マジカル☆ベルExtraEpisode   作:タク@DMP

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第2話です。一応、マジカル☆ベルサイドの全キャラに見せ場を作っています。普段作品で使わないカードやギミックが使えて新鮮でしたね……。


EX2話「タイムスリップだよ(2)」

 どうしよう。大変なことになっちゃいました。

 あの大穴は、違う場所に行けるだけじゃなくて、違う時間にも行けるということが分かってしまいました。

 タイムトラベルなんて、それこそ小説や漫画の中だけだって思ってたのに驚きだよ。

 信じられないけど、現にブランさんは2017年の今日から来たって言ってるし、さっきのワイルドカードの話も本当みたいだから、真実味を帯びてきたよ。

 

「……おかしくは……ない。時間を止めるクリーチャーもいるし……それが実体化したなら、滅茶苦茶な話でも、ない」

 

 ううん、十分に滅茶苦茶だと思うよ、恋ちゃん。今までも滅茶苦茶な事は多かったけど、今回のはずば抜けてわけが分からないと断言するよ。

 

すごいです(ズーパー)! そんなことができるなんて、ユーちゃん、びっくりです!」

 

 びっくりですませちゃって良いの、ユーちゃん。皆、順応力高すぎだよ。わたしなんて、もうついていけないよ。

 

「こすず……いまさらおどろきすぎ……リアクション芸人志望?」

「酷いよ恋ちゃん、芸人さんじゃなくてもリアクションを取らざるを得ないよ! そもそも、本当にこの人未来から来たの?」

「むー、疑うんデスか! 探偵は嘘を武器にすることもありマスが、こんなしょうもない嘘はつきまセン!」

「嘘をつくのは認めちゃうんだ……というか、武器って何と戦うの」

「現代社会の闇、デス!」

 

 ごめんなさい、そんな探偵は漫画や小説にもいないと思うよ。

 

「……その人が怪しいのはわかる。でも……言ってることは嘘じゃ、ない」

「恋ちゃん……」

 

 怪しいのは擁護してあげないんだね……。恋ちゃんらしいよ。

 

「……まず、そのスマホの機種、ネットでも見たことがない。信憑性、あるかもしれない……」

「そうデス! 春先に買い替えたばかりの最新型モデルデス! 探偵は情報収集が基本デスからネー、端末には気を遣っているのデス!」

 

 それはそれで、無駄にお金がかかってそうだよ……。

 でも、恋ちゃんが言うなら、そうなのかな。わたしは流行とかそういうのには疎いから、よく分からないけど。

 それにしても時間を越えることが出来るクリーチャーがいるなんて、もうそれじゃあ何でもありな気がしてきたよ。

 

「取り合えず、連絡を取るだけ取ってみマスか」

 

 とブランさんが言ったその時。その画面に大きく「充電してください」のメッセージ。

 大きく肩を落としたのが、わたしにも分かった。

 

「うぅ、そういえば充電するの忘れてたデース……あとで充電器、誰か貸してくれませんカ? Please……」

 

 元々こんな事になるなんて、本当に思ってなかったんだろうなぁ。仕方ない、後で家の充電器を貸してあげよう。その機種に合えば良いけど。そして、それまでにこの人が元の場所と時間に戻れればいいんだけど。

 ん? 充電器……スマホ……携帯……荷物……。あっ。

 

「いけない。慌ててきたから、図書館に荷物を置いたままだった!」

 

 すぐ終わるって思ってたから、油断してた。デッキケースはベルトにぶら下げてるから、持っていくのを忘れなかったけど、勉強道具とか置いたままだよ。

 

「こすず……うっかり」

「しっかりものの小鈴さんも、そういうことがあるんですね!」

「笑わないでよ。恥ずかしいなぁ……」

「図書館、デスか?」

「うん、図書館で勉強してたんですけど……」

 

 もうこうなっちゃったら、勉強どころじゃないよね。仕方がないから、荷物を取りに行くついでに、ブランさんも連れて図書館の近くの公園で続きは話すことになった。

 

「それじゃあ、僕はクリーチャーが他にいないか、探しに行くよ」

 

 とか言って、鳥さんは飛んで行っちゃうし、これどうなるのかなぁ……。

 

 

 

                    ☆ ☆ ☆

 

 

 

 図書館に置いていた荷物を全部持ってきたわたしを、外で3人が待っていた。

 でも、ブランさんはじっと図書館を見つめている。どうしたんだろ。

 

「……なんか、この図書館、来たことがありマス」

「そうなんですか?」

「ハイ。そういえば、この街も初めて来た気がしなくって……最初に気が付いた時、あまり私が取り乱さなかったのは、その所為かもしれマセン」

 

 でも、その言い方だと今はこの街に住んでいないってことだよね。

 あまり人の事情には突っ込みたくないけど、気になるよ。

 

「この街に、住んでたんですか?」

「ハイ。少しの間だけ……デス。中学1年の秋まで、ここにいましタ」

 

 どこか、切なそうな表情で彼女が言った。

 

「3人は、どこの中学に通っているんデスか?」

「烏ヶ森学園、です」

「……そう、デスか。私が通っていた学校とは違いマスが、近くデスね。間違いないデス」

「通ってた、ってことは転校したんですか?」

 

 と言いかけた途端、ぐいっ、と肩を引っ張られた。

 複雑そうな顔をした恋ちゃんの顔がすぐ近くにあった。

 

「こすず……聞かない方が、いい」

 

 複雑そうな表情で恋ちゃんが言った。

 何故かは分からなかったけど、その時の言葉には妙な説得力、というか重みがあった。

 ちょっと軽率だった。反省だよ。

 

「良いんデスよ。そんなに、辛い話でもないんデス。私、昔から両親の仕事に振り回されて、転校してばかりだったんデスよ。だから、友達も出来なくて。それで、両親も、内向的な自分も、大嫌いデシタ」

 

 内向的……だったんだ。とても、今のブランさんを見てると信じられないよ。

 こんなに明るくて、下手したらユーちゃんと同じくらい元気いっぱいなのに。

 

「デモ、今は違いマス。今住んでる場所に来た時、高校で部活仲間が出来マシタ。頑張り屋でお人好しな部長と、クールでデュエマがとても強い後輩デス。2人共、私の掛け替えのない友達で、仲間デス!」

 

 そうか。それなら、猶更早くブランさんの仲間を見つけてあげないと。そして、早く元の時代に返してあげたい。

 そう思っていた矢先、わたしの鞄の中からも着信音が鳴る。

 どうやら、こっちも電話みたい。

 

「誰からですか?」

「あ、霜ちゃんからだ」

 

 一体どうしたんだろう。取り合えず出てみます。

 

「もしもし? 霜ちゃん?」

『ああ、小鈴か。ちょっと来てくれないか? 聞いたら困惑すると思うんだけど』

 

 大丈夫だよ、霜ちゃん。今のわたし、困惑を通り越して脳の理解がキャパオーバーしてるから、もう何が来ても驚かないよ。

 

『取り合えず、僕らもどうすればいいか分からないから、1つずつかいつまんて――うわ』

「霜ちゃん?」

『やっほー、小鈴ちゃん』

 

