ウマ娘プリティーダービー~青き伝説の物語~   作:ディア

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ふと思い付いたネタ
マーベラスサンデー「ほら少年、応援しに来てくれたからこれをあげちゃうぞー☆マーベラス★」
マーベラスサンデー(以下マベサン)が自分のファンの少年に手作りの赤いリボンをプレゼントする話。

ちなみに史実のマベサンはSS産駒唯一の栃栗毛なのに対してウマ娘のマベサンは黒鹿毛。……まあ栃栗毛は鹿毛とか黒鹿毛とか下手したら青鹿毛に混合されてしまうからそうなったと思いたい。中にはピンクだったりするウマ娘もいますからね

前回の粗筋
ボルト「ここで会ったが百年目ぇぇぇっ!」
二代目「なんか凄いの来た」

前々回の粗筋
まさしくタイトル通り!




第39R 皇帝の継承者(なおレース内容)

 マルゼンスキーとの併せウマの日程、それは朝日杯FS当日に決まった。

 

 

 

「まあ朝日杯FSは出れないからいいけどね」

 

『俺のデビュー自体がお前達で言うところのクラシック級だからな。世界の補正で今年中にデビューは出来てもジュニア級の重賞には出れないようになっているんだろう』

 

「補正ふざけるなって叫びたいよ……ナリブやアマゾンはデビューしているのに私だけまだ決まっていないから尚更ね」

 

『俺のは純粋に身体の調整が間に合わなかったからそうなったが、お前の場合はマルゼンスキー現象*1だからな』

 

「マルゼン姉さんと私が同格ってことなのかな……」

 

『頭角を表し始めたチームリギルのナリブやヒシアマよりも強いことは知られている。それに加えて昨年の年度代表ウマ娘メジロパーマーを追い詰めただけじゃなく今年の宝塚記念ウマ娘タマモクロスを何度もボコしている。そんなウマ娘に誰が好き好んで挑むのか不思議なくらいだ』

 

「でもワンチャンあるかもしれないじゃん。あのナリブでもデビュー戦で負けたんだよ。それとほぼ同着に近い着差しかつけられたなかった私相手でもワンチャンあるって思うじゃん」

 

『派手に暴れ過ぎたんだろうな』

 

「先代ぃ……」

 

 先代にバッサリと切り捨てられその一言しか言葉を発することが出来なくなり涙目になる二代目。身長175cmの大柄なウマ娘には不釣り合いな涙目だった。

 

 

 

 それから暫くし、マイルCSはバンブーメモリーを抑えオグリキャップが勝ち、JC当日。チームトゥバンからはヤマトダマシイのみがJCに出走することになった。

 

 それというのもJCに出られるのがヤマトダマシイ以外にいないからだ。ヤマトダマシイの次に稼いでいるマティリアルは適性距離から大きく外れており、メリーナイス以下は完全に賞金不足。故にヤマトダマシイしか出られないという悲惨な状況だった。

 

 その一方で他のチームはオグリキャップ、スーパークリーク、イナリワン、タマモクロス、メジロパーマー、バンブーメモリー、ウイニングチケットと言った豪華なメンツが揃い、地方から南関東三冠を制したロジータ。海外勢からは芝12F世界レコード所持者のホークスター、ニュージーランドの名ウマ娘ホーリックス等有力なウマ娘達が出走登録していた。

 

「アイグリーンスキー、ヤマちゃんの調子はどう?」

 

 東京競バ場にて騒然とする中、二代目に話しかけるウマ娘がいた。

 

「サクラスターオー先輩!? いつ退院したんですか!?」

 

「つい三日ほど前にね」

 

「いや良かった……これならヤマトダマシイ先輩も気合い入りますよ!」

 

「まあ応援ならここに来なくても出来るんだけれども、今後宝塚記念やJCに出走出来ないことを思うとつい来ちゃったって訳」

 

「宝塚記念とJCに出られない?」

 

「そうよ。故障しやすくなった私が出られるのは天皇賞春秋、そして有馬記念の3レースのみ。天皇賞春じゃなく宝塚記念に出走しても旨味はそんなにないし、JC1勝するよりも天皇賞秋と有馬記念勝った方が稼げるしね」

 

