ウマ娘プリティーダービー~青き伝説の物語~   作:ディア

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丁度二周目となるこの日に間に合いました……前年は間に合わなかったので安心しました。

ふと思い付いたらシリーズ
もしも【たいようのマキバオー】のキャラ、フィールオーライがウマ娘になったら
金とデザインされたプロレスマスクを被ったフィールとそれを紹介するウララの描写。

SPウィーク「ウララちゃん、そのウマ娘は?」
ハルウララ「金太だよ!」
フィール「え!?ほら、違うでしょ英語で格好いい名前だよね」
ハルウララ「えーでも……」
フィール「そ・う・だ・よ・ね!」
ハルウララ「そ、そういえばそうだったような……そうキンタマン!」
フィール「やっぱり金太でいいですよー♥️」
L Kindle「Wow!それだったら間を取って──」
フィール「間はとらないで!……アトデシメル」
ハルウララ「ゴメン」
ウンス「ねぇ……あれって」
グラスW「言わぬが花、ですよ。セイウンスカイさん」

……誰かフィールオーライ(ウマ娘)の小説書いてくれないかな?


前回の粗筋
二代目「私のデビュー戦勝ったよ!」
ナリブ「共同通信杯勝ったけど何か?」


第42R シニア勢の前哨戦1と海外遠征のタマモクロス

 阪神大賞典

 

 昨年この阪神大賞典を勝ったメジロパーマーが天皇賞春を勝っているだけでなく、天皇賞春を制した数多くのウマ娘がそのレースを制しており、このレースを制した者が天皇賞春を制すると言っても良いほど重要なレースだ。

 

 この阪神大賞典で昨年菊花賞を勝ったビワハヤヒデと皐月賞を勝ったナリタタイシンが対決する。

 

 ビワハヤヒデは菊花賞ウマ娘ということや前走京都記念を勝っていて勢いに乗っていることもあり圧倒的な支持を得られ、実質一強状態であった。

 

 その理由は有力候補であった昨年の阪神大賞典を制したメジロパーマーとタマモクロスがそれぞれ長期休養と海外遠征という理由で不在であるのと、ナリタタイシンは菊花賞で惨敗したことが原因で人気を落としていたからだ。もし昨年皐月賞を勝てずにいたらそれこそ大穴扱いされても仕方ない程の扱いだった。

 

【ナリタタイシンが迫る、が勝ったのはビワハヤヒデーっ!】

 

 昨年の三冠レースを分けあった二人が上位独占。この二人、特に勝ったビワハヤヒデが天皇賞春の最有力候補として改めて名乗りを上げる。

 

 

 

『やはり勝ったか』

 

「うん。強いね」

 

『俺の現役の頃は阪神大賞典を制する者は天皇賞春をも制すという格言があるくらいの安定感がある。例外と言えばセイザ兄貴や俺くらいのものだ』

 

「異様なまでに強くないとそのジンクスを破れないってこと?」

 

『異様なまでにとまではいかないが大体は勝つ。昨年盛り上げたウマ娘の中で阪神大賞典を勝たずに勝ったのがスーパークリーク、イナリワンだ』

 

「!」

 

『イナリワンは阪神大賞典こそ勝てなかったが阪神大賞典出走組だ。実質スーパークリークしかいないようなものだ』

 

「先代は?」

 

『俺か? 俺は前哨戦不出走で連覇した。お前達でいうクラシック級の時に結構無茶したせいで故障しやすくなってな……ゆったりとしたローテーションを組んで確実に勝つことに方向転換したんだ。だからラムタラと闘った年はマッチレース含めても6戦しかしていないし、それ以降も4戦、3戦、1戦と年々減ってそのまま引退だ』

 

「そうだったんだ……」

 

『まあ最後の年以外は年度代表馬になれた上にラストランのJCで有終の美を飾れたから文句はねえよ』

 

 先代の声はいつもより穏やかで不満どころか満足すらしていた。

 

 

 

 その一方で欧州では栗毛のウマ娘が危篤状態にあった。

 

「ラムタラ大丈夫か!?」

 

「大丈夫……」

 

 その栗毛のウマ娘の名前はラムタラ。UAEダービー*1に出走登録していたがそれを取り消し、治療に専念していた。

 

「全くあいつはどこに行ったんだ!?」

 

 そしてそれを心配する男はラムタラのトレーナーではなく、欧州のトレセン学園の健康担当スタッフであり、ラムタラのトレーナー本人はラムタラが危篤状態にあるにも関わらずこの場にいなかった。

 

