ハリー・ポッターと鷲寮の少女   作:有栖川八重

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クリスマスパーティ

 ノエルは図書室でハリーと一緒になり、向こうの方でイチャイチャしながら勉強しているロンとラベンダーを眺めていた。

 

「あーあ、ロンってあんなにデレデレするのね。見てるこっちが吐きそうだわ。二人ともお互いの顔を食べているみたい。私、女の直感的にロンはハーマイオニーが好きだと思っていたもの」

 

 ノエルが言った。

 

「僕もそう感じてはいた。でも、親友があんな感じになっているのを見るとは思ってもいなかったよ」

 

「そうよね。まだ、学生よ。でも、ジニーもよく男とベタベタしてるわね。……ハリー? どうしたの?」

 

 ノエルがハリーを見ると、ハリーは不機嫌そうな顔をしていた。

 

「いや、なんでもないんだ。ジニーは妹みたいなものだし」

 

「え? どういうこと?」

 

 ノエルは怪訝そうな顔で尋ねた。

 

「本当になんでもないんだ。あ、ハーマイオニーだ」

 

 ハリーは図書館の入り口の方に手を振った。

 

「二人とも来ていたのね。……あの人たちもいるのね」

 

 ハーマイオニーは嫌なものでも見るような目でロンとラベンダーを見た。

 

「そうだわ。さっき女子トイレに行ったのだけど、そこで女子が十人くらい集まっていたの。ロミルダ・ベインたちよ。あなたに気づかれずに惚れ薬を盛る方法を話していたわ」

 

「あの人たちに惚れ薬なんて作れるのかしら? 惚れ薬よりもっとひどい毒薬になりかねないと思うのだけど……」

 

 ノエルが言った。

 

「そうだよ。それに、どうして取り上げなかったんだ?」

 

 ハリーが言った。

 

「フレッドとジョージの店で買ったのよ。それに、トイレでは持っていなかったのよ」

 

「フレッドとジョージか……。たぶん効くわね。彼女たちはみんな、スラグホーンのクリスマスパーティに誘って欲しいんじゃないかしら?」

 

 ノエルが言った。

 

「正解よ。明日の夜よ。早く一緒に行く人を決めた方がいいわ。少なくとも、ロミルダ・ベインは本気に見えたわ」

 

「じゃあ、ハーマイオニー。一緒に行かないかい?」

 

 ハリーが尋ねた。

 

「ごめんなさい。私は別の人と行くの。……今になって少し後悔してきているけれど……」

 

 ハーマイオニーは申し訳なさそうに言った。

 

「一体誰と行くんだい?」

 

 ハリーが聞いた。

 

「本当に愚かな考えだと思うはずだわ! 聞かないで。私、もう行くわね!」

 

 ハーマイオニーは出したばっかりの荷物をしまってどこかへ行ってしまった。

 

「ハーマイオニーはいつも、どうして隠したがるんだ?」

 

 ハリーが言った。

 

「ザカリアス・スミスでも誘ったんじゃないかしら」

 

「まさかね。君はもう一緒に行く人は決めているの?」

 

 ハリーが聞いた。

 

「ええ。ネビルと行くわ。さっきちょうどネビルとその話になって一緒に行くことにしたのよ」

 

「へえ、そうか。誰か僕と行くのに良さそうな人は知らないかい?」

 

 ハリーが聞くと、ノエルは満面の笑みで頷いた。

 

「いるわ。ルーナよ。きっと喜ぶわ! 私もルーナとパーティで会いたいし」

 

「それはいいや。じゃあ、ルーナを見かけたら誘ってみるよ」

 

***

 パーティの当日。ノエルが寮でパーティの支度をしているとルーナがやって来た。

 

「あたし、ハリーにパーティに誘われたの! ノエルも行くんだよね」

 

 ルーナがとても嬉しそうな顔をして言った。

 

「良かったわね。ルーナ」

 

「パーティに誘われたことなんて一度もないもン。だから、準備をちゃんとしないと!」

 

 ルーナは楽しそうに準備をしに行った。

 

 ノエルは八時よりちょっと前に待ち合わせの玄関ホールに向かった。ノエルは淡い水色で、上品なレースのあしらわれたドレスローブを着て、長い黒髪はシニヨンにして玄関ホールでネビルを待っていた。一緒に待っていたルーナはスパンコールのついた銀色のローブを着ていて、それをクスクス笑う人がいたが、ルーナが着ればそれほど悪くなく、むしろ素敵だとノエルは思った。

 

 少し待つと、ネビルがハリーと一緒にやって来た。

 

「ごめん。待った?」

 

 ネビルが聞いた。

 

「いいえ。さあ、行きましょう」

 

***

 会場のスラグホーンの部屋には何人もの人がいて混み合っていた。

 

「ハーマイオニーが誰と行ったか知っているかしら? 昨日、聞いたときは誰か教えてくれなかったのよ」

 

「僕もわからないんだよ。あと、コーマック・マクラーゲンも誰と行くか、よくわからないんだ。マクラーゲンが準備しているのは見かけたんだけど。まさか、ハーマイオニーとマクラーゲンが一緒に行くなんてないよね?」

 

「ネビル。それは大正解だったみたいよ。見て」

 

 二人の少し前には二人の男女がいた。あの髪の毛はハーマイオニーのものだし、あの大きな体もマクラーゲンのものだろう。

 

「君は見ただろう? クィディッチの選抜の時のセーブを……」

 

 マクラーゲンは自慢気に自分の素晴らしいセーブについて話していた。ハーマイオニーは心底うんざりしたような顔をしていた。

 

「かわいそうに。だから、愚かな考えだって言っていたのね」

 

 ノエルが言った。すると、ハーマイオニーはノエルたちに気づいたようで後ろを振り返った。

 

「私、お手洗いにいってくるわ」

 

 ハーマイオニーは人混みに隠れながらノエルたちのところにやって来た。

 

「最悪よ。あの人。ずっと自慢ばかりで……。ザカリアス・スミスでもいいと思ったのだけど、やっぱり一番ロンが嫌がるのはマクラーゲンだと思ったのよ」

 

「ザカリアス・スミスだって? そんなことまで考えてたの?」

 

 ネビルが驚いた。

 

「そうよ。そっちの方がまだ、ましだったかもしれないわね。--あ、こっちに来るわ」

 

 ハーマイオニーはまた、人混みに隠れ、どこかに行ってしまった。

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