『まさしく俺達の時代だな。あの時代の天皇賞春は花形だった……それがいつしか宝塚記念にとって代わられ情けないことに天皇賞春は実質GⅡだの何だのと散々に言われるようになってしまったからな』

 

 先代の世界もそうだが史実の世界──つまり我々の世界も近年の天皇賞春は低レベルそのものである。

 

 その理由は80年代とはうって変わってスピードを求められる時代となったからだ。その為鈍足ステイヤーは不要の存在となり天皇賞春はその鈍足ステイヤーが勝ちやすい傾向にある。

 

 つまり天皇賞春を勝っても必ずしもスピードがあるとは限らないからで種牡馬入りしても不人気になりがちだ。

 

 種牡馬入りするなら天皇賞春一つ勝つよりも他の牡馬牝馬混合でかつ古馬のGⅠ競走を勝った方が種牡馬、あるいは繁殖牝馬としての価値は高い。

 

 

 

「まあサクラスターオー先輩が無事に走れるのならいいですけど……大阪杯には出走しないんですか?」

 

 また天皇賞春の価値が低くなった要因として大阪杯がある。大阪杯は牡馬牝馬混合の古馬限定のGⅠ競走であり天皇賞春と共通するところがあるが距離が2000mとマイラーから中長距離を得意とする馬が集結するGⅠ競走であり、その人気は高い。

 

「大阪杯もいいんだけれどもね……その前に名門サクラ家で天皇賞を制したのはユタカオーのみで、しかも天皇賞春のほうじゃない。伝統ある長距離の天皇賞春を制してこそ初めて名を上げることが出来るのよ」

 

「それだけじゃないでしょう、スターオー先輩?」

 

「スターオー、何のことかわかんな~い」

 

「スターオー先輩がそういうぶりっ子をする時は誤魔化そうとするときとヤマトダマシイ先輩から聞きましたよ?」

 

 即座に突っ込みを入れてサクラスターオーを硬直させる。

 

 

 

「な、何でバレているの……?」

 

「そりゃ一人称が私からスターオーになったり猫なで声で話したら否応なしにわかりますよ」

 

「じゃあ、いつも一人称をスターオーにして猫なで声にすればバレない?」

 

「それやったら頭を打ったと勘違いされて精神科に入院させられますよ」

 

「酷い言われよう……」

 

「それよりもJC始まりますよ」

 

 JCが始まると聞いてスターオーが真顔になり、ゲートの方へ視線を向ける。

 

 

 

【JCスタートしました! やはりハナに立ったのはメジロパーマー、続いてタマモクロス、スーパークリーク、バンブーメモリー。その後ろに集団、ホーリックス、オグリキャップ、ウイニングチケット、イナリワン、ホークスターが並んでいます】

 

「メジロパーマー先輩、かなり速いペースですね。スターオー先輩ならどうします?」

 

「メジロパーマー先輩の恐ろしいところってぇ、体力を削らされるところだから、スターオーはぁ最後方で追い込みをかけるかな?」

 

「……」

 

「……ごめん。実際やってみると自分でも気持ち悪いわ」

 

 ジト目で見つめる二代目に嘔吐するように舌を出し、顔を顰めるサクラスターオー。カオスだった。そんなカオスな状況はこのJCにも影響していた。実際は全く関係ないが。

 

 

 

 1600mを通過し、スーパークリークやイナリワンといったウマ娘達が脱落していく。

 

「こ、こんなペースでこのままいったら自滅するだけよ!」

 

「そうでもないと思うが?」

 

「なっ──」

 

 最後方にいたヤマトダマシイがホークスターを抜かし、メジロパーマー達に迫る。

 

【おっとヤマトダマシイが今ホークスターを抜かして捉えに行きました!】

 

 メジロパーマーの暴走により1800mの通過タイムが日本レコードを上回り、それについていったのがホーリックス、タマモクロス、オグリキャップ、ウイニングチケット、ヤマトダマシイ。他のウマ娘は全員ついていけず「無理ー!」と叫ぶことになった。

 

【メジロパーマーが逃げに逃げて最後の直線! メジロパーマーがまだ先頭! 二番手にはタマモクロスにホーリックス、そしてオグリキャップ、ウイニングチケット、ヤマトダマシイが来ている!】

 

 

 

「ここでまとめて返り討ちにしたるわ! 覚悟せぇ!」

 

