異世界シヴィライゼーション ~長命種だからデキる未来にきらめく文明改革~ 作:さきばめ
転生、流転、円環。
回り、廻り、巡る。
削る──素手ではどうにもならない、土を圧縮したように立ちはだかる堅固な
掘る──ほんの少しずつ前に進む。渦巻く風をその手に、螺旋を
(いい調子だ……実際に魔術を行使する。"進化の階段"を一段、
一切の光がなかった空間も……
ずっと無明だったハズなのに──ぼやっとではあるが──輪郭を
赤外線視力だとかそういった
"魔力強化"による、肉体・感覚能力の向上効果が
(無敵感というか全能感というか、やばいな。何でもできる気がしてくる)
スーパーポジティブシンキング。成功体験が次々に連鎖しそうな、最高の心身状態とも言えよう。
自分の魔力を知覚し、血液と
空気の流れを操作して
それをさらに閉じ込め、圧縮するように──先端へと集中させ、削岩し、掘り
(……"魔術"は、絵を
誰でも
(その為に必要なのが、詠唱や動作といった決められた
自分の中に形作る、ある種の
しかして魔術は
(なぜか? 単純にそうした
確実な発動の補助、物理現象をもたらす上での安定性、さらには威力や効果そのものの強化。
特に"声"というものは最も手軽かつ、量の調整も自在な──
そこに"
身振り手振りを加えることで、魔術を
長々と大仰な詠唱をし、魂を込めて叫び、豪快なアクションを
(突き、抜け……たッ! 俺のォ──勝ちだ!!)
進退を賭けて、
だがまだ全てが終わったわけではない、
「草が風に吹かれる音、フクロウのような鳴き声、虫が響かせる合唱。不穏な音は……なさそうだ」
俺は穴を大きくぶち
「あぁ……最高だ」
風を浴びる。過去の俺が、さながら"
今まで俺は死んでいたのではないかと思えるほど、世界は感動に満ちているのだと全身を
「──さて、のんびりしてもいられないか」
星光の下で俺は周囲を観察する。
深い森の中を切り抜いたような場所に、薄明かりの中で明らかに浮いている、似つかわしくないドーム状の土檻──
「土棺か土墓のようにも見えるな……が、
その内の1つは先刻まで俺が中に入れられていて、既に破壊されたモノだった。
しかし残りの3つの
「……俺以外にも三人ほど、
脱走の
「っはぁ~……」
俺は森の隙間から覗く天空を
(見捨てる、という選択肢)
そうなれば俺は今後長い一生の中で、常に心に
(連れて行く、という選択肢)
いざ助けてから「やっぱりナシで」は難しい。
恐らくは俺のような奴隷であろうし、そうなれば衰弱していて足手まといになる可能性は高い。
そもそも現状じゃパニック状態もいいところだろうし、なだめるだけでも骨だ。
(しかしまぁ……見捨てるにせよ連れて行くにせよ、こんな地理も全くわからない暗い森の中か)
俺一人だったとしても食料も道具もないし、服もみすぼらしい。
サバイバルのノウハウもない中で生き抜くには、相当
危険な野生動物や毒虫もいるだろう、なにより異世界には魔物だって存在する。
目的は判然としないが、脱走が気付かれれば追手が掛かることも充分に考えられる。
(魔術が使えるとは言っても、まだまだ覚えたて。使うには魔力も必要とするし、有限だ)
生存率は
新たに会得した己の
過呼吸にはならないよう何度も深呼吸をしながら、酸素を脳に巡らせていく。
(答えは
いかに子供とはいえ、見ず知らずの他人に構っていられるほど
緊急避難的判断、まずは己の命こそ最優先とす──
思考を回して結論にして決断をしようとした刹那。
魔力強化によって鋭敏になっているハーフエルフのやや尖った"半長耳"がピクリと無意識に動く。
(なんだ……? 何かが近付いてくるか)
心中で舌打ちしながら、いったん
威嚇するような
それは"トカゲ"であった、ただし……
四つ足で地面に伏せているのに、目算で地上から2メートル近くはあるように見える。
尻尾含めた全長は、10メートルはゆうに超えているであろう。
地球に当てはめるのであれば、現代に蘇った恐竜とでも言えるのだろうが……。
角を生やし、口元から伸びる牙、長めの
異世界では陸上の"
スンスンと鼻を鳴らすように、その