「ロンは一体……」
ハリーが言った。
「おかしな呪文をかけられたのよ。ネビルにハーマイオニーはどうしたの?」
「ぼぐは大丈夫」
ネビルが言った。
「ハーマイオニーも脈はある。さあ、とりあえず違う部屋に言った方がいい」
ハリーが言った。そして、違う部屋に入った。すると、ベラトリックスが部屋に向かって走ってきた。
「『コロポータス!』扉から入ってきちゃう! みんな、閉じて!」
ノエルが一つのドアを塞いだ。しかし、ドアはまだいくつかあった。
動ける、ハリー、ノエル、ネビル、ルーナで手分けをしてドアを塞いでいった。しかし、その途中で扉を破り五人の死喰い人が入ってきた。ルーナは呪文が当たったらしく、宙を飛び、机にぶつかり動かなくなってしまった。
「あぁ! ルーナ! ジニー、ルーナの様子を見て!」
ノエルはジニーに言った。
「大丈夫。脈も息もあるわ。ちょっと、ロン。やめてよ」
ロンはジニーに悪絡みをしているようだった。
「見ろよ。ジニー。脳みそがあるぜ。ハハハ。『アクシオ! 脳みそ』」
ロンは水槽に杖を向けて唱えた。すると、水槽からは一つの脳みそが飛び出てきた。そして、ロンが脳みそをつかんだ。すると、脳みその触手がロンの体に絡みつき始めた。
『ディフィンド!』
ノエルと、ハーマイオニーの杖を使ったネビルが一緒に叫んだ。すると、触手は断ち切れた。しかし、ロンは気絶していた。
「大丈夫。ルーナと一緒で脈も息も……」
ジニーはその場に倒れてしまった。死喰い人が放った赤い光線--つまり、『失神呪文』が直撃したのだ。
『ステューピファイ! ステューピファイ!』
ネビルは死喰い人に杖を振った。しかし、何も起こらなかった。
「私がやるわ。『ステューピファイ!』」
ジニーを『失神』させた死喰い人に、ノエルの杖から出た赤い光線が直撃した。まだ、戦えるのはハリーとネビルとノエルだけだった。それに、ネビルはもうすでに怪我をおっていた。ハリーは予言を追いかけてくる死喰い人から逃げようとして違う部屋に逃げていったようだった。ネビルもそのあとを追っていった。
「ごめんなさい。ハーマイオニー、ルーナ、ジニー、ロン。きっと戻ってくるから待っていて」
ノエルは部屋を出た。ハリーたちがどの部屋にいるのかはすぐにわかった。一つだけ開きっぱなしになっているドアがあるからだ。ノエルはそのドアに入ろうとした。すると、一番最初に入ってきたドアから五人の姿が現れた。全員の顔をノエルは知っていた。三年生の時に『闇の魔術に対する防衛術』を教わったルーピン先生。父と同じ闇祓いをしているムーディ、トンクス、キングズリー。そして、あまりにも新聞で見たときよりも印象が変わりすぎて気づくのが一番遅かったが、シリウス・ブラックだ。
「あれ? あなた、ノエルよね? ガーネットさんのところの。どうしてここに?」
派手な格好をしたトンクスが聞いた。
「あなたたちは、ハリーを助けに来たんですよね? 私もハリーに着いてきたんです! ハリーはあの部屋に。ネビルと、死喰い人たちもいます」
「ネビルか。ロングボトム夫妻の息子さんだね。わかった。ありがとう」
キングズリーが言った。そして、五人は部屋に入っていった。そして、ノエルもそれに続いて部屋に入った。アーチのある部屋だった。もうすでに戦いが始まっていた。シリウス・ブラックはベラトリックス・レストレンジと戦っていた。シリウスはアーチに背を向けていた。
--シリウス・ブラックはハリーの言う通り、悪人ではなかったのね。
……シリウス・ブラック、危険だわ! そうよ、ママが言っていたわ。あのアーチに入ってしまうと……。
シリウスはもし、少しでも倒れたらアーチに入ってしまう状態だった。
--そう、アーチをくぐると、死んでしまうわ!
ノエルはシリウスの方へと足が動いた。ハリーは予言を持ち、ネビルを引っ張り、外に連れていこうとしていた。すると、ローブから予言が落ち、そのまま割れてしまったのだ。ネビルはすまなそうな顔をしたが、すぐに驚いたような表情をした。ノエルもネビルが見ている方向を見た。すると、そこにはダンブルドアがいたのだ。
--これで、ひと安心ね。でも、なんだろう。嫌な予感がするわ……。
そう思ったとき、シリウスがギリギリ、ベラトリックスが放った赤い光線をかわすのを見た。
--こんなの当たってしまったらアーチに入ってしまう!
ノエルは走り出した。そして、ベラトリックスがもう一度、光線を放ったとき、ノエルはシリウスのすぐ近くにいた。そして、シリウスは咄嗟のことで呪文から避けきれそうになかった。ノエルは渾身の力でシリウスを引っ張った。光線はアーチに入っていった。突然の乱入者に驚くベラトリックスにノエルは
『ステューピファイ!』
と叫んだ。ベラトリックスは呪文に当たり、倒れてしまった。ベラトリックス以外の死喰い人はダンブルドアを見て逃げ出してしまったようだ。
「とりあえず、この部屋から出よう。この魔女はたった一人でも、目を覚ませば危険だ」
ルーピンが言った。ムーディがベラトリックスを縛り、宙に浮かせた。そして、部屋にいたみんなはエレベーターに乗った。
「他のみんなは……、あと四人いるんです」
ノエルが言った。
「大丈夫。私たちが助けておこう。神秘部はもう安全だ。とりあえず、君たちを安全な場所に避難させなくては。シリウス、君はノエルにお礼を言っておくんだ。ノエルがいなかったら君は死んでいただろうね」
ルーピンが言った。
「それは、どういうことだ?」
シリウスが言った。
「私の母は、神秘部で働いていて、それで聞いたことがあるんですけど、あのアーチをくぐってしまうと、あのまま死んでしまうんです。死体も残さずに」
ノエルが言った。
「じゃあ、ノエルを連れていかなければ……」
ハリーが言った。
「私は死んでいた、ということか……。ありがとう。えっと、ノエル……?」
シリウスが言った。
「ノエル・ガーネットです。あなたを捕まえたカルヴィン・ガーネットの娘よ」
ノエルが言った。そして、その時、アトリウムにエレベーターが到着した。ムーディはベラトリックスを床に置いた。
「そうだったのか。でも、本当にありがたい。命の恩人だ」
シリウスは笑った。
--うわっ、この人めちゃくちゃハンサムだわ。なんで、あんなに新聞に出てたのに、このハンサムさに気づかなかったのかしら……。ロックハートよりずっと素敵だわ。
ノエルは照れながら呑気なことを考えていた。しかし、いきなりハリーが額を押さえて、
「痛い!」
と叫んだのだ。前を見ると、背が高くて痩せた黒いフードを被った、例のあの人が立っていた。蛇のような顔は蒼白で落ち窪み、目は縦に裂けたような真っ赤な瞳孔があった。例のあの人はハリーに杖を向けていた。
ノエルがシリウスを助けるのは一番最初に思い浮かんだアイディアです! あと、二人です。増えるかもしれませんが。