ウマ娘プリティーダービー~青き伝説の物語~   作:ディア

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前回の粗筋

グリーングラス「どうだ? 私の手伝いをすればトレーニングの指導もする上に北海道まで送ってやろう」
>はい
いいえ
グリーングラス「ふははは、良かろう! では案内しよう」
二代目はグリーングラスの家に案内された!


第5R 胡瓜よりも飛蝗よりも緑が似合うウマ娘

グリーングラスの家は一般家庭よりも少し大きい二階建ての一軒家でそれ以外は極普通の家だった。

「ここがオラの家だ」

「TTGの中で一番賞金を稼いだ割りには普通ですね。強いていうなら土地が少し広いくらいですか?」

「まあ船とかに使っちまったからな。家もこんな感じになってしまっただよ。とりあえず上がった上がった」

 

グイグイとグリーングラスが二代目の体を押し、家の中に入れるとそこには釣竿や網、銛等漁師が使うような道具が並んでいた。

 

「グリーングラス先輩、漁師をやっているんですか?」

「んだ。だけど漁師だけじゃねえ。オラのもう一つの顔があるだよ」

「もう一つの顔?」

二代目が尋ねるとグリーングラスが隠してあったボタンを押すと家が揺れた。

 

「じ、地震!?」

「地震じゃないべ。これはリビングが変形しているんだ」

「変形する家があるのに、どうして携帯電話を知らないんですか!?」

「そりゃ変形ロボットの概念が携帯電話よりも古い上に、オラ達はポケベルや回覧板で連絡していたからな。携帯電話がなくとも不便しないし、変形ロボットは実現しなくとも変形部屋を実現出来るのは当たり前のことだべ」

最もらしい理由でグリーングラスが二代目に説明するとリビングの変形が終わったのか揺れが収まった。

 

「さあ変形が終わったべ。この部屋に入った入った」

「一体どんな部屋になったんですか?」

「見ればわかるだよ」

そして二代目とグリーングラスがリビングに入るとそこは四方鏡のダンス練習場になっていた。

「これは……!」

「どうだ。見たか驚いたかびっくりしたか!」

「ええ、まさか極普通の家にダンス練習場を備えていると思いませんでした。でも何でこのような施設を?」

「それはオラが地方アイドルとして活躍しているからだ」

グリーングラスの予想外の言葉に二代目が部屋を見た時以上に驚愕した。

 

 

 

「地方アイドルってあの地方アイドルですか?」

「そうだ。オラが地方アイドルになったきっかけは漁師の宴会だ。豊漁を祝う宴会さ開いたら出し物として歌を歌うことになってな、それで歌ったら大ウケして地元の皆がアイドルをやらねえかって誘われて、今に至るだ」

「ちなみにその歌ってどんな歌なんですか?」

「ウマ娘がぴょいぴょいするアレだべ」

それを聞いた二代目が察し、目を伏せる。

「あー……グリーングラス先輩の時にもあったんですね」

「アレは準校歌みたいなようなもんだ。ウマ娘なら絶対に覚えなきゃいけない歌の一つだからな」

そして二人がため息を吐き、同時に声を出した。

「なんで全校生徒に覚えさせるのがあんな歌なんだろう」

『聞いているとあの歌を歌うのが嫌らしいが、一体何が悪いのかわからないんだが。歌なんてどれも一緒だろ』

先代のデリカシーの欠片のない発言に二代目がコメカミに青筋を立てるが目の前にはグリーングラスがいて大声を出して怒れる状況ではない。

 

 

 

「まあそれは置いておくべ。このダンス練習場の他にもトレーニングする場所があるだ」

「二階とか?」

「そうだ。45度まで傾斜でかつ時速90kmで走れるルームランナーを始め色々あるだよ」

「なんでそんなものが……」

「たまに他の県からやってきたウマ娘がオラのとこに来て師事して欲しいって来るんだべ。それでウマ娘を鍛える為にトレーニング器具を充実させただ。オラも体を鍛えないと漁師としてもアイドルとしてもやっていけねえだからな!」

「それにも関わらず携帯電話を知らないって……どんだけですか?」

「携帯電話を使う必要がないんだ。トキノミノル叔母さんやシンザン会長なんかはそういう時代に生まれても何一つ不満溢すことなくレースをやっていたからな。それにさっきも言ったと思うけどポケベルや回覧板で十分間に合うだよ」

「もう何も突っ込まないよ……」

二代目がため息を吐いて頭を抱える。

 

「そんなことより、トレーニング指導をする代わりにオラのアイドル業、手伝って貰うだ。それで北海道行きの船も出してやるべ」

「わかりました。引き受けます」

「よーし、そうと決まったら早速練習だ。まずこの衣装に着替えるだよ」

グリーングラスに衣装を渡された二代目がそれに着替えている間に、グリーングラスはリモコンを弄り始めた。

 

