英雄の欠片は何を成す   作:かとやん

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UA伸びすぎぃ!
ほんとに皆様に感謝です。皆様の感想や評価を励みに、これからも頑張っていきます。



英雄の欠片の成果

「もっと速く」

 

「隙が大きい」

 

「今のは受け流す」

 

 

4日間はあっというまに過ぎ、既に5日目の正午になろうとしている。

僕は傷だらけの体に槍一本を携えてフィンさんからの攻撃に備える。

入団試験の時に似ているな、とぼんやりと思う。

 

「はぁ、はぁっはぁ」

 

右からの振り下ろし……転がって避ける。

更に右下からの切り上げ……避けられない。槍を割り込ませる……力負け、そのまま吹き飛ばされる。

転がって衝撃を逃がして直ぐに相手を視界に入れる。

眼前に迫る鋭い突き……槍で弾く……弾いた力を利用されて脇腹を殴打された。

半歩下がって膝をついたタイミングでフィンさんの蹴りが―――

 

 

「大分動けるようになったね」

 

フィンさんは構えを解くと微笑んだ。

 

「はぁ、はぁッッはいッ」

 

「ただまだ受け流しの見極めが甘いね。あとは武器はなにもそれ1つじゃないと言うことを忘れないようにね」

 

そう言ってフィンさんは僕の持っている武器を指す。

 

「これ以外、です、か?」

 

「そうだ。それに気づければもっとうまく立ち回れるだろう」

 

フィンさんは答えを言わずに、助言だけ残して訓練場を離れていった。

僕はそのまま後ろに倒れこんでしばらく考えることにした。

 

 

 

 

 

 

「おや? 君がダンジョンに潜らずここにいるなんて、珍しいね」

 

訓練場の出入り口、そこから中を覗き込むようにして立っていた人物に、僕はさも今気がついたかのように問いかける。

 

「……ベルが気になるのかい?」

 

「……なぜ、あんなに速く、強くなれるのか、気になって」

 

「彼には、目標があるから、じゃないかな」

 

「……ダンジョンに行ってきます」

 

そう言って金の髪を靡かせながら、彼女はダンジョンへ向かっていった。

僕はその後姿を見送ると、主神の部屋に向かう。

 

 

 

 

「おじゃまするよ」

 

「おぉ! フィンか。どないしたん?」

 

ロキはソファに座って酒瓶を傾けていた。

 

「またお酒かい? あとでリヴェリアがうるさいよ」

 

僕がそういうとお酒がなみなみと入ったコップに向かう手が止まる。

 

「うっ……嫌なこと言わんといてえな……まあ飲むけどな!」

 

「はぁ。遠征のことでちょっとね」

 

「ぷはぁ! ……んで、遠征のことっちゅうのは?」

 

「今回のメンバーに僕も加えてもらおうかと思ってね」

 

ロキは一瞬動きを止めると、ニタリと笑う。

 

「今度は何を考えとるんや?」

 

その質問に僕は親指を舐めながら答える。

 

「勘……かな」

 

「…………おもろいやんけ。のったるわ」

 

 

 

 

 

 

 

「フィンさんも遠征に行くんですか?」

 

「最近ダンジョンにあまり潜れていないからね。まあ遠征といっても2~3日だ。ロキにも許可はもらった」

 

そういいながらフィンさんは、周りの団員達を眺めるように一望する。

 

「君が入団して、団員達も以前より積極的に訓練している姿が見受けられる。だから僕がいない間、彼ら(団員)がどうするか気になってね」

 

「だからベル」

 

フィンさんは僕の方を向いて柔和な笑みを浮かべる。そして

 

「はい?」

 

「僕らが遠征に行く明日から、ダンジョンへ行くことを許可する」

 

そう告げた。

僕は数秒の時間を要して、たっぷり溜めた後……

 

「ほんとですか!!!!」

 

思わず叫んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「うれしそうだな。ベル」

 

「はい! フィンさんが明日からダンジョンに潜ってもいいって言ってくれたんです!!」

 

僕がそういうとリヴェリアさんは、ピクリッ…と動きを止めた。

 

「今なんと?」

 

「え、えっと……フィンさんが」

 

「明日?」

 

「は……はい」

 

リヴェリアさんは体をプルプルと震わせて……大きくため息をついて脱力した。

 

「はあぁぁ……本当なら10層まで覚えさせる予定だったんだが」

 

「え」

 

リヴェリアさんが今、ものすごいことを言った気がする。

 

「フィンが許可を出したのなら問題ないと判断したからだろう。だがベル」

 

「は、はい!」

 

「ダンジョンに絶対はない。私が教えたことだって通用しないこともある―――――それがあそこ(ダンジョン)だ」

 

リヴェリアさんは僕の目をまっすぐに見て、そういった。

そのままリヴェリアさんは、ならばこれまでの復習をと今まで以上にスパルタだったのは余談である。

 

 

 

 

「ほ~~ん。あのリヴェリア(ママ)がなぁ……よかったなぁベル」

 

「はい!」

 

へっへっへ……ベルの白い陶器みたいな肌。すべすべやでぇ。

 

「やけど、無茶だけはあかんで?」

 

「はい! リヴェリアさんにも絶対に5階層から下には絶対に行くなって言われました。それと安全マージンを教えた3倍以上とれって」

 

……ママ、それじゃモンスターに会えへんやん。

 

「ほい、ステイタスの更新、終わったで!」

 

「ありがとうございます!!」

 

 

ベル・クラネル

レベル 1

 

力 : H 181

耐久 : G 231

器用 : H 188

俊敏 : G 277

魔力 : F 307

 

 

【スキル】

 

//憧憬願望//

早熟する。

思いがある限り効果は持続し、思いの丈で効果は向上する。

限定的条件下におけるスキル補正。

 

 

 

・王律鍵 I

レベルに応じた宝物庫へのアクセス権

 

 

 

【魔法】

 

ゲート・オブ・バビロン

詠唱破棄

宝物庫内の宝具の転送及び射出

 

 

 

 

「ステイタスってこんなに上がるものなんですね!!」

 

「そ、そそ、そうやで! ま、まあベルは他の子に比べてだいぶ成長早いから、このまま頑張るんやで!」

 

「はい!」

 

「ほ、ほな今日は早めに寝るんやで!!」

 

「はい!! おやすみなさい、神様!」

 

神様にはそういわれたが、僕は明日が楽しみすぎてなかなか寝付けなかった。

 

そういえば神様、すごい汗かいてたけど、大丈夫かな?

 

 




スキル欄の//は隠蔽されているということです。

ベル君のステ・・・伸ばしすぎたか?

でもフィンさんのしごきを5日間受けたわけで・・・アイズさんのしごきもステすごいことになってたし、大丈夫だよね!


ほんとに大丈夫かな・・・
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