ハリー・ポッターと鷲寮の少女   作:有栖川八重

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クィディッチ 選抜

 二週目の土曜日の午前中、ノエルとルーナは息抜きにと、一緒に外を散歩していた。

 

「見て、ルーナ。グリフィンドールのクィディッチの選抜をやっているわ。たしか、ジニーとロンが応募していたわ」

 

 ノエルが言った。そして、二人は選抜を眺めることにした。客席にはハーマイオニーだけではなく、何人かの生徒が座っていた。

 

「ハーマイオニー。おはよう。今はどんな感じかしら?」

 

 ノエルとルーナはハーマイオニーの隣に腰をおろした。

 

「今、ビーターが決まったわ。ジニーはチェイサーよ!」

 

 ハーマイオニーは嬉しそうに言った。

 

「すごいわ。さすがジニーね」

 

「今年も応援しがいがあるなぁ」

 

 ルーナが言った。

 

「次は最後のキーパーよ。ロンの番だわ」

 

「あ、私、あの人知っているわ。コーマック・マクラーゲンでしょう? キーパーにはぴったりの体格ね」

 

 ノエルが言った。

 

「ロンだって、身長が高いわ」

 

 ハーマイオニーは少し怒ったように言った。もう、マクラーゲンは全部、ゴールを守っている。次で最後の一回だ。ハーマイオニーは隣にいるノエルにしか聞こえないくらい小さな声でブツブツ何かを呟いた。右手には杖を隠し持っていた。そして、最後の一回はマクラーゲンにはゴールを守りきることはできなかった。マクラーゲンはまるで『錯乱呪文』をかけられたような動きをしたのだ。

 

「ハーマイオニー? なんかした?」

 

 ノエルが聞いた。

 

「だって、ロンが……。違うわ! あんな人にチームに入ってほしくないだけよ! あぁ、次はロンだわ。頑張って……」

 

 ハーマイオニーは祈るように手をくんだ。

 

「がんばって!」

 

 女の子の声が聞こえた。声の主はラベンダー・ブラウンだった。

 

 ロンは五回続けてゴールを守った。キーパーはロンに決定だ。ハーマイオニーは競技場にかけ降りていき、ロンを褒め称えていた。

 

「ハーマイオニーの顔、すごい輝いてるよ」

 

 ルーナがボーッとした声で言った。

 

「そうね。アモルテンシア(魅惑万能薬)を嗅いだときの表情みたい」

 

 ノエルが優しく笑いながら言った。一方でラベンダー・ブラウンはブスッとした表情で競技場から出ていった。

 

***

「ねえ、ノエル。ケイティ・ベルの話、聞いた?」

 

 ホグズミードから帰ってきたあと、レイブンクローの談話室でパドマ・パチルがノエルに尋ねた。

 

「聞いたわ。ネックレスに触って、意識を失ったらしいわね。下手したら死んでていかも知れないのでしょう?」

 

「誰が、彼女を殺そうとしたのかしら? そんな、誰かの恨みを買うようなタイプでもなかったし……。スリザリンのクィディッチチームのメンバーかしら?」

 

 パドマが首をかしげた。

 

「さすがにスポーツだけのために殺人を犯す人なんていないわよ。そうね……、実はケイティ・ベル以外を殺そうとしていたのかもしれないわ」

 

「いったい誰が誰を殺そうと……。ホグワーツでそんなことがあるの……?」

 

「そんなの、例のあの人が復活した今なら十分にあるわよ。この学校にはハリー・ポッターと、投獄された死喰い人の子どもたちが生活しているのよ」

 

 ノエルが言った。

 

「じゃあ、ノエルはハリーが狙われているって考えているの?」

 

 パドマは恐る恐る聞いた。

 

「可能性としてはあり得ると思っているわ。あくまで、可能性よ。でも、ケイティが狙われたってことはあり得ないと思うわ」

 

 ノエルは静かに答えた。

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