ハリー・ポッターと鷲寮の少女   作:有栖川八重

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ホグワーツへ

 九月一日は、ハリーたちはグリモールド・プレイス12番地に滞在していたため、少し早く、キングズ・クロス駅についていた。また、ガーネット家もロンドンにあるため、同じ頃にノエルも駅についた。時間があったため、マグルのアクセサリー店を眺めることにした。どうやら、星をイメージしたアクセサリーがたくさんあるようだった。

 

「これはオリオン座のペンダント。これは、おおいぬ座の指輪ね」

 

 ハーマイオニーが言った。

 

「おおいぬ座の一等星はシリウスね! あなただわ」

 

 ノエルが言った。

 

「そうだね。買いなよ。シリウス」

 

 ハリーがシリウスに指輪を渡してみた。

 

「私には小さすぎる。これは女性用だろう? --私の家族の名前はみんな、星座や星にあやかっていたよ」

 

 シリウスが言った。

 

「へえ、そうなんだ。さすがブラック家だ。ウィーズリー家とは大違いだよ。このブローチはなんだっけ? あんまり輝いていない一等星だ」

 

 ロンが言った。ノエルはそれを覗きこんだ。

 

「しし座よ。一等星はレグルス。一番くらい一等星よ。この前まで必死に勉強していたわよね? どうして、せっかく一回覚えたのに忘れちゃうのかしら……?」

 

 ノエルが言った。

 

「だって、もうテストは終わったじゃないか。どうして覚えておかないといけないんだい?」

 

 ロンが言った。

 

「私も、『魔法史』とかは、テストが終わったあとは、すぐ忘れていたよ。本当に忘れたかったのは『天文学』だけどね。とても素敵な身内の名前がたくさん出てくるからね。ちなみに、さっき言ってたオリオンは父の名前、レグルスは弟のレギュラスの元になった名前だ」

 

 シリウスが言った。

 

「シリウスとレグルスって正反対ね」

 

 ハーマイオニーが言った。

 

「あぁ、似ていない兄弟だった。顔は似てたな。あいつの方が女々しい顔をしていたがね。--あいつは学生の時に死喰い人になって、すぐに『例のあの人』から逃げようとして死んだ。情けない弟だ」

 

 シリウスが言った。

 

「さあ、そろそろホーム行く時間ですよ。--闇祓いの方は到着していますよ」

 

 ウィーズリー夫人が店を覗きこみながら言った。店の外に出ると二人の黒いスーツを着た闇祓いが待っていた。一人はノエルの父だった。ノエルは知らんぷりをした。

 

 一行は柵に突っ込み、九と四分の三番線に無事、降り立った。ホグワーツ特急はすでに到着していて、たくさんの生徒が到着していた。

 

「さようなら、ノエル。良い学期を。あなたたちが卒業する頃に結婚式をしようと思っているの。絶対に来てほしいわ」

 

 フラーがノエルを抱きしめ、フランス語で言った。

 

「絶対に行くわ。フラーも頑張って。それと、お義母様とは仲良くするのよ」

 

 ノエルもフランス語で言った。他のみんなはフランス語を話せないのでポカンとした顔をしながら二人を見ていた。そして、みんなは口々に挨拶を言い、子どもたちは電車に乗り込んだ。

 

「私たちは監督生の車両に行ってくるわ。ハリーとノエルはコンパートメントを探していてちょうだい」

 

 ハーマイオニーが言い、ロンと二人で行ってしまった。

 

「行こう。ノエル--」

 

「ディーン・トーマスを探しに行ったようね。ジニーったら楽しそうだわ」

 

 ノエルは楽しそうに言った。

 

「君も相当楽しそうだよ」

 

 ハリーは少しイライラした声で返した。

 

「やあ、ハリー、ノエル」

 

 背後から声がした。振り返ると丸顔の男の子と、大きい朧な目をした長い髪の女の子が近づいてきた。

 

「ネビル、ルーナ!」

 

「元気だったかしら?」

 

「うん。いつも通りかな。席を探しに行こう」

 

 ネビルが言った。四人は人混みのなかを進んでいった。みんな、通り道を開けて見つめてきた。そして、空いているコンパートメントを見つけると隠れるように入った。

 

「緊張したわ。あなたっていつもこんな気分だったのね」

 

 ノエルはため息をつきながら言った。

 

「しょうがないよ。君たちも、あの時いて、新聞で散々報道されたからね」

 

 ハリーが言った。

 

「ところで、今年もDAの会合をするの?」

 

 ネビルが聞いた。

 

「もうアンブリッジがいないから意味ないだろう?」

 

