≫実はマキバオーネタ。とある仏国の馬(マキバオー達の馬は話せる)が発した台詞が元ネタとなっていて、作者はそれを頻繁に用いている
・ナリタトップロード
≫サッカーボーイ産駒の菊花賞馬。通称トプロ、あるいはNTR、トップロードのいずれかで省略されることが多い
≫テイエムオペラオーの初期のライバル……というかクラシック期はむしろアドマイヤベガとナリタトップロードが中心でオペラオーは二頭に割り込んできた脇役でしかなく、高く評価されていた馬だった。ついでにルッキングもその順番だった
≫水面を跳ぶように走る走法が有名で、良馬場などスピードの出やすい状態を得意としていた一方、雨や小回りになる中山がとにかく苦手で2000mのレース以外では酷い成績であり、ラストランとなった有馬記念で一番人気のファインモーションに先着するが4着に入るのがやっとという有り様。逆に中山2000mでは複勝率100%で弥生賞ではアドマイヤベガに勝利し、02年の天皇賞秋でシンボリクリスエスに迫る2着とかなり強かった
≫ウマ娘ではナリタタイシンやナリタブライアン達に遅れる形で公式化。ウマ娘における委員長とスペを足して2で割った性格で語彙力がないことで知られている。メインストーリーでオペラオーかアヤベかトプロかそれとも別の誰かがメインになるのかそれはまだわからない……と思っていたがついに最終章を迎えてメインストーリーにおける99世代の出番を察した
・アドマイヤベガ
≫父は大種牡馬SS、母は二冠牝馬ベガ、母父も大種牡馬トニービンと当時としては日本最高峰の良血馬でしかもグッドルッキングホース。鞍上もスーパークリークを始めとした名馬達の騎手であり非の打ち所がないくらい評価が高く、弥生賞でトップロードに敗れるまでは世代一番手の評価を受けていた。尚、ルッキングも世代ナンバーワンだが母親は不細工だった
≫弥生賞や皐月賞で敗北した雪辱を日本ダービーで晴らすがその後トライアルで勝利するも菊花賞で敗北し宝塚記念に向けて調教中、故障発生し引退。種牡馬入りしても数少ない産駒からGⅠ馬を輩出し良血馬としての期待に答えた
≫省略の仕方がスマートファルコンと同様に競馬出身とウマ娘出身で異なる。競馬出身ならアドベ、ウマ娘出身ならアヤベと省略する
≫ウマ娘のサブストーリーでは双子や降着など史実ネタを露骨に詰め込めている一方で、史実のアドベの弟であるアドマイヤボス(3歳7月のデビューから僅か3戦目でセントライト記念制覇)やアドマイヤドン(朝日杯FS、帝王賞等)といった存在がなかったことにされている……いやそこは出せよ!尚、作者はアニバーサリーで出た模様。
・キタサンブラック
≫某演歌歌手が実質的な馬主の競走馬。史実ではドゥラメンテに一度も勝てなかったが、GⅠ競走7勝(菊花賞、大阪杯、天皇賞3勝、JC、ラストランの有馬記念を制覇)しており間違いなく歴史上でも最強候補に挙がる競走馬。特に天皇賞春でディープインパクトのレコードを更新したのは記憶に新しく、ラストランの有馬記念でそれまで国内獲得賞金ランキング1位だったテイエムオペラオーを2位に引きずり落とし、記録にも新しい競走馬となった
≫ちなみに歴代最強候補の競走馬としては珍しく現役時代にライバルらしいライバルが多いのも特徴で、皐月賞から4歳宝塚までドゥラメンテ、4歳有馬から5歳春天まではサトノダイヤモンド、それ以降はサトノクラウンの名前が挙げられ、特にドゥラメンテは高い壁とも呼べる存在のライバルだった
≫しかし最強候補に上がっても種牡馬としての活躍はそこまで見込まれていない。もちろん理由があり、キタサンブラックの父親がディープインパクトの全兄であることやキタサンブラック自身がスピードよりも豊富なスタミナで勝負するタイプであり現代日本の競馬に合っていないことが主な要因としてあげられるが、きっちりGⅠ馬を出すあたりサクラユタカオー(バクシンオーの父)の血が働いたと思われる
≫アプリ版ウマ娘では超優秀なサポートキャラでアプリをやっている人は知らない人はいないレベルで有名。ユーザーの皆さんの使用率はダントツで1位。それ故に育成キャラで出るのは暫く後と思われたが、まさかの一周年で育成キャラで実装。ミスターシービーが来るかと思いきや予想外にも程がある。育成では皐月賞や日本ダービーで高い確率でキタサンブラックに迫る(あるいは勝利する)順位で特定のモブキャラがゴールしているがドゥラメンテがモデルと思われる
