ウマ娘プリティーダービー~青き伝説の物語~   作:ディア

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前回の粗筋
サンデーサイレンス登場!


第13R チームカノープス

練習場につくと数人のトレーナーがそこで待機していた。尚、全員女性であったがそれはスルーした。

「さて、皆様にご紹介しましょう。ここカノープスでは数人のトレーナーから指導を受けることが出来ます」

それを初めて聞いた二代目がヤマトダマシイに耳打ちする。

「先輩、特別講師がいらない理由ってこういうことですか?」

二代目が尋ねた理由はチームカノープスが抱えるトレーナーの数であり通常であれば一人、どんなに多くても二人である。三人も抱えるチームカノープスが異常であり、異端である為だ。

「トレーナーは全て人間だからウマ娘の体調に気づけないこともあるからウマ娘の特別講師を迎えること自体は反対じゃない」

「それは良かったです」

 

「さて左から順にご紹介しましょう。マツさんお願いいたします」

「国田マツです。皆様がカノープスに所属することをお待ちしています」

「次に紹介するのはフジさんです」

「どうも、Mt.FUJIが渾名の沢村フジです! 皆がカノープスに来ることを期待しています」

「そして最後に紹介するのがハルさんです」

「武田ハルです。またここにいる皆様とまた出会いたいと思います」

「このトレーナーの皆様の他に加え、特別講師をご紹介致しますわ」

マティリアルが勝手にそう告げ、マイクをサンデーサイレンスに向けると何故か音楽が流れる。

 

「余の、名前はっ! サンデーサイレンス! こう見えて、米国の二冠ウマ娘! その余が、特別講師! よ、ろ、し、く、な! いぇーいっ!」

謎のダンスを続けるサンデーサイレンスに新入生が唖然とする。

「はい掛け声!」

「サンデーサイレンス~!」

「よーし、それじゃ気分が乗ってきたところで実際にダンス練習してみようか!」

「ええっ!?」

サンデーサイレンスが勝手にそう決めて、新入生達を案内しようとした時、二代目がそれを止めた。

 

「サンデーサイレンス先生、新入生達はウイニングライブの練習よりも走る練習の方が面白がりますよ」

「ではこうしよう。ここにいる全員で日本ダービーと同じ距離である2400mの模擬レースを行う」

サンデーサイレンス得意の掌返しが炸裂し、新入生達が様子を伺う。

「そしてその後ウイニングライブを先輩ウマ娘達が行い、新入生のうち上位三名がバックダンサーとして踊る……というのはどうかね?」

「それは確かに良さそう」

マツがそう呟き頷くとそれに反応したのがフジだった。

「マツさん、いくらなんでもスパルタ過ぎませんか? いきなり新入生が踊れる訳がないでしょう」

「いや踊れないにしても──」

 

 

 

「ヤマトダマシイ先輩、どういう人選なんですか? 喧嘩しているじゃないですか?」

「ウマ娘の中にも色々なタイプがいる。スパルタトレーニングで徹底的に鍛え上げることで成長するタイプ、逆に軽く効率良くトレーニングをこなすことで成長するタイプ、そしてその中間点で伸びるウマ娘もいる。トレーナー三人集まればどんな性格のウマ娘も育て上げることが出来る」

ヤマトダマシイの信条、それは様々なトレーニングを取り入れ強くすることであり今回はそれが裏目に出てしまった。

「その結果がアレですよ? あの喧嘩のせいで新入生達がドン引きしているじゃないですか!」

「サンデーサイレンス先生の自己紹介ほどじゃないからまだマシな上に、アレはサンデーサイレンス先生が引き起こしたことだ。サンデーサイレンス先生にケジメをつけて貰わないとな」

ヤマトダマシイが取った行動はサンデーサイレンスに後始末を任せるという方法だった。

 

「サンデーサイレンス先生、この喧嘩を引き起こしたケジメつけてもらおうか」

「オーケー。私のケジメの取り方しっかりと見ろ」

サンデーサイレンスがそう告げるとマイクを持ち新入生達を引きつけた。

 

 

 

「新入生の皆にはレースをする前にこのチームカノープスのことを知って貰いたい。まずシニアクラスのウマ娘から自己紹介してもらおうか」

またもやサンデーサイレンスが掌返ししてマティリアルにマイクを渡す。その様子を見た各ウマ娘が計画性がなさずぎと呆れてしまうのであった。

「えー、先ほど皆さんを案内致しましたマティリアルと申しますわ。今後とも宜しくお願いいたしますわ」

そして次に渡されたウマ娘は栗毛と流星が特徴のダービーウマ娘、メリーナイスだった。

「一昨年度の朝日杯、昨年度の日本ダービーを勝ちましたメリーナイスです。この舞台で聞きたいことがあれば是非とも所属して下さい」

メリーナイスがマイクを次のウマ娘に渡して、息を吐く。

 

