ウマ娘プリティーダービー~青き伝説の物語~   作:ディア

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ふと思い付いたSS

もしテイオーがルドルフ応援団を結成したら
「カイチョー、シンボリルドルフ応援団を公式ファンクラブとして認メテヨー!」
「ダメだ。団員が少なすぎる」
「団員が多ければいいんですね?」
その瞬間、ドアを蹴飛ばし、無理やりこじ開ける音が鳴り響き、バッサリとテイオーの案を切るシンボリルドルフの前に現れた。
「なっ……アイルトンシンボリ!?」
それは名門シンボリ家のウマ娘、アイルトンシンボリだった。アイルトンシンボリが団員の名簿を奪い取り、そこに名前を書いた。
「私だけじゃない。後ろの皆もいる」
そしてツルマルツヨシをはじめとしたアイルトンシンボリの後ろについてきた20ほどのウマ娘が続いて名簿に記載していく。
「これでシンボリルドルフ応援団を公式ファンクラブに認めてくれますよね」
「……やむを得ない。認める」
「ヤッター、カイチョー!アリガトー」
「私は校則に従っただけだ。感謝するならお前の考えに賛同したアイルトンシンボリに感謝しろ」
シンボリルドルフが立ち去り、テイオーは全員に頭を下げた。
「皆アリガトー! これでカイチョーを応援出来るよ!」
「それじゃ公式ファンクラブに認定されたことを記念して皆でパーティー開こうか!」
「賛成!」
テイオー達応援団のウマ娘がバカ騒ぎをして取り潰しかかれたのは言うまでもない。

The End

前回の粗筋
ラムタラ「悪いなパーマー、お前の役割は私の噛ませ犬なんだ」


第18R 迷走

メジロパーマーがラムタラと併せウマをしてから翌日、ジュニアBのクラスではあるウマ娘が原因で騒然としていた。

 

「……」

 

そのウマ娘は唸り、少しでも目を合わせようものなら何をされるかわかったものではないからか、ジュニアBクラスのウマ娘達は全員そのウマ娘を避ける。

 

「なあ、ナリタブライアン。アイグリーンスキーが何であそこまで不機嫌かわかるか?」

ジュニアBクラスの雰囲気をぶち壊しているウマ娘こそ二代目そのウマ娘であり、彼女の目の下にはクマ、眉がつり上がり、端正な顔立ちが台無しになるほど頬が痩せこけてしまい不気味な雰囲気を醸し出していた。

 

「寝不足だからじゃないか?」

ヒシアマゾンとナリタブライアンを始め多くのウマ娘が声を小さくし隠れるように会話をする。

「寝不足なのは見ればわかる。だけど今まであいつがこんな風になることはなかったぞ」

二代目が勉強のしすぎで寝不足になったことは何度もあった。しかしそれでもこれほどまでに不機嫌になったことなど一度もない。故に不機嫌な理由にはならず、その原因がわからないからこそヒシアマゾン達が二代目に対して恐れていた。

 

「まあ明日になれば収まるだろう」

 

ナリタブライアンがヒシアマゾンに耳打ちし、触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに二代目の機嫌を損ねないように出来るだけ今日だけは無関係でいようと努めた。しかしナリタブライアンの推測は外れ、一日後、二日後と日が経つに連れ不機嫌さが増しヒシアマゾンが涙目でナリタブライアンに責めた。

 

「おい、ナリタブライアン! どんどん不機嫌になっているじゃないか!」

小声で怒鳴るというテクニックを披露しヒシアマゾンがナリタブライアンに問い詰めるとナリタブライアンが目を反らし小声で答える。

「私は知らん」

「コロス」

「ひっ!?」

二代目がぼそりと物騒な単語を呟いたのを耳にしたヒシアマゾンが仰け反り尻餅をつくと二代目がそちらに振り向き立ち上がる。

「ヒシアマゾン、ゲンキソウネ」

目のハイライトの消えた二代目が一歩二歩とヒシアマゾンに歩み寄るその姿はまさしく不気味としか表現する他なく、ヒシアマゾンが辺りを見渡し、助けを求めようにも既にウマ娘達がヒシアマゾンから距離を取っており、それはヒシアマゾンの親友とも言えるナリタブライアンも例外ではなかった。