・マチカネタンホイザ
≫ミホノブルボン世代こと92世代の競走馬。日本が誇る大種牡馬ノーザンテースト産駒の中で最も賞金を稼いだ競走馬であり、特に菊花賞ではミホノブルボンを一度差してあわやというところまで追い詰めるなど強かったが、怪我や病気など不運が続きGⅠ競走勝利には至らなかった
≫ウマ娘ではかなりの努力家で知られていて、イベントサポートカードにもなったが得意練習が根性なのでオールBの育成論では助かったがSP&PW特化型になるとリストラ要員になってしまった。しかし、新シナリオで根性サポートが最強となり共に復権を果たした
≫星2での育成ウマ娘として実装された。ちなみに星3で追加されなかったのは彼女が初めてである。尚、GⅠ勝利の台詞は某回転寿司屋を彷彿させるのでウマ娘に興味が沸いたら是非とも引いて欲しい
・サトノダイヤモンド
≫キタサンブラックの中期のライバルにしてサトノの冠名の最高傑作とも言える競走馬。父はリーディングサイアーのディープインパクト、母はアルゼンチンのGⅠ競走3勝、2着5回を果たしたマルペンサという良血でありセリで2番目の高額となる2億3000万円で取引され、新馬戦では自身取引額を上回った高額で取引された馬相手に圧勝。その後、2戦し無敗のまま迎えた皐月賞で3着、ダービーでは2着と惜しいレースが続き敗北を重ねたが神戸新聞杯では後の宝塚記念馬ミッキーロケット相手に勝利し、菊花賞で連勝を重ね、有馬記念でキタサンブラックとの初対決を見事制覇し、翌年阪神大賞典ではナリタトップロード以来となる3分2秒台での勝利を果たす
≫とまあここまでくればかなり強いように思えるがサトノダイヤモンドの衰退はここから始まった。天皇賞春ではキタサンブラックに屈して3着と悪くはないのだが、微妙な着順であり、凱旋門賞制覇を目指して遠征するもトライアルレースの時点で惨敗、そして本番では2桁順位と昨年までの活躍が嘘のように惨めになっていった。その翌年の春も不調さは変わらずいい所を見せずに終わり、ようやく京都大賞典で復活しJCでは従来のレコードを上回るタイムで走破するも6着。その次走有馬記念でラストランとなるがそこでもいい所見せず6着と敗れ引退した
≫ウマ娘ではキタサンブラックと同級生という設定で登場するが早熟なキタサンブラックとは異なりデビューが一年ずれており追いかける形となる。尚、作者の成果はサトノダイヤモンドの代わりにハロウィン米をまた引いた……なんでやねん!
・フジキセキ
≫以前にも解説したと思うが作者がブライトをスルーしてまで石を貯めまくった結果引けたので記載
≫通称【幻の三冠馬】。この渾名をつけられた理由はフジキセキに負けた馬達が頭角を表し、皐月賞やダービーといった大舞台で活躍した為、「もし無事に走れたなら三冠馬になれただろう競走馬」と言われ【幻の三冠馬】という評価を得た。特にジェニュインは皐月賞だけでなくマイルCSをも勝利し天皇賞秋でも3着と古馬になっても活躍しており、決して弱くないから尚更評価があがった。ちなみにこの渾名はアグネスタキオンにも用いられるがアグネスタキオンとは異なりフジキセキはクラシック未勝利のまま引退している
≫この小説ではゴルシ並のイタズラガールだが、公式では役者志望だった自称エンターテイメントのウマ娘。元々役者志望だった為か宝塚のような男役だけでなくヒロインや語り手といった役も出来る。ちなみに甘い物が好きな傾向のあるウマ娘としては珍しく甘い物が苦手でプロフィールやイベントでもその事が語られている
・セイウンスカイ
≫フジキセキ同様以前にも記載したと思うがイベントで引けたので記載。
≫以前に書いた解説に捕捉だけ。ウマ娘のセイウンスカイがセイちゃんと自称するのに対して史実のセイウンスカイはウンスと省略されることが多い。ウマ娘になったからと言ってウンスのスを子に変えることはしてはならない。いいね?
≫ちなみに書いている間にニシノフラワーが育成キャラとして実装されたのでそれについてもさらっと解説。詳しい解説は後日ヤエノムテキと同様に行う。史実のウンスとの関係は同じ馬主で世間が認める夫婦だが史実はウンスが年下なのでおねショタな関係ともいえる。
・アンケート結果発表
≫アンケートの結果は【デカくて白いアイツに憑依】に決まりました。自分をゴルシだと思っているマックイーンが主人公の小説連載をお楽しみに!