そのようなことが続き、数分後。いよいよヤマトダマシイの自己紹介となった。

「私、ヤマトダマシイの自己紹介の前に一つ言わせて貰う。本来シニアクラスのウマ娘はもう一人いるのですが、故障のリハビリにより来られない為私が紹介します。サクラスターオー先輩です。サクラスターオー先輩はメリーナイス先輩を差し置いて昨年度の最優秀ジュニアCウマ娘を受賞した先輩ですが去年の有馬記念で故障し現在治療中です」

「そんなウマ娘がいるなんて……」

「そしてこの私、ヤマトダマシイからジュニアCのウマ娘の自己紹介に移ります。現在私はデビュー戦を終え、翌週のOP戦に登録しています」

ヤマトダマシイが紹介を終えると次のウマ娘にマイクを渡すと二代目が先代に話しかけた。

 

 

 

「先代、あの三人のトレーナーに心当たりはある?」

『フジにマツにハルの三人か……ハルについては予測はついている』

「どんな人なの?」

『ハルは俺の相棒──主戦騎手に良く似ている』

「騎手……確か競走馬に乗って指示する人だったね」

『そうだ。相棒は騎手を引退した後、この世界でいうトレーナー──つまり調教師になったんだ。調教師としてもあいつは優秀で数々のGⅠ競走を獲得した名伯楽だ。スプリンターを菊花賞で勝たせたり、逆にステイヤーに足りないスピードを付けさせる天才だった』

「トレーニング内容はどんなものだったの?」

『詳しいことは知らねえが特殊なトレーニングを考案することが多かったらしい』

「特殊なトレーニング?」

『通常競走馬の調教は15-15*1や坂路、そして併せ馬が基本的だが俺が聞いた話によると10時間ぶっ続けて引き運動*2を行う、プールを使わず激流の川で泳がせると言った内容ばかりだ』

「先代……もしかして津軽海峡を泳げって前に言ったけどその時の影響が残っているの?」

『……さてどうだろうな』

先代が誤魔化し、無言になる。

 

「まあそれについては後で話すとしてこの記事どう思う?」

二代目が取り出したもの、それはスポーツ新聞だった。そこには現在注目されつつあふシニア組の動向について記載された記事だった。

 

【笠松からやって来た地方の怪物、オグリキャップ。彼女はGⅠ競走、大阪杯、安田記念に出走登録しており、悲願のGⅠ制覇が期待されている】

 

【もう一人の地方の怪物イナリワン。前走の阪神大賞典こそ5着とタマモクロスに先着されたもののその実力はやはり本物であり、逆転も十分にあり得る】

 

【サクラスターオーと同着という形で昨年の菊花賞を勝ったスーパークリーク。阪神大賞典でも三着と粘り長距離に関しての素質もあり、天皇賞春ではタマモクロスに対抗出来る存在であるが、脚部不安の為に春の天皇賞、宝塚記念共に見送る模様】

 

【裏街道を歩み続けたタマモクロス。阪神大賞典で連勝記録を伸ばし続け、次の天皇賞春でも勝利が期待される。本命間違いなし】

 

【昨年度、グランプリ連覇を果たし、今年度の阪神大賞典をタマモクロスと共に勝利したメジロパーマー。ハマった時の逃げ脚は怖い存在だ】

 

『……二代目、現時点ではタマモクロスが最強だろう。しかしこの中で来年お前が対決する上で脅威になる相手はイナリワン、再来年はスーパークリークだ』

「タマモクロスとオグリキャップはどうして脅威じゃないの?」

『タマモクロスは来年引退している可能性が高い。オグリキャップは基本的にマイラーで安田記念に出走しなきゃいけねえから来年の宝塚記念時点で有利なのはイナリワンの方だ』

「いやそれだったらJCとか有馬記念とか、秋のレースがあるでしょ?」

『その時点で二代目はマークせずとも自分のレースだけでオグリキャップ達に勝てるだけの実力が付いている』

「それって──」

「おいこらグリーン、何もたもたしていらぁっ! とっとといくぞ!」

『お呼ばれの様だぜ二代目。この話はまた後でしよう』

ヤマトダマシイに叱られた二代目がヤマトダマシイについていく。

 

しかし新入生の案内が終わった後、最優秀シニアウマ娘がチームカノープスに併せウマを申し込んで来ることに誰もが予想外だった。

*11F(約200m)あたり15秒間隔で走る調教であり最も効率的な調教とも言われている。

*2厩務員などが馬を引き連れて歩く運動。極軽い調教の一つ




後書きらしい後書き
武田ハルことハルのモデルは青き稲妻の物語に出てくる武田晴則がモデルです。他の二人のトレーナーについてはご想像にお任せします。


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尚、次回更新は西暦2019年5/3です

青き稲妻に出てくる競走馬が主人公以外で登場して欲しい?

  • ぜひとも登場して欲しい
  • 出さなくて良い。つーかイラネ

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