 声が変わりました。

 電話の奥の方で「ちょっと、いきなり人の電話に割り込むのはやめないか」と霜ちゃんの声が聞こえてきます。

 

「み、みのりちゃん……どうしたの?」

『いやぁ、水早くんばっかり小鈴ちゃんと話してるから羨ましいなぁって思ってね』

「ということは、みのりちゃんもそっちにいるんだね……」

『そゆこと。あっ、もう――』

『聞こえるかい、小鈴。すまない、邪魔が入ってしまった』

「だ、大丈夫だよ。それで、何があったの?」

『とにかく、落ち着いて聞いてほしい。そして、君の意見を聞きたいんだけど』

 

 みのりちゃんが霜ちゃんと一緒にいるのも驚きだけど、とりあえず何があったのか聞こう。

 もう、何が来ても動揺しない自信が今のわたしにはあるよ。

 

 

 

『空の上にいきなり大きな穴が開いて、そこから新幹線の頭をしたクリーチャーと人が街路樹の上に落っこちてきたんだが……どうすればいいと思う?』

 

 

 

 ごめんなさい霜ちゃん。どうすれば、って言われてもわたしにも分かりません。

 

 

 

                    ☆ ☆ ☆

 

 

 

 今日はわけが分からないことばかりだよ。

 ブランさんは、そのワードに反応して早く場所を教えてくれって言いだすし、多分ブランさんの仲間ってことで間違いないよ。

 

「ってことは、そのソウって子と、ミノリコって子もクリーチャーが見えるんデスね!」

「うん。だけど、ブランさんの言ってたエリアフォースカードがないと、ワイルドカードとは戦えないってことだよね?」

「まぁ、それについてはアカルがカードを落っことしてないのを祈るしかないデスネ……」

 

 とにかく、霜ちゃんとみのりちゃんがいる小道まで走って向かうことになりました。が、

 

「まって……はしるの……むり……しぬ……」

 

 走り出してから約10秒後、最後尾ではぁはぁ、と息を切らせて今にも倒れそうな恋ちゃん。

 そうだ、恋ちゃん運動がとても苦手だから、これ以上走るのは無理か。しかも今はこの炎天下だし。

 さらに追い討ちをかけるかのように、恋ちゃんの鞄から着信音。

 それをすっと見た恋ちゃんは一言。

 

「……あ、つきにぃから」

「剣崎先輩から?」

 

 こくこく、と頷く恋ちゃん。相手は3年生の剣崎先輩で間違いないみたい。

 そして、兄妹みたいだけど、剣崎先輩は訳あって恋ちゃんの家に居候している。戸籍も血も関係ないらしいけど、どうしてなのかは気になる。時々聞いてみたくもなるけど、流石にそんな勇気はないよ。

 

『あ、恋? 今大丈夫? もうそろそろ夕方だけど、勉強会は終わったかな? 宿題も終わった?』

「おおむね、だいじょうぶ……」

『なら、今帰ってるところか』

「うん……」

 

 全然大丈夫そうじゃない恋ちゃんは、確かにそう返しました。

 悪いけど、宿題は全然大丈夫じゃないよ、恋ちゃん!

 

『……なんか、声が大丈夫じゃなさそうだけど、取り合えず要件だけ伝えておくよ』

 

 その後、少し声が小さくて通話の内容は聞き取れなかった。

 そしてしばらくして、恋ちゃんは頷くと通話を切りました。

 

「どうしたの?」

「……つきにぃ、いきだおれ……拾ったって。中学生くらいの、フードをかぶった……おんなのこ。熱中症、みたい」

「ええ!? 大変だよ、それって!」

「……あいかわらず、おひとよし……すぎる。看病するから、かえったらてつだってくれ、って……」

「……フード、デスか」

 

 しばらく考えていたブランさんは言った。

 

「なんかそれ、私の後ハイのような気がするんデスよね……」

「え!?」

「ハイ、こんな暑い日にわざわざフードをかぶっていて、尚且つ中学生くらいの小柄な子はシヅクくらいしか考えられまセン」

 

 流石に断言し過ぎな気がしないでもないけど……。

 ということは、そのシヅクって人は剣崎先輩が拾ったんだ。それなら話が早くて助かるよ。

 

「なら、えーっと、誰でしたっけ……」

「……恋。日向、恋」

「そうそう、コイ、デスね! 今すぐ、帰ってその子の近くに行ってくだサイ!」

「それならユーちゃんも行きます! 今の恋さん、すっごく疲れてるし、お手伝いします!」

 

 10秒駆け足しただけだと思うんだけど……もういいよ、突っ込むのよそう。

 

「じゃあ、手分けってことだね。頼むよ」

 

 こうして、わたし達は別々の方面からブランさんの仲間を追うことになった。

 熱中症になった人も心配だけど、木の上に引っ掛かってる人も心配だよ。早く助けてあげないと。

 剣崎先輩のいるマンションを目指して別の道へ行った恋ちゃんとユーちゃんを見送りながら、わたし達も霜ちゃんとみのりちゃんの方へ向かうことになったのだった。[newpage]

 

 駆け付けると、成程確かに街路樹に人と新幹線の頭をした二等身の何かが引っ掛かっていた。

 そして、そこには霜ちゃんとみのりちゃんの姿もありました。

 どうにかして降ろそうとしてるみたいだったけど、わたし達を見つけるとこっちを向いて手を振りました。

 

「ああ、小鈴か。良かった、早めに来てくれて」

「うん、ところで何で2人は一緒にいるの?」

「いや、ボクはいつものブティックに買い物に出てただけだけどね。途中で香取さんにばったり出くわしてね」

 

 成程。確かに、今日はいちだんと服装が可愛いし気合が入ってる気がするよ。買った服が、かなり気に入ったみたいだ。

 

「とどのつまりただの偶然。それよりも、急に空に大きな穴が開いて、そこから人とクリーチャーが木に落ちてきたときはどうしようかって思ったの」

「映画かと思ったよ、ボクは」

 

 ブランさんが、すぐに走り出して木の方を仰ぎ見る。

 そして、ぴょんぴょん飛び跳ねて叫んだ。

 

「アカル! アカル! しっかりするデス!」

「それで小鈴。あの女の人は誰なんだ?」

「ああ、あの人はブランさん。話すと長くなるんだけど……」

 

 わたしはところどころ掻い摘んで、今回起こったことを話しました。

 2人共にわかに信じられなさそうな顔をしていたけど、やっぱりそう簡単に受け入れられる話ではないよね。

 

「ということは、あの人は未来からクリーチャーの力で此処に来た、というわけね」

「わたしだってまだ信じられないよ……」

「確かに、小鈴の言う通りだ。だけど、現にボクたちの目の前でも同じことが起きている」

「それに小鈴ちゃんの言ってることだもの。信じないわけがないよ」

 

 うん、すっかり2人共怪奇現象に慣れ切ったような表情をしてるよ。

 

「とにかく梯子とか持ってこないとダメみたいデスね……このままじゃ、アカルまで熱中症になってしまいマス!」

「そうなんだけど、どこから持ってくれば……」

「仕方ないデスね……」

 

