「ようやく見つけたぞ…」
男は部屋の片隅で電気もつけずにPCのキーボードを叩きながら、何か作業をしていた。男のいる建物は通常の雑居ビルにも見えた。
だが、最新鋭の研究機材や解析装置などが設置されており、施設などを見ると研究所のようだった。
「これで積年の恨みを晴らす事ができる。あとはこのデータを復元できれば…」
男は作業に夢中で他の事など気づいていなかった。そう、男の背後には“砂”が大量にあった。
一見、何の変哲もない“砂”だったが、それは意思を持っていた。
『その願い、叶えてやろうか? ただし、お前が払う代償はただ一つだ…』
男にだけ聞こえる問いを“砂”は投げかけた。
「ん? ………なんだ、空耳か」
『空耳ではない。お前だけに聞いている。もう一度だけ聞こう、その願い、叶えてやろうか?』
「!!!」
男がPCから一歩離れると、足下が砂だらけなのに気がつく。
「これは…。お、お前は一体誰だ!まさか、新しい仮面ライダーじゃないだろうな!?」
現在の男の所属先は財団Xだった。彼自身、過去にとある組織に所属しており、その組織も仮面ライダーによって壊滅させられていたのだ。
『違うな。俺はお前の味方だ。さぁ、望みを言え』
「わ、私の願いは…。仮面ライダーの奴等によって、人生を変えられた。だから、この手で奴等を一人残らず倒したい!」
『………了解した。契約成立だ』
「なっ!?」
契約が成立したことにより、“砂”は形をなしていく。それは先ほどまで自分が見ていたPCに出ていたとある怪人達を模した姿だった。
「お前のその姿は…」
『俺はイマジン。あぁ、これは貴様が復活させたい怪人なのだろう? 多少、みてくれは違うだろうが、まずはお前の願いの原因となったライダーとやらを教えろ』
「か、仮面ライダーストロンガーだ!アイツのせいで、クラゲロンは!!」
男は握り拳を机に叩きつける。
イマジンはチケットを取り出し、契約した男の頭に近づけた。
すると、何も記載していなかったチケットが1980年2月15日を示した。
『このままでは不便なのでな、貴様の身体を借りるぞ?』
「なにっ!?」
イマジンは男に飛び込んだ。
身体を内側から壊されるそんなイメージが駆け巡る。
男は頭を抱え、暴れ回った。
「や、やめろ!? なにがどうなって、うわぁぁぁああああ!!!」
男の目が一瞬だけ光り、そして、イマジンは瞬時に男の意識を奪い、同時に殺した。 男だった者はこの瞬間、消え失せたのだ。
「あぁ…実に気分が良い。身体にも馴染む。……よし、まずは契約をこなさねばな。
過去へとさかのぼり、憎き仮面ライダーストロンガーを殺す。そうすることで……フフフ!」
不適な笑みを浮かべ、イマジンは過去へのゲートを開く。
ふと、PCに見えたデータが目にとまる。
「……だが、その前に己を強化しておくのも手だな」
不完全だった自身の身体を改良すべく、PCに手をかざす。一気にデータを自身の身体へと吸い出したイマジンの姿が更に変わっていく。男が調べていたデータとは過去に発掘されたとある怪物達だった。
「ゴルドラとシルバラの力を得た俺は無敵だ!」