異世界シヴィライゼーション ~長命種だからデキる未来にきらめく文明改革~ 作:さきばめ
地平線から夜空へと浮かんでくる、互いに衛星とも言える双子星を眺める。
ゆったりとした動作で俺は視線を地上へ落とすと、そこにはサイジック法国の
俺は大気を肺いっぱいに満たし、ゆっくりと感情を吐き出しながら腕に抱いた"愛娘"へと語りかける。
「ああ素晴らしい景色だろう? "クラウミア"」
「ぃーー、ぁーーー」」
「今、
その
とある吟遊詩人が
シップスクラーク財団でもその名で統一採用している。
「ぁーぉー、ぅーぁー」
クラウミアはたどたどしいながら、俺の言葉を繰り返しているかのようだった。
「くっはっはっは、クラウミアは賢いなぁ。いいぞ~~~、その調子だ」
"
「あぁ……これからもっともっと
伝統を重んじ、名誉を讃えよう。
美学を推進し、商業を振興すべし。
合理主義に生きる、秩序ある社会を。
そうやって進歩と発展を繰り返して、今後も数多くの大事業を成し遂げていく。
すると俺たちの隣に、フラウがいつの間にか浮かんでいた。
「──こんなとこにいたんだ?」
「フラウ、お前……身重だろうに」
「負荷は掛からないからだいじょうぶダイジョーブ。ねーーークラウミアの
左隣に寄り添うように浮かんだ幼馴染は、まるで自分の子供のようにハルミアとの子を可愛がる。
「……エコーで性別を判断したのは無粋だったかね」
「そう? 名前を早くから決めて語り掛けられるからいいんじゃないかなぁ、ねぇ"アルム"~~~」
フラウは自らのお腹を撫でながら、胎内にいる我が子の名を呼ぶ。
「ふぁーぅーーぃーーー」
するとクラウミアは、フラウが首から下げているエメラルドの指環を掴もうとしていた。
「おっとと……クラウミアはこの
「まぁ俺としては別に構わないが……ただ思い出の品だし、せっかくならクラウミアには新しいのでも──」
俺の言い途中でフラウはクラウミアの小さな手へと、
するとまだ赤子ながら、満面の笑顔を浮かべる。
「ん、この可愛さには勝てない。たしかに大事なものだけど、今はもうベイリルもみんなもそばにいるから」
「あぁ、でも普通ならこの指環は……実子であるアルムに継承させるものじゃないか?」
「あっははは~~~、ハルっちの子はあーしの子でもある。キャシーとクロアーネの子だって同じだし、ヤナギやアッシュも一緒だよ?」
フラウの言葉を、俺はグッと心中で
「そうだな。繋がりとは血によるものだけじゃあない、人も文化もテクノロジーも──想いと共に受け継がれていく」
遥か彼方の理想にして夢想。
歓喜と苦難に、
世界の拡がりはどこまでも──夜空に昇った片割れ星、その彼方の宇宙の先、あるいは
人の進化と文明の躍動もまた尽きることはなく、夢の続きは終わらない。
「──
過去から現在、そして未来へと……大河の流れは決して止まることはない。
「見えるだろう、クラウミア。あの
「ぁー、ぅぁーーー」
クラウミアは左手でエメラルドの指環を握ったまま、天空へと向かって右手をあげ星を掴み取るような動作をした。
それはいつの時代、どこの世界でも……数限りなく繰り返されてきた動作であったのかもしれない。
人類が誕生する遥か昔から、煌めき続ける星光──
その憧憬を一身にあらわしているかのように。想像を超越していく世界は、この美しい星々の数だけ存在するのだろう。
これまでを既知としてきた長き半生に。
これからも未知を求めていく長き人生に。
色
「お楽しみはこれから
──時代と共に
──価値とはその業績だけでは測れず、肝要なのはそれがどう残り、どう記憶されるか──
──変わることなく発展の為に尽くすひたむきな
──人々の
──ただ
──それが苦難の道であろうとも、先駆者によって導かれ、
──いつかは新天地に文明を築き、未知なる未来を
-Fin-
ここまでの長きに渡るお付き合い、誠にありがとうございました。
思い付きからやりたいことを詰め込んできた、ベイリルの物語もひとまずはここでいったん終了です。
ほぼほぼ趣味と自己満足の産物でしたが、感想などはとても励みになりましたし、共感し読んでいただいた同志がいたことを嬉しく思います。
元々の趣旨だった"文明"よりも、ストーリーラインのほうを優先した部分が大いにあり、仕込んだものの使いきれてない設定、持て余したキャラなどがいたのは悔やまれます。
ただし──作品として、まだ真の完結はしていません。
初期構想の段階で、二部構成を考えており、ここから先の展望については……"次世代"の物語での回収を予定して執筆を始めています。
凄まじく長くなってしまった本作品を、読んでいなくても楽しめる構成を目指しますが……ここまで読んでいただいた方にこそ、楽しめる内容にはなるよう努めていきたいところです。
それではまた、次作でお会いできれば幸いです。