異世界シヴィライゼーション ~長命種だからデキる未来にきらめく文明改革~ 作:さきばめ
「──ああ、そうだな……今度はキミの
「トラウマ? あいにくと多すぎるがな」
そうして
長身痩躯、拘束具のようなベルトを体中に巻きつけ、聖騎士のサーコートを身に
──絶対正義の審判者──聖騎士の中の聖騎士──真なる英雄──
しかし普遍的に通じる名があるとすれば……五英傑が一人、"折れぬ鋼の"の姿に他ならなかった。
(黄竜でも黒竜でもなく、"
とはいえ"大地の愛娘"ルルーテでなかっただけ良しとする。
アレはトラウマというより、もはや畏敬の念を抱くレベルであり、再現できるような領域にいる存在ではない。
「ふむ、この姿は──かの音に聞こえし英傑か。ワタシは見たことがないが……不思議な器だ」
(魔力色がまったく見えなくなった……?)
魔法具"変成の鎧"──その再現率と恐ろしさをよくよく理解する。
俺に変身された時の"
("折れぬ鋼の"の、
俺は指を鳴らして単なる"
風の刃は
されど無傷──"透過"しようがしまいがダメージを与えられないという結果は同じでも、それで事実がはっきりした。
「――どうやら
「ふむ、そのようだ。なぜだかはわからないが……しかし余りあるというもの」
魔力を外に出せない。"折れぬ鋼の"の、魔力を溜め込み続けられるがゆえの圧倒的な肉体。
だがその代償は、魔術や魔導を一切を使えないことに他ならない。
「……試さずにはいられない昂揚感、こんな感情はいつ以来だろうか」
『ヤナギ、"烈風連"ともども捨て石になってもらえるか。一分ほど時間を稼いでほしい』
血気に
「対人戦術・
一糸乱れぬ連係をもって烈風連は音速で
俺はその間に
「凄絶、の一言に尽きよう。いつか英傑のような人間の"死に目"もこの手で見たいものだ……」
砂塵が吹き飛ばされ、死人こそいないが烈風連の半分以上がダウンしていた。
仮に強さの一端を再現するだけだったとしても、やはり"折れぬ鋼の"は規格外の頂人であり、まともに戦える相手ではない。
「"ヤマブキ"、それに"ユスラ"、合わせて──"
介抱している烈風連とは別に、まだ立っている烈風連の二人とタイミングを図ってヤナギは突貫する。
握り締められた刃こそ、ヤナギの膨大な魔力を一点に凝縮した紛うことなき魔剣。
単純な切れ味だけで言えば、今までのあらゆる攻撃をも上回る──万物を切り裂き、
しかしあっさりと渾身の一撃は
「この
「あまりワタシの趣味にそぐわぬ
フィジカルのままにぶん殴る、ただそれだけで必倒となりうる。本当に"折れぬ鋼の"を相手にしている気分にさせられるほど……。
しかし不殺の信条を
まだ誰も命を落とさずに済んでいるのは、ひとえに烈風連の練度に加えて、
かつて五英傑に名を
「ありがとうヤナギ、充分だ。烈風連も……
俺は強く、はっきりと、自信を内包した
同時に急降下してきた灰竜が烈風連を全員離脱させる。
「
「次に俺の名を呼ぶ時が、お前の
「ははっはははは、随分とお互いに愛着も湧いてきたようだ。
トンッと俺がステップを踏むと同時に、強烈な上昇気流が発生して
「飛べ」
「むっ――」
風はそのまま竜巻と化し――ダメージを目的とするのではなく、ただただ打ち上げる為だけの旋風。
"折れぬ鋼の"は魔術が使えない、つまり空中における機動力の優位性は確実に俺が奪うことができる。
「これは……なるほど、この肉体のままでは
"変成の鎧"は肉体内部に取り込まれ作用しているのか、"折れぬ鋼の"の特異体質であっても使うことは可能なようだった。
上空へと勢いよく吹き飛びながら、
「浅はかだ。それは"
瞬間――追従するように上昇していた俺は、両手のグラップリングワイヤーブレードを射出した。
それは
「っぐ──なにを、する気だ……?」
変身による組成改変によって病毒への耐性を付けている
「ユニヴァアアアアアアアスッ!!」
バチバチと電撃を
そのまま第二宇宙速度へ到達し――大気圏を超えて
――かつてないほど巨大に眺める片割れ星と母星との狭間――
「この美しい
「ヵ……ッ、ァ――」
"
しかし"変成の鎧"があれば究極生物を超越して、いつかまた星へと戻ってくる可能性も視野にいれなければならない。
「たとえ"折れぬ鋼の"の肉体を持ち得ようと……限度はある」
真空の宇宙空間でそう口にしながら、俺は"
「
喪失した左肘から延びた物質的な
それは"
極限まで圧縮され、臨界に達した原子は核分裂反応による放射性崩壊を起こし、発生した"
「……ベィ――リ、ル――」
「これがお前の"死に目"だ。"
左手の機械義手銃口から