 ブランさん、どうするんだろう。わたしでもあんな高いところに登って人を降ろす勇気はないよ。

 高さは5m程。落ちたら怪我しそうだよ。

 木に登るのかな、と思ったら腰に掛けてたデッキケース――じゃない。何あれ。とても大きいパチンコのようなものを取り出したよ。

 

「アカル、起きるデス!」

 

 そして、止める間もなく大きなプラスチック玉をゴムに引っ掛けて、思いっきり引き絞り、木に引っ掛かっているお兄さん目掛けて撃った。

 ぱこーん、と小気味良くプラスチックが爆ぜた音が響き、「ぶうぇっくしょい!!」というくしゃみの音。

 

「うん、見事に鼻の頭を直撃したみたいデスね! 涙とくしゃみを催すショック玉デス!」

「ぶうぇっくしょい、じゃねえよ、何なんだ一体!!」

 

 男の人の乱暴な怒鳴り声が木の上から響きます。

 

「って、うおおおおああ!? 俺木の上じゃねえか!! 一歩間違えたら真っ逆さ、ぶうぇっくしょい!!」

 

 なんかすっごい危ない手段でお兄さんを起こしたけど、大丈夫なのかな。横でみのりちゃんがくすくすと笑ってる。笑い事じゃないと思うよ、みのりちゃん。

 

「なるほど、探偵さんじゃなくてスナイパーさんというわけね」

「探偵とは一体……物理的、いや科学的な方法、なのか? あれは」

 

 霜ちゃんが頭を抱えてる。

 ほんと、物理的手段に訴えるの、わたしもよくないと思います。

 ゆっくりと木の上から伝うように降りてきたお兄さんは、砂を服から払落し、頭を掻いてわたし達の方を向きました。

 

「えと、それで何なんだ、この女の子たちは」

「話せば長くなるんデスけどね。とにかく、アカルを見つけたのは、このソウとミノリコで、私を見つけたのはコスズと、今はいないけどあと2人の女の子デス」

「あ? そうなのか。ありがとよ」

「い、いや、それほどでも……」

 

 お兄さん――アカルさんは溜息をついて、わたしの方を向く。

 背が高くて、剣崎先輩と同じくらいかな。だけど何だろう。あの人に似た何かを感じる。

 

「ところで、何て説明すれば良いんだろうな……えーと」

「アカル、この子達はもう全部知ってマスよ。元々」

「え?」

「空の大穴から落ちるところまで、ばっちり目撃しちゃいました」

「こういうことには慣れてるので」

「え、え?」

「この年にも、クリーチャーの事件は起きてたんデスよ! この子たちはそれを解決しているのデス!」

「ちょっと待て? 年? 今は2017年だろ!?」

「2013年デス!」

「はぁ!? ちょとまて、俺達は別の場所に飛ばされただけじゃねぇのか?」

「実はデスね……」

 

 ブランさんが説明すること数分。

 お兄さんは完全に青褪めた表情で話を聞いていた。

 

「マジかよ……時間を越えたってことか? 俺達は?」

『どうやら大変なことになったでありますなぁ』

 

 あ、ふよふよ、と新幹線頭のクリーチャーが浮いて出てきた。

 疲労困憊という様子だけど、辛うじて動いてるみたい。

 あれって確か、チェシャ猫さんが使ってた新幹線のジョーカーズに似ているよ。あの人がお兄さんのクリーチャーなのかな?

 

『おや? しかも今日はいちだんとギャラリーが多いでありますな』

「あれって、チョートッQか? また随分と小さいな」

「ちょっとかわいいかな?」

『可愛い……ふむ、悪い気はしないであります』

「何言ってんだお前」

「それは良いとして、結局何があったんですか?」

 

 霜ちゃんが切り込むようにお兄さんに聞いた。確かに、元々どうしてこうなったのか気になるよ。

 

「俺達にもよく分からねえ。学校に沸いた大量のクリーチャー共を相手に戦ってたら、急に大穴が開いて、俺達はこの様だ。おまけに、俺達は戦う度に力を消耗する」

『要するに、ガス欠というわけでありますよ。我々も同じであります』

 

 そうか。だからさっき、ブランさんは戦えなかったんだ。 

 この人たちも戦うのに色々制約があって大変なんだな。……あれ、そう考えると鳥さんの力だけで戦えてるわたし達って、どうなってるんだろう。

 普通のクリーチャーと、ワイルドカードでは色々違うってことなのかな。

 

「それじゃあ、ボクたちに任せてください。そちらが戦えない間の戦力にはなるはずです」

「……俺達の方から、年下をこんな危険な目に遭わすわけにはいかねぇ」

「な、ボクたちは戦えます!」

「年下だからって甘く見てるんじゃないかな、この人。プライドとか意識とか無駄に色々高そうだよね」

「ちょっと、みのりちゃん!」

「お前ら言いたい放題だな……別に侮ってるわけじゃねぇが……いっつ」

 

 お兄さんは脇腹を抑えた。

 

『マスター!』

「やべぇ、骨がみしみしいってやがる。負担がかなりかかってるってことか?」

「アカル、やっぱり、この子達の協力がないと、今回の事件は解決できないデス。この年のこの場所のことは、この子たちにしかわかりマセン」

「俺には責任があるんだよ、クリーチャーを獲り逃した責任が」

「めんどくさいデスね」

「んだとォ!?」

 

 根は良い人みたいだけど、確かにブランさんの言う通りめんどくさい人だよ。

 いや、責任感が強すぎるタイプ、なのかな? 自分達以外の人を大変な目に遭わせたくない、もっと言えば自分以外の人を巻き込みたくないって思いが先行してるのかも。気持ちは分からないでもないけど……。

 

 

 

『オォォォォ……』

『ウゥゥオオオ……』

 

 

 

 その時、声が聞こえた。

 こんどは、空から2体のクリーチャーが道を塞ぐようにして前と後ろに表れる。

 一体は、鎧に身を包んで、刀を咥えたドラゴンのクリーチャー。

 もう一体は鎌を掲げた悪魔のクリーチャーだよ。

 

「2体も……!?」

「《ボルメテウス・武者・ドラゴン》に、《漆黒戦鬼デュランザメス》!? 何故こんなクリーチャーが此処に……!」

 

 霜ちゃんが言い終わる間に吠えた武者・ドラゴンが刃を煌かせて、わたしに飛び掛かってきた。

 完全に不意を突かれた一閃。

 

 

 

 

「あぶねぇ!!」

 

 

 

 がばっ、と大きな腕に抱きかかえられ、同時に何かを掠めとるような音が聞こえました。

 わたしはコンクリートのブロック塀に叩きつけられ、そこにお兄さんが覆いかぶさるようにしています。

 アスファルトは一文字に抉り取られていて、もしもわたしがあそこにいたら、と思ったら寒気がしました。

 

「痛っっっってぇ……無事みてーだな、世話焼かせるぜ……」

 

 その声で我に返りました。

 お兄さんだ。だけど、動けそうにないし、口も開けそうにない。

 

「小鈴、無事か!?」

「あ、あぅ……!」

 

 霜ちゃんの声に、辛うじて頷いて返したけど、それどころじゃない。

 どうしよう、助かったのはいいけど、足が震えて動けない。

 見れば、武者・ドラゴンもさっきの新幹線さんが、デュランザメスは亀さんが辛うじて小さい姿の状態で食い止めていた。

 障壁のようなものを貼って、これ以上近づけなくさせてるみたいだ。

 

「アカル! 何やってるデスか!」

『マスター! 無茶しすぎでありますよ!』

「っせえ! とにかく、俺の事は後だ。まずはクリーチャーぶっ倒すのが先だろ! デュエルエリ――」

 

 と言いかけたお兄さんは勢いよくせき込み、地面に伏せた。

 多分、此処に来るまでに何回も戦ってたみたいだし、わたしを怪我覚悟で助けに行ったしで無茶し過ぎだよ。

 

「げほっ、げほっ、何で……やば、マジで死に――」

「もういいデース! バカ(アカル)はガス欠、私も今は戦えないので、代わりにお願いしマス!」

『とにかく休んでいるでありますよ!』

 

 さっきから扱いがぞんざいすぎるよ、ブランさん!?

