ウマ娘プリティーダービー~青き伝説の物語~   作:ディア

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・作者にとって競馬とは
≫時折賭けているがスポーツ観戦のそれに近い。

・ウマ娘アプリで作者が個人的に育てやすいのは?
≫サイレンススズカ。次にマルゼンスキー、その次にサクラバクシンオー。理由?スピードをあげまくれば勝てる逃げウマ娘だからさ!ちなみにミホノブルボンを出していないので出たら育成する予定。

前回の粗筋
審査員「今のレース審議です!」


第49R 二代目、頂点へ3

 審議のランプが点いてから27分後、ようやく審議のランプが消え、二代目とナリタブライアンの着順が決まり掲示板を見ると4、つまり二代目が上から一番、上から二番目に18、ナリタブライアンが着順になっていた。

 

「あれでも届かないのか……?」

 

 ナリタブライアンがその結果を見て膝をつくと二代目が声をかける。

 

「何をそんなに落ち込んでいるの? 見てみなよ、こんな珍事は二度と起きないよ」

 

「なんだと?」

 

「同着だよ。全世界のダービー史上の珍事を私達が引き起こしたんだ」

 

 ナリタブライアンが掲示板を見るとそこには4と18の間右隣に同着を意味する【同】と表示されていた。

 

 

 

【お待たせしました。先程行われた第10Rの4番アイグリーンスキー号と18番ナリタブライアン号の審議について説明します】

 

『やはりか。だが、こっちの過失はねえ。むしろナリブの野郎が注意受けるだろうよ』

 

【問題となったシーンは第3コーナーに入った直後、4番が18番の外につけたところで18番が4番に対して執拗に体当たりを仕掛けたところ。ここで4番が斜行しているかのように見えましたが、検証した結果斜行していないと判明しました】

 

「バカなっ! あれで斜行していないなら他の斜行も見逃されるはずだ!」

 

 ナリタブライアンのその言葉に同調しブーイングが飛んでくる。

 

「そうだ、そうだ! あれで進路妨害じゃないなら他の進路妨害は何だっていうんだ!」

 

 そのブーイングから逃げるように次の審議対象について職員が話しだした。

 

 

 

【次に18番が4番に対して体当たり等で進路妨害したと思われましたが、4番にはこの体当たりによる影響がほとんどないと判断し──】

 

「それこそあり得ない!」

 

 二代目の叫びと共にブーイングが響く。

 

「ナリタブライアン贔屓が過ぎるぞ! あれこそ失格だ!」

 

 再びブーイングの嵐が発生し、職員が早口で締める。

 

【よって審議14分にわたる話し合いの結果、双方共に注意処分とし失格処分及び降着処分はなしと判断しました。次に写真判定の結果、4番と18番がゴールした瞬間の映像をご覧下さい】

 

 ブーイングを無視してゴール映像に切り替わりゴールした瞬間を拡大すると二人の位置が全く同じ位置にあり再び騒然とする。

 

【ご覧の通りゴールした瞬間は全く同じで、URAの規定により顔、身体、腰といった全ての基準に沿い着順を決めようとしましたが体格が全く異なるにも関わらず同着という判定になりました】

 

「だってさナリブ。これ以上何か抗議しても無駄みたいだよ?」

 

「やむを得ないか……今回はダブル・センターだな」

 

 ウイニングライブの仕様上、通常であれば1着のウマ娘がセンターで踊るが今回に限り1着のウマ娘は二人いる。そのような場合、ウイニングライブのセンターは互いに交代して行うことになる。

 

 前年の阪神大賞典においてメジロパーマーとタマモクロスが同着、一昨年の菊花賞ではスーパークリークとサクラスターオーが同着になっており互いに交代しあってセンターで踊りライブを盛り上げた。

 

 そのようなセンターをダブル・センターと呼ぶようになった。

 

 

 

 

 

 ~ウマ娘ライブ中~

 

 

 

 

 

 そしてウマ娘のウイニングライブが終わり、表彰式が行われた。

 

『まさかてめえとこうして並ぶことになるとはな。なあナリタブライアン?』

 

『おうともアイグリーンスキー。ダービーじゃお前に勝ったがそれ以外はお前が立つ側だったからな』

 

 表彰式であるにも関わらず二人の魂がテレパシーで互いに火花を散らし、迷惑がるウマ娘も当然いる。

 

 

 

 二代目とナリタブライアンの二名だ。表彰式が終わったにも関わらず二人の魂がテレパシーで口論しあいその度々に頭痛を引き起こしていた。

 

