二代目「ミスターシービー先輩とカツラギエース先輩と併せウマしたよ!」
ドバイ勢「宴会はお開き!」
【スーパークリークかそれともビワハヤヒデか!】
そう実況が放送された瞬間、それまで最後方だったウマ娘ヤマトダマシイが疾風迅雷の如く差していく。
【いやしかしこのウマ娘も忘れてはならない! 日本が誇るJCウマ娘、ヤマトダマシイ!】
直線のみで次々と前にいるウマ娘達をごぼう抜きし千切り捨てる姿は爽快そのものであり、見る者を魅力させる。
「これで役者は揃った……」
「タイシンは抜きでいいのか?」
「タイシンの末脚は確かに怖い。しかしそれはあくまでもハマった時のタイシンであって今のタイシンは恐ろしくない!」
【ヤマトダマシイが迫る!】
「この春天で勝ったらドバイで活躍出来なかった方の幼稚園スモックを見ることになっています……だから貴女達に負ける訳には、いかない!」
さりげなくとんでもない発言をするスーパークリーク。そんなスーパークリークだが実力は確かなもので後方の集団を突き放していく。
【スーパークリークがまだ伸びる! あれだけ先行していたのに恐ろしい末脚だ!】
「こっちだって負けられない理由がある……姉妹共にその年の八大競走制覇がかかっているのだから!」
【ビワハヤヒデがスーパークリークを捕らえた!】
迫るヤマトダマシイに併せるかのようにスーパークリークとビワハヤヒデが並ぶ。そしてそのうち一人が抜けては並ばれるその繰り返しだった。
【絶対に負けられない! 負けられない! 昨年は逃げ切り、今回は先行押切か、それとも直線一気か!】
『スーパークリーク、ヤマトダマシイ。お前達が強いのは十二分に承知だ。俺の世界のクリークは春天勝ったステイヤー、ヤマトは無敗の二冠馬に相当するだけの実力の持ち主。だからこそ俺達は勝てる』
「これからはデータを捨てる!」
その瞬間ビワハヤヒデが加速し、ハナ、アタマ、クビと差が開いていく。
『俺達は二人で戦っているのに対してお前達は一人で戦っている……その差がこれだ』
【ビワハヤヒデ僅かに抜けて一着でゴールイン! 下の世代が上の世代に剋つ、下剋上だ!】
【確定しました2着はヤマトダマシイ、3着にスーパークリークです。以下の着順は変わりありません】
「ヤマトダマシイ先輩が勝てなかったのって適性距離の差って奴かな?」
『可能性としては否定出来ないが、あそこにセイザ兄貴がいても勝てなかっただろうステイヤーのスーパークリークに勝った以上、覚醒したかどうかの差だろう』
「確かに」
『それにこれから天皇賞春ってのは予測がし難いレースになっていく。三冠馬や既に天皇賞春を勝った競走馬が惨敗したり、逆にそれまで惨敗した奴が勝ったり中距離が適性距離と言われた奴が連覇したりするからな。今回のレースはその現れかもしれない』
「もう訳がわからないよ……」
ウイニングライブを行うとビワハヤヒデがインタビューを受ける。
【ビワハヤヒデさん、次のレースの予定はやはり宝塚記念でしょうか?】
「そうです。しかし宝塚記念に厄介なクラシック級のウマ娘が出てくる可能性も否定出来ません」
【と言いますと、ナリタブライアンさんが宝塚記念に出走すると?】
「いや妹ではありません。妹も強いのですが、妹は恐らく昨年の私達が宝塚記念出走を見送ったように見送るでしょう」
【では一体誰なんでしょうか?】
「それは私の口から言えることじゃありません。しかし今国内でいる中では昨年のクラシック三冠を分け合った私達やヤマトダマシイ、そしてメジロパーマー先輩はそのウマ娘が誰だか知っていますよ」
ビワハヤヒデがマイクを渡すとアナウンサーが全員に向けアナウンスする。
【それではインタビューを終わります。ビワハヤヒデさんありがとうございました】
「ハヤヒデ、ハヤヒデの言っていたウマ娘って誰のことなの?」
「チケット……」
「あんたそのくらいわかりなさいよ」
ジト目でビワハヤヒデとナリタタイシンがウイニングチケットを見つめる。
「えっ、タイシンはわかったの?」
「それどころか海外にいるタマモクロス先輩やブライアン、ヒシアマ君も理解している。その証拠にブライアンもヒシアマゾンも震えているぞ」