 本当にこの人たち仲間なのかなぁ……。

 

「って言ってるけど、どうしよっか」

「どうするもこうするも決まってるだろう。あの人と小鈴はブランさんに任せて、ボクが奴らを排除する」

「私もいるのを忘れないでね?」

「……君に背中を任せることになるのは少し複雑なんだけどな」

 

 そう言った霜ちゃん、そしてみのりちゃんが怖い顔でそれぞれのクリーチャーの前に立ちふさがる。

 わたしも行こうとしたけど、駄目だ。死を実感したからか、まだ立ち上がれそうにないよ。

 

「ここはボクたちに任せてくれ、小鈴」

「霜ちゃん……!」

「ボクが、小鈴を傷つけようとした奴を倒すよ。だからもう、怖がる必要はない」

「たまには、小鈴ちゃんにカッコいい所を見せないとね?」

「みのりちゃんも……!」

「よし、ワンダータートル、エリアフォースカードを頼みマス!」

『御意、じゃ!』

「2人とも、デュエルエリアフォースって叫んでくだサイ!」

「……え?」

「それ、本当に叫ばないといけないのかなぁ?」

 

 ブランさんの声で亀さんが咥えた真っ白なカードが光る。

 少し戸惑ったようだけど、もう2人は完全に戦うつもりみたい。

 

『デュエルエリアフォース!』

 

 2人の叫びと共に、あの不思議な空間が開かれたのだった――

 

 

 

                    ☆ ☆ ☆

 

 

 

 霜ちゃんとドラゴンさんのデュエル。

 先攻のドラゴンさんは、序盤から《海底鬼面城》って城のカードを要塞化して、手札を増やしてる。霜ちゃんの手札もそれで増えていた。その後は《連唱ハルカス・ドロー》で手札を相変わらず引いている。何を狙っているんだろう。

 

「ボクのターン。2マナで《一撃奪取(スタートダッシュ) マイパッド》を召喚し、手札とシールドを交換だ。ターンエンド」

 

 

ターン3

 

武者・ドラゴン

場:なし

盾:5、《海底鬼面城》

マナ:2

手札:4

墓地:1

山札:27

 

 

場:《マイパッド》

盾:5

マナ:2

手札:5

墓地:0

山札:27

 

 

 

「オオオオオオオオン!!」

 

 吠えるドラゴンさん。それと同時に、要塞化された《鬼面城》が蠢きだす。

 

「ドローするよ」

「オオオオオオン!!」

 

 《鬼面城》の効果で、互いにドローしたみたい。

 そして、今度はドラゴンさんが吠えると3枚のマナをタップされるとともに、墓地から《ハルカス・ドロー》が唱えられた。カードを1枚引いたみたいだけど……えっ? これって墓地から呪文を唱えたってこと?

 

「《ハルカス・ドロー》のリサイクル、か。コストを3支払うことで墓地から唱えることができる……確実に、あのデッキで間違いねぇな」

 

 肩を抑えながら、お兄さんが言った。リ、リサイクルっていうんだ、あの能力。

 

「まあ、墓地から唱えたら山札の下に行くんだけどな」

「そ、そんな効果を持つ呪文が……」

「他にドローソースを引いてなかったんだろうが……長引くとヤバいぞ、コレは」

 

 ヤバい、ってどういうことなんだろう。

 霜ちゃんには早く決着をつけてほしいよ。

 

「ボクは3マナで、《アクア・スーパーエメラル》を召喚だ。効果で、シールドと手札のカードを入れ替えるよ」

「オオオオオオオオオン!!」

 

 ドラゴンさんの咆哮が響くとともに、4枚のマナがタップされた。

 そして、その手札から1枚のカードが飛んでくる。  

 炎に包まれて燃える、鎧のようなカードだった。

 

「《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》……今度はクロスギア、か!」

「どんな効果なんですか?」

「誰にもクロスされていない時、場のドラゴン、サムライのコストをそれぞれマイナス1する」

 

 サムライって、種族なのかな? そういえば、あのドラゴンさんも時代劇に出て来そうな鎧武者の恰好だし、サムライなのかな。

 

「もっとも、肝心のボルメテウス・武者・ドラゴンはサムライじゃねぇんだけどな」

「え?」

 

 そうなんだ。サムライの種族がついていてもおかしくないのに。

 

「ボクのターン。それじゃあ、3マナをタップして、《ネクスト・チャージャー》を唱える。その効果で手札を全て山札に戻し、その数だけドローだ。そして、2マナで《ブレイン・ストーム》。カードを3枚引いた後、手札を2枚、好きな順で山札の一番上に置くよ。ターンエンドだ」

 

 霜ちゃんはそう言って、シールドを入れ替えた。

 S・トリガーを仕込んだのかな。

 

「オオオオオオオオオン!!」

 

 さて、《鬼面城》の効果で互いに1枚ドロー。吠える武者・ドラゴン。

 今度は5枚のマナがタップされた。

 同時に、空へローマ数字のⅧ番――確か、テレビで言ってたけど「戦車」を意味するタロット数字だよ。

 

 

 

「オオオオオオオオオオオン!!」

 

 

 

 灼炎の合戦場に鎧武者を纏った龍が現れる。

 

「……おでましか……《ボルメテウス・武者・ドラゴン》」

「”戦車”の意味は、援軍・摂理・勝利・復讐……デシタね。援軍……デスカ」

「ああ、間違いねぇ。決めに来るぞ」

 

 戦場に自ら現れた鎧武者のドラゴン。

 ボロボロの兜に、翼からつりさげられた刀。

 心なしか、その雰囲気はわたしのドギラゴンに似ている気がする。

 

「オオオオオン!!」

 

 だけど、それだけで終わりじゃなかった。

 今度は、ドラゴンさんの手札から3枚のカードが飛び出す。

 いずれも、ドラゴンになって場に出てくる。

 ほ、本当に援軍が出て来ちゃった。

 え? なんで? もう、マナは無いはずなのに、どうやって出したの?