≫「お前らどんだけマックイーン好きなの?もっと時間が経てば考えも変わるよね?」と考えて時間を置きましたが票もそこまで集まらないしそろそろ良いかなと思い発表しました
≫ちなみにどうでもいいですが作者が一番力を入れていたのは【89式和製ビッグレッド】で、遅くなった原因はお察しください
・メジロマックイーン
≫前にも紹介したが一応。以下マックイーン。史実のマックイーンはメジロ牧場ではなく別の牧場で生まれるが病弱だったが素質は高く評価されており、メジロライアンと並んで2番手あるいは3番手という評価だった。ちなみにパーマーは全く見向きもされなかった
≫また現役時代も実力の割にファンが多くなく、メジロライアンの方が人気があり、またしてもパーマーほどではないにせよ不遇だった
≫競走馬引退後は種牡馬入りするもSS等の三大種牡馬が全盛期ということもありGⅠ馬を輩出することは出来なかったが、母父としてはかなり優秀で特に父ステイゴールド母父メジロマックイーンの配合はステマ配合と呼ばれドリームジャーニー・オルフェーヴル兄弟、ゴールドシップがその代表である
≫尚メジロライアンやテイオーは母父としてはマックイーンに負けているが、父としてはマックイーンよりも優秀でGⅠ馬を輩出している。メジロパーマーの種牡馬成績?そんなもの察しろ
≫そんなマックイーンを不憫に思った作者が【青き稲妻の物語】や【皇帝、帝王、そして大帝】のラスボス級のチート馬、シンキングアルザオの父親としてマックイーンを選んでおり、優遇している。尚、メジロパーマーは相変わらず不遇なままである
≫ウマ娘のマックイーンはお嬢様の皮を被った芸人であり、しかもボケを無自覚にするものだからうまよん等の作品によってはゴールドシップですら真顔になることもある
≫よく二次創作で「パクパクですわ!」などとネタにされているがこれは史実のマックイーンが大型の馬で調整が難しかったことに由来している。しかし公式でウマ娘のマックイーンがそれに似たことをしても直接発言したことはない
・ニシノフラワー
≫92世代のマイル及びスプリンター。スプリンターと言えばサクラバクシンオーが挙がるがこのニシノフラワーは成熟する前とはいえサクラバクシンオーを短距離GⅠの舞台で破っており、スプリンターとしての実力も一級品である
≫ウマ娘の彼女は小学生からの飛び級をした現在唯一確認されている存在で一コマではおバカギャル達に「ニシノ神」と称えられ、テイオーからは「教科書よりも分かりやすい」ノートを作成していることから飛び級も納得の優等生であることが伺える
・ヤエノムテキ
≫オグリキャップ世代こと88世代の皐月賞馬。皐月賞馬としては評価は微妙なところがあるのは仕方なく、何せ皐月賞の前哨戦に使った毎日杯でオグリキャップに完敗した上に、オグリがクラシック登録出来なかった為に皐月賞でリベンジを果たそうにも果たせず【オグリ不在の皐月賞馬】という不名誉な称号を得ることになってしまった
≫その後ダービー等GⅠに出走するも勝てず誰もが終わったと思ったが平成3強のスーパークリークとイナリワンが不在となった天皇賞秋でオグリキャップに勝利し、皐月賞馬でありながら皐月賞のリベンジを果たした稀有な馬である
≫ウマ娘の彼女は気性が荒くそれを落ち着かせる為に武道を嗜む武道派少女。
・アイネスフウジン
≫90世代のダービー馬。朝日杯3歳Sを制し共同通信杯と連勝したが弥生賞と皐月賞で敗北し、19万人の観衆の中、屈辱の三番人気で日本ダービーを迎え、逃げてダービーを制した
≫競馬をただのギャンブルからスポーツに変えた馬であり、ウイニングランや○○コールが定着し始めたのはアイネスフウジンが元で、その年のオグリキャップが有馬を制した時はオグリコールが鳴り止まなかった。もしアイネスフウジンがいなければオグリキャップのオグリコールもなかっただろう。
≫ウマ娘の彼女は下の兄弟の為にバイトをするバイト戦士……なのだが、もちろん元ネタがあり出身牧場は1968年のアサカオー以来重賞馬を輩出せず倒産寸前まで貧困状態に陥り、タマモクロス程ではないにせよかなり貧乏でおそらくそれが由来となっている。また下の兄弟云々についてはアイネスフウジンの下に双子の兄弟が競走馬としてデビューした馬がおりそれが由来となっている。タマモクロスといい、アイネスフウジンといい何故か貧乏な家庭に兄弟が多いのは気のせいだろうか?
