異世界シヴィライゼーション ~長命種だからデキる未来にきらめく文明改革~ 作:さきばめ
「テクノロジーの進歩というのは本当に便利なものですよね、僕のような非力な者でもこうしてあなたを一方的に拘束することができる」
一人の男が家屋にある椅子に座り、一人の女は床に伏して身動き一つ取れなくなっている。
「ぅあ……ぎ――」
「
「おまっ、え……思い出した。"試し"で心を壊した、不適格者――」
"素銅"のカプランは、"
かつて果たしたはずの復讐に連なる者達の中で、確かにこの手で殺したと思っていた人間が実は生きていたどころか分身体であったこと。
「こちらは別に結社に入りたいなどと
シップスクラーク財団情報部と連携した指名手配、迅速な
最初はいくら調べようと影も形も捕捉できなかった存在であったが、ベイリルの情報を基に詰めていくことでようやく辿り着くことができた。
「今まで一体何人もの人生を壊してきたのかまでは存じませんが、これで少しは報われることでしょう」
「ふっ、ふふ……素晴らしい、執念だ。もし良ければ改めて結社に迎え入れたい」
「丁重にお断りさせていただきます」
そうカプランが告げると同時に、家屋内が炎によって赤々と染まっていく。
「あぁご心配なく、魔導科学具によって僕は大丈夫なので。あなたなんかと心中する気はさらさらありません」
次いで
「それと余裕ぶっているようですが──」
立ち上がったカプランは、伏した
「
耳打ちしながら左耳にのみ着けられた"耳飾り《イヤリング》"を強引に引きちぎる。
「──
「おっと、どうやら単純に察しが悪かったようですね。調べ上げられていないと思っていましたか?」
少なくなく産み出されている
"
「う……嘘だ──」
「正直なところ趣味ではないのですが、これもせっかくの──最後であろう機会です。焼かれ、悶え、苦しむ、貴方という存在の終着点を……このまま見物させてもらいますよ」
カプランの復讐の火の手が、絶望がゆっくりと
◇
暗き霊廟の奥。
指環を付けたまま瞑想していた
「やあ、
「何用だ」
「ん……? 声が違うね──新たな
過去に
しかしわずかな
「まあいい。少し厄介なことに見舞われていて──結社員の何人かと連絡がつかなくなっている。別に珍しいことでもないけど、気になるのが……少々重なりすぎているってことでね」
「……それで何をして欲しい」
「別に何かをしてほしいわけじゃない、一応の所在確認さ。なにせ"
「……」
「あーーー、こんなトコに引きこもってる"
「いや知っている」
「ほんと?」
「
霊廟に一発の銃声が残響し、
一方で俺はくるくるとガンスピンしながら白煙を払いつつ、光球を生み出して周囲を照らした。
「"
「っう……あ? おまえ、ベイリル・モーガニト──!? どう、いうこと」
「あいにくと詳しく説明してやるほどお人好しじゃあない」
ドクドクと流れ始める血に、
「なっん、これ……矢? 違う、それは……形こそ違うようだけど、新型の銃か」
「矢でも間違いじゃあない。人類は狩猟の為に槍を作り、より安全に遠くから狩る為に弓矢を作り、火薬を生み出し、戦争の道具を発展させていった。テクノロジーの結晶の一つだ」
俺は
「その指環、
「無論。とりあえずはお前は色々と敵に回しすぎた、とだけ言っておこう。"
左手を
「……っっ!?」
「初期の大魔技師が切削の為に使った短剣、毒も塗ってあるのも知っている。解毒薬も確保済みだけどな。まぁなんにしても、こっちは最終形の遺作だ」
そのままバターのように切り裂き、"
出血は一層激しくなり、
「お前という歯車を失えば、アンブラティ結社も
「わたしの……築き上げ、た──結社を」
「仮にも姿だけは"神域の聖女"、これ以上
「あっ……いやだ。それは、それだけはやめ──」
俺は外した"
死にゆく遍在の肉体に宿りし
はたして2人はせめぎ合っているのか、それとも最後の対話が為されているのかは知る由もない。
ただその