ちなみに前回のファン投票の結果ですが
1位ナリタブライアン
2位ビワハヤヒデ
3位オグリキャップ
4位イナリワン
5位スーパークリーク
6位二代目
7位ヤマトダマシイ
となっています
前回の粗筋
生徒会「後継者が見つからねぇ!」
宝塚記念三日前、駿川たづなは二代目とサンデーサイレンスに呼び出されソファーに座ると同時に口を開く。
「私にお話とは何でしょうか? サンデーサイレンスさんにアイグリーンスキーさん」
「たづなさん、貴女をここに呼び寄せた理由は他でもありません。貴女の正体がこの学園では言ってはいけないあのお方であるかを確認しに来たんです」
「私をあのお方と結びつけたがるのかわかりませんが、私とあのお方は同一人物じゃありませんよ」
そしてたづなが帽子を取り人間の耳の部分をかきあげると頭頂部ウマ娘の耳が存在せず代わりに人間の耳がつけられていた。
「うっそっ!?」
「そ、そんなバカなことがあってたまるか!」
二代目とサンデーサイレンスが目を丸くし絶句するとたづなが口を開く。
「これでわかったでしょう。もう気が済みましたか?」
「そ、そんな筈は……! 貴様はあのお方──トキノミノルの筈だ! そうでなければ余ですら情報を掴み取れなかった忘れられたウマ娘達のことを話せる訳がない!」
サンデーサイレンスがたづなの頭に触れウマ娘の耳を探そうとするがその感触はなく代わりに顔の横についている人間の耳と頭髪が頭からしっかりと生えているのが本物の人間であると実感させられた。
たづなの頭を漁っているとドアが開き、宝塚記念前で解説として呼ばれたグリーングラスが入室する。
「たづなさんはとある事情で名前を変えているだがその人は永田雅美さんでトキノミノル叔母さんじゃねえだ」
「永田……何でしたっけ? グリーングラスさん」
「永田雅美さんだよ。雅美さん──たづなさんはトキノミノル叔母さんの父方の親戚筋にあたる方で、たづなさんのお父様がトキノミノル叔母さんのトレーナーをしていただ。でもトキノミノル叔母さんが故障して退学したのを切欠に永田トレーナーが蒸発したんだっぺ」
「それ以降は私が話します。蒸発した父の責任を取る形で当時の理事長に掛け合い、学園スタッフとして働くことになりました。トキノミノルさんの周りを知っているのは当時幼かった私とトキノミノルさんは親しい関係──姉妹のような関係でしたからよくわかるんですよ」
その言葉を聞き、二代目が反論した。
「しかしそれが本当だとしても、今の貴女はウマ娘並みのスピードを出せる訳がない! 何故なら貴女は影武者だからだ。それを証明しない限りは──」
「それを証明すれば納得しますか?」
「は?」
たづなの一言に二代目が唖然とするがたづなはそれを無視してサンデーサイレンスに向けて口を開く。
「ではサンデーサイレンスさん、レースをしましょう。ダート2000mの模擬レースをしてその結果を参考にして下さい」
「むっふっふっ、このアメリカンドリームを成し遂げた余にダートで挑むとはいい度胸だ。良かろう受けて立つ!」
「では着替えとウォーミングアップをして来ますので一時間後にダートコースでお待ち下さい」
たづなが体操服に着替え、ウォーミングアップを終えるとサンデーサイレンスが尋ねる。
「しかし良かったのか? 余の得意なダートで」
「それはもちろん。そうでもしないと納得して貰えないでしょうし、何よりもあの
「ふーん……わかった。おい、アイグリーンスキー」
「何でしょうか?」
悪巧みを思い付いた笑みで二代目に声をかけると二代目が近寄ると耳打ちする。
「As long as there are no other people who can referee, you should be the referee. And speak in English so she doesn't understand.*1」
それに頷いた二代目が旗を持つ。
「……Yes.Get ready*2」
「え、何故英語なんですか?」
「About the position ! *3」
たづなの言葉を無視して二代目が旗を振り下ろすとサンデーサイレンスがスタートダッシュを決める一方でたづなが出遅れてしまう。
「むっふっふっ! どうだね、
「貴女は本当に最高に最低な方ですね! ようやく理解出来ましたよ!」
あれだけの英語の長文を一瞬で理解出来る二代目が異常なだけで、たづなのように時間をかけて翻訳出来るだけでも十分なものである。
「さて出遅れたお前がついてこれるかな?」
「このくらいは出来ますよ」
出遅れたにも関わらずたづなが早くも差を縮め、遂に追い付く。互いに先頭を譲らない、所謂ハイペースの状態に持ち込んだ。
「二人とも速い……!」
「アイリ、あのサンデーサイレンスは一体どういうウマ娘だべ?」