・メジロパーマー
≫全盛期メジロ三強の一頭。他二頭が関係者からかなり期待されていたのに対してパーマーは存在感が薄く宝塚記念を制したときも牧場関係者がいなかったほど
≫この小説では同時メジロパーマーが実装されなかったこともあり作者の想像でキャラが真島弁のエセ関西人となった
≫公式のウマ娘の彼女はメジロの名前に辟易しており、自信喪失の状態だったがトレーナーや野良レースの対戦相手、ダイタクヘリオスらの手によってレースの楽しみを覚えた。尚、学業の成績はあまりよくない
・力飯
≫チカラめしではなくパワー型サポートのライスシャワーの略。レアスキル円弧のマエストロが確定で手に入り未確定状態のスーパークリークよりも使い易いという理由で使われていたが、チームシリウスのカードが強すぎて現在編成不可能なアオハル杯やゴルシを除いたチームシリウスのメンバー(スペ、ススズ、マック、ライス、チケゾー、ブライアン)の育成に用いられるようになった
≫サポート復刻でフクキタルを引こうとしたら力飯が完凸。チームシリウスを多様しているこっちからしてみたらあんまりである
≫ちなみにTSファイン育成の天皇賞春で幾度なく妨害され、作者には「お兄さま、ライスの小説まだなの?」と問いかけてくる幻聴が聞こえた……だからお前の小説のラストはバッドエンドになるから書けないんだって!
・イナリワン
≫以前にもイナリワンの概要は記載したが今回育成キャラとして実装されたので記載。オグリキャップ同様芝ダートで活躍した。特に長距離が強く当時3000mの東京大賞典、天皇賞春、有馬記念等勝っている……が実は前哨戦に弱く阪神大賞典といったレースでは勝てていない。本番に強かった競走馬ともいえる
≫ウマ娘の彼女は大井出身にも関わらず江戸っこキャラでタマモクロスから「大井は江戸ちゃうで」と突っ込まれている。またそんなキャラからか面倒見はよく些細なことでも誉めたりしている
≫育成キャラとしてはデジタルに続いて芝ダート共にAである為、マイル適正をA以上に高めればダートでも運用可能。また史実通り中、長距離の適正が高くデジタル以上にTS育成ではレースに出られ、レースボーナス重視のサポート編成ならかなり期待出来る。作者は10連×3で引けた。ちなみに最初の一回は星3ダブりだった
・スイープトウショウ
≫以下スイープ。トウショウ軍団最後の大物。秋華賞馬であり牝馬ながらにして宝塚記念を制覇。その後も前線で戦い時代が時代ならエアグルーヴよりも評価されていた馬。実は牝馬の時代を作りあげたのはこのスイープでエアグルーヴ以降牝馬が中距離以上の距離の牡馬混合GⅠ競走を勝てなかったが、彼女が宝塚を制して以降から秋天覇者ヘヴンリーロマンス等牝馬が暴れだし、ウオ&スカ(07ダービー、08大阪杯、安田秋天、有馬)、ブエナ(10秋天等)、ジェンティル(JC連覇、有馬)とかなり強くなっていった
≫ウマ娘の彼女は魔法使いに憧れる少女。基本的にわがままでメスガキと呼ばれるような性格。しかし史実の彼女が厩務員に対して心を開いたようにトレーナーにも心を開くようになる。しかしウマ娘の彼女の気性はまだマシな方であり史実の彼女はもっと酷いのだからお察しください
そして時は流れ、凱旋門賞当日。二代目がKGⅥ&QESを勝利したこともあり、凱旋門賞の中継が日本ではかつてない程の視聴率を誇っていた。
【さあいよいよ大本命がやって来ました。英ダービーを僅か2戦で勝利したラムタラが神のウマ娘と表されるならば、こちらは極東から突如現れた未確認飛行物体! その名をアイグリーンスキー!】
パドックに現れた二代目を観客が見ると同時に大歓声が沸き上がる。
『ブーイングが来ないあたり向こうよりかマシか』
「一体ブーイングって何があったの?」
先代は元の世界の凱旋門賞でブーイングを経験している。競馬先進国とは言えない極東*1からやってきた競走馬、つまり先代が他の競走馬の出走枠を押し退けてしまった為に起こった出来事だった。
『日本のレースの賞金額と欧州のレースの賞金額の違いで起きた悲劇って奴だ。だがお前が気にすることはない。気にするだけ時間の無駄だ』
「……そうだね。それにしても先代の渾名と私の渾名が一致するなんて、本当に皮肉なものね」
『安心しろ。俺の渾名は最終的に鵺になったからな。未確認飛行物体、妖怪と結び付いてそうなったんだ』
「鵺か……でも鵺って確か和製キメラだよね? キメラが妖怪扱いされるのはわかるけど未確認飛行物体とどういう繋がりがあるのかわからない……」
