ハリー・ポッターと鷲寮の少女   作:有栖川八重

13 / 37
学校がついに始まりました。冬休み中は十時間睡眠だったのにいきなり六時間睡眠になるとキツいです。


ふ・く・ろ・う

 残念ながら、グリフィンドールのロンの活躍によりクィディッチにレイブンクローは敗れてしまった。そして、六月になり、ホグワーツの五年生にはOWLが確実に近づいてきた。五年生たちは毎日、狂ったように勉強をして、何人かはおかしな行動をとりはじめていた。アーニー・マクミランは誰かまわず捕まえて勉強の質問をするという癖がつき、みんなをイライラさせた。

 

「ノエル、一日どのくらい勉強してる?」

 

 ノエルが図書館に向かおうとしているときに、同じく行こうとしていたマクミランが尋ねてきた。

 

「え? 十一時間位かしら。寝てるとき以外はずっと勉強しているわ。あなたは?」

 

「あー、うん。それよりほんの少し短いくらいかな。うん。君も12OWLを目指しているのかい? 君のお兄さんのルイス・ガーネットは12OWLを取ったって聞いたことあるんだ」

 

「いいえ。私、『魔法生物飼育学』と『占い学』と『マグル学』は取っていないもの。12OWLは私の母も取ったわ」

 

 ノエルが言った。するとアーニーはノエルにたくさんの質問を投げかけてきた。そして、質問に疲れきった頃に図書室に着いて二人は別れた。

 

***

 レイブンクローの談話室でのことだった。ノエルが教科書を読んでいると六年生のエディ・カーマイケルが話しかけてきた。

 

「やあ、ノエル。僕が去年、九科目もOを取れたことは知っているよね?」

 

「え? 知らないわ」

 

 ノエルが言った。

 

「あぁ、そうかい。でも、君も九教科でOWLを受けるし、すべての教科でOを目指している。そうだろう?」

 

 少し残念そうな顔をしながらもカーマイケルは話し続けた。

 

「そこでだ、君にこの『バルッフィオの脳活性薬』を紹介したいんだ。僕はこれのおかげで9OWLがとれた」

 

 ノエルが呆れた顔をしたがカーマイケルは話し続けた。

 

「もちろんただでとは言わない。でも、君は同じレイブンクローの生徒だ。OWLでよい成績をとれると考えたらほとんどただのようなものだ。--十二ガリオンでどうだい?」

 

 ノエルはカーマイケルから瓶を奪い取り中身を窓の外に流してしまった。

 

「こんなの役に立たないわ。本物は役に立つかも知れないけど、それ、ドクシーの体液よね? あなた、ドクシー好きなの? ハーマイオニーから聞いた話だと、ドクシーの糞も売っていたとか……」

 

***

 試験の日はすぐにやって来てしまった。二週間にわたって行われる試験の最初は『呪文学』の理論だ。理論はノエルの得意分野なので午後に行われる実技の練習を行っていた。DAのおかげでノエルには自信が着いてきて、OWLレベルの魔法なら難なくこなせるようになっていた。

 

 午前の理論が終了したあと、ハーマイオニーはノエルの元にプルプル震えながらやって来た。

 

「あぁ、どうしようかしら……。『元気の出る呪文』は十分に答えられたのか自信がないの。しゃっくりを止める反対呪文は……」

 

「ハーマイオニー、終わった試験をいちいち復習しても意味はないわ。それよりも次の試験に備えながら昼食をとりましょう」

 

 ノエルがハーマイオニーを落ち着かせながらグリフィンドールの机に連れていき、すぐにレイブンクローの机に戻るとパンを咥えながら杖を振り回していた。昼食を終えると五年生は大広間の脇にある小部屋に移動して、実技試験に呼ばれるのを待った。ノエルはハーマイオニーと一緒に名前を呼ばれた。

 

「お互い頑張りましょう。ノエル」

 

「そうね。私たち今まで一番頑張ってきたもの」

 

 二人はそれぞれの試験官のところへ行った。特に失敗もなく安定して全ての呪文を成功させることができた。ハーマイオニーもしっかり出来ていて終了後は、不安だと言いながらも少し、嬉しそうだった。

 

 次の日は『変身術』だった。午前の理論はいつも通り完璧だった。『変身術』は以前ほどではないが、ノエルの一番苦手な教科で少し、失敗してしまったが訂正したら、完璧な様子になったし、理論は良くできたので成績はそれほど悪くないだろう。

 

 水曜日の『薬草学』は前日の二教科よりも良くできた。

 

 木曜日は『闇の魔術に対する防衛術』だった。

 

--これで、杖を使う教科は最後だわ。

 

 ノエルはそう思いながら試験に臨んだ。実技の防衛呪文は成功したものの、弱々しいものになってしまった。ただ、理論は『変身術』同様、良くできたので、そこまで問題はないだろう。

 

 金曜日はノエルの得意教科の一つの『古代ルーン文字』だった。終了後、ハーマイオニーが不安そうな顔でノエルに近づいてきた。

 

「ねえ、ノエル……。エーフワズって……」

 

「終わった試験を復習するのはやめましょうよ」

 

「でも、これだけ聞かせて。エーフワズは防衛って意味よね?」

 

「エーフワズは協同じゃないかしら? アイフワズよ。防衛は」

 

 ノエルが言うとハーマイオニーは酷くショックを受けたような表情になった。

 

「大丈夫よ。そんな少しの間違いなんて。そんなの気にしていたらキリがないわ。特に実技の私はね」

 

「そうかしら……。あら? アンブリッジじゃないの。ニフラーに噛まれてる?」

 

 ハーマイオニーが校長室の方を指差した。そこではアンブリッジが顔を歪めて暴れていた。

 

「痛い! ハグリッドね、きっと!」

 

 アンブリッジはものすごい剣幕で叫んでいた。二人は見なかったふりをしてそれぞれの寮に戻った。

 

***

 月曜日は『魔法薬学』だった。ノエルの一番得意な教科だ。正直、ノエルはこの教科は筆記、実技ともに満点をとれたのではないかと思った。スネイプを毛嫌いしているグリフィンドールの生徒も落ち着いて調合が出来ているような気がした。

 

 水曜日は『天文学』だった。午前にいつも通り、筆記を行い、夜に塔のてっぺんっで実技を行った。ノエルは問題を解き終えて、少しだけ目を休めようと、外を見ると、五つの影が芝生を歩いているのが見えた。よく、目を凝らして見ると、その影はアンブリッジと魔法省の人だった。彼らは森の方へと向かっているように見えた。ひとまず、ノエルは試験に戻ると、次は吠え声が聞こえてきたのだ。何人かが窓の外を見始めた。アンブリッジたちはハグリッドの小屋の前にいた。ハグリッドが小屋の戸を開けると五人はハグリッドをめがけて杖から細く、赤い光線を出した。『失神』させようとしているのだ。しかし、不思議なことに光線はハグリッドの体で跳ね返されているようだった。すると、もう一つの細長い影が現れた。マクゴナガル先生だった。マクゴナガル先生がその場に走って行くと、四本の『失神光線』がマクゴナガル先生に向かって発射されたのだ。マクゴナガル先生は仰向けに倒れてしまった。試験官のトフティ教授も含め、もう、全員が試験のことを忘れている様子だった。アンブリッジはハグリッドを捕らえようとしたが、校門へと走り、逃げてしまった。そこで、トフティ教授は、

 

「あと五分ですぞ」

 

と告げた。しかし、誰も試験に戻ることができず、ついさっきの出来事で放心状態となってしまっていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。