 メジロパーマーが二の脚を使い加速するもタマモクロス、ホーリックスが並びそれを抜かしていく。

 

「舐めないで貰いたい! こっちはわざわざニュージーランドからやって来たのに手土産一つも持たずに帰国出来るか!」

 

「何言っとんのかわからへんけどウチの尻を拝めるのを手土産に帰れや!」

 

 タマモクロスがホーリックスのニュージーランド英語を聞きそう返すと後ろからウイニングチケット、オグリキャップが二頭に並んだ。

 

「ダービーウマ娘の私だっているんだぞーっ!」

 

「その年のダービーを勝ったところで必ず勝てる訳ではない。JCを勝つのは私だ」

 

 三つ巴ならぬ四つ巴の激戦に一歩リードしたのはホーリックスだった。

 

【ホーリックス先頭、ホーリックスだ!】

 

 

 

 またもや日本のウマ娘が勝てない。そう観客達が絶望する。

 

 JCはシンボリルドルフ以来勝ち星を挙げていない。そんな中現れたのが地方からやって来たウマ娘、その英雄達としのぎ合うトレセン学園のウマ娘、そしてダービーで激戦を繰り広げたウマ娘。これだけの面子を揃えば勝てる。そう観客達は期待していた。だがその期待はホーリックスによって裏切られてしまった。

 

 

 

 だがその絶望から救い出す蜘蛛の糸──大外から弾丸が飛んできた。

 

 

 

【ヤマト来たヤマト来たヤマト来た! 日本のヤマトダマシイがやって来た!】

 

 ヤマトダマシイが大外から豪快にオグリキャップ達を差しきり、残るホーリックスに並んだ。

 

「そんな……」

 

「あ……いつ、めぇ……!」

 

 タマモクロス達が歯を食い縛り、何としてでも差そうとするも誰も差せずむしろ置き去りにされてしまった。

 

「このJCだけは譲れない……絶対に!」

 

「絶対に勝つ!」

 

 ヤマトダマシイとホーリックスが邪魔者はいないと言わんばかりにデットヒートを繰り出し、闘志を互いにぶつけ合う。

 

「これで終わりだぁぁぁっ!」

 

【ヤマトダマシイだーっ! ヤマトダマシイ一着でゴールイン! 二着にホーリックス、続いてタマモクロス、オグリキャップ、ウイニングチケットは三着争い!】

 

 ヤマトダマシイが最後の最後でホーリックスを差しきり、栄冠を勝ち取った。

 

 

 

 しばらくし三着にタマモクロスが確定するとウイニングライブが始まった。その最中でホーリックスがライブ内容を知らなかった為に、かなり時間を喰ったのは言うまでもない。

 

「ヤマちゃん、いいえヤマトダマシイ。おめでとう」

 

 その言葉をかけるとヤマトダマシイが笑みを浮かべ、対応する。

 

「スターオー先輩……ありがとうございます。もしここにスターオー先輩がいなかったら勝てなかったでしょう」

 

「それじゃリハビリが終わるまで観戦するわよ?」

 

「リハビリに影響をきたさないように頼みますよスターオー先輩」

 

「勿論。だって私はヤマちゃんのライバルなんだから。体調管理が出来ずして何がライバルよ。リハビリを終えたその時が貴女の全盛期の終わり。何故なら私がヤマちゃんに全部勝ってしまうからね」

 

 

 

 このサクラスターオーのライバル宣言によりメディアがヤマトダマシイの動向を気にするようになり、チームトゥバンも大きな話題となった。

*1
マルゼンスキー現象とはある馬が強すぎて他の競走馬が出走取消、あるいは出走を回避してしまいレース不成立になってしまうことである。尚、ほとんどの競走馬の父系の先祖であるエクリプスもマルゼンスキー同様に他の競走馬がいない現象に陥ったが規則が異なりレース不成立とはならなかった。その為一頭で走ることになり「唯一抜きん出て並ぶ者なし」──つまり「Eclipse first,the rest nowhere」という諺まで出来てしまった




後書きらしい後書き
二代目とかグリーングラスとかヤマトダマシイとかサクラスターオーとかのウマ娘の支援絵が欲しい……ほぼ全部じゃねえか!

それはともかくこの第39Rのお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、感想の方を宜しくお願いいたします。
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尚、次回更新は未定です

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