ビワハヤヒデが震えるナリタブライアンと顔を紅潮させながら震えるヒシアマゾンを見せるとナリタタイシンが突っ込んだ。
「いやあんたの妹は武者震いかもしれないけどもう片割れは怒りのそれだよ」
「そうなのか?」
「ブライアンから何にも聞いてないの? あの娘はグリーンのことをライバル視しているのよ」
「グリーンってアイグリーンスキーのことだよね? 何であのウマ娘の名前が出てくるの?」
「もう察しなさいよ……」
「あいつこそ、ジュニアからやってくる刺客なんだ」
「四角?」
「もう突っ込まないぞ。グリーンは妹達の世代で1、2を争う程の実力の持ち主だ」
「ふーん……」
「まああんたがそう思うのはわかるよ。何て言うかブライアンとは違って拍子抜けするほど大人しい走り方なんだよね」
「それっていいことなんじゃないの?」
「気迫がない、凄みを感じさせないと言えば伝わるかな? クリスタルCのアマゾンは派手さもあるけど気迫は伝わったし、皐月賞のブライアンもチーターのような凄みを感じた。それが彼女にはない」
「データ上では脅威すべき相手なんだがな……だがそれを含めて彼女の恐ろしいところだ。脅威であるのに大して脅威ではないと錯覚してしまう。そう言った意味では一番警戒すべき相手だ」
『そう言った意味でなくとも注意しろ。宝塚記念、いやダービーの時点で奴は俺や二冠馬よりも強くなったんだからな』
「どっちにせよ次は負けないよ! グリーンがいくら強くたってダービーウマ娘の名にかけて負ける訳にはいかないから!」
「そうか……」
「ところでヤマトは?」
「彼女ならチームトゥバンのところにいるんじゃないのか?」
「そっか……」
「すみません、トレーナー。今回のレース勝てませんでした」
「何を謝る必要がある。あの菊花賞ウマ娘スーパークリークを退けたんだ。立派なものだ。サクラスターオーですら3着争いだっただろう」
「いえ今回のレースは反省点が多いです」
「そうか、それは後で聞こう。とにかくお疲れ様だ。今は休め。次の宝塚記念でリベンジしよう」
「はい」
ヤマトダマシイが負け落ち込むも、次の日には立ち直り鬼気迫る迫力でトレーニングをしていた。
二代目は日本ダービーの前哨戦としてNHKマイルCを選択した。日本ダービーと同じ条件の青葉賞ではない理由は青葉賞組は勝てないというジンクスが余りにも強すぎたからだ。何せ先代の世界でも史実(2020年)でも勝てた者は皆無であり、2着を確保するのが精一杯だった。
その為NHKマイルCの出走権を得られるアーリントンCを2戦目に選択し勝利を納め、出走権を確保し現在に至る。
NHKマイルCに出走するウマ娘のほとんどはマイラー、または留学生である。今回のNHKマイルCは後者がほとんどでマイラーと呼べるウマ娘は一人もいない。
【これが留学生パワー! 一名を除いて留学生のみというこのレース、まさしく留学生ダービーと言ったところです!】
その理由はただ一つ、一人を除いて全員が留学生で固められているからだ。その一人もマイラーではない。
「留学生パワー? 馬鹿言ってんじゃないよ。だったらアタシの人気は何で二番人気なんだい?」
しかしその留学生の筆頭、ヒシアマゾンは二番人気に留まっておりその不満を吐き出す。その理由は最後に本馬場入場してきたウマ娘が原因だった。
【しかし、僅か二戦目でコースレコードを出し勝ち上がってきただけではなく、あのミスターシービーやカツラギエースと併せウマをし互角以上の力量を見せたこのウマ娘には流石の留学生達も敵いません。大外18番、アイグリーンスキー!】
その瞬間、大歓声が上がる。あの併せウマ以来二代目の評価はうなぎ登りし、ヒシアマゾンを僅差で抑え一番人気になっていた。
「それだけ私への期待が大きいってことじゃない? 何せ唯一無二の純粋な日本のウマ娘だし」
「……あんたも留学生らしさを感じるけどね」
ヒシアマゾンがジト目で二代目を見る。二代目は確かに成績優秀であり英語も流暢に話せるがそれはむしろ留学生というよりもエリートのそれだ。