『ん? そりゃあれだ。鵺をモチーフにしたキャラと未確認飛行物体が何らかの関わりがあったからじゃないか? 種牡馬生活していたときにそんな話を聞いていたぞ』
「へえ、そんなエピソードがあるんだ?」
『UFOだが、鵺だかどちらにせよ俺達の武器は予測不可能な点にある。発見されたときにはもう手遅れってことをこいつらに教えてやろう』
「うん」
『俺はラムタラに二度も負けた。だがお前はあいつに二度負かしてやれ』
「了解!」
その一方でペンタイア陣営は二代目に対して執念と呼ぶほど執着するようになっていた。その凄まじさは
【さあ凱旋門賞を勝つのは一体誰なのか? 神のウマ娘ラムタラか復讐のペンタイアか、それとも極東の怪物アイグリーンスキーか……いよいよスタートです!】
【凱旋門賞スタート! まず行ったのは──そして三番手にアイグリーンスキー、そしてラムタラ、ペンタイアは互いに牽制する形で中団で控えています】
二代目が先行、中団差しのペンタイアとラムタラが警戒する。
「アイグリーンスキーの先行の戦法は重賞アーリントンC以来か」
「よくそんなレース覚えているね」
「アーリントンCで二着につけた差は大差。彼女本来のレーススタイルと言って良いがラムタラ、貴女はどうする?」
「そんなものは決まっている。差して勝つ」
「ドバイ所属なだけあって嫌みな女……」
「ドバイは関係ない。持たざる者と持つ者の違いなだけ。私には彼女をねじ伏せる末脚がある。私の心配をするよりも貴女自身の心配をした方が良い」
「ふん、言われるまでもないよ。今までだったらアイグリーンスキー、ラムタラ、そして私の順にゴールしていた。だけど今回はそうじゃない。私の尻を拝むことになるんだよ」
「やれるものならやればいい。私は全てを賭ける。命すらもね」
ラムタラがそう呟き、闘志を宿す。
『おい、俺がラムタラと真っ向勝負を仕掛けた結果負けたのを忘れたのか? この位置取りで勝てるほど甘くないぞ?』
ラムタラの前で先行することは先代にとっても予想外で、何故それをしたのか不可解だった。
「確かに先代はラムタラに負けた。でも先代とその騎手だけだったから負けた……でも私は違う」
『何がどう違う?』
「私についているのはトレーナーや学園の皆だけじゃない。先代がついている。もしKGⅥ&QESの時点で先代がついていなかったら私は力尽きて負けていた。先代がいるだけで私に力をくれる」
『……それでも油断はするな』
「先代のラムタラ恐怖症、今日こそぶち壊すよ」
先代のラムタラに対する反応はもはやトラウマであり、二代目はそれを克服させる為に自らがラムタラを破ることで示す。それこそが先代に対する今までの恩返しだった。
その頃、日本では。
「ブライアン、このレースどう思う?」
「姉さんの真似か、あるいは会長の真似か……どちらにせよ歴代の名ウマ娘達が重なって見える」
「へえ、あんたはそう見えたのかいブライアン?」
「アマさんには何が見える?」
「グリーンを通して感じたのは余裕だよ。それこそアタシ達に手加減していたようにね」
「余裕と手加減か……アイツは凱旋門賞を無駄なく勝てると思っているのか?」
「かもしれないね」
「だがロンシャンレース場はアスコットレース場ほどではないにせよ、かなり特殊なレース場。京都レース場のカーブに坂があるのは知っているだろう?」
「ああもちろんだ」
「当たり前だよ、確かにアタシはバカだけどね、それくらい知らないとレースで食っていけないからね」
「知っていて何よりだ。京都レース場の第三コーナーから第四コーナーにかけてはゆっくり登ってゆっくり下る。これが鉄則だ」
「まあね」
「ところがロンシャンレース場は京都レース場よりも遥かに高低差があり、しかも
「下る勢いでロングスパート?」
「京都レース場は下りが終わった後短い直線で曲がりさえスムーズに済ませばスパートをかけることも可能だ」
「ロンシャンは何故出来ないんだ?」
「あまりにも直線が長すぎるからだ」
「直線が長い?」
「
「っ!」
「そんな最後の直線だけでも東京レース場よりも長いのに下り坂時点でスパートをかけたら当然失速する。だから理論上で京都レース場で下りのスパートが出来たとしてもロンシャンレース場にそれは出来ない」
「なら差しや追込が有利ということなのか?」
「いいやそうとも限らない。凱旋門賞の特徴はあまりにもスタミナを喰う、つまり消耗戦といえそのスタミナが少しでも残っているウマ娘が勝つようになっている。並外れたスタミナを持つウマ娘こそ凱旋門賞を勝つといっても過言ではない。だからこそKGⅥ&QESを勝てたウマ娘、今年であればグリーン君が有力視される」