サンデーサイレンスを知らないグリーングラスが二代目に尋ねると即答した。
「サンデーサイレンス先生はかつて米国で二冠を達成した稀代のスーパースターです。何もないところから始めて米国のダービー──つまりケンタッキーダービー*4を制覇した他、GⅠ競走通算6勝を成し遂げたウマ娘です」
『付け加えるなら連対率100%の状態で競走馬を引退し、その後は日本の種牡馬として大きな影響を持つことになるんだがな』
二代目の解説に先代が付け加えるがグリーングラスにはそれは届かない。
「そりゃ確かに速いだな。あれだけのウマ娘国内ダート路線でいる訳ねえだよ」
「でもたづなさんはそれ以上に速い訳ですが」
二代目に言われてグリーングラスが再び視線を戻すとたづながサンデーサイレンスを抜かしており、サンデーサイレンスはそれに必死に食らいつく。
「そりゃそうだべ。オラの師匠なんだからな。ああやってオラもよく扱かれただよ」
「扱かれたって、たづなさんはトレーナーの真似事でもしていたんですか?」
「まあな。余りにも足が速いから一時的にウマ娘の併走相手になっていたことがあるだよ」
「なるほど……って1600mの通過タイムが1分35秒って本当に速っ!?」
二代目が納得し、ダートとは思えぬタイムを見て目を見開く。
「セクレタリアト*5じゃないんだから、そんなにハイペースで大丈夫なの?」
「たづなさんは大丈夫だよ。あのトキノミノル叔母さんと並ぶ強さを持っているだからな!」
その瞬間、たづなが加速──正確にはサンデーサイレンスが減速し力尽きる。
「何っ!?」
「これで最後ですよ、サンデーサイレンスさん」
たづながそう宣言し余裕綽々な表情でサンデーサイレンスを半バ身の差をつけてゴールした。
「勝ちタイム1分59秒2……ケンタッキーダービーどころか、世界最高峰レベルね。サンデーサイレンス先生自身も2分切っているし」
「いくら模擬レースとはいえ速いだな。もしこのレースがケンタッキーダービーだったらセクレタリアトのレコードを更新していたんでねえか?」
「いや確かにクラシック級ならそうかもしれませんけど、二人が出られるレースはシニア級ですよ」
「ま、それもそうだな」
「……さて、行きましょうか」
二代目とグリーングラスが駆けつけるとたづなが息を整え、回復を終えていた。
「サンデーサイレンス先生、お疲れ様でした」
「流石たづなさんだべ」
「ふふ、ありがとうございます」
二人が声をかけるとたづなが笑みを浮かべ、逆にサンデーサイレンスは返事をする余裕すらなく息を整えていた。
「……確かに貴様が人間でも速いのは認めよう。余に勝ったのだからな」
「納得してくれて何よりです」
「時にたづな理事長秘書、聞きたいことがある」
「何でしょうか?」
「何故そこまでの力があるのにトレーナーにならない? それだけの実力があればトレーナーにもなれるはずだ」
たづなにトレーナーを勧める理由、それはウマ娘の枠で優れた競争能力があればトレーナーとなれ、普通のトレーナーよりも優遇されるからだ。
「あのお方──トキノミノルさんの時で後悔しているからですよ」
そして数時間後、周囲に誰もいないことを確認し、グリーングラスが生徒会室に入るとたづなが頭を下げていた。
「グリーングラスさん、口裏合わせありがとうございました」
「それは構わねえだよ。しかし本当によかっただか?」
「ええ。トキノミノルというウマ娘は伝説を作ると同時に敵を作り過ぎました。それ故にトレセン学園に存在してはならないのです。父の行方を追った雅美さんには申し訳ありませんが、これでトキノミノルというウマ娘は永遠に抹消されました」
帽子の上から更に特殊なウィッグを取り外すとそこにあったのはウマ娘特有の耳がありたづながウマ娘であることを証明していた。
「叔母さん……」
「その名前で呼ぶのを控えて下さいと言ったはずですよ? グリーングラスさん」
それまで取り付けていた人間の耳を取り外しながら注意するとグリーングラスが頭を下げる。
「申し訳ねえだ。でも尾も抜くなんてやり過ぎでねえか?」
「サンデーサイレンスさんなら脱げと言いかねませんでしたから。そうなった場合の対処ですよ」
「そういうウマ娘なのか……」
「ええ。彼女なら服に盗聴器を仕掛けかねません。それ故に盗聴盗撮防止のこの生徒会室に来てもらった訳です」
「流石だべ。用意周到さは相変わらずだ」
「それに私が駿川たづなを名乗る理由はかつての同期イツセイ*6、ミツハタ*7、トラツクオー*8の名誉の為です。トキノミノルというウマ娘がいた不幸な世代ではなく彼らの活躍のみに目を向けさせなければなりません」
「そういうことだったか」
「彼女達は納得していないでしょうが、
哀しげに遠くを見るたづなを見てグリーングラスは何も言えずに黙ってしまう。