「ナリブ、私達の魂が物凄くうるさいんだけど」

 

「それに関しては同感だが、自分達の魂同士がテレパシーで通じるんだから仕方ないだろう」

 

「なんとか出来ない?」

 

「それは成績一位の頭脳で考えろ、グリーン。元はと言えばお前があんな妨害をしなければ私がぶっちぎって、うるさくならなかったんだ」

 

「はぁ? それは貴女が覚醒したからでしょ? 覚醒しなかったら私の一人勝ちだし、うるさくなることもなかったんだよ?」

 

 今すぐにでもキャットファイトしそうな二人に声が響き渡る。

 

『おい止めろ二代目』

 

『そうだぞみっともない』

 

「黙らっしゃい!」

 

「その元凶が何をいうか!」

 

 

 

『え、何? 原因俺達?』

 

「当たり前でしょ、ただでさえうるさいのにテレパシーなんて使っていたら脳に負担がかかって仕方ない」

 

「お前達に生理の痛みと言っても通じないだろうから言わせてもらうが、ゴールデンボールを蹴られたような痛みが頭にくるんだぞ!」

 

『お前らにゴールデンボール蹴られた痛みなんてわかるわけねえ! あれだったら生理の方がマシだ』

 

 

 

 事実、生理よりもゴールデンボールを蹴られた痛みの方が数値的には上である。ただし生理の方が長く続くので苦痛の具合で言えばそちらの方が上である。

 

 

 

「え、先代って蹴られたことあるの?」

 

『エアグルーヴの奴に蹴られた経験がな。もっともかすった程度だから種牡馬としての生活に支障ないどころか無事だったが、かすっただけでも普通のタックルよりも痛かったからな』

 

 先代がその時(タマヒュン)を思い出し二人に共有させると顔を青ざめる。

 

「ひぇっ、ごめんなさい」

 

「すまなかった」

 

『わかりゃいい。こうして共感出来るのは最高だと思わないか?』

 

「苦痛まで共有させないで……」

 

「何故私まで共有出来るのか謎だが、とにかくテレパシーを使うと頭がそのくらい痛むから止めてくれ。特に口論は酷く痛む」

 

『ちっ、わかった。ただこれだけは言っておくぞナリタブライアン』

 

「なんだ?」

 

『次、同じレースで走る時は表彰式に立つのはお前達じゃなく俺達だ』

 

「ほざけ初代グリーン。菊花賞でケリをつけてやる」

 

 ナリタブライアンがそう告げると二代目が割り込み冷や水をかける。

 

 

 

「悪いけど、菊花賞には出ないよ。今度ナリブと走ることになるとしたらシニアのレースになるから」

 

「何だと?」

 

「世界最高峰のレース、KGⅥ&QES、凱旋門賞。この2つのレースで待たせているウマ娘がいるからね。その前哨戦に宝塚記念に出走する」

 

「宝塚記念だと!? あそこには現時点では私よりも遥かに格上の存在が多数いる。私相手にこんな小細工をして同着だと言うのに無謀にも程がある」

 

「無謀ねえ。一応言っておくと私はまだ余力を残している。僅差で勝つようにしているからね。まあ今回に限っては頭差で勝つつもりが失敗した訳だけど、私の見立てでは宝塚記念で2着のウマ娘にクビ差で勝つよ」

 

「何をバカなことを。それじゃ何か? お前は私に対して本気で走っていないとでもあのか?」

 

「それは二つのグランプリ(宝塚記念と有馬記念)でわかることだよ」

 

 二代目がその場を立ち去り、ナリタブライアンが下唇を噛む。

 

「今になってアマさんの気持ちがわかる……有馬記念で待っていろ」

 

 ナリタブライアンが復讐の炎を燃やし有馬記念で決着をつけるべくその炎に薪をくべた。

 

 

 

 

 

 ダービー翌週。東京レース場にて、悲鳴が鳴り止むことなく轟音が響く。

 

 その理由は安田記念にて外国からやって来たウマ娘に対して日本のエースが後退したからだ。

 

【マークオブエスティームだ、マークオブエスティームだ! オグリキャップが苦しいっ!】

 

「これが世界の実力……冗談じゃない、こんなスピードについていったらゴールまで持たない……このまま力尽きて日本代表としてみっともない真似は──」

 

『バカなことを言うんじゃねえ……2着だろうが殿だろうが負けは負けだ。勝負から逃げたらそれ以下だ!』

 

「真似は出来ないっ! だからこそ勝利で締める!」

 

【おーっと! オグリキャップ差し返しに行ったーっ! オグリか、マークか!】

 

