「ノエル! 決まったわ! 今夜の八時に八階の『バカのバーナス』がトロールに棍棒で打たれている壁掛けの向かい側よ。レイブンクローの子に伝えておいてもらえるかしら」
「わかったわ。でも、そんなところに部屋なんてあったかしら……?」
ノエルが不思議そうな顔をした。
「来てみればわかるわ! じゃあ、あとでね」
***
ノエルは言われた通り、八時に八階へやって来た。
「あ、ルーナ。こんばんは」
「ノエルだ。あんたもハリー達の所にいくんだよね」
「そうよ。でも、あんな所に部屋なんてあったかしら?」
ノエルはピカピカに磨きあげられた扉を指差した。
「私は初めて見たな。でも、階段が動くホグワーツだもン。教室がいきなり現れても不思議じゃないよ」
ノエルは扉を叩き、ドアを開けてみた。そこには広々とした部屋が広がっていて、もうすでにほとんどの人が到着していた。
「えー、これで全員よね。
私、このグループに名前をつけるべきだと思うの」
ハーマイオニーが言った。
「反アンブリッジ同盟とか?」
「MMMは? 『魔法省はみんな間抜け』さ」
「それじゃあ、外で話さなきゃいけないときに目的がまるわかりよ」
ハーマイオニーが言った。
「うーん。なら『ラブリーなアンブリッジ先生愛好会』なんかどうかしら? これなら許可されるかもしれないわ」
ノエルが言った。
「そんな名前の団体に入ってると思うと気分が悪くなるよ」
ロンが顔を歪ませて言った。
「防衛協会ってどうかしら? 頭文字をとってDA。これなら誰にもわからないでしょ」
チョウが言うとジニーが頷いて、
「いいと思うわ。でも、ダンブルドア軍団の頭文字のDAの方がいいわね」
と言った。すると、賛成する声があがった。
「DAに賛成の人!」
ハーマイオニーが言うと全員が手を上げた。ハーマイオニーは満足そうにうなずくと名簿の羊皮紙に大きくダンブルドア軍団と書いた。
「それじゃあ、練習を開始しようか。まず最初に『エクスペリアームス 武器よ去れ』だ」
ハリーが言うとザカリアス・スミスは眉をしかめた。
「もし、君にはこれはレベルが低すぎるなら出て行ってもかまわない」
誰もそこから動かなかった。
「オーケー。じゃあ、二人一組になって練習をしよう」
ハリーが言うと全員、組を作った。ノエルはネビルと組んでいたようだ。
「ネビルとノエル……。最悪の組み合わせね」
ハーマイオニーがぼやいた。
「なんでだい? 彼女は頭がいいんだろう?」
ロンが尋ねた。
「そうよ。でも、ノエルは……」
「いいかい? 三つ数えたら言うんだ。いーち、にー、さーん」
「エクスペリアームス!」
全員が叫んだ。しかし、成功した人はほとんどいないらしく、弱い呪文が部屋を飛び交い部屋を滅茶苦茶にしていた。ネビルとノエルのペアに至っては何も変化がなく、ただただ顔をびくつかせながらたっているだけだった。
「本当だ。ひどいや。ネビルレベルだよ」
ロンが言った。
「でしょう。二人とも自信がないのよ。特にノエルなんて難解な理論とか全部理解してるのにあれよ。あれを理解していれば完全な呪文が使えるはずなのに、相当自信がないのね」
「エクスペリアームス」
ネビルが叫んだ。すると、ペアのノエルは無視して、その奥にいたザカリアス・スミスの杖が飛んでいった。
「やった! これは成功でいいの?」
「すごいわ! ネビル! 成功よ」
すると、ひょっこりフレッドとジョージがやって来た。
「マグルの避雷針って知ってるかい?」
「この前、パパが言ってたんだ。雷は避雷針を選んで落ちるって」
「それで、僕たちはこれを貼った人を選んで呪文がかかるシールを作ったのさ」
二人は自慢気に言った。この後も練習を続けたおかげで二人はコツを理解してノエルは百発百中で、ネビルも五回に一回は必ず成功するようになった。
「うわあ、ノエルはすごいね」
「ありがとう、ネビル。ネビルもすごいわ。私、理論を完璧に理解した呪文じゃないと緊張して、自信がなくなって全く使えないのよ」
二人が話しているときにハリーがホイッスルを吹いた。
「今日は終わりにしよう。次の練習は水曜日の八時だ」
ハリーが言うと、全員、帰る準備を始めて準備ができた人からハリーの指示で部屋から出ていった。帰り道で、ノエルはハリーがチョウ・チャンに気があることに気づいて少しニヤニヤした。
ノエルの記憶力はとんでもなくて、多くても三回くらい見れば完全に覚えることができます。次回はクィディッチの試合です。