 ハリーが言った。

 

「でも、あたしDA好きだったな」

 

 ルーナが『ザ・クィブラー』の付録の変な眼鏡を着けながら言った。

 

「また、まともな教師が来なかったらやってほしいな。今年は誰がなるんだろう?」

 

 ネビルが言った。

 

「スネイプは『闇の魔術に対する防衛術』をずっと志願しているらしいわね。もしかして、あの人だったりね。普通に考えて、『例のあの人』が復活した今、あの職を志願する人はいないわ」

 

 ノエルが言った。ネビルが顔を真っ青にした。

 

「変なフラグを立てないでよ……。あれ? あの人たち、なんだろう?」

 

 ネビルがコンパートメントの外を見て言った。そこでは四年生の女子たちがひそひそ、クスクスやっていた。

 

「あなたが行きなさいよ!」

 

「嫌よ、あなたよ」

 

「じゃあ、私が」

 

「なら、私が」

 

「私が行くわ」

 

「どうぞどうぞ」

 

「ジャパニーズマグルのお笑いってやつだわ」

 

 ノエルが言った。すると、大きな黒い目に長い黒い髪の大胆そうな女の子が入ってきた。

 

「こんにちは。ハリー。私、ロミルダ。ロミルダ・ベインよ。私たちのコンパートメントに来ない? この人たちと一緒にいる必要はないわ。変人のラブグッドに、落ちこぼれのロングボトム、ガリ勉の癖に成績はパッとしないガーネット。あなたに相応しくないわ」

 

 ロミルダは自信たっぷりに言った。

 

「僕、『薬草学』は『O』だったんだけどな……」

 

「私も『変身術』以外は『O』だわ……」

 

 二人は不満げに呟いた。

 

「この人たちは僕の友達だ。僕が好きで一緒にいる」

 

 ハリーは冷たく言った。

 

「そう。オーケー」

 

 ロミルダはドアを閉めて出ていってしまった。

 

「私、あーゆう女たち、大嫌い!」

 

 ノエルが言った。

 

「そんなことより、『変身術』以外『O』ってどういうことだい? つまり、9教科『O』ってことかい?」

 

 ハリーが聞いた。

 

「8教科よ。私、ハーマイオニーほどたくさんの授業はとっていないもの」

 

 ノエルが言った。

 

「それでも、相当すごいよ。僕、『変身術』をとるようにばあちゃんに言われてるんだけど、『A』しかとれなかったんだ」

 

 ネビルが残念そうに言った。

 

 少しすると、ロンとハーマイオニーが仕事を終えコンパートメントに入ってきた。

 

「お疲れ様。二人とも」

 

 ノエルは席をつめた。

 

「ありがとう。やあ、ネビル、ルーナ。ところで、聞いてくれよ。マルフォイが監督生の仕事をしてないんだよ」

 

 ロンが席に座りながら言った。

 

「去年はわざわざ私に『監督生になった』ってふくろうが送ってきたのに、どうしたのかしらね」

 

「監督生じゃ、満足がいかないんじゃないかしら? 『尋問官親衛隊』を相当お気に召していたようだから」

 

 ハーマイオニーが言った。その時、コンパートメントが開いて、三年生の女の子が入ってきた。

 

「ハリー・ポッターとネビル・ロングボトムとノエル・ガーネットに渡すように頼まれました。シャロン・ガーネットはどこにいるかわかります?」

 

 女の子が三人に巻き紙を渡した。

 

「シャロンはもっと前の車両にいるわ。ハッフルパフの子たちと大勢でいるはず」

 

 ノエルは巻き紙を受け取りながら答えた。女の子は転ぶようにコンパートメントを出ていった。

 

「なんだろう、これ。--招待状だ」

 

 ハリーが言った。ネビルとノエルも同じもので、スラグホーン教授から、ランチに参加してほしいという内容だった。

 

「スラグホーン教授? パパから聞いたことがあるわ。パパたちの時の『魔法薬学』の先生だったの」

 

 ノエルが言った。

 

「ああ、復職するんだ。僕はもう、ダンブルドアと一緒に会った。--でも、『闇の魔術に対する防衛術』だと思ってたよ」

 

「じゃあ、スネイプは『魔法薬学』から外れるってことだ! 僕、もっと『魔法薬学』を頑張っておけばよかった」

 

 ロンが言った。

 

「でも、なんで僕が呼ばれたんだろう? ハリーならわかるけど……」

 

 ネビルが不思議そうに言った。

 

「わからないな。でも、行っておいた方がいい」

 

 ハリーが言った。

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