「く、来るな!」

「ソンナコトイワナクテイイジャナイ。ソンナコトイウトオシオキスルヨ」

「わ、わかった。だから──」

丁度その時授業開始の鐘がなり、二代目が渋々と大人しく席につく。

「た、助かった……」

ヒシアマゾンは腰を抜かすことはなかったが人生で最も恐怖を味わったことに違いなく膝が震えており席に座るのに時間を要した。

「アマさん、助けられずすまない」

「……後で買い物に付き合えよ」

ヒシアマゾンの命令に従うしかないナリタブライアンはただそれに頷くだけだった。

 

 

 

その夜、ヒシアマゾンの付き添いで帰りが遅くなったナリタブライアンが帰る道中異変に気づく。

「何故トレーニング施設に電気がついているんだ?」

「誰かがトレーニングしているんじゃないのか?」

ナリタブライアンとヒシアマゾンが互いに無言になり顔を見合せ、暫くすると二人が頷きその場所へ向かった。

 

 

 

ナリタブライアン達がトレーニング施設に向かう丁度その時、二代目は過剰なまでにトレーニングを積んでいた。

『そこまでにしておけ。明らかにオーバーワークだ』

先代の声が二代目の体内に響くがそれでもお構い無しに二代目は警告を無視してトレーニングを続ける。

『いい加減にしろ!』

痺れを切らせた先代が二代目の身体の主導権を奪い取り無理やりトレーニングを中断させる。

 

「な、にをする……!」

二代目が抗い、トレーニングをしようとするが先代が絶対に主導権は渡すまいと下半身を無理やり動かしてその場から離れる。

『言っただろうが、俺はお前のトレーナーであり相棒だ。チームカノープスのトレーニングに関して三人のトレーナーが、お前の自主トレに関して俺が口出しする権利はある』

「それは、そうだけど!」

『俺もラムタラに二度も負けたから悔しいのはわかる。もっともお前の場合はお前よりも強いメジロパーマーが同期、それも追放したトレーナーが育てているウマ娘に負けてしまったという理由だが』

「……先代、そんな理由じゃない。私が悔しかったのは何も出来ない自分自身だよ。ラムタラにこんな程度しかいなかったのかって聞かれた時、何も反論出来なかった。私がメジロパーマー先輩よりも強ければ何も問題なかった。自分より格上だからって理由でグリーングラス先輩やメジロパーマー先輩に負けて当たり前だと思っていた自分自身に腹を立てただけよ!」

『そうか……ならただ言っておく。俺はお前の相棒でありトレーナーだ。俺をもっと信頼しろ』

「……うん」

二代目が抵抗を止め、トレーニング場から離れるとそこにはナリタブライアン達がそこにいた。

 

 

 

「アイグリーンスキー、随分と入れ込んでいるようだな」

「ナリタブライアンにヒシアマゾン、何故ここに?」

「トレーニング場に電気がついていたら誰だって気になる」

「う……」

「もっともその様子だと今日のトレーニングは終わりのようだな」

「余り無茶をして怪我をしたら元も子もないからね」

「なあ、アイグリーンスキー。もしかして最近機嫌が悪いのはそのトレーニングが原因なのか?」

「トレーニングそのものじゃない。いつまで経っても成長しない自分が嫌なの」

「……何をそんなに焦っている?」

 

「ついこの前ラムタラという海外のウマ娘が日本に視察しに来たのは知っている?」

「いや知らないな。アマさんは?」

「アタシもそんな話は聞いたことないな」

「知らないなら知らないでいいけど、そのラムタラは昨年度のシニア代表ウマ娘を獲得したメジロパーマー先輩に勝負を挑んだの」

「いくらフロックでシニア代表ウマ娘になったメジロパーマー先輩とはいえジュニアBになったばかりの私達が敵う相手ではない……もしかしてそのラムタラが勝ったのか?」

「その通りだけど、鼻差とか接戦で勝ったんじゃなくてメジロパーマー先輩に5バ身差をつけて圧勝。日本のウマ娘は世界のウマ娘よりも遥かに劣ることを思い知らされたよ」

「5バ身か、どうせメジロパーマー先輩が自滅したんじゃないのか?」

メジロパーマーは、昨年の天皇賞秋で隣にいたダイタクヘリオスと競り合い、暴走してしまい途中で力尽きたメジロパーマーは先頭のウマ娘から10バ身以上遅れてゴールしてしまった。