『ヒシアマがお前に留学生らしさを感じるのは俺のお袋が外国で種付けさせられて国内で産んだ持込馬だからだろうな。時代が時代ならマル外と同じ扱いだ』
先代の解説をスルーし、二代目が口を開く。
「そうかな? 留学生らしさなら現役バリバリのアマちゃんには敵わないよ」
「でもレースじゃ負けないって言いたいんだろ?」
「もちろん。だけど良く逃げなかったね」
「逃げる? バカ言うんじゃないよ。アタシは追込だ。こういうギリギリのレースほど楽しいんじゃないか」
「ギリギリね……それはどうかな?」
「言ってくれるね。あんたがここに出てくれて感謝しているんだよ。アタシ達留学生は一部のクラシック、それも秋華賞やエリザベス女王杯といった秋のレースだけしか出られない。アタシ達留学生が春のGⅠ競走の中で出られるのはこのNHKマイルC、安田記念、そして宝塚記念の三つしかなく、そのうち二つはシニア混合レース。つまり実質このレースしかない。そんな中アイグリーンスキーという大物が態々来てくれたんだ。このチャンスを逃したら半年以上先のJCか有馬記念まで待たなきゃいけない……」
『そう言えばヒシアマはチームリギルか。あのトレーナーなら無謀だと言って出走させずシニアの奴らに任せるか。まあそれが常識なんだがな』
「アマちゃん、本当に戦いたいならもっと早く戦えるよ。それをしないのは逃げている証拠だよ」
【さあいよいよスタートです。各ウマ娘ゲートに入ります】
「逃げているだって? 上等じゃないか……そこまでいうなら見せてやるよ」
【NHKマイルC、GⅠ競走。クラシック級のマイルウマ娘及び留学生最強決定戦が今、幕を開きました!】
ゲートが開き、各ウマ娘達がそれぞれのポジションにつく。そのポジションは様々だが一人を除いて概ね同じポジションだった。
「何っ!?」
「そんな馬鹿ナ!?」
留学生達が驚愕した理由、それは二代目がヒシアマゾンの後ろについたからだ。ヒシアマゾンと言えば最後方からの追込を得意とするウマ娘で彼女の末脚は直線のみで全員を差し切ってしまう程だ。それよりも後ろに下がるということは彼女以上に末脚に自信のある者しか出来ない。
「本当にアタシの事を舐めていんだね!」
ヒシアマゾンのいるレースは全て舐めプであるのに対してそれ以外は極普通のレースであり、ヒシアマゾンが激情するのは無理なかった。
オマケ
ゴールドシップとフジキセキの禁止されているイタズラリスト
1.そもそもイタズラは止めましょう
2.ウマ娘を誘惑するのを止めましょう
3.サンデーサイレンス等他のウマ娘を使って自分達の代わりにイタズラを仕掛けるようにするのは止めましょう
4.プールにオモチャを持ち込むのは止めましょう。ましてや大人のオモチャを持ち込むのは以ての他です
5.作るのも禁止です
6.学園祭を除いてトレセン学園敷地内ではイタズラグッズ、オモチャの持ち込み、作成、売買を禁止します
7.禁止とは紛れもなく禁じられ止められているという意味であり、隠れてやれという意味ではありません。学園の外で売買しそれを密輸する、させるなど言語道断です
8.タマモクロス等といった特定の小柄なウマ娘にチビッ子だのなんだのと言うのは止めましょう。タマモクロスはあの後大暴れして大変なことになったそうです
9.ビワハヤヒデに顔がデカイと言ってはならない。顔が広いと言ってもです
10.ナリタブライアンが咥えている植物を細工し、その細工を解く為に咥えて「ナリタブライアンと私との愛の結晶」と呟いてはいけません。あの後嫉妬したヒシアマゾンが「花嫁修業の為」と言って調理室を占領し、後述する事件も兼ねて食材不足になりました
この第45Rのお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、感想の方を宜しくお願いいたします。
また感想は感想に、誤字報告は誤字に、その他聞きたいことがあればメッセージボックスにお願いいたします。
尚、次回更新は未定です
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