異世界シヴィライゼーション ~長命種だからデキる未来にきらめく文明改革~ 作:さきばめ
「──貴様一人でまだ何ができると言うのか?」
「ごもっともだがな、俺にとっての
これ以上の増援を呼ぶことはできなかった。
他の皆はイベントの為に準備を進めている真っ最中であり、それらの盾となるのが武力担当の俺にとって何よりの役目である。
それに正直なところ
シップスクラーク財団内でトップクラスのフラウですら、まともな
リーティアも含めて四人連係で戦ったところで結果は見えている。
かと言って総力戦で消耗を狙うには、あまりに被害
しかしそれほどの圧倒的強者を眼前に、俺は一人で相対する。
「──ここからが俺の……俺だけの、"空前"絶後の
絶対の窮地が人を成長させる。
フラウほどの魔術でさえ塗り潰されたし、英傑グイドを模倣したのであろうエイルの魔術方陣すらも効果は無力に近かった。
魔術で打つ手はない状況。だが上澄みの魔術が通じないのならば、濃縮した"魔導"を通じさせればいい。
(魔導師級たる固有の魔力色は……黒色あっても
それは"天眼"によって、新たに魔力色をも共感覚で
レドが何度も肉薄して戦えたのは、"存在の足し引き"によって操作された
死にながら生きているエイルの魔導と魔力そのものを断ち切って滅することは、
魔導を発現させるだけの濃密な魔力こそが、黒色の魔力にも対抗できている理屈。
(強者ゆえの
常に勝者の立場として証明し続ける限り、それは
そして
"吸血"と意図的な"暴走"を技法として確立させているのだから、たとえ魔力枯れた囚人であろうと……結社からの助けがなかろうと……。
その気になれば被尋問時にでも、いつでもどこでもいくらでも隙を突けたに違いない。単独で大監獄からの脱出など、容易であったに違いなかったのだ。
しかし安易にそうしなかったのは──単に任務を帯びていたからというだけでなく、
「大言で終わってくれるなよ、小僧」
「過言じゃあないさ」
復讐心、闘争心、敵愾心、嫉妬心、恐怖心、克己心、功名心、自尊心。
あらゆる心を
「
俺は詠唱と共に左腰から抜いたリボルバーを回転させながら、こめかみへと押し当てたところでガチンッと
左の初弾には
しかしてその行為そのものが俺自身に対しての
──
──
──
『喝采するがいい。進化の階段を疾駆し、
──
──何を
『今この時を
──右手を
「なんだ……その
ドス黒い魔力を濃密に
もはや数も質量も関係ない。
『遅い。
しかし、生きている。
「……この
『
遠心加速分離によって完全濃縮された純然たる蒼色の魔力は……黒色の魔力にも塗り潰されることなく。
裏表であり鏡合わせとも言える、俺自身の
限界を超越し、どこまでも階段を昇り続ける
明確なる意志の形となった権能が、
それは俺の1.3倍強ほどの巨躯をもって、己と重ね合わさるように、"左手"で──あまねく脅威から──俺を守護していた。
『なるほど、確かに。
任意に魔力を暴走させ、極大化させた
同時に膨大な魔力によって超強化された肉体は、一時的でも超人を越えし領域へと到達しているのだ。
彼の"本気"の前では──魔術士は封殺され、魔導師であっても思考するより速く死を迎えること
そして黒き魔力に
ゆえに、
『しかしどうやら、"背後のコイツ"は
灰白き鋼鉄の鎧を身に
俺はガンベルトから引き抜いた
眼前の男に対して、渦巻く俺の強靭な意志力は、今度こそ完全なる絶技を……この刹那にて実現させる。
「くっフハッ──カッハハハハハッハハハハァッ!! これが、
『残念だったな』
光が満ちる──"右手"を前にした
『我が現身"ユークレイス"、俺はお前に
──昇華し、
魔力を直接介在した攻撃が効かないのならば……間接的に攻勢現象を発生させるしかない。
"天道崩し"では出力が足りずに仕留めるには到底足りなかった、ならば火力を上げればいい。
どこまでも──打ち倒せるほどまで──どこまでも。
すなわち太陽光や宇宙線を含んだ凝縮と、極密度爆縮による核分裂反応を伴った"放射性崩壊の殲滅光"。
されど
ならば、それならば……一点収束させて
空前たる俺だけの魔導──"
俺は世界そのものを置き去りにするかのような感覚に、その身を
そうして全身全知全能全霊全力を込めた、至大至高の一閃は……
Right hand from behind