英雄の欠片は何を成す   作:かとやん

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何気に評価見てみたら高くてびっくりしました(;´∀`)


艦これの方が進まねぇ( ;∀;)

一部文章修正


英雄の欠片と5日間

挨拶のあと、僕は強面のお兄さんや褐色(アマゾネス? っていうらしい)のお姉さん達から歓迎をうけながら朝食を食べた。

 

 

 

 

 

朝食を食べ終え、自室に案内された僕は突如として現れたリヴェリアさんに連れられて、図書室のような部屋に来ていた。

しばらく待つように言われて、僕が椅子に座って待っていると、リヴェリアさんが戻ってきた―――――――大量の本を抱えて。

 

「今日から私たちが遠征に出るまでの5日、お前にはダンジョン1層から5層までのモンスター、地形等すべて覚えてもらう」

 

「え」

 

「午後は私が、明日の午前からはフィンが、それぞれ知識と技を教える」

 

「あの」

 

「覚えられなければダンジョンには行かせないからな」

 

「えぇ!!?」

 

こうして半ば強制的に、僕の波乱に満ちた5日間が始まりの音を告げた。

 

 

 

 

 

 

「次にこの通路だが――――」

 

「そこは―――」

 

「このモンスターは―――」

 

 

 

「つ、疲れた・・・」

 

あれから6時間以上、リヴェリアさんの授業(スパルタ)を受け気づけば、窓から見える景色が紅く熟れ始めていた。

そんななか僕は頭のなかに文字とモンスターを回しながら机に突っ伏していた。

 

「ふむ。思っていた以上に飲み込みが早いな……もう少し増やすか」

 

「そんなぁ!!?」

 

僕の心からの悲鳴にリヴェリアさんは苦笑しながら答えた。

 

「冗談だ。明日からはフィンの扱きも入るからな。少し余裕を持たせたかったんだ」

 

そう言いながらリヴェリアさんは僕の目の前に新しい本を数冊置くと

 

「明日の分は予習しておくように」

 

その一言で僕は気絶した。

 

 

 

 

目の前で倒れた白髪の少年……ベル・クラネルの頭をそっと撫でながら私は苦笑の吐息を漏らす。

 

「まったく、フィンはとんでもない子を連れてきたな」

 

そう言って机の上に広げてある本を手に取る。

背表紙に2階層と書かれた本。

 

今日だけで2階層まで覚えてしまうとはな……まだ多少知識に穴はあるが、初日でこれなら上々だろう。

私の後継者にも劣らずの向上心。恐れ入ったよ。

 

残り5日、それまでに出来る限り安全マージンを広げられるようにしなければと、白髪の少年の髪を撫でながら思った私はそっとベルを抱き抱えて自室へと送り届けた。

 

 

 

 

次の日、いつの間にかベッドにいた僕は急いで着替えたあと、食堂へ向かった。

 

「おぉ! ベル、こっちやでぇ!!」

 

食堂に入ると神様が僕に声をかけてきたのでそちらへ向かう。

 

「神様!! 昨日は大丈夫だったんですか?」

 

僕がそう聞くと神様はきょとんとしたあと、腕を組んで数度首を捻ると

 

「ん、取り敢えず大丈夫やで!」

 

親指を立てた。

僕はホッと胸を撫で下ろしながら椅子に座る。

 

「それならよかったです」

 

「ほんで、ベルはこの後フィンと訓練するんか?」

 

僕は朝食のサンドイッチを飲み込んで答える。

 

「はい!」

 

「うむうむ。精進せえよベル」

 

くるしゅうない、くるしゅうないと言う神様を周りの人はスルーするか苦笑しながら眺めていた。

僕は一応拍手しておいたら神様が泣きついてきた。

 

 

 

 

 

 

朝食を食べ終えた僕とフィンさんはこの前の訓練場に来ていた。

 

「さて、これから指導していくわけだけど……前見せたあの力で武器を出して見てくれないかい?」

 

「はい」

 

僕は英雄王からの贈り物(スキル)を起動する。

自分の意識が一瞬なにかに引っ張られたあと宝物庫とリンクする。

そして、ごく普通(・・・・)に手を伸ばし、武器を掴んだ。

 

出てきたのは最低ランクの片手直剣。

今の僕に出せる、最高ランクで最低ランクの武器。

 

「ふむ。他には何があるのかな?」

 

「えっと……剣、槍、斧、盾……他にも色々あります」

 

なぜか知っている宝物庫の中身をざっと口頭で並べる。

 

「使い方次第で…………なら今の君はどれだけ出せる?」

 

真剣に考えてくれるフィンさんに、僕は謝るように口に出す。

 

「よ、4本です。でも実際は4本目で倒れるので3本です」

 

「……よし、君は恐らく遊撃の役が一番やり易いと思う。色々な武器が出せるなら、様々な場面に対応できるからね」

 

そう言われて嬉しくなってはにかむ僕にフィンさんは、でも、と続けた

 

「大抵の相手は君の力があれば問題ないだろう。しかし相手が人間なら? 1つの武器を極限まで扱える相手なら、それは君の天敵足りうるだろう。いろんな武器を使う相手は、一つ一つの技が脆く、弱い。所詮、器用貧乏にしかならないからね」

 

突き付けられた現実に、僕は拳を握り締める。

 

僕もうっすらと分かっていた。

皆、自分がこれと決めた武器を使い続けて強くなっていく。僕が知っている英雄彈の英雄も。きっと、目の前にいるフィンさんも……。

不意に頭を下げようとする僕に、フィンさんは再度、しかし、と問うた。

 

「もし、もしも万の武器を極限まで扱えるなら。それ足らしめる技を、駆け引きを……信念を持っているならば……それはきっと、英雄と呼ばれるだろう」

 

英雄……その言葉に僕は自然と構えをとっていた。

小さな頃から、幾つもの英雄彈を、聞いて、見て、感じた。自分もそうなりたいと願い、そして今、それ(理想)を越える英雄(ゆめ)の片鱗を見た気がした。

僕は宝物庫から武器を取り出す。

 

得物は槍。

単なる挑発にしか思えない行動に、フィンさんは武器を構えることで応えた。

 

「お願いします!」

 

僕はフィンさん目掛けて駆け出した。

眼前にいるフィンさん(英雄)を越えるために。

 




UA20000突破です。

ほんに感謝やで! byロキ

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