 

「《バルケリオス・武者・ドラゴン》、《バルケリオス・ドラゴン》、そして《バルケリオス・G・カイザー》の(グラビティ)・ゼロか。厄介なことになったぜ」

「そ、その効果って……?」

 

 苦々しい表情を浮かべたお兄さんは説明を続けた。

 

「《バルケリオス・武者・ドラゴン》は自分の場に《ボルメテウス・武者・ドラゴン》が居る時、タダで出せる。そして、《バルケリオス・ドラゴン》は自分の場に火のドラゴンが2体以上いるとき、タダで出せる。そして、《バルケリオス・G・カイザー》は場に火のドラゴンが3体以上でタダで出せるんだ」

「で、でも、ブロッカーが居るし、召喚酔いもあるよ」

「いーや、ダメだ。下手したらこのターンで、あいつは負ける」

 

 そう言った矢先、燃え上る鎧が《ボルメテウス・武者・ドラゴン》に纏われていく。

 深紅の巨大な刀がついた兜。それを纏ったドラゴンさんが宙に向かって吠えた。

 これって、クロスしたってこと? でも、クロスギアってクロスするときにもコストを支払わなきゃいけないんだよね?

 

「……《ザンゲキ・マッハアーマー》は、自分の《ボルメテウス・武者・ドラゴン》にタダでクロスできる。そして、こいつがクロスされてる時、場のドラゴンとサムライのパワーは+2000されて、スピードアタッカーを得る」

「そ、そんな……!」

「はっきり言って、《ボルメテウス・武者・ドラゴン》は単体じゃ弱いカードだ。だけど、やつは多くのサポートを持つ。そして、それが組み合わさった時、爆発力が生まれる。それが、この武者ワンショットってデッキだ」

 

 で、でも、霜ちゃんの場にはブロッカーがいるし、このターンじゃまだ負けないはずだよ。

 

「オオオオオオオオン!!」

 

 次の瞬間、ドラゴンさんのシールドが1枚、焼け落ちた。

 あれ、このパターンって見たことがあるような……。

 

「オオオオン!!」

 

 一刀両断。《アクア・スーパーエメラル》が破壊されちゃいました。

 そうだ、思い出した。霜ちゃんが使ってた、《極武者カイザー「斬鬼」》が攻撃したときに似てる。

 

「攻撃時に、シールドを犠牲にしてパワー6000以下のクリーチャーを破壊する効果……やはり、弱いようで強いね、いざ食らってみると」

「オオオオオオオオン!!」

 

 飛び掛かる3体のドラゴン。

 だめだ。このままじゃ、霜ちゃんのシールドが全部割られて、ダイレクトアタックを決められちゃうよ。

 シールドは次々に砕け散っていく。あと、1枚だけ――

 

「っ……!」

 

 それも割られて、破片になって霜ちゃんに降りかかる。

 だけど、途中で光に変わった。

 

「S・トリガー、《無法のレイジクリスタル》。《バルケリオス・G・カイザー》をバウンスし、《武者・ドラゴン》を破壊する」

「グルルルルルル……!!」

 

 よ、良かった。さっき《スーパーエメラル》で置き換えたシールドだよ。

 霜ちゃん、ちゃんとシールドにトリガーを仕込んでいたんだ。

 

「やっぱり、ワンショットを狙うなら《スーパーエメラル》を破壊してくるって思ってたよ。そして、そのためにシールドを焼いてくれたのも好都合だ」

 

 カードを引いた霜ちゃんは不敵な笑みを浮かべた。

 大丈夫なのかな。場にいるのは、《マイパッド》だけなのに。

 

「《マイパッド》でコストを1軽減して、6マナをタップ」

 

 迸る灼炎と、湧き上がる激流。そこから、あらゆる呪文のルールを破る無法者が現れる。

 浮かび上がるのはローマ数字のⅠ番。意味するのは――「魔術師」。

 

 

 

「さあ頼むよ。《紺碧術者(メイジオブコバルト) フューチャー》!」

 

 

 

 霜ちゃんが呼び出したのは、狐の面をかぶり、右腕が巨大なマシンガン砲となった無法者だった。

 狐の面というと、呪術的なイメージを受けるけど、その姿はあまりにも未来的すぎてギャップがすごい。

 

「ちょっと流れは美しくなかったけど、まあこのターンで決められるか。そのデッキならシノビやゼロトリガーの心配はないだろうし。さあ、スピードアタッカーの《フューチャー》で攻撃するとき、効果発動!」

 

 次の瞬間、霜ちゃんの山札の上から1枚が墓地へ送られる。

 そして、そのカードが《フューチャー》のマシンガンに弾丸として込められた。

 

「こいつの効果は単純明快。攻撃するとき、山札の上から1枚を墓地に置き、それが呪文なら唱えることが出来る。ボクが捲ったのは――《インビンシブル・フォートレス》だ」

 

 次の瞬間、目もくらむような砲撃がドラゴンさんのシールドに降り注がれました。

 そして、シールドは次々に破壊されていきます。

 ブレイクじゃない、それどころか燃え尽きていってる。

 

「これで君のシールドは3枚、問答無用で墓地送りだ」

「グオオオオオオオオオン!!」

 

 怒りの咆哮を挙げるドラゴンさん。

 でも、焼かれたシールドの中身はよりによって《戦極無双》に《終末の時計 ザ・クロック》。S・トリガーが2枚も入っていた。3枚目のシールド・トリガーが入っている確率は、此処まで来ると低いかもしれない。

 

「打点が足りていれば、《ティラノ・リンク・ノヴァ》よりも安全に相手を追い詰められるというわけさ。そして、《フューチャー》で最後のシールドをブレイク」

 

 ガトリング砲が最後のシールドを撃ち抜いた。

 もう、ドラゴンさんを守るものは存在しない。普段穏やかな霜ちゃんだけど、この時はとても強張った表情をしていた。

 

「グオオオオオオオオオオン!」

「……虫唾が走るな。女の子を不意打ちで襲う卑怯者が武者・ドラゴンの皮で着飾るなよ」

 

 《マイパッド》に手を掛ける霜ちゃん。 

 これで、ダイレクトアタックの成立だよ。

 

 

「――《マイパッド》でダイレクトアタックだ」

 

 

 

                    ☆ ☆ ☆

 

 

 

 さて、こっちはみのりちゃんと悪魔さんのデュエル。

 霜ちゃんがドラゴンさんにダイレクトアタックを決める少し前のこと、両方共順調に2ターン目の動き出しに入っていた。みのりちゃんは前のターンに《エール・ライフ》を唱えてマナを増やし、一方の悪魔さんは、《ブラッドレイン》を召喚した。

 

「ウウウウ……嘗めるな、人間よ」

「理性とかほとんどないのかな。所詮はお人形ってことみたいだね。ま、いっか。そっちのターンだよ」

 

 

ターン3

 

デュランザメス

場:《一撃奪取 ブラッドレイン》

盾:5

マナ:2

手札:3

墓地:0

山札:29

 

 

実子

場:なし

盾:5

マナ:3

手札:4

墓地:1

山札:26

 

 

 吼えた悪魔さん。3枚のマナがタップされて、空中にローマ数字の13番が浮かび上がります。

 

「オオオオオアァァァ!! 《不吉の悪魔龍 テンザン》、召喚ッッッ!!」

 

 現れたのは骨ばった体に、鎌で出来た羽をはやしたドラゴン。

 不気味な叫び声がこちらにも聞こえてきました。

 まるで、肝の底を抉るような、悍ましさ。みのりちゃんは怖くないのかなあ。

 