「トレーナーなら私の為に奔走している。だから彼を責めないで」

 

 ラムタラが咳づきながらトレーナーを擁護するとスタッフかため息を吐いた。

 

「確かにお前のトレーナーは優秀だが、同時に非情な男だ。故障したら死ぬまでこきつかうような奴だぞ?」

 

「あの人を悪く言わないで!」

 

 ラムタラが激情し、睨み付ける。

 

「私はあの人のおかげでデビュー戦で準重賞を勝つことが出来た。UAEダービーこそ棒に降ったけど英ダービーは出られる」

 

「無茶を言うな、第一お前の身体は走るどころじゃないんだぞ!」

 

「偶々今は不調なだけで無茶じゃない。あの人の行動が正しいってことを証明してみせる」

 

「頑固な奴だ……だがそこまで言うならあいつに従えよ?」

 

「もちろん」

 

「儂は健康係としてやれることをやる。トレーニングの前後は儂のところに来てケアするんだ。いいな?」

 

「うん」

 

 ラムタラが頷くのを確認しスタッフが立ち去るとラムタラが眠りにつく。ラムタラはその後脅威の回復力を見せ約3ヶ月後の英ダービーに出走した。

 

 

 

 

 

 

 

 そしてUAEダービー当日。この日はドバイミーティングと呼ばれる国際招待競走開催日であり、同日に行われる重賞競走のことを指しUAEダービーもそれに含まれている。

 

 ラムタラが出走するはずだったUAEダービーはドバイのウマ娘が勝利し、その他多くの重賞競走もドバイのウマ娘が独占した。

 

 

 

【マークオブエスティーム*2圧勝! またまたドバイのウマ娘が勝ちました!】

 

 ドバイターフまで競走が終わりその次のレース、日本のウマ娘達が最も注目しているであろうドバイシーマC(クラシック)のパドックに出てきたのは芦毛のウマ娘だった。

 

「さてようやくウチの出番やな」

 

 笑みを浮かべ出てきた芦毛のウマ娘、タマモクロス。タマモクロスはファンの数こそオグリキャップに負けているが昨年宝塚記念を勝利しているだけでなく抜群の安定感を出し誰もがその実力を認めていた。

 

「にしても気合い入れとる奴らばかりやの……そんなん焦れ込んで大丈夫なんか?」

 

「もし、貴女が日本のタマモクロスさんですか?」

 

 タマモクロスが他のウマ娘をみているとドバイのウマ娘が声をかけてきた。

 

「ん? あー、確かこういう時は……Pardon? (今、何て言いましたか?)」

 

「貴女はタマモクロスさんですか?」

 

「そうや。ウチがタマモクロスや」

 

「自己紹介が遅れました。私はバランシーン*3です。タマモクロスさん、今回のレースお互いにベストを尽くしましょうね」

 

「お、おう。よろしゅうな?」

 

「ではまた表彰式で」

 

 ドバイのウマ娘、バランシーンが自分の位置に戻り、タマモクロスが自分の魂と作戦を練る。

 

 

 

「あのバランシーンってウマ娘、昨年の英オークスと愛ダービーを勝ったウマ娘やな」

 

『だが凱旋門賞では10着に破れている……されだけに不気味な存在だ』

 

「せやな……BCマイルで惨敗したマークオブエスティームいうウマ娘もドバイターフで5バ身差の圧勝やったしな。地元(ドバイ)のウマ娘は侮れんわ」

 

『ならあのウマ娘をマークするか?』

 

「あのウマ娘だけ余裕ぶっていた。バランの後ろについていけば活路を見出だせるで」

 

『地元勢の余裕だろうな。だが展開次第では十分に勝算はある。バランシーンに便乗して勝つのが一番いいだろう』

 

「せやな」

 

 タマモクロスが頷き、バランシーンをマークすることに決める。

 

 

 

 そしてドバイシーマC、最後の直線。

 

【タマモクロスここで加速しバランシーンを差しにいった!】

 

「いくで! ウチはマーク戦法なんてあまり好きやないけど今のウチは王者やない。ただの挑戦者や!」

 

【タマモクロス、タマモクロスが先頭の三人目掛け伸びていく!】

 

「面白いじゃない……」

 

「流石トレーナーが日本のウマ娘には気をつけろと言うだけあるわ」

 

 先頭を走るウマ娘アップルツリーとバランシーンがそう呟き、加速するとタマモクロスを突き放す。

 

【しかしまだ粘る! バランシーンとアップルツリーの一騎討ちだ!】

 

「なんやと!?」

 