たづながサンデーサイレンス達に自身が人間と証明させた翌日、サンデーサイレンスはたづなをリムジンに乗せて某アパートに連れていた。
「サンデーサイレンスさん、私に会わせたい人とは一体誰ですか?」
「まあ待て、もう少ししたら出てくる」
暫くしアパートから派手な女性が出てくるとサンデーサイレンスが声を出す。
「あっ、あれだ。彼女だ」
「あの女性ですか? 私の知り合いにあんな夜の営業を行う方はいらっしゃいませんが……」
そう口を紡ぐとサンデーサイレンスが衝撃の一言を放つ。
「彼女は永田雅美なんだがな」
「!」
「あれがかつてトキノミノルと交流があった永田トレーナーの娘、永田雅美という女性だ。あれから色々と調べたが永田雅美という女性は父を追う一方で当時のトレセン学園理事長に会うことなかったそうだ。すると、その永田雅美を名乗った貴様は何者だ?」
たづなが観念しため息を吐いた。
「……話すのは構いませんが盗聴とか盗撮とかされていませんか?」
「していないし、この車に盗聴盗撮妨害装置をつけてあるから安心しろ」
「私はかつて無敗で二冠を制したトキノミノルです」
「そうかやはりか。だが何故そこまで執拗に正体を隠す?」
「それにはまずトキノミノルがトレセン学園で名前を言ってはいけないウマ娘になった理由をお話します。念には念を入れて耳を近づけて下さい」
「良かろう」
サンデーサイレンスが耳を近づけたづなが語るとサンデーサイレンスが顔を蒼白させ愕然とする。
「──という訳です。貴女のように悪ふざけで関わっていけないんです」
「た、確かにこれは悪ふざけで首を突っ込めない。だが余はアメリカンドリームを成し遂げたウマ娘! 協力しよう」
「協力ってまさか、某魔法使いの学校に通う少年の小説のように立ち向かうって訳じゃないですよね?」
「何を言っているんだ?」
「そうですか、それなら良かっ──」
「無論そうするに決まっているだろう!」
「ぶふっ!?」
駿川たづなとして生きて初めて吹いた日だった。
「駿川たづな、いやトキノミノル。余はウマ娘のトレーナーとして雇われている。その余がウマ娘を不条理に扱うとあってはならない。だからこそ余は立ち向かって貴様がトキノミノルとして生きていけるようにしてやる」
「サンデーサイレンスさん……その気持ちはありがたいのですが──」
「何、安心しろ。余を本気で敵に回すということがどういうことか教えてくれるわ!」
高笑いをし、そう宣言するサンデーサイレンスをたづなは強く止めることが出来なかった。
ゴールドシップとフジキセキの禁止されているイタズラリスト4
31.毎年3月21日に「SS聖誕祭」を開くことを禁じます
32.収穫祭も同様です
33.SSと名のつく祭りは禁止になりました
34.オグリキャップを餌付け出来ないからと言って人参を占領するのを止めましょう。貴殿方の人参占領事件のせいでオグリキャップ他、多くのウマ娘が倒れました
35.駿川たづな理事長秘書の着替えを甘ロリにするのを止めましょう。尚、ゴスロリ、和風メイド服などに変えても同じです
36.純粋なウマ娘に「この寮では新入生はコスプレが部屋着なんだ」などと嘘を吹き込み、仮装させるのを止めましょう
37.貴殿方はハロウィンの際、トリックという言葉は禁じます。故にトリックorトリートという言葉は当然、トリックbutトリート、トリックandトリート、トリートorトリートも禁止です
38.太っているウマ娘等を「燃費の良いエコカー」「まともに食事をするナメック星人」「ばんえいに転向したウマ娘」等と言ってはならない
39.栗東寮に怪談話がないからといって作ってはならない。ましてやそれが「ポニーちゃんとのデートスポットにしたかったから」や「怪談に慣れておけばイタズラも怖くなくなるから」というのは理由になりません。そのせいでナリタブライアンが泡吹いて倒れました
40.ナリタブライアン等特定のぬいぐるみ好きのウマ娘に人形のホラー話をしてはならない。その結果ナリタブライアンがぬいぐるみを抱くことが出来なくなり寝不足になりました
この第50.1Rのお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、感想の方を宜しくお願いいたします。
また感想は感想に、誤字報告は誤字に、その他聞きたいことがあればメッセージボックスにお願いいたします。
尚、次回更新は未定です。
読者の皆様がウマ娘になったらどうなるか(モブウマ娘募集)
-
逃げ切りシスターズに加入出来る逃げウマ娘
-
ルドルフを始め王道を突っ走る先行ウマ娘
-
狙った獲物は絶対殺す差しウマ娘
-
どんなに差をつけても追い越せる追込ウマ娘
-
何もかも自由!フリーダムな自在脚質ウマ娘