「13……死神、かな。なかなか縁起が悪いなぁ」

 

 平然とした様子で、そう言ったみのりちゃん。どうやらその心配はないみたい。

 だけど、死神という言葉は目の前に現れたドラゴンにはとてもぴったりな言葉だった。

 

「でも、《テンザン》は4コストでパワー13000のT・ブレイカー。ただし、攻撃するとき山札の上から13枚を墓地に置かなきゃいけない。2回殴ったら、そっちが山札切れで負けちゃうよー?」

「黙れ、人間……!! ターンエンド……!!」

「あ、そういう釣れない事言っちゃう?」

 

 カードを引いたみのりちゃんは、3枚のマナをタップ。

 

「3マナをタップ。《地掘類蛇蝎目 ディグルピオン》を召喚。その効果で、場にドラゴンがいないからこの子をマナに置くよ。ターンエンド」

 

 

 

4ターン目

 

デュランザメス

場:《一撃奪取 ブラッドレイン》、《不吉の悪魔龍 テンザン》

盾:5

マナ:3

手札:2

墓地:0

山札:28

 

 

実子

場:なし

盾:5

マナ:5

手札:3

墓地:2

山札:25

 

 

 

「ウオオオオアア、4マナで《邪魂創世》を唱える!! 効果で、《ブラッドレイン》を破壊し、3枚ドロー!!」

 

 え、自分のクリーチャーを破壊しちゃったよ。でも、ユーちゃんもよくやってるし、そんなに驚くことじゃないか。

 でもそれだけでカードを3枚も引けるんだ。

 

「そしてェ、《テンザン》で攻撃――するとき、侵略発動!!」

「……侵略?」

「自分の闇のコマンドが攻撃するとき、《テンザン》を《復讐 ブラックサイコ》に進化!!」

 

 突貫する《テンザン》が黒い靄に包まれる。

 そして、そこから飛び出してきたのは全身を黒い鎧に包み、大剣を握った騎士のようなクリーチャーだった。

 

「その効果で、相手の手札を2枚見ずに選び、墓地へ捨てさせる!!」

「!」

 

 スパン、という音と共にみのりちゃんの手札から2枚が墓地へ落とされた。

 

「よりによって、《ブルトラプス》と《メガ・カラクリ》……次のターンに置くつもりだった単色マナが」

「そして、《テンザン》のアタックトリガーで、山札の上から13枚を墓地へ!」

 

 凄い勢いで悪魔さんの墓地が増えていくよ。

 それこそ、本当に山札が無くなっちゃいそうなくらい。

 そして、大剣がみのりちゃんのシールドを薙ぎ払いました。

 

「シールドを、W・ブレイク!!」

「っ……トリガーは無いよ」

「ウオアアアアア!!」

 

 忌々しそうに盤面を睨むみのりちゃん。

 やっぱりさっきのハンデスが効いてるのかな。このデッキの強さを身をもって知ってるわたしとしては、みのりちゃんがそう簡単に負ける訳ないってわかってるけど、心配だよ。

 

「私のターン、ドロー……《ブリキン将軍》をマナに置いて、ターンエンド」

 

 何も、できなかった。多色カードはマナに置く時、タップしておかなきゃいけない。

 さっきのハンデスで必要なカードが墓地に行っちゃったんだ。

 

 

4ターン目

 

デュランザメス

場:《復讐 ブラックサイコ》

盾:5

マナ:4

手札:3

墓地:15

山札:11

 

 

実子

場:なし

盾:3

マナ:6

手札:3

墓地:4

山札:24

 

 

 

「ウオオオオオオオアア!! さあ、懺悔の準備は出来たか?」

「全然? だって、懺悔するのはそっちでしょ?」

「言ったな、小娘!! 震え上がるが良い!! 1マナで《天斬の悪魔龍 ジュランデス》、3マナで《殺意の悪魔龍 マガンド》を召喚!!」

 

 現れたのは、巨大なトラさんのようなドラゴンと、巨大な一つ目のドラゴンだった。

 そして、さらに悪魔さんの手札からクリーチャーが現れようとしていた。

 

「そして、場にデーモン・コマンドが3体以上いるため、我の(グラビティ)・ゼロが発動!」

 

 ま、またグラビティ・ゼロだよ。

 さっきも霜ちゃんとドラゴンさんのデュエルで見たばっかりだったのに!

 

 

 

「《漆黒戦鬼 デュランザメス》、召喚!!」

 

 

 

 浮かび上がるのはローマ数字の15番。

 そして、そこから悪魔の邪気を糧に漆黒の身体に身を包んだ魔王が姿を現す。

 

「その効果で、我が墓地からクリーチャーを全て、手札に加える!! さらに、G・ゼロで第二、第三、第四の《デュランザメス》もバトルゾーンに!!」

「……これは面倒なことになったなぁ」

 

 そ、そんな!

 場にはT・ブレイカーでパワー12000の《デュランザメス》が4体もいるよ!

 こんなの放っておいたら、ゲームに負けちゃう……!

 

「そして、《復讐ブラックサイコ》で攻撃するとき、さっき墓地から回収した《超復讐 ギャロウィン》に進化させる!! こいつ、または自分の他のクリーチャーが破壊されたとき、相手のクリーチャーを1体破壊し、墓地から《超復讐 ギャロウィン》ではないクリーチャーを回収できる! シールドをW・ブレイクだ!!」

 

 これで、みのりちゃんのシールドは残り1枚。

 下手に除去しようとすれば、こっちが追い詰められちゃう……息苦しさを感じるよ。

 それどころか、場にはデーモン・コマンドが何体もいるのに……!

 

「……このターンで決めようと思えば決められる。けど――なんか怪しいな」

 

 訝し気に言うみのりちゃん。

 だけど、にっと笑ってみせる。

 

「6マナで《メガ・カラクリ・ドラゴン》を召喚」

 

 飛び出したのはおもちゃのようなクリーチャー。

 6コストでスピードアタッカーの、コマンド・ドラゴンで革命軍……そっか! みのりちゃんの、いつもの”アレ”が来る!

 

「《メガ・カラクリ・ドラゴン》で攻撃するとき、侵略発動!!」

 

 浮かび上がるのは18番。

 タロットカードで言えば、月を意味する数字。確か意味って、不安定、欺瞞、潜在する危機。

 ブリキの鎧の中から侵食するようにして紫色のオーラが包み込んだ。

 みしみしと音を鳴り立てて、はじけ飛び、中からゲゲゲッ、と不気味な笑い声が響く。

 

 

 

「――《裏革命目 ギョギョラス》!」

 

 

 

 そうか、だから月。

 羽毛を広げて現れたのは裏切りを司る侵略者、《ギョギョラス》。みのりちゃんの切札だ。

 

『ギョギョギョギョギョ、ギョッ……!!』

「へーえ。やっぱり、あなたとは切っても切れない縁があるのかなあ」

 

 微笑んだみのりちゃんは、手を突き出し、《ギョギョラス》に呼びかけるかのように叫ぶ。

 

「そして、コスト5以上の火か自然のコマンド・ドラゴンが攻撃したとき、革命チェンジ発動!」

 