「何故そこでKGⅥ&QESと関係が?」
「KGⅥ&QESが行われるレース場はアスコットレース場。このアスコットレース場というのは理論上世界屈指のスタミナ勝負になりがちなレース場だ。それこそKGⅥ&QESの方が凱旋門賞よりもスタミナ勝負になる」
「同じ距離なのにか?」
「そうだ。アスコットレース場の高低差はロンシャンレース場の2倍、つまり20m……もはや高低差5.3mの中山の急坂が可愛く見えるものだ。そんな高低差のあるレース場で2400mのレースなんて京都レース場で3600m走っているのと変わりない。それほどまでにタフなレース場なんだよ」
「ハヤヒデ先輩、それなら心配は無用って訳かい? KGⅥ&QESの舞台でスタミナ勝負で競り勝ったんだ。負ける要素が見当たらないね」
ヒシアマゾンがそう言うがナリタブライアンが不安げに呟いた。
「だといいがな」
「ブライアン、なんでそんなに不安なんだい?」
「少なくとも今の私や姉さん、そしてアマさんでラムタラ相手に勝負したら確実に負ける。ラムタラの勝負根性は桁違いだ。KGⅥ&QESで勝てたのは根性勝負に持ち込めなかったのが大きい。だがあの位置だと必ず根性勝負になる」
「確かにね……でもグリーンはそれをしているってことは何か考えがあるってことなんじゃないかい?」
「パワーだな」
ビワハヤヒデがそう呟き解説する。
「パワー?」
「洋芝というのは厄介なものでな、日本の芝とは違い求められるのは高速で駆け抜けるスピードじゃなく芝を掻き分けられるパワーだ。これがなければせっかくのスタミナもどんどん消耗されてしまうだけでなくスピードも出なくなってしまう。そうなれば必然的に失速する」
「確かにあいつのパワーはこの学園で随一だ。ダートのウマ娘どころかばんえいのウマ娘達相手にパワーで競り合いが出来てしまうほど……なるほど、それなら分があるな」
ナリタブライアンがそう呟き、ダービーを思い出す。ナリタブライアンが二代目の策により閉じ込められ何度も二代目に突撃しこじ開けようとしたがびくともしなかった。自らの魂を呼び覚ましどうにか同着になったがもし魂が覚醒しなかったら凡走していただろう。それだけ二代目のパワーはトラウマとなり、二度と閉じ込められないように前哨戦で二代目対策の走法をした結果、スターマンに敗北してしまいスランプに陥っていた。
「通りで私達が勝てない訳だよ……」
ヒシアマゾンがそう呟き再びTVを見ると状況が変化していく。それはペンタイアが二代目を仕留める為に加速していったからだ。
仏国、パリロンシャンレース場にて大きな動きを見せたペンタイアがついに二代目を捉えにいった。
「悪いけど、あんたの好きにはさせないよ。あんたを仕留める為に
「……」
「あの寮長に扱かれて
「好きにしなさいな。だけど競走妨害はしないでね? そうなったらもっと理不尽な目に遭うよ」
「安心しな。凱旋門賞で競走妨害するほどの余裕はない。勝ちに来た……それだけだ」
【あーっとここでペンタイアが更に加速! ぐいぐいと伸びて伸びて、今先頭に立ちました!】
「カーブ前で加速って相当なバカか、余程その策に自信があるかのどっちかだけど、ペンタイア程のウマ娘、警戒しない訳にはいかないかな?」
『好きにさせろ。二代目の策をぶち壊す程でもない』
「かもね。わざわざ潰すほどでもない。どちらにせよ私のレースに無関係なんだからね」
それから二代目はレースに集中し、コーナーを三番手で曲がり、偽りの直線を越え、最後の直線に突っ込んでいく。
【さあ未だにペンタイア先頭、ペンタイア先頭! 日本のアイグリーンスキーは二番手に上がりその後ろ、そして英ダービーウマ娘、ラムタラはまだ中団の位置!】
「どんな考えで先行したか知らないがあんたに勝ち目はない。何故なら今の私はラムタラをも上回る!」
【ペンタイアが抜かせない、ペンタイアが抜かせない! ペンタイアがアイグリーンスキーに抜かせない!】
「確かに大した根性だよ。能力的に限界を迎えているのにまだ先頭に立ち続けている……その執念はこの凱旋門賞で随一と誉めてあげるわ!」
【アイグリーンスキーが並んだ! スピードシンボリ達が挑んだ凱旋門賞、ついに悲願達成なるか!?】
「させねえ! 極東からやって来た田舎者に凱旋門賞は渡さないし、もちろんドバイの連中にもね!」
【しかしペンタイアか、ペンタイアが頭一つ抜ける! ラムタラも上がってきたぞ!】
