ハリー、ノエル、ネビルは呼ばれたコンパートメントにやって来た。他にも何人かの生徒が呼ばれているようだった。その中には、まだ二年生で明らかに周りよりも小さなシャロンも混じっていた。
「ハリー、よく来た! そして、ミスター・ロングボトムにミス・ガーネット--姉のノエルだね。さあ、座って」
三人は空いていた席に座った。
「三人はみんなを知ってるかな?」
スラグホーンがハリーとノエルとネビルに聞いた。
「ブレーズ・ザビニは君たちと同じ学年だからもちろん知ってるね。こちらはコーマック・マクラーゲン。こちらは、マーカス・ベルビィ。そして、シャロン・ガーネット。君の妹だね。こちらのお嬢さんは君たちを知っているとおっしゃる!」
スラグホーンはジニーを見て言った。ジニーはここがどこなのかさっぱりわからないというような顔をしていた。
「さあ、ナプキンを取ってくれ。ランチを用意してきたのだよ。ベルビィ、雉肉はどうかな?」
ベルビィはぎくりとして、肉を受け取った。
「わたしは彼のおじいさんのダモクレスを教えさせてもらっていたのだよ。とても優秀な魔法使いで『トリカブト薬』を発明してマーリン勲章を受け取ってね。おじいさんにはよく会うのかね?」
スラグホーンが聞いた。
「いいえ……。おじと僕の父はあまり仲良くなくて……」
ベルビィは消えそうな声で答えた。スラグホーンは次に、マクラーゲンに話しかけた。どうやら、ここに招かれた客はジニーを除いて有力者や有名人と繋がりがあるらしい。
「ガーネット姉妹のご両親もとても優秀だった。お父さんは今は闇祓いで、お母さんは神秘部で働いているのだったね。お二人とも元気かね?」
「はい。両親から先生のことを聞いたことがあります」
ノエルが答えた。
「それは嬉しいな。お父さんはスリザリンの首席だった。お母さんは12OWLを取っていた。噂だが、お兄さんも取ったとか」
「ええ。そうです」
「それは素晴らしいな。--さあ、パイを食べないか?」
スラグホーンはニッコリしてパイを配り始めた。なぜかベルビィは抜かされた。
「さあ、今度はハリー・ポッターだ。『選ばれし者』と呼ばれている! 君は尋常ならざる力を持っているに違いない」
ザビニが「それはどうかな?」と言うように咳払いをした。
「そうでしょうとも、ザビニ。あなたには格好をつけるという特別な才能があるものね」
スラグホーンの背後から怒りの声があがった。ジニーのものだった。
「ブレーズ、気を付けた方がいい。こちらのお嬢さんはさっき、それは見事な『コウモリ鼻糞の呪い』をかけていたのですよ。私なら彼女には逆らわないね」
スラグホーンは笑いながら言った。それからは永遠とスラグホーンの思い出話が続いた。そして、暗くなってきた頃にやっと解放されたのだ。
「終わってよかった。ジニーは誰に呪いをかけたの?」
ネビルが言った。
「ザかリアス・スミスよ。ハッフルパフの。魔法省で起きたことを聞こうとしてしつこかったからやってやったの」
ジニーが言った。
「ごめん。三人とも、先に行ってて」
ハリーが突然反対方向に進み始めた。
***
「もう、着いてしまったわ。ハリーは着替えていないのに!」
ハーマイオニーが言った。
「どうしたのかしら……。どこかのコンパートメントで呪いでもかけられたのかしら。とりあえず、駅にいる闇祓いに相談しましょう」
ノエルが言い、みんな特急から降りた。
「あれ、トンクスだよね? あの人で大丈夫なのかな?」
ロンがピンクの髪の毛を指差して言った。
「一応、闇祓いだし……。でも、私のパパとかお堅い人よりもよっぽどいいわ。トンクスー!」
ノエルはトンクスに手を振った。トンクスは気づいたようでノエルたちを見た。
「おー、みんな。あれ? ハリーは?」
「いなくなってしまったの。着替えてもいないのよ!」
ノエルが言った。
「わかった。私は、特急の中を探すよ。君たちは馬車に乗って行った方がいい」
トンクスはそう言うと特急の中に入っていった。
***
ハリーが戻ってきたのは、組分けが終わった頃だった。マグルの格好をして、血がついていた。そして、目一杯食事をしたあと、ダンブルドアが立ち上がった。片手が死んだように黒くなっていた。
「今年は新しい『魔法薬学』の先生をお迎えしているけどスラグホーン先生じゃ!」
ダンブルドアがスラグホーンを紹介した。
「やったぜ! スネイプからはおさらばだ!」
「でも、スネイプはいるよ。何を教えるんだろう?」
といった声がグリフィンドールから聞こえた。
「そして、スネイプ先生は『闇の魔術に対する防衛術』の教師となられる」
広間中がザワザワとし始めた。ダンブルドアは静かになるのを待ち、城の警備が強化されたなど、死喰い人等への注意などを話し、そのまま終了となった。