 そこからさらに、入れ替わるようにして鎧に身を包んだ黄金のドラゴンが飛び出した。

 月が反転するかのように、19番の文字が浮かび上がった。

 あれは、太陽。黄金に輝く太陽だよ。

 

 

 

「――《龍の極限(ファイナル) ドギラゴールデン》!」

 

 

 来た。みのりちゃんの必殺コンボだ。 

 革命チェンジと侵略の組み合わせだよ。

 

「さあ、まずは《ギョギョラス》の効果発動! 相手のこのクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の進化ではないクリーチャーを1体、持ち主のマナゾーンに置く。《デュランザメス》をマナゾーンに!」

「ちぃっ!! おのれ! それで何になるというのだ!!」

「その後、そのクリーチャーのコスト以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい――《デュランザメス》のコストは12。それ以下のコストを持つクリーチャーを場に出す。さあ、マナから《リュウセイ・ジ・アース》をバトルゾーンに出すよ!」

 

 大地に引きずり込まれるようにして消滅する《デュランザメス》。

 だけど、これだけじゃ終わらない。

 

「次に、《ドギラゴールデン》の効果発動! 《ギャロウィン》をマナ送りに!」

「チィッ……猪口才な……!!」

「それだけじゃないよ。《ドギラゴールデン》の極限(ファイナル)ファイナル革命で、次のターン、相手のパワー1000000以下のクリーチャーは、自分を攻撃できない」

 

 障壁がみのりちゃんを守るように展開される。《ドギラゴールデン》がマントを翻し、みのりちゃんを、そしてわたし達を守ってくれている。

 そして、どこか不穏な《ギョギョラス》の鳴き声がみのりちゃんの手札から場に響き渡った。

 やったよ。みのりちゃんの得意なパターンだ。

 お兄さんとブランさんも、感嘆した様子で言った。

 

「すげぇな……! あの女の子、こんなコンボが使えるのか!」

「革命チェンジと侵略の、奇跡のコンボデース!」

「《リュウセイ・ジ・アース》の効果で山札の上を見て……それをマナに置く。そして、《ドギラゴールデン》でシールドをT・ブレイク!!」

 

 飛び掛かる黄金の龍団長。そのまま、悪魔さんのシールドを3枚薙ぎ払う。

 しかし。割れたシールドが光になった。

 

「ウオオオオオオオオ!! S・トリガー、《Dの牢閣 メメント守神宮》……!! その効果で、我が場のクリーチャーは全てブロッカーになる!!」

 

 次の瞬間、その場は厳めしい宮殿へと変わった。そして、障壁が悪魔さんを包み込む。

 うわぁ、そんなぁ。

 まだ場には3体の《デュランザメス》がいるのに、無茶苦茶だよ。

 

「……あっちゃぁ。メメモリで守りを固められちゃったかあ。仕方ない、《ジ・アース》で攻撃するとき、革命チェンジ発動! 《刀の3号 カツえもん》! その効果で、相手のブロッカーを1体マナ送りに。2体目の《デュランザメス》をマナゾーンへ!」

「馬鹿め!! まだ2体残っておるわ!! 《デュランザメス》でブロック!!」

「ターン、エンド……かな」

 

 極限(ファイナル)ファイナル革命で、悪魔さんは次のターン、みのりちゃんに攻撃できない。

 だけど、このままじゃ、みのりちゃんが負けちゃう……! あれだけの数のブロッカー、処理できないよ!

 

「このまま次のターン、《メメント》の(デンジャラ)スイッチを発動させれば、お前のクリーチャーを止めることが出来る。しかし――貴様の望み、絶たせて貰うわ!! ウオオオオオ!!」

 

 タップされる7枚のマナ。

 みのりちゃんがさっき、マナゾーンへクリーチャーを沢山除去したから溜まってるんだ。

 

「――《D2K ジゴクシヴァク》召喚!! その効果で、場のクリーチャーを1体破壊すれば、カードを2枚引ける。《ジュランデス》を破壊し、2枚ドロー。そして、自分のクリーチャーが破壊された時、場にD2フィールドがあるので、相手クリーチャーを破壊する! 《ドギラゴールデン》を破壊! ターンエンドだ!」

「……!」

 

 これで、みのりちゃんの場にクリーチャーは再びいなくなってしまった。

 おまけに、悪魔さんの場には何体もブロッカーがいるのに……!

 

「やべぇな……あのデュランザメス、地味に面倒なカードばっか使ってきやがった」

「下手にブロッカーを突破しようとしたら、こっちのクリーチャーが《ジゴクシヴァク》の効果で返り討ちデース……」

「そんな。みのりちゃん、勝てるのかな……?」

「俺が考えてる限りでは、かなり難しいぜ。場には大量のブロッカーがいるんだからよ。それこそ、先に《ジゴクシヴァク》を除去し、突破できるだけの軍勢を展開出来れば良いが、果たしてマナと打点が足りるか? ブロッカーはまだ4体もいるんだぞ?」

 

 そんな……!

 こんなのって無いよ。あのみのりちゃんが、ここまで追い詰められてるなんて……!

 

「……成程、ね。ここまでやられちゃ、もう最終手段を使うしかないかな。6マナで、《リュウセイ・ジ・アース》召喚」

 

 現れたのは、ハムカツ団になった《リュウセイ》。

 でも、《ドギラゴン剣》を出したとしても、圧倒的な物量とブロッカーの前じゃ攻撃を通すことはできない。

 

「その効果で山札の上から1枚を見て――よし。手札に加える。そして、《リュウセイ・ジ・アース》で攻撃するとき、革命チェンジ発動!」

 

 何か確信したように、みのりちゃんが手を握った。

 

 

 

 

「目には目を歯には歯を、D2フィールドにはD2フィールドを! 

族長の魂友(ムウェン・ザング) ワチャゴナ》!」

 

 

 

 浮かび上がるのは17番、星を意味する数字。

 そこからタロットが浮かび上がり、突き破るようにして巨大な要塞のようなクリーチャーが姿を現す。

 派手な赤い羽根を全身に身に着けて、まるでインディアンのようだ。

 また新しい革命軍のクリーチャーだ。

 

「――さあ、ここからだよ! 《ワチャゴナ》は唯一D2フィールドを操ることができる、”マスター革命軍”! その効果で、マナゾーンから《Dの革命 ビッグバン・フェスライブ》をバトルゾーンに出して、張り替えだよ!」

 

 フィールドが一気にアイドルのステージに変わる。

 巨大なヘッドフォンが浮かび上がり、ダママ団の文字が浮かび上がった。

 

「効果で、私のクリーチャーのパワーは+5000される。そして、もうそっちのクリーチャーはブロッカーじゃない。だから、残りのシールドをW・ブレイク!!」

「ちいっ!! おのれぇ!!」

 

 これで悪魔さんのシールドは0。

 だけど、このままじゃみのりちゃんのターンはここで終わり。

 しかも次のターンでダイレクトアタックを決められちゃうよ。

 

「みのりちゃんっ……!」

「大丈夫、小鈴ちゃん。そんなに心配そうな顔をしなくても――私は小鈴ちゃんの親友。そう簡単に、小鈴ちゃんの期待は裏切ったりしない。世界全てが小鈴ちゃんを裏切っても、もう私は小鈴ちゃんを裏切らない!」

 