 

 

「さあ準備はいいだな?」

「OKです!」

「よーし、これからダンス練習だ。オラの動きに着いてくるだ」

「はいっ!」

「とその前に柔軟だ。怪我したら話しにならねえからな」

その言葉にきつい練習の覚悟を決めていた二代目がよろける。

 

そして準備運動が終わり、今度こそダンス練習に入った。

「さあ今度こそ、やるだよ。オラの動きに着いていくだ」

 

グリーングラスが選曲した曲は徐々に緩急が激しくなる曲であり、それに合わせてダンスすると動きの緩急も激しくなり二代目の体力を大幅に消耗した。

 

「はい、トドメっ!」

そしてグリーングラスと二代目が決めポーズをし、曲が流れるのを止むと二代目が仰向けになって倒れた。

「さ、流石ステイヤーで知られる先輩、で、ですね。倒れるどころか息を荒くしてす、らいないなんて」

「初日で着いてこれるのは大したもんだべ。おめはここで休んでおくだ。オラはこのままダンスの練習をするから振り付けを覚えておくといいべ」

「はいぃ……」

仰向けからグリーングラスのダンスを見る体勢を取り、グリーングラスのダンスを5回に渡り見続けると先代が話しかけてきた。

 

 

 

『二代目、疲れたなら体を少しでも休めておけ。その間、トキノミノルについて気になったことがあったから話すぜ』

「な、何それ?」

『トキノミノルは俺の世界では幻の馬と呼ばれた二冠馬だ。無敗の三冠に最も近づいた馬だがダービーから2週間と少しして破傷風で死んでしまった。ステイヤーであるグリーングラスが近親なこともあり、体が無事なら無敗で三冠を取るのは楽勝だったとも言われている。早すぎる死が惜しまれ東京競馬場に銅像まで建てられたんだ。ところがこの世界のトキノミノルは死んでいないが行方不明な上に、東京競バ場の銅像はトキノミノルじゃなくその前に活躍したクリフジになっている。他にも違いがあるがまるでトキノミノルの存在を知られたくないかのような感じだ』

「そうなの?」

『グリーングラスにトキノミノルがどこにいるか尋ねてみろ。憧れのウマ娘に会いたいとな』

「うん……」

 

流石にダンスの練習が終わるとグリーングラスの息も荒くなって汗をかいていた。

 

「さてダンスは一度ここで切り上げるだ。次はフィジカルトレーニングに移るだよ」

「も、うですか?」

「当たり前だ。鉄は熱いうちに打てと言うだ。それに最初は負荷の重いものを一回ずつやるから程良い休憩になるべ」

「そんな無茶苦茶な……」

「さあ二階に行くべ」

グリーングラスが二代目の腰を肩に担ぎ上げ、二階に上がるとそこにはバーベルや健康ぶら下がり機、腹筋台等多数の器具が置かれていた。

「やるべ。まずはオラのやることを見ているだ」

そしてグリーングラスが二代目のトレーニングに付き合った。

 

 

 

「ふんぬらばっ!」

「ベンチプレス800kgと……まあ普通だな」

 

「でぇいっ!」

「バーベル上げ850kg……立っている方が強いだか?」

 

「うぎぎぃぃっ!」

「車引き、2tトラック優、5tトラック優、10tトラックは可……脚のパワーは上位クラスだな」

 

 

 

「もうダメぇ~」

最後のトレーニング場所である地下室で二代目が打ち上げられたマグロのようにうつ伏せになった。

「何だ? もう疲れただか?」

「無茶言わないで下さい。何ですか、車がないのに車引きって。鉄製の鎧を着た瞬間に壁に引き寄せられていくんですからアレに必死に抵抗しただけですよ。どこに車の要素があるんですか?」

うつ伏せになりながら抗議する二代目にグリーングラスは納得の言った声を出した。

「あの壁は電磁力を使って強い磁力を生み出しているんだべ。その磁力が10tトラックを引くくらいの力を産み出せるからオラは車引きと呼んでいるだ」

 

「他の機械に影響はないんですか?」

「全くないだよ。そう言う風に設計されているからな。オラがおめの電話を預かったのも電話が壊れないようにするためだ」

「ありがとうございます!」

「さて、それじゃもう一度ダンス練習場に行くべ。これで最後だ」

「まだ練習するのね……」

今度こそ二代目は力尽きた。




そう言えばウマ娘の体重ってどれくらい何だろう……

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尚、次回更新は西暦2019年1/7です。

青き稲妻に出てくる競走馬が主人公以外で登場して欲しい?

  • ぜひとも登場して欲しい
  • 出さなくて良い。つーかイラネ

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