『タマ、もっと頭を下げて腰を入れろ! でなければ加速しないぞ!』

 

「やったるわ!」

 

「ちんたら走っているんじゃねえ!」

 

 タマモクロスが更に加速するが二人を抜かすことは出来ず更に大外から追い込んで来たウマ娘に抜かれてしまう。

 

【バランシーンだ、バランシーンだ! アップルツリーを抜かしてバランシーンだ!】

 

「こんなバカなことがあってたまるかぁぁぁっ!」

 

 引き離されたタマモクロスがそれを取り返すかのように距離を縮め加速するが先頭の二人には届かなかった。

 

【タマモクロスが伸びるが先頭の二人に届かないっ! 今バランシーンが一着でゴールイン! タマモクロスはようやく三着争いと言ったところ】

 

 

 

 この映像を見ていた日本のウマ娘はタマモクロスを絶賛する者、世界の壁を実感する者が多く現れた。

 

 しかし一人だけ例外がそこにいた。世界を先に見ている二代目だった。

 

「先代、あのウマ娘も要注意するべきかな?」

 

『あんな奴らラムタラに比べれば小物もいいところだ。タマモクロスが負けたから世界の壁が厚いだなんて言っているが俺は凱旋門賞でバランシーンに先着している上に奴は俺のことを知らない。油断すべき相手ではないがあくまでもお前のライバルはラムタラであることに変わりない』

 

「そっか……ありがとう」

 

『事実を述べたまでだ。あのウマ娘がラムタラや親父(ニジンスキー)以上だと言えるのか?』

 

「思わないし、思えないよ」

 

 二代目がそういうが史実においてラムタラは過小評価されている。

 

 地元ドバイではそこまで酷評されていないが、欧州の地においてドバイの競走馬が嫌われたことや差を大してつけなかったこと、マイルの馬が活躍しすぎてラムタラが霞んでしまった為である。

 

 流石にバランシーンがラムタラよりも上ということはないが、僅差のそれと言って良いだろう。

 

 

 

『つまりそういうことだ。ましてやあのトレーナーが一から手をかけて育てているウマ娘が途中から育成しているウマ娘よりも強くならない訳がねえ』

 

「そうね」

 

『だが大して手掛けていないウマ娘を使ってタマモクロスを破らせたのは事実だ。いくら実力があるとはいえ、あいつの手にかかれば不調なウマ娘でも息を吹き返すことが出来る。それが短期間で出来る人間が一から手をかけたとなればそのウマ娘は精神面、身体面において最強のウマ娘となるだろうよ』

 

「だからラムタラに気をつけろと言っているのね……」

 

『ああ。だがその前に足元を掬われないようにしないとな。NHKマイルCにはあいつも出るようだぜ』

 

「……アマちゃんね」

 

 二代目は褐色肌の同期を思い出す。そのウマ娘こそ二代目を最も敵視しているウマ娘であり、チームリギルの期待の星ヒシアマゾンだった。

*1
ドバイ三冠レースの一つ。史実では2000年に開催し、2017年に日本調教馬ラニが制した。もちろん1994-1995年の現役期間のラムタラは出走登録していない

*2
1992年産まれの競走馬。タイムフォーム・レーティングではモンジュー(ブロワイエ)と同じ数値の137を叩き出した名馬

*3
1991年産まれの競走馬。主な戦績は英1000ギニー、英オークス、愛ダービー。尚、英オークスにてディープインパクトの母ウインドインハーヘアを、愛ダービーで牡馬達を打ち破り勝利している。本馬は牝馬だが名前のモデルはバランシンでれっきとした男性である




後書きらしい後書き
しかしマヤノトップガンに続いてナリタブライアンまで声優が代わるとは……ブライアンズタイム産駒のモデルのウマ娘は呪われているのか? これでウオッカの声優が代わったら流石にブライアンズタイムの呪いだと言わざるを得ない。

後書きらしくない後書き
ドバイシーマCでタマモクロスと対決するのはバランシーンとマークオブエスティームの二頭が候補になりましたがマークオブエスティームがマイルの馬なので彼(彼女)はドバイターフに移り、名前だけ登場する形になりました。

それはともかくこの第42Rのお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、感想の方を宜しくお願いいたします。
また感想は感想に、誤字報告は誤字に、その他聞きたいことがあればメッセージボックスにお願いいたします。

尚、次回更新は12/31です。

追記
原作でもチームカノープスが出たらしいのでこの小説内のチーム名をカノープスのままにしておくかどうか迷う……

更に追記結局カノープス→トゥバンに変更しました

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