ハリー・ポッターと鷲寮の少女   作:有栖川八重

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アイリーン・プリンス

 クィディッチの試合はすぐにやって来た。朝食の時間にノエルは不思議な被り物を被ったルーナと一緒にグリフィンドールのテーブルにやって来た。

 

「おはよう、みんな。ハリー、ロン、ジニーは頑張ってね。もちろん、レイブンクローが勝つに決まっているけどね」

 

 ノエルは得意気に言った。

 

「あら、そうかしら? 私はそうは思わないけどね。あなたがハリーを庇ったことを公開させてみせるわ!」

 

 ジニーが言った。

 

「そっか、じゃあ、頑張ってね。バイバイ」

 

 二人はレイブンクローのテーブルに戻った。

 

「スネイプってクィディッチの日にわざわざ罰則を受けさせようとしてたんだっけ。せっかくのクィディッチを見に行かないなんて、クィディッチ何か恨みでもあるのかなぁ」

 

 ルーナが言った。

 

「たしかにありそうね。学生の時は、クィディッチが上手な人を嫌ってそうだわ」

 

 ノエルが笑った。

 

***

 試合が始まった。序盤は接戦だった。しかし、グリフィンドールがどんどんシュートを入れていき、一四〇対三〇〇になっていた。このまま、グリフィンドールがスニッチを取ってしまえば、レイブンクローは優勝を逃すことになってしまう。レイブンクロー側もグリフィンドール側も応援は白熱していった。そして、とうとう、ハリーがスニッチを捕まえてしまった。

 

「あー、負けちゃったね」

 

 ノエルは残念そうに笑った。

 

「でも、良い試合だったと思うなぁ」

 

 ルーナが言った。レイブンクロー側からは残念そうな声が漏れた。しかし、グリフィンドールは喜びの歓声が響き渡っていた。

 

 箒から降りて、挨拶をしたあとジニーがハリーに抱きついた。そして、ハリーはジニーにキスをしたのだった。何人もの生徒たちがそれを見つめて、顔を真っ赤にする者から悔しがる者までいた。

 

「スネイプはこれを見て、無理にでもハリーに罰則を受けさせるべきだったって思ってるでしょうね」

 

 ノエルが笑った。

 

***

 それからハリーとジニーが付き合っているという話は瞬く間に広まり、特に女子の関心の的となっていた。ノエルもその話には興味津々だった。

 

「ロンはどうなの? 結構、ハリーとジニーは結構引っ付いている感じだけど」

 

 古代ルーン文字の授業でノエルがハーマイオニーに尋ねた。

 

「他の人の時よりもずっとましよ。許可は与えたって言ってたわ。ただ、撤回するとは言っていない、とも言ってたわ」

 

「ラベンダーとあちらこちらで絡まっていたくせによく言うわねぇ。でも、ずっと一緒にいるって言うのは難しいわ。ジニーはもうすぐO・W・Lでしょう? ルーナが最近、一生懸命勉強しているわ」

 

「ルーナって勉強するのね……。あんまり勉強をしているイメージはわかないわ」

 

「一応レイブンクロー生だもの」

 

 ノエルが言った。

 

「それでも、ハリーとジニーはお昼休みに一緒に過ごしたりしていて楽しそうよ。今まで、ずっと私とロンと過ごしてたからちょっと寂しいかも」

 

 ハーマイオニーが言った。

 

「それで、あなたとロンはどうなの?」

 

 ノエルはニヤニヤしながら言った。

 

「私とロン? な、何のことよ」

 

 ハーマイオニーは顔を真っ赤にした。

 

「だって、ハリーが居ないから二人なんでしょう?」

 

「何もないわよ! ロンだってあんなに鈍感だから私と二人でも特に何とも思っていないはずよ! ほら、残っているところ訳さないと」

 

 ハーマイオニーは辞書の適当なページをおもいっきり開いた。

 

「私、訳し終わってるわよ。あなたもね、ハーマイオニー」

 

 ノエルが言った。

 

「そうだったわ……。--そんなことより、授業の前にすごいものを見つけたのよ!」

 

 ハーマイオニーはポケットから古い新聞の切り抜きを引っ張り出した。それには少女の写真があった。お世辞には可愛いと言えない痩せた少女だった。そして、彼女の名は、『アイリーン・プリンス』だと記事に書いてあった。

 

「プリンス……?」

 

「そうよ。プリンスよ。もし、この子が半純血なら『半純血のプリンス』だわ」

 

「それはそうだけど、それすごく昔じゃない? その紙の古さだと私たちの親の世代よりも、もっと前だわ」

 

「でも、あり得るわ。私、この子について調べてみようと思うわ」

 

 ハーマイオニーが言った。

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