故にペースを誤ったメジロパーマーが自滅したものだと思っていたヒシアマゾンがそう指摘し鼻で笑うと、二代目が首を横に振る。

「メジロパーマー先輩のタイムもレコードに迫るものだったから自滅とは言いがたいよ。むしろベストレースに近かった。だけどそのラムタラはメジロパーマー先輩よりも常に先に走ってゴールした」

「……かーっ、マジか!? アタシ達の同い年のウマ娘がシニア最強のウマ娘のメジロパーマー先輩を競り潰したってことじゃないか!」

メジロパーマーに先着したウマ娘は多数いるが、この学園内でメジロパーマーよりも先に行き、逃げ切ることが出来るウマ娘はいない。何故ならメジロパーマーのレーススタイルは、相手をハイペースに呑み込ませてスタミナ切れを狙うというもので、相手のペースが普通かスローならばなんとでもないがメジロパーマーに合わせたら一環の終わり。メジロパーマーにまんまと逃げ切られてしまう。

 

 

「そう、そんなウマ娘がパワーアップして来年JCを制覇する為に来日する。それまでの間にラムタラに勝てるようにならなきゃいけない。だから夜遅くまでトレーニングをしていたって訳」

 

「しかし昼間の授業に支障をきたすまでにトレーニングしていたら寮長も反対するだろ」

「テストで結果を出せば問題ないよ。ヒシアマゾンみたいにしょっちゅう赤点出している訳じゃないしね」

「う、うるせぇ!」

「アマさん、英語圏出身だから国語(日本語)が苦手なのはわかるが英語が苦手ってどういうことなんだ?」

「帰国子女だからって英語が出来ると思うなよ」

「アマさん、そこは威張るところじゃないと思う」

「帰国子女のアタシからしてみれば日本の英語のテストはわかりづらいんだよ!」

ナリタブライアンとヒシアマゾンの漫才に二代目は思わず声に出して笑ってしまった。

 

 

「ヒシアマゾン、ナリタブライアン。もうそろそろ帰らないとマズイんじゃないの? 二人とも見た感じ買い物の後の様だし」

「食べ物買ってきた訳じゃないから腐ることはないがあまり遅くなるとトウカイローマン寮長に叱られるから帰ろうか」

ナリタブライアンがそう告げ、トレーニング施設の電気を消し始めるとヒシアマゾンが口を開いた。

「じゃあアタシと一緒に帰ろうぜ、アイグリーンスキー。勝手に施設を使った罰は重いだろうからアタシが弁護してやる」

「ヒシアマゾンその心配はないよ。既にメジロラモーヌ美浦寮長やシンボリルドルフ会長には許可取っているからね」

「え゛っ!?」

「アマさん、もしかして寮長に許可取らないで外出したのか?」

「……ハイ」

「ナリタブライアンは?」

「万が一のことを考えて伝達済みだ」

「流石ナリブー、仕事が早い」

ナリタブライアンがどや顔を見せるとヒシアマゾンが灰になり、その場から動かなくなってしまった。

「じゃあ、アイグリーンスキー。明日は普通でいてくれよ」

「善処するよ」

政治家らしい返事をし二代目はヒシアマゾンを背負ってナリタブライアンと別れを告げた。




後書きらしい後書き
今回は94世代がワチャワチャする話でした。それはさておき、解説を。

トウカイローマンはシンボリルドルフと同世代でオークスを勝っています。そんな彼女を親戚に持つウマ娘はトウカイ○○○○。この作品では栗東寮長を勤めています。

メジロラモーヌは史上初の牝馬三冠を達成した歴史的名馬である一方、有馬記念等牡馬牝馬混合の重賞レースで惨敗したこともあり、ヒシアマゾンが現れるまで「所詮牝馬は牝馬」と牡馬牝馬混合レースにおいて牝馬が軽視されるようになった原因です。この作品では美浦寮長を勤めています。



それはともかくこの第18Rのお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、感想の方を宜しくお願いいたします。
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尚、次回更新は西暦2019年7/4です

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