しかし幾度なくペンタイアがそれを阻害し、二代目に先頭を譲らない。まさしく執念と呼ぶべき勝負根性だった。
「何故あいつは三の脚を使わないっ!」
「グリーン君は使っている。実際4番手以降の後続との差は開いている」
ナリタブライアンが激昂するがビワハヤヒデが冷静に返す。事実二代目やペンタイア、そしてその真後ろについているラムタラより後ろのウマ娘はついていけず9馬身以上離されていた。
「あの二人が強すぎるって訳かい」
「そうだ、KGⅥ&QESの時よりも相手は遥かに強い。だがそれはグリーン君とて同じだ。三の脚で後続をあれだけ離しているのだから間違いなく強くなっている」
「はっ、あいつとタイマンするときが楽しみだ」
「タイマンする機会なんかないさ。ヒシアマ君、何故なら私がいる。グリーン君を倒すのは私だ」
「頭でっかちの姉さんもボケたか? 私の尻を拝んでおくことだな」
「ブライアン、私の頭はでかくないぞ! これは髪の毛が膨張しているのであって──」
「はいはいコントはそこまでそれよりも見てみなよ」
そうヒシアマゾンが言い放つとラムタラが加速し、ペンタイアと二代目に迫る様子がTVに映し出されていた。
──どいて。さもなくば貴女達を処刑する
【英ダービーウマ娘、ラムタラがアイグリーンスキーとペンタイアを抜いたーっ!】
残り僅か10m、ほんの僅かな隙をついてラムタラが一歩抜け出し、先頭に躍り出る。
それに食らいつくペンタイア、そしてわずかに遅れた二代目。それを見た日本のウマ娘達が絶望し、TVから目を背けた。
「凱旋門賞は無理なのか……?」
日本にいるウマ娘やファン達、そしてURA関係者達が二代目の勝ち目はなくなった。そう思っていた。
時は遡り英国寮の併走にてそれは起きていた。最後の直線で遅れを取ったニジンスキーにすら追い付けない二代目が呟く。
「これが世界だと言うの?」
いくら欧州最高峰の英国寮とはいえ世界の一部でしかない。米国史上最強のウマ娘と言えばシアトルスルーなどが多数候補に挙がるが最終的にマンノウォーかセクレタリアトのどちらかに収束する。
しかし欧州はそうではなく、米国や日本以上に最強候補がおり、二代目はその氷山の一角に触れただけということを理解していた。
「冗談じゃない。これくらいで満足出来る訳ないでしょうが」
『なっ──』
その瞬間かつてない程、それこそ二代目だけでなく先代ですら経験したこともない豪脚が炸裂し、ニジンスキーまで5馬身離れていた差を刹那の間に一気に3馬身まで縮め、それを見逃さなかったのはごく一部のみで他はミルリーフとダンシングブレーヴの一騎討ちに夢中になっていた。
「姉上、見たか?」
「ええ」
そのごく一部のウマ娘、ウィンアップとアブソルートの二人が話し合う。彼女達のウマソウル、つまり前世においては先代の血を継いだ孫であり、運命を感じ取っていた。それ故にダンシングブレーヴやミルリーフではなく後方のニジンスキーや二代目に目を取られその様子を見ていた。
「あの末脚を炸裂させれば今年の凱旋門賞を勝つのはアイグリーンスキーだろう。少なくとも速さという一点においてはダンシングブレーヴにも劣らない。後は強さだけで、それを覚醒させる要素はラムタラにかかっている」
「姉上、それならば凱旋門賞はあのアイグリーンスキーのものということか」
「ラムタラが根性勝負に出なければその限りではないがな」
そう姉妹が締めると別の場所へ向かう。その場所は次の戦場だった。
そして現在、ラムタラに抜かされた筈の二代目がラムタラよりも2バ身先行していた。
【な、なんとアイグリーンスキーだ! アイグリーンスキーが完全に抜けた!】
「!」
「なんだとぉぉぉっ!?」
【アイグリーンスキー今1着でゴォォォールっ! 世界を制したのはアイグリーンスキーだ! ラムタラとペンタイアは2着争い、後は離れて──】
ラムタラとペンタイアが驚愕し、再び二代目を差そうとするが時は既に遅くそのままゴール。
『二代目、間違いなくお前は俺を超えた。俺の力を必要ともせず、ラムタラに勝った。こんな必勝法を実践出来るのはお前だけの強みだ』
二人がほんの僅か目を離した隙に、二代目が抜け出し勝負根性を出させる暇もなくそのままゴール板を通りすぎ、日本のウマ娘達による悲願達成となった。
ゴール後、ラムタラの方へ顔を向けるとラムタラとかつて二代目のトレーナーだったトレーナーリーダーが話し込んでいた。
「今回に関してはお前も俺も言い訳の余地はない」
「トレーナー、そんなことはない」
