東方影対録 ~Memory of the Opposite Story 作:zakky
-輝針城下の森-
葉が赤く燃え
木々が紅葉しているかの様な光景が
着地点に広がっていた
勝てっこない
夢想転生も攻略された
ダメージは通るが残機を削るのに一体何度やられるのか
[うつつ]
「あ、いたいた」
生い茂る森がうつつ1人通るだけで
その熱気に当てられ焼け落ちてゆく
[うつつ]
「ルナクがいなかったらとっくに消耗仕切って死んでるよ
あとでお礼言わなきゃ」
スペル
「回復魔法」
せっかくのダメージが消えてゆく
[うつつ]
「便利だよねー回復魔法って
こんな早く治っちゃうんだもん」
[霊夢]
「いや...来ないで...」
小石を投げつけると
腐ったトマトのように
うつつに張り付くと溶けながら落ちてゆく
[うつつ]
「そろそろかな?」
うつつが空を見上げた
しばらくすると
広範囲に渡ってはられていた結界が解除され
空に巨大なエネルギーの塊が現れた
[霊夢]
(あれは...あの時の...巻き戻すやつ...)
[うつつ]
「始まる見たいだね
ルナクは今度こそ成功させるって言ってたよ
何が起こるか知らないけど
従者なら主を全力でサポートしなきゃ
これが私ができる恩返しだからね」
[霊夢]
「あれは時間を巻き戻して無かったことにする技よ
どこまで戻るかは知らないけど
少なくとも今の私達は消えてしまう」
スペル
霊符「夢想封印」
スペルを構えると同時に
両手を捕まれ
地面に組み敷かれた
[霊夢]
「あああああああああ!!!!!!!!!!」
[うつつ]
「熱いけど我慢ね?
すぐ痛くなくなるよ
だって消えるんでしょ
このキズも無かった事になる
だから我慢ね?」
[霊夢]
「あんたは...正気なの!?」
[うつつ]
「ええ、正気よ
感情に慣れてないだけ
能力のおかげで使いこなせているけど
楽しいという思いに負けて色んな事を投げ捨ててるだけ
つまりは感情に左右されているって事
今までは哀れに思っていたけど
案外やるのは楽しいわ」
-輝針城/上空-
[ルナク]
「数十年間表に出なかったうつつの本性...か
凄く子供っぽい仕草だな
まあお空の性格と方向性は同じだから違和感は...
いや、違和感しかないな...
まあいい
今度こそ、今度こそ無かったことに
完全に消されるリスクが無いように
ここだけは...幻想郷だけは...」
時空の隔たりを割り
平行世界に足を伸ばしたエネルギーの塊に手をかざした
[ルナク]
「頼むぞ...」
この時以降の未来は切断、焼却され
無限に分岐した世界達は
火のついた線香のように原初に向かって巻き戻ってゆく
分岐は収束し数を減らしてゆく
巻き戻し終えた世界は再び終焉へと分岐し
時間は再び動き出した