 吼える悪魔さん。

 しかし、それを前にしてもみのりちゃんは不敵な笑みを浮かべていた。

 

「これで私のターンは終了。だけど――貴方のターンの始めに、《ビッグバン・フェスライブ》の(デンジャラ)スイッチを発動!」

 

 みのりちゃんの手元に大きなボタン状のスイッチが現れる。

 それをみのりちゃんは躊躇することなく、裏拳で叩きつけるようにして押した。

 次の瞬間、会場にあったヘッドフォンがくるり、と一回転しさかさまになる。

 

「さあ! これで、貴方のクリーチャーは皆、クリーチャーに可能であれば攻撃しなければならない! そっちの切札、パワーが自慢みたいだけど……果たして、このD2フィールドで強化されて、パワーが17500の《ワチャゴナ》に勝てるかな?」

「馬鹿な!! 最後の最後まで足掻くのか!! それならば、除去するまでよ!!」

 

 みのりちゃんの身体が強張る。まずいよ。《ワチャゴナ》が破壊されたら、大量の悪魔がみのりちゃんに雪崩れ込んでくる。あの物量を止めるのは難しい。

 容赦なく、悪魔さんのマナが6枚、タップされた。

 

「呪文、《デーモン・ハンド》! これで《ワチャゴナ》を破壊する!」

 

 もうだめだ。あれは、有名すぎる呪文。

 あらゆるクリーチャーの命を奪ってきた悪魔の手が《ワチャゴナ》を狙い、破壊する――はずだった。

 

「な!? どうした!?」

 

 破壊、されない。

 悪魔の手は、出てきたのは良いものの、対象を探すかのようにうろうろと動き回っている。

 

「なぜ、破壊できない!?」

「”選べないから”だよ。《ビッグバン・フェスライブ》の効果で、私のクリーチャーは呪文では選ばれない。さあ、思う存分、攻撃してきなよ!」

「おのれ、それならD2フィールドをせめて張り替えるまで……残りの2マナで《オーバーキル・グレイブヤード》を展開し、《ビッグバン・フェスライブ》と張り替える――! これで我が軍勢は皆スレイヤー化! 討ち取ってくれる!」

 

 浮かび上がるD2フィールド。

 だけど、何も起こらない。《ワチャゴナ》の展開した結界に守られて、他のフィールドが展開されるのを防いでるみたいだ。

 

「――あれ? 知らないの? 《ワチャゴナ》が居る限り、D2フィールドを相手は展開できない」

「なっ……!!」

「とゆーことで、もうそっちは成す術ないよね」

 

 《ビッグバン・フェスライブ》の効果で、悪魔さんのクリーチャーは可能であればクリーチャーに攻撃しなければいけない。

 ウオオオオオ、とライブの熱気に焚きつけられたクリーチャーたちが《ワチャゴナ》に飛び掛かる。

 

 

 

「悪いけど、親友(小鈴ちゃん)には指一本触れさせないから」

 

 

 

 しかし、多勢で押し潰そうとしたのも虚しく、全員薙ぎ払われてしまいました。

 これで、悪魔さんのクリーチャーは全滅です。

 

「ウ、ウ、ウオオオオオオオオオオオ!!」

「私のターン。シノビを使われたら嫌だし、一応出しておこうかな。6マナで《リュウセイ・ジ・アース》召喚!」

 

 しかし、悪魔さんを守るものはもうありません。

 みのりちゃんの指示に従うかのように、《ワチャゴナ》の砲門が全て開かれました。

 

 

 

「《族長の魂友(ムウェン・ザング) ワチャゴナ》でダイレクトアタック!」

 

 

 

                    ☆ ☆ ☆

 

 

 

 空間が解けると共に、クリーチャー達はカードの姿になってぽとり、と落ちました。

 何とか襲い掛かってきたのは倒せたみたいだよ。

 しかも、今の2体もワイルドカードだったんだ。

 

「……本ッ当にすまねぇ!」

 

 頭を下げて謝るお兄さん。

 

「俺達の不敵際だ。この世界に、ワイルドカードを逃がすことになっちまうなんて……!」

「で、でも、相手は時を越えられるクリーチャーだし、いずれはこうなってたんじゃないのかな、って」

「それでもお前らに迷惑をかけることになったのは悪い。どうにかして、この事件を解決しねぇと……!」

 

 フラフラの状態で起き上がろうとするお兄さん。

 そこに、霜ちゃんとみのりちゃんが駆け寄った。

 

「それなら、猶更ボクたちに任せて下さい。ボクたちにだって、守りたいものがある」

「今回の件、やっぱり私たちが双方で協力しないと、無理なんじゃないかな? って思ってね」

 

 わ、わたしだってそんな助けられてばかりは嫌だよ。

 2人も協力してくれるみたいだし、わたしだって戦えるんだから。

 そりゃ、さっきはとても怖かった。ワイルドカードは半ば心がない分、容赦が無い。

 それでも、戦わなきゃ守りたいものは守れない。

 

「わたしも――やります!」

「……はぁ、分かったよ。仕方ねぇ。お前らなら信用できそうだし、さっきのデュエルを見る限り強そうだ」

「コスズも強いデス! アカル、彼女達なら心配いりまセン!」

 

 上から目線な言い方は、何となく建前っぽかった。

 そうか。任せてくれるんだ。とにかく早く、大事になる前にこの人達を元いた世界に戻さないと。

 いや、もう大事になってる気がするけど。

 

 

 

「……俺は白銀耀だ。よろしくな」

「わたしは伊勢小鈴です。よろしくお願いします」

 

 

 

 ――こうして、わたし達はこの時間と空間を捻じ曲げたクリーチャーを共に追うことになった。

 はっきり言って、まだとても怖いけど、逃げてはいけない気がするよ。

 そういえば、恋ちゃんとユーちゃんはどうなったんだろう……?

 

 

 

                    ☆ ☆ ☆

 

 

 

「……ナンダ? ミョウナ気配ヲ感ジタノダガ……」

 

 裏路地に迷い込んだのは、翼を生やした獣――クリーチャーであった。

 何か強い魔力を感知し、それに誘われるかのように歩いていく。

 

 

 

 

「……Sorry」

 

 

 

 

 声が一瞬、聞こえた。

 次の瞬間、何かが獣の胴を貫く。

 苦痛と息苦しさで顔を正面に向けると、そこには少女の姿があった。

 

 

 

 

「――Meのトモダチの、力になってもらう」

「オ、オマエハ……!!」

 

 

 

 音を立てる間もなく、クリーチャーの命をそれは奪い取る。

 そして、少女は虚ろな目で彷徨い続ける。

 自らの唯一の友人の為に――道無き道を彷徨い続ける。




最後に出てきた人物は一体──?
というわけで不穏さを匂わせつつな第2話でした。個人的には実子のキャラが一番難儀していた気がします。ただ、D2フィールドは普段あまり使わないので書いてて楽しかったですね。革命チェンジや侵略も最近出せてないな……そういえば。
霜君に関しても彼独特の色んな描写もしたかったなあ、と。どうしても自分が書くと皆熱くなっちゃうんだよなあ。
というわけで、次回もお楽しみに。感想誤字報告等ありましたらどうぞ。ではでは。
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