「ある。お前は絶好調でレース展開もお前のものだった。通常なら負ける要素がない……だがそれでも負けた」
「逆だと思う。デカブツに私のレース展開を利用されたから負けた」
「利用、されただと?」
「そう。私は中団差し、言ってみれば一瞬の切れで勝負するタイプ。しかも併せることで更に加速する闘志を持つ一方で、長く持たせる脚はそこまであるわけではないし、併せなければその加速は出来ない」
「確かにKGⅥ&QESの時は併せることが出来なかったが、今回のレース──凱旋門賞のお前はそれが出来た。なのに負けた……俺の指導不足としか言いようがないんだ!」
「トレーナー、差しや追込のウマ娘達の末脚が鈍くなるのにはいくらか理由があるのはトレーナーだからわかるはず」
「確かにあるが、それだけじゃ済まないんだ」
「原因はどうあれ、ドバイの皆にはこう伝えておく」
──
「そうか」
「次のレース、JCは彼女と戦える今年最後のチャンス、それに賭ける。トレーナー、彼女に勝てるよう調整お願い」
「わかったそのように調整しよう」
「……ありがとう」
「……」
『羨ましいのか? あいつらが』
「そうかもね。でも私はあの人が最大の壁として立ちふさがったからこそ強くなれた。だからあの人のことは憎んでも憎み切れない……ましてやあんなものを見せられるとね」
『なら次のJCで会ったとき伝えればいいのさ』
──俺の栄光の道の踏み台でいてくれてありがとうってな!
「そんなの出来る訳ないでしょ!?」
いくら
『どうあがこうが勝者は勝者だ。敗者に投げ掛ける言葉なんて挑発でいい。よく頑張ったなんて言葉はくそ食らえだ』
「……もしかして先代って競走馬のラムタラにそう言われたの?」
『さあな?』
そう惚けてみせるとペンタイアがこちらに近づき手に肩を乗せる
「よう。してやられたよ。あんな秘密兵器を隠し持っているなんてね」
「大したものだよ貴女もね。英国のウマ娘なだけあるわ」
「いくら称賛されても日本のお前やドバイのラムタラにやられちゃ意味がないさ」
「だけど確実にいえるのは後5m短かったら負けていたのはこっちの方よ」
「バカいうな。その時はその時の走り方をするだけだろうが」
「ありゃバレた?」
「KGⅥ&QESよりもスタミナを消耗していないのがまるわかりでこの場にいる全員が思っているさ。そしてアイグリーンスキーにたらればは通じないとも思っている」
「そう? その割りには心が折れてないようだけど?」
「そうだ、JC出るんだろ?」
「ええ」
「たらればが通じないなら事実を引き起こせばいい。今度のJC、出走する」
「……!」
「じゃあな、楽しみにしているぜ。もちろんゴールの瞬間お前に尻を見せるのをね」
ペンタイアが去り、二代目が先代に対して呟く。
「面白いことになってきたよ、先代」
『それでこそ二代目だ』
こうして二代目の獰猛な笑みと共にJCを迎えることになる。
ゴールドシップとフジキセキの禁止されているイタズラリスト13
121.アグネスタキオンとスーパークリークを引き合わせることを禁止します。互いに悪い方向に両依存し、元に戻すのに1ヶ月かかりました
122.ヒシアマゾンの勝負服を魔法少女の服に変えてはならない
123.上記に付随してウマ娘の勝負服を勝手に変えてはならない
124.改造も禁止です
125.魔法少女のコスプレをしてレースを行う魔法少女ステークスなるものを禁止します
126.生徒会長の渾名を【たった3度の敗北を語りたくなるウマ娘】に変える等黒歴史を抉るを止めましょう
127.メジロ讃歌をメジロ家以外の敷地で歌うことを禁止します。もちろん替え歌や作曲も禁止します。そのせいでメジロ讃歌がゴルシ建設の社歌に変わったのは許されることではありません
128.スマートファルコンのファンの人数についてですが「一つの細胞が3兆個の人数略して3兆人」ではありません。スマートファルコンのファン人数が3兆人を超えたことを素直に祝福しましょう
129.上記について何も突っ込んではならない。誰がなんと言おうとも、例え人類の総数が死者を含めても1000億人強であろうともスマートファルコンのファンの人数は3兆人超です
130.ストロボ、フラッシュが苦手なウマ娘を騙して茶巾縛りしてはならない
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尚、次回更新は西暦2022年7/4です
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