

 

 項垂れ、打ちのめされ、暗い声で言う。

 

 

「……薄々、思ってはいたんです。私のマジックは……古臭いって」

 

 

 奈緒子を照らしていた街灯が、チカチカと明滅する。それを物憂げに見上げながら、思いを吐露した。

 

 

「いつの時代にも、時代遅れはある……私はそれに気付いてはいたけど……受け入れようって思わなかったんです」

 

「…………」

 

「……拘りたかったんです。今までの事は、間違っていなかったんだって。だって時代遅れだって認めちゃえば……私の今までが、間違っていたって事になる……」

 

「…………」

 

「……私はそれが、怖いんだと思います」

 

 

 剛三は腕を組み、目線を下げ、思慮に耽っている様子だ。彼もまた、奈緒子の言葉に共感出来るところがあったのだろう。ふと、彼は尋ねる。

 

 

「……まぁ、俺がボロクソ言ってしまったが、お嬢さんの技術は洗練されている。手つきも仕草も、流れるようだ。マジシャンの歴としちゃあ、なかなか長いだろ?」

 

「……はい……二十年になります」

 

「二十年かぁ……確かに長いな。それだけやって売れないんじゃ、やっぱ間違っていたかもな。古臭いマジックだと思われてな……」

 

 

 やはりプロとしての父は容赦なかった……いや、仮に目の前の人物が自分の娘だと知っていても、彼は同じような厳しさで以て接するだろう。それこそが彼の、プロたる所以だ。

 

 ただただ、奈緒子は打ちのめされるだけ。落ち込み、顔を下げた。

 街灯の明滅が止む。空はもう暗い。その中で剛三は、ゆっくりと語り出した。

 

 

 

 

 

 

「だからって、古い事は蔑ろにしちゃぁ駄目さ」

 

 

 ふっ、と顔を向ける奈緒子。剛三はまたしっかりと、彼女の目を見ていた。

 

 

「今ある新しい物ってのも、元は古い物を使った応用品だ。マジックもそうだ。先人が練り続けた技術が、こうやって我々の糧になっている。一から全く新しい物を作るってのは、俺でも出来ないよ……」

 

 

 そう語る剛三の目は、とても真っ直ぐで真摯で、眩いものだった。

 

 

「だからこそ……自分が今まで受けた『影響』を、どう血肉にして行くかが重要だ。新しい物に飛び付く事だけが影響じゃない……歩んで来た人生で受けた影響を、どうやって新しい物として披露してやるのかがエンターテイナーだ」

 

「…………!」

 

「だから、分かるな? 学ぶしかないんだ──人生で起こる全ては間違いでもあって、正解でもある。間違いのまんまにすんのは勿体ない」

 

 

 剛三はニヤリと笑う。

 その自信たっぷりな笑顔を見て、奈緒子は身動き一つ出来なくなった。

 

 

 

「古いモンを新しいモンだってやってやるのも技術。騙すのは、マジシャンの本懐だろう?」

 

 

 いつもマジックを披露する時に、娘に見せていた悪戯っぽい笑顔。

 奈緒子はやはり、この人には敵わないなと吹き出してしまった。

 

 

 

 

 ふと、自分がマジシャンとしての道を歩むキッカケを想起する。

 マジックでいつも私を驚かせていた父を、逆に驚かせたかった──幼い頃からあったその負けん気が、ルーツだった。

 

 父の死後はその跡を受け継ぐと言う目的に変わった。だが当初の目的を果たせなかった事は、ずっと彼女の心に引っかかって残っていた。

 

 

 

 今はその、最後のチャンス。まだ自分は、父を驚かせていない。

 

 いや、もしかすれば、「これが最後」にならなくもさせられる。

 奈緒子が、未来の事を教えてやれば、剛三はこの先もずっと、奈緒子たちが来た二◯一八年も生きていられるかもしれない。

 

 

 最後のチャンスだ。二度とない、最後のチャンスだ。

 

 

 

 

 

「……最後に、もう一つ……マジックを見て貰えませんか?」

 

 

