……罵倒は控えめでお願いしますm(__)m
ベルは威圧的なオーラを漏らしながら、一歩、また一歩と触手モンスターへと近づく。
彼の顔を正面からとらえていたヒリュテ姉妹は、表情の抜け落ちたベルに震えながら声をかけた。
「べ、ベルっだよね?」
ティオナの呼び掛けにベルは答えない。しかし、ぼそり、とベルが言葉を漏らす。
「——なきゃ」
「え?」
戸惑うヒリュテ姉妹に、もう一度……今度は確かに聞こえた。
「
ベルのは背後に広がる5つの波紋。ヒリュテ姉妹は更に顔を青ざめ、即座に飛び退いた。
ガガガガガッッ!!!
波紋から投射される武器はモンスターを串刺しにする。
剣が触手を引き裂き、斧が抉り、槍が貫く。もはや蹂躙と呼ぶべき惨劇に、二人は絶句した。
何よりも……「自分たちが射線に入っていても構わずに撃とうとした」ことが信じられなかった。
ベルが家族になって僅かな時間ではあったが、彼の人柄を知るには十分な時間だった。
何処までも純粋で、打たれ弱くて。誰よりも努力して、誰よりも謙虚。コロコロと変わる表情はどこか幼くて、でもたまに男の顔になる……そんな優しい男の子。
そんな彼が今、二人の事を考えず、倒れているレフィーヤを放置して、モンスターを八つ裂きにしていた。
「あれ、ほんとにっベル、なの?」
「分かんないわよっ……でも」
ティオネは、混乱する感情を何とか押し込めてレフィーヤの元へ向かう。
「ごめん」と気を失っているレフィーヤに謝るとポーチを漁り、高等回復薬を傷口に振りかけ、もう一本を飲ませる。
僅かに呻くレフィーヤの腹部はゆっくりと治っていき、呼吸も安定した。
安堵したティオネは、レフィーヤを抱き上げる。
それと同時に再び地面が揺れ始める。
ティオネが慌ててモンスターの方へ振り向くと、そこには地面を割りながら新たな触手……いや、蕾を開き開花した植物モンスターの姿があった。
「花!?」
ティオナがモンスターの正体に驚いている間にモンスターのうちの1体が醜悪な口を開けながらベルに食らい付こうと猛スピードで飛び掛かった!
襲い来るモンスター。眼前に迫るそれに対し、ベルは————
「……ハハッ」
嗤った……。
ベルは右手をそのモンスターに掲げ、虚空を握った。
パァァン
花弁が散る様に、モンスターの頭は弾け飛んだ。
ドシャッと、音を立てて崩れるモンスター。徐々に灰になっていく姿をベルは嗤いながら見ていた。
そして全てが灰になると、グルンっと、もう二体のモンスターに視線を移し、
「シンじゃエ」
そう零した。
叫び声をあげるモンスターに大量の武器で返答する。
再び始まった蹂躙劇だったが、突然ベルがよろめいた。体がグラつき、顔を伏せるベル。攻撃は続けられる中で起きた変化に、二人の視線が吸い寄せられる。
暫くして俯いていた彼が、顔をあげると……片眼から血が溢れていた。
そして、それが引き金であったかのように、次々とベルの身体に異常が現れる。
身体のいたる所が内出血を起こし、青黒い痣が産まれ、衣服が血を吸っていく。
呼吸も荒くなり、咳き込むと血の塊が溢れた。ボタボタとドス黒い血が地面を紅く染めていく。
一方的に蹂躙している本人が、一番死にそうな状態だった。
ティオナは目尻に涙を貯めながら駆け出す。彼を止めるため。助けるために。
背後から飛び掛かりベルを抱きしめる。むせ返る様な血の匂いとぬるりとした血の感触に、今度こそ涙が溢れた。
「もういい!! もういいよ!!?」
ティオナの悲鳴が木霊する。しかしベルは攻撃を止めない。既に先のモンスターは灰となっていたがそれでも攻撃を続けていた。
ティオナは血まみれのベルをさらに抱きしめる。
「大丈夫だから! もう……これ以上傷つけないでっ……自分を責めないでよっっ」
「…………ティオ……ナ、さん?」
攻撃が止む。ゆっくりとこちらをふり返るベルに、ティオナは涙をこぼしながら笑う。
「うんっ……レフィーヤも無事。だから」
ゆっくりとオーラが霧散していき、ベルはティオナにもたれかかる様に脱力し、気絶した。
ティオナはベルを抱き上げると全力で駆け出す。
「レフィーヤお願い!!」
ティオネの頷きを視界の端に捉えると、ティオナは更に加速する。
血だらけで、今にも消えそうな呼吸をする家族を抱えて……
英雄壇が大好きで、夢見がち。大雑把でも優しいティオナだから、こうなった……のかな?
次回はベルの治療と事後処理かな。あと原因追及?
あとアイズが借りているレイピアは折れてません。
この後、18階層の事件を書いた方が良いか。
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当たり前だろ
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レイピア折れてないし行く理由がなくい
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ベルもつれていこうぜ☆
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別にどっちでもいい