ハリー・ポッターと鷲寮の少女   作:有栖川八重

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校長室へ

 ノエルは『数占い』も『魔法史』も終えて、ルーナと廊下を歩きながら話をしていた。すると、ハリーの声が教室から聞こえて、ジニーが不思議そうな顔をして入っていくのが見えた。ルーナもジニーについて教室に入っていったので、ノエルもその後に続いた。

 

 ハリーはルーナに悪態をついていた。

 

「ねえ、三人とも。手伝ってもらえる? ハリーはアンブリッジの部屋の暖炉を使いたいの。だから、人を寄せ付けないようにしてほしいの」

 

 ハーマイオニーが言った。

 

「ちょっと待って! シリウスは今、拷問されているんだ。今すぐ、行かないと!」

 

 ハリーが言った。

 

「お願い。ハリー。もし、家にいなければ私たち、一緒に行くから。だから、お願い! それに、ヴォルデモートの罠だったらどうするの?」

 

 ハーマイオニーが言った。

 

「シリウスってあのシリウス・ブラック?」

 

 ノエルが怪訝そうな顔をした。

 

「スタビィ・ボードマンだよ」

 

「あのね、ノエル。シリウスは無罪なのよ。信じられないかも知れないけれど、私たち、何回も会っているのよ」

 

 ハーマイオニーが言った。

 

「うーん。信じられないけど、あなたたちが『服従』されている様子はないし……。うん。私、協力するわ。OWLの実技でしっかりできたのもハリーのおかげだもの」

 

 ノエルが言った。

 

「私もやるわ」

 

 ジニーが言った。ルーナも頷いた。

 

「オーケー。じゃあ、早くしないと。いったいどうするんだい?」

 

 ハリーが言った。

 

「僕がアンブリッジを『変身術』の部屋まで連れていくよ。ピーブズが滅茶苦茶にしてるとか言ってね」

 

「わかったわ。そして、残った私たちは他の生徒もあの部屋から遠ざけるの。私はアンブリッジの部屋の中で見張っているわ。ジニーとノエルとルーナは……」

 

「廊下に立つわ。誰かが『首絞めガス』を流したとでも言っておくわ」

 

 ジニーが言った。

 

「どうせなら、本物を流してしまいましょう。さっき、フレッドとジョージから注文していたのが届いたのよ」

 

 ノエルは持っていた包みからスプレーの缶を取り出した。

 

「面白い商品だって思って買ってみたの。ルーナとジニーが人を遠ざけたらガスを流すわ」

 

「あ、みんな、ありがとう」

 

 ハリーが言った。

 

「じゃあ、ハリーは透明マントを取ってきて」

 

 ハーマイオニーが言った。ハリーはすぐに戻ってきた。

 

「じゃあ、そろそろ始めましょう。ノエル、お願いだから私たちがアンブリッジの部屋に入る前にガスを流さないでちょうだいね」

 

「わかってるわ。みんな、頑張りましょう」

 

 五人は各々の役割を果たしに動き始めた。

 

 ノエルは人がいなくなって、ハリーとハーマイオニーが部屋に入ったのを確認すると、口と鼻をしっかり覆ってガスを流した。そして、そっとその廊下から出ていった。

 

 ジニーの方に行くと何人かの生徒が不満でブーブー言っていた。

 

「僕は急いでいるんだ! 通るからな!」

 

 スリザリンの男子生徒が廊下に歩いていってしまった。しかし、すぐにその場に苦しそうに倒れてしまった。

 

「ほら、言ったでしょ? 他の廊下を通った方がいいわ。他の人にも言っておいて」

 

 ジニーがそう言うと、みんな諦めて廊下からいなくなった。

 

「上手くいったわ。もう誰もいないわよ」

 

 ジニーは上機嫌そうにノエルに言った。そして、ジニーの後ろからはマルフォイがやって来た。

 

「ノエル。アンブリッジ先生の部屋に何かが入り込んだらしいんだ。犯人を探そう。アンブリッジ先生はきっとポッターの奴が犯人だと思っているけどね」

 

 マルフォイが言った。

 

「そうなのね……。ジニー? ハリーがどこに行ったかは知らないかしら?」

 

「え!? し、知らないわ。検討もつかないわね」

 

 ジニーが言った。

 

「私も最後に見たのは三、四十分前に教室の方で見たっきりだわ」

 

 ノエルが言った。

 

「そうか……。じゃあ、一緒に探しに行かないか?

 ……あ! アンブリッジ先生! どうしたんですか?ん? それはウィーズリー?」

 

 アンブリッジが奥の方からやって来た。ワリントンがロンを取り押さえていた。

 

「犯人は確実にポッターです。この、ウィーズリーが私を『変身術』の教室へと誘き寄せようとしたのです。きっと、ミス・ウィーズリーも共犯でしょうね」

 

 アンブリッジが言った。すると、二人の大柄なスリザリン生がルーナとネビルを取り押さえてやって来た。きっと、ネビルはルーナと廊下で会い、協力していたのだろう。

 

「こいつらも犯人です!」

 

「ありがとう。さあ、みなさん、校長室へ行きますよ」

 

 アンブリッジが言った。

 

「待ってください! 『首絞めガス』は本当みたいです。ここに転がっているスリザリンの人、ここを通った途端に苦しそうに倒れたんです。だから、ガスの効果がなくなるまで待った方がいいと思います」

 

 ノエルが言った。

 

「あら、そうなの。わかったわ」

 

 アンブリッジは杖を取り出し、呪文を唱えた。

 

「これで大丈夫でしょう。教えていただきありがとう。ミス・ガーネット」

 

 アンブリッジはそのまま廊下を進んでいった。ガスはアンブリッジの呪文によってなくなったらしい。

 

***

 ノエルが一番最後に校長室に入った。その時にはアンブリッジはすでにハリーとハーマイオニーを捕まえていた。そして、程なくしてスネイプがやって来た。マルフォイが呼んできたのだ。

 

「お呼びですか? 校長?」

 

「ええ、『真実薬』をいただきたいの」

 

「わかりました。一ヶ月のうちに準備をしましょう」

 

 スネイプが言った。すると、アンブリッジの顔が真っ赤になった。

 

「一ヶ月!? 私は今すぐ必要なのです! --結構です。私の部屋から出て行ってください」

 

 アンブリッジが言うと、スネイプは部屋から出ていこうとした。すると、いきなりハリーが叫んだのだ。

 

「パッドフットが捕まった! あれが隠されている場所だ!」

 

 --パッドフット? シリウス・ブラックのことかしら? そして、あれって……? 神秘部に何があると言うの?

 

 スネイプは一瞬、ドアノブに手をかけて静止したが、訳がわからないという顔をして、出ていってしまった。

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