 奈緒子はそう言って、ポケットからトランプを取り出した。

 座っている剛三の前に立ち、裏返しのまま広げたトランプの束を突き付ける。

 

 

「この中から一枚、カードを引いてください」

 

「……ほほぉ。最後の最後で的中マジックか? よほど自信があるようだ」

 

 

 まず剛三はトランプ裏の柄を良く良く観察する。マークドデックと言う、裏の柄に微かな目印が付いているトランプではないかと確認したかったからだ。しかしそう言った物は見当たらず、正真正銘の普通のトランプだと判断する。

 

 それから剛三は、カードを一枚引き抜いた。彼もマジシャンだ、奈緒子がサッと後ろへ引いたのを確認してから、見えないようぴらりとカードを返す。

 

 

 柄と数字を見て、またニヤリと笑う。さあ、どう当てると、挑発的に微笑みながら奈緒子を見やる。

 

 

 

 

 

 

 

 彼女は、度々明滅を繰り返す街灯の下にいた。

 その表情にはどこか、迷いもあるように見えた。それが気になり、剛三は怪訝そうに眉を寄せる。

 

 

 

「…………トランプの柄を当てる前に……」

 

 

 深く呼吸をしてから、続けた。

 

 

「……一つ、予言マジックを披露しましょう」

 

「……なに?」

 

 

 寄せた眉を、もっと寄せる。そんな困惑した父の表情に関係なく、奈緒子は進める。

 

 

「…………あなたは……」

 

 

 ピッと剛三に指先を向ける。

 

 そうだ、これで良い。あと一言言えば良い。

 

 これでまた、始まるんだ。

 

 新しい、自分の人生が。

 

 真の意味で父を継いだ、自分の人生が。

 

 

 

 

「近い、将来────」

 

 

 

 

 口を開き、止まった。

 

 街灯は一回強く明滅した後、元に戻ったように彼女を照らし続ける。

 

 その光の下にあった彼女の目は、酷く潤んでいた。

 

 

「……どうしたんだね?」

 

 

 剛三が尋ねると、彼女は一度目を伏せてから、鼻を啜った。

 強く閉じた瞼の線の歪める、大きな涙粒が溢れて落ちた。

 

 

 

 もう一度尋ねようとした時、彼女はまた顔を上げた。

 すっかり涙で濡れた目と震えた指先を向け、弱々しくもやけにハッキリとした声で話した。

 

 

 

 

 

「……あなたには、取り返しのつかない不幸が訪れます」

 

 

 いきなりそう言われて、剛三は不審がり、当惑する。それでも構わず奈緒子は続けた。

 

 

「それを回避する術を、私は知っています」

 

 

 目からはポロポロと涙が流れる。声も震えて、泣き声の一歩手前だ。

 

 

「でも……」

 

 

 奈緒子は、更に続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……教える事は──やっぱり出来ません」

 

 

 細やかに首を振る。

 

 

「あなたがいれば、もっと良い人生を歩めるでしょう。心に何も影を作らず、思い残りもなく、綺麗なスポットライトを浴びれるでしょう」

 

 

 何度も下唇を噛む。

 

 

「でも……」

 

 

 奈緒子の脳裏には、これまでの人生であった思い出が、走馬灯のように流れていた。

 

 

 

 何て辛く、暗く、悲しい人生だろうか。

 売れないマジシャンのままで、上京の時から住んでいる場所は変わらず、しかも何度も死にかけたし、死に対面して来た。

 

 我ながら何て波瀾万丈だ。そんな人生、誰が見たって間違いなハズだ。

 

 

 

 

「……それでも……そうだとしても……」

 

 

 山田奈緒子には、切れない。間違いだらけの人生だと、切って終わりに出来ない。

 

 

 

 

「……私にはもう……かけがえのないものが出来てしまった。大事だって思えるものが出来てしまった」

 

「……君、は……」

 

 

 また街灯が明滅する。

 奈緒子は息を吐いた。

 

 

 

「……これまでの事を、忘れたくない」

 

 

 脳裏に浮かぶは、あの男。

 

 いけすかなく、変に計算高く、肝心な時に弱虫で強情で見栄っ張り。ずっと縁を切りたかった男。

 

