異世界シヴィライゼーション ~長命種だからデキる未来にきらめく文明改革~ 作:さきばめ
"
神器と呼ばれる魔力を膨大に溜め込む肉体組成を再現し、こまめに消費しながらも100年近く常人を遥かに越えた魔力を貯留し続けた。
無尽蔵とも思えるほどに保有する魔力。
「"
一方でベイリルはパチンッと指を鳴らしながら咆哮すると、背中に収納されていたHiTEK装備から六枚の翼が拡張された。
背より肩から腕までを
その間も
指パッチンは合図も同時に兼ねていて、呼び出されたヤナギがベイリルの隣に立つ頃には──完全に変態を終えていた。
十六ツの大足、全身に散らばった四十八の複眼。
光沢のある頑丈な外骨格と、柔軟かつ強靱な内骨格によって支えられた"巨大蜘蛛"の姿。
口元からは数十メートルはある触肢が二本、ウネウネと動いている。
「"魔蟲ウツルカ"……」
「知っているのか、ヤナギ」
「生きて動いているのを見るのは初めてです。魔領でフラウさん達と見た時は、遥か昔に死骸と成り果てていたモノでしたが……それよりもずっと
全長にして100メートルは軽く越えている。
黒竜や神獣モーヴィックに比べれば小柄にも見えるが、巨大化した虫として考えると醜悪としか言えなかった。
「なるほど、オリジナルよりも
「死骸においてすら辺り一帯が汚染していました。ですので恐らくは──」
ヤナギの言葉からベイリルは視線を移すと、魔蟲の足元の大地が腐敗するように侵蝕されているのが見える。
「
「短期総力決戦、了解です。各員参集せよ!」
すると上空からはアッシュが、周囲には23人の魔術戦士達がすぐさま集結したのだった。
『回華せよ、
ヤナギを含めた24人──かつて幼少の頃より救出され、選抜・鍛錬を積んだ
ベイリル直下、子飼いの武力集団"烈風連"が合唱するように名乗りを上げる。
『振るいし暴威は敵を選ばず、邪魔立て
どこにでも潜入する為に無手を基本。ベイリルの
全員が飛行魔術の使用を
偵察・狙撃、工作・暗殺、白兵突撃、擲弾火力、魔術火砲、衛生支援、万能予備、戦術・統合指揮──を持たせた集団。
魔獣討伐においてすら、烈風連にとっては通常任務の範疇である。
「万端か。さ~て、
ゴキリと首を鳴らしてから全身をほぐすように、眼前にそびえる異形にベイリルは歯牙を剥き出しにする。
「魔導は見えない、さすがにここまでの大変身をしつつ"透過"ができるほど器用ではなさそうだな」
ベイリルは"天眼"でもって冷静に敵を分析する。
殺すことは慣れきっていても、殺し合いには慣れていない。
「では──対竜戦術・"
烈風連の面々は叫びに応じ、一瞬にして散っていく。残ったヤナギはアッシュに飛び乗ると、灰竜は大きく翼を打って飛び立った。
「"
ベイリルは自らの魔力を血液ごとストックしておいた黒スライムと、肉体活性の赤スライムを"
続いて
縦横無尽に空間を蹂躙するベイリルの左腕兵装からは、"
魔術で空気を超圧縮して作り出したプラズマ球を"
加速し射出されるプラズマ化した弾体は、さながらビームのような残像と共に何度も突き刺さり、さらに右腕のサブ兵装からは余剰エネルギー分を利用したサーマルガトリングガンの
同時にアッシュの物質を風化させる
灰竜はヤナギと
「──効くことは効いている、が……決め手に欠けるか」
魔蟲は変身を繰り返し続けることで擬似的な超速再生を強引に
そのたびに腐敗した汚染物質が撒き散らされ、大地が蝕まれていく。
「ベイリルさん! 配置完了しましたッ!」
「よしっ、
烈風連23人の合唱が響くと同時に、ベイリルとアッシュは効果範囲圏外まで退避する。
歌によって共鳴させた大魔術──音の
「くっはは、これで変身再生速度とトントンってとこだな──ヤナギ!
「はい!!」
ベイリルは自らの掌中に
空華夢想流・征戦礼法──秘奥義、"
「"
ヤナギは一本の剥き出しの刃を構えると、魔族と吸血種のハーフ──ダークヴァンパイア種として、神器に準じる超魔力を注ぎ込む。
より刀身が長かった
「我が一太刀は気に先んじて
「──流出──固定──形成、完了」
天を突かんばかりに巨大な二振りの剣が、同時に交差する。
「
「
二人の一撃で四つに切り分けられた
腐敗し汚染されつつある大地ごとを微塵に切り裂かれていき、灰竜アッシュの
いつしか斬撃は止まり、歌も
魔力色から"透過"の魔導を使っていると判断したベイリルは、ハンドサインで他の皆に待つよう合図を送りつつ
「まさかあれだけの変身をして、何もさせてもらえぬまま追い込まれるとは……どうしたものか」
無言のままに魔導
「──ああ、そうだな……ならば今度はキミの