朝起きたらコメントがきていてビックリです。
「ここがオラリオかぁ」
巨大な門を潜った先は人の活気で溢れていた。
行商人が行き交い、鎧を着た人が武器を買い、主婦が男の人を殴り飛ばす。
よく見れば人種以外にも獣人と呼ばれる人や、耳の長いエルフもいた。
そんな周りの風景に圧倒されていると後ろから声がかかった。
「そこの兄ちゃん、オラリオには初めて来たのか?」
振り向くと、にやにやと笑いながら腰にさした剣の柄を撫でている男が立っていた。
「なんなら案内してやるよ」
何か嫌なものを感じた僕は後ずさりながら断ろうとする。
「いや、えっと、行かなきゃ行けないところがあるので……」
「あ?人の善意を無下にするってのか?この糞ガキが!」
「ごふぅ!?」
気づいたら思いっきり蹴られていた。
体が中に浮き表通りから追い出される。
蹴られたお腹と地面に叩きつけられた衝撃で肺から空気がなくなる。
息を忘れるほどの痛みに、僕はごろごろと転がる。
「へへへへ!!ざまぁねえな。ほら、これ以上痛い目にあいたくなけりゃ有り金全部置いてけよ」
僕はうずくまりながら咄嗟に首もとの鍵を握りしめた。
ほとんど反射で、意味は特にはなかったが男には勘にさわったのか、顔を歪めながらこちらに向かってくる。
「良い度胸してんじゃねえか!!」
「ッ!」
僕は次にくるであろう痛みに身構えた。
思いっきり振りかぶられた足に目を瞑る。
そして――――
「それ以上は見過ごせないな」
大通りから声がかけられた。
「んぁ?ッな、なんでおめぇが!!?」
そこには金髪の少年が立っていた。
身長は子供と大差なく、青色の瞳を光らせた少年に、男は顔を青くしながら叫んでいる。
「お、お前には関係ねえだろうが!!」
「確かに関係はない。が、一般市民を傷つけているのを見過ごす理由にもならない」
そう言ってこちらに近づいてくる少年に、男は一歩二歩と後ずさる。
「ぐっ、くそったれが!」
悪態をつきながら逃げていく男を僕は呆然と見ていた。
そんな僕に少年は懐から取り出した小さな瓶を手渡してきた。
「災難だったね。さぁ、このポーションを飲むといい」
僕は一瞬呆けた後、手渡されたそれを呷るように飲む。
すると腹部の激痛が嘘のように引いていった。
体を起こしてあちこちを触って確かめる。
「あれ?痛くなくなった?」
僕の反応がおかしかったのか少年は苦笑していた。
「ポーションも知らないとは……かなり遠くから来たんだね」
「あ!えっと、ありがとうございます!!」
お礼をいっていなかったことを思いだし、頭を下げてお礼を言う。
そうすると少年は朗らかに笑いながら手をふる。
「気にしないでくれ。困ったときはお互い様だろう?」
もう一度お礼を言おうとすると少年は、そういえば名前を聞いていなかったと言って手を差し出してきた。
「フィン・ディムナだ。一応冒険者をやっていてね。もし君が冒険者になるなら是非僕のファミリアに入って貰いたいよ」
「あ、ありがとうございます!僕はベル・クラネルです!!」
僕はフィンさんの手を握り返しながらもう一度お礼を言う。
フィンさんはもう一度手を降ってから大通りの中へ姿を消していった。
「僕も、あんな人になりたいな」
そう呟いてから気づく・・・。
ファミリアの名前を聞いていなかった、と。
正月前なので連続更新してみようかな(唐突)
まあやるとしたら艦これと交互にかな(-_-)
修正と加筆しました。