 

 

 

「……もう、忘れるのは嫌なんです」

 

 

 でも彼だけだ。

 

 こんな自分を、見捨てなかったのは。

 

 

 

 

「……私にはやるべき事があります。とても大きな敵と戦います……まだ私には、救うべき人がいます……」

 

「……君は、一体……!?」

 

「だから、ごめんなさい」

 

 

 溢れる涙は止まらず、震えて掠れた声で、謝る。

 

 

 

 

「ごめんなさい……」

 

 

 何度も謝る。

 

 

 

 

「ごめんなさい……っ……」

 

 

 大きく鼻を啜り、泣きじゃくる。

 

 

 

 

「ごめんなさい……っ……!!」

 

 

 大きく俯き、泣いた。

 剛三は呆然と見ている事しか出来ない。彼からすれば、いきなり訳の分からない事を言われて泣かれたのだ。仕方のない反応だろう。

 

 奈緒子は指を差したまま、ハッキリと言った。

 

 

 

 

「……あなたの選んだカードは──スペードの五です」

 

 

 そう言われ、剛三はトランプに目を落とす。

 

 

 持っているのはスペードの五。的中だ。

 

 

「……どうやって……」

 

 

 剛三は驚いていた。全く、タネが見破れなかったからだ。

 自分と彼女との位置、マークドデックの可能性、カードの広げ方など、ありとあらゆる事象を思い起こす。しかしそれでも、タネが分からない。

 

 

 困惑した眼差しで見つめる彼の前。彼女は涙目のまま差していた指を、スッと剛三からズラした。

 その先を見ようと、剛三は振り返る。

 

 

 

 

 

 

 背後にあったのは、閉店後のブティックのショーウィンドウ。

 そのショーウィンドウの向こうは真っ暗だ──鏡のように、こちらを写すほど。

 

 

「………………」

 

 

 そこには唖然とした表情の自分と、カードの表がきっちり反射されていた。

 

 

 

 剛三はハッと、思い出した。このマジックを、知っていると。

 

 

 

 

 そうだ、コレは──前に披露してやったマジック。

 披露してやったのは観客にではない──自分の、娘だ。

 

 

 

「…………ッ……!!」

 

 

 バッと振り返る剛三だが、その瞬間パッと、明滅繰り返していた街灯が消えた。

 そしてその下に立っていた、あの女性も消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鞄を持って、早足で道を離れる奈緒子。涙は止まらず、何度も目を擦っている。

 同じ頃に剛三は路地から表に飛び出し、消えた彼女を探そうと辺りを見渡していた。

 

 

「……おぉい!!」

 

 

 声を張り上げるが、返事はない。そして剛三の声が聞こえないような街の喧騒に、奈緒子はもう入り込んでいた。

 剛三はトランプを持ったまま辺りを駆ける。

 

 

「おおぉいッ!!」

 

 

 どれほど叫べど、もう彼女の姿はない。家路を急ぐ人たちが遮り、見えなくなっていたからだ。

 必死に見渡し、潤んだ瞳で、剛三は呟いた。

 

 

 

 

 

 

「……奈緒子……ッ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──山田は暗い山道を、とぼとぼと歩いていた。

 連なって照らす街灯を道標にするように、ただふらふらと歩いていた。

 

 

 

 雛見沢停留所が見えて来る。誰かの気配を悟り、顔を上げた。

 

 

 

 そこには梨花が立っている。

 優しく柔く、物悲しげな微笑みを携えていた。

 

 

「…………おかえりなのです」

 

「………………」

 

 

 足を止め、少しの沈黙の後、山田は口を開く。その目は赤く。腫れぼったい。

 

 

「……今になって後悔してます……この選択をして……本当に良かったのかなって……」

 

「……もう一度、戻っても良いのですよ?」

 

「…………」

 

 

 山田は弱々しくも首を振った。

 

 

「……もう戻りません」

 

 

 覚悟を決めたように、そう言い切った。

 

 

 

 

「…………もう、二度と……」

 

 

 ツゥっと、一筋の涙が流れて消えた。


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