『さぁて、悪さしやがったイマジンはどこにいやがる!』
デンライナーから降車した良太郎にすぐさま、モモタロスが憑依した。赤いメッシュ色の髪の毛を帯びて、姿も筋骨隆々となり、周囲に向けて目を血走らせている。
その横で茂はカブトローの点検をしていた。
「おい、モモタロス。少しは落ち着けよ」
普段は突っ走ってしまう性格の茂ですら、憑依後の良太郎の姿は驚きを隠せなかった。
『なんだよ、急がねぇと茂兄さんが危ないんだぜ? いくら良太郎が特異点だからといっても、限度ってもんがあるんだよ」
「だったら、尚更だ。急がば回れってヤツだな。なぁ、この時代の俺の事は把握してるのか?」
『あぁ、そこは抜かりねぇぜ。今が何時か確認できりゃわかるんだが…』
「わかった。ちょっと待ってろ」
カブトローのエンジンを吹かし、茂は周囲に人がいないか捜索しに向かった。
カブトローを走らせ茂はこの時代の人間を探した。
すぐに喫茶店の前でバイクのメンテナンスをしていた男性を発見する。
茂は男性の前でカブトローを停車させた。
「すまねぇ、ちょっと聞きたいんだが、今が何時何分か教えてくれるか?
時計の持ち合わせがなくてよ…」
男性は茂に気づき、顔を上げる。
「お安い御用だ、ちょっと待ってろ」
男性は左腕に身につけていた腕時計で時間を確認した。
「今は午前九時ってトコだな」
「おじさん、ありがとう。それじゃ!」
茂はカブトローを走らせ、すぐにその場を立ち去った。
「うん、いいエンジン音だ。それに、面白いデザインのバイクに乗ってるな。
ありゃオリジナルか?」
男性は茂のカブトローに興味津々で反応していたが、その時、喫茶店のドアが開き、ウェイター姿の男性が出てくる。
「マスター、洋さんからコール鳴ってますよ!」
「おお、今行く!」
茂は知らない。今し方、茂とやりとりしたこの人物を。
そう、彼はスカイライダーを日頃からサポートしていた谷源次郎その人だった。
デンライナーで降車した場所へ戻ってきた茂。
「モモタロス、時間が分かったぞ。今、午前九時だそうだ」
『九時だと!? 危ねぇ! もう少しで洋がクラゲ野郎やサイ野郎と戦う前じゃねーか!』
「急ぐぞ良太郎。場所は分かっているんだろうな?」
『あぁ、ついてこい!』
停めておいたマシンデンバードに飛び乗ったモモタロスはすぐにエンジンを吹か
せ、目的地へ移動を開始した。
「あっ、おい! 相変わらず短気みてぇだな、アイツ。おい、待てってー!!」
茂もカブトローでモモタロスを追いかけた。