「How why!?」

 

 諦めていたオグリキャップが差し返すという予想外の出来事にマークオブエスティームが思わずそう叫ぶ。

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

【オグリキャップが物凄い形相で迫る! もうここからは根性勝負だ! 内か外か、外か内か!】

 

「な、なんて娘なの……あのマークに食らいついているわ」

 

 もう一人の海外からやって来たウマ娘が唖然とし、後退する。

 

 しかしそれでもオグリキャップの力及ばず、マークオブエスティームが鮮やかに逃げ切ってしまう。

 

【僅かに外、マークオブエスティーム! これが世界! これがタイムレーティング137の実力! 怪物程度では止められない!】

 

 タイムレーティング137の重みに耐えたマークオブエスティームに人々が称賛の声をあげるとオグリキャップの健闘を讃える声もあり、オグリキャップを含めた日本のウマ娘達が海外のウマ娘の壁が嫌という程に実感してしまう。

 

 

 

「……また勝てなかったか」

 

『マークが強かったから仕方ない、なんて思っていないだろうな?』

 

「もちろんだ。あの刹那、私の弱さを出したのが原因だ。今度の宝塚記念は相手が誰であっても勝てる」

 

『だが今度の宝塚記念に限っては一筋縄ではいかないぞ』

 

「それは一体どういうことだ?」

 

『今回出走したマークオブエスティームよりも遥かに格上の奴が出走する』

 

「誰だ?」

 

『先週日本ダービーを制したアイグリーンスキーだ』

 

「クラシック級のあいつも出るのか?」

 

『勿論だ。俺の世界の奴は四歳*1──つまりクラシック級で宝塚記念、凱旋門賞、JC、有馬記念の4つのレースを制した世界最強の競走馬だ。最終的にタイムレーティングもマークオブエスティームを上回っている』

 

「なるほど、今では日本クラシック級最強でしかないが、これから世界最強のウマ娘になる相手と戦う訳か」

 

『宝塚記念で戦うのは勿論あいつだけじゃないが、他のウマ娘に比べたらお前も含めてドングリみたいなもんだ』

 

「ドングリとは私達のことを過小評価し過ぎじゃないか?」

 

『過小評価ならどれだけよかったことか。かつて俺も芦毛の怪物と呼ばれたがあいつの前じゃその名前も霞む。あいつは最終的に凱旋門賞最多勝利、KGⅥ&QES連覇、JC5連覇の偉業を達成させたんだ。宝塚記念は奴にとって伝説の始まりでしかない。だからあいつを狙うのは当然だ。あいつの前には誰もいないんだからな』

 

「確かにな。ではアイグリーンスキーをマークする形でいいか?」

 

『奴が逃げたりしない限り徹底的に食らいついていけ。根性勝負なら誰にも負けねえからな』

 

 自らの魂の言葉に頷き、二代目をマークする方針にしたのはオグリキャップだけではない。この場にもう一人視察に来ていたオグリキャップと同じ芦毛のウマ娘──ビワハヤヒデもその結論に至っていた。

*1
現在は三歳。オグリキャップや先代が現役の当時は数え年




ゴールドシップとフジキセキの禁止されているイタズラリスト2

11.オグリキャップを餌付けしてはならない。あれからチームトゥバンにオグリキャップが頻繁に来訪し食糧不足に陥っています
12.突如大人しくなって周囲のウマ娘や人間達を疑心暗鬼にさせてはならない。その翌日、睡眠不足者が多発しました
13.宴会以外での曲芸を禁止する。学園祭で出した貴殿方の曲芸のせいでトレセン学園がサーカス団養成機関と間違われたからです
14.気の使うウマ娘をジョンベンリーと呼んではならない
15.気の使わないウマ娘をジョンヘンリーと呼んではならない。ジョンヘンリーの名誉毀損に当たります
16.宝塚記念に出走するに当たって宝塚に出る訳ではないので男装させる必要はありません。それが勝負服と言った場合は特別な理由がない限り別のGⅠ競走でも同じ勝負服で出走することを命じます
17.気性の荒いウマ娘を○○のセントサイモンと名付けてはならない
18.セントサイモンのことをパワーアップした○○などと呼んではならない
19.虜にしたウマ娘やトレーナーを部屋に連れ込んだ後、故意に涙を流して部屋から出ていくのを見られてはならない。またその際に片栗粉を溶かした水を入れたコンドームを部屋の外で落としてはならない
20.参考資料としてトレセン学園問題児解決会議に貴殿方が参加する必要はなく、それどころか禁止します

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尚、次回更新は未定です

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