「あぁぁ、いいわぁ」
ダンジョンの上に鎮座する白亜の塔。その最上階で、美の女神は甘いため息を溢す。
細い陶器のような指を唇で噛み、火照った身体を上下させる彼女の姿は、妖美で儚く、肉食獣のように獰猛だった。
そんな、見た者すべてを虜にしてしまいそうな彼女は疼く身体を抱きしめながら目の前の光景に酔いしれていた。
「どこまでも透き通りそうな……それでいて内に燃える黄金の炎。あぁ、好い色……この手で抱きしめられたらどれほどのものかしら?」
「あなた様が望めば、直ぐにでも」
そんな彼女に声をかけるのは、彼女の背後に佇む猪人。かの女神の眷属であり、オラリオ最強の座を有するLv7冒険者——「
自らの至高の存在の呟きを拾ったオッタルは、その望みを叶えるために動き出すがそれに女神は待ったをかける。
「今はやめておくわ。もっとあの子が輝くのを見ていたいもの……ただ」
一旦そこで言葉を切った女神は、己が眷属を見つめながら含みのある笑みを浮かべた。
「ほんの少し、ほんの少しだけ淀みがあるのだけれど……」
女神の呟きに、オッタルはしばらくの沈黙の後、歴然とした口調で断定した。
「冒険しないものに、殻を破ることなどできますまい」
「ふふふ、妬けちゃうわ。貴方の方があの子の事、詳しいんだもの……貴方に任せるわ」
「……御意」
オッタルは深々と腰を折ると、女神の護衛を他の眷属へと任せ、ダンジョンへと潜っていった。
古びた店内に少し埃の被った商品棚。骨董品から使い道の分からない小道具まで、様々な品が並ぶ店内で、私は目の前の棚を凝視する赤髪の女性に声をかけた。
「神ロキ、お話があります」
「うん? ギルドんとこのエルフのねーちゃんやん。急にどないしたん?」
ギルドの用事で訪れた雑貨店。そこでベル君の主神である神ロキと遭遇した私は、気づいたときにはそう声をかけていた。
神ロキはそんな私を見ると、「まさかとか言わんよなぁ。うち悪いことなんかしとらへんで?」と大げさにおどけて見せながら、糸目を細めた。
まるで、内心を見透かさんとするような目に思わずたじろいでしまうが直ぐに頭を振り、ベル君のためだと、私は思い切って話を切り出す。
「ベル・クラネル氏のサポーターについてです」
そう言った瞬間、神ロキの目が変わった。飄々とした雰囲気が消え、より一層研ぎ澄まされた視線が私を射抜く。
数秒か数十秒か。しばらく私を見続けた神ロキは、ふっと力を抜いて先ほどまでと同じ笑みを浮かべた。
「ほーん。……自分、この後時間あるんか?」
「へ? え、あ、はい」
突如として変わる雰囲気に戸惑い、遅れて返事をすると、神ロキは「ほな行こか!」と歩き出してしまう。
……なんだか、変わった女神様だな。
ふらふらと動くさまは無害そうで、でも瞳に宿る光はどこか鋭く。パラパラと変わる雰囲気と表情はまさに道化師のそれ。
そんなことを思いながら、私は先を女神の後へついていった。
この神だからこそ、ロキ・ファミリアはここまで大きくなったのだろう。そんな、ある種尊敬にも似た感情が私の中で沸き立ち————————
数分後、リヴェリア様の脚にしがみつく彼女を見てその思いは砂の城のように消えていった。
最近ルータを買い替えたんですが、それからというものネットが繋がったり切れたりが毎時間あって描いた作品が度々消えるという事態が多発。
モチベだだ下がり状態なので更新速度はかなり遅くなると思います。(今更か)
ルータ、変えた方がいいんですかね?
流石に数千文字が消えた時は一週間